2019年8月20日に宮城県仙台市の広瀬川河川敷・宮沢橋下特設会場で開催された「第30回広瀬川灯ろう流し ~光と水とコンサートの夕べ~」を紹介します。江戸時代の飢饉で亡くなった人々の慰霊を起源とする伝統行事で、川面を流れる灯ろうや音楽演奏に加え、夜にはスターマインや小型煙火を中心とした花火大会も行われました。灯ろうの柔らかな光と仙台の夜景、間近に打ち上がる花火の様子を写真と4K動画でご覧ください。
広瀬川灯ろう流しの概要
宮城県仙台市で行われる広瀬川灯ろう流しは、江戸時代の宝暦・天明・天保の時代に発生した大飢饉で亡くなった人々を供養することに由来する伝統行事です。当時は度重なる冷害や大凶作によって深刻な食糧不足が発生し、仙台藩を含む東北各地で数十万人もの人々が命を落としたと伝えられています。
食糧を求めて仙台藩の内外から広瀬川周辺に集まる人々も多く、仙台藩では広瀬橋付近に救助小屋を設け、粥を振る舞うなどの救済措置を講じました。しかし、それでも飢えや衰弱によって亡くなる人が後を絶たず、悲惨な状況が続いたといわれています。
こうした人々を供養するため、仙台藩第7代藩主・伊達重村公の正室である観心院が広瀬橋のたもとに桃源院を開基し、川施餓鬼供養を行ったことが広瀬川灯ろう流しの起源と伝えられています。
その後も故人を偲ぶ行事として受け継がれ、昭和に入ると灯ろう流しとともに花火大会も開催されるようになり、仙台の夏の風物詩として親しまれてきました。しかし、1978年(昭和53年)に一時中断を余儀なくされます。
中断した伝統行事の復活を願う市民有志の活動によって、1990年(平成2年)に「広瀬川灯ろう流し ~光と水とコンサートの夕べ~」として再開されました。以降は長町・河原町の商店街や地域住民などが中心となり、旧暦の仙台の送り盆にあわせて毎年8月20日に開催されています。
2019年は復活から30年目となる第30回の記念開催で、故人への供養や家内安全などの願いを込めた灯ろう流しをはじめ、地元高校生による吹奏楽演奏やゲストアーティストのコンサート、花火大会などが行われました。
プログラム
開場・開会宣言 15:00
縁日広場 15:00~20:45
灯ろう流し 16:00~20:30
流灯式・読経 17:00~17:15
開会セレモニー 17:30~18:00
光と水とコンサートの夕べ 第1部 18:00~19:10
光と水とコンサートの夕べ 第2部 19:20~20:20
シンセサイザー 齋藤めぐむ氏
花火 20:00~20:30
終了 21:00
灯ろう流しで使用する灯ろうには通常用と新盆用の2種類があり、宮沢橋下の受付会場で引換券を購入し、供養や祈願の言葉を記入した用紙とともに広瀬川へ流します。
2019年当時の灯ろう料金は、通常用が前売り1,800円・当日2,000円、新盆用が前売り2,700円・当日3,000円でした。前売り券は実行委員会のほか、河原町商店街や長町商店街にある「灯ろう引換券販売所」の表示がある店舗などで購入でき、引換券と一緒に供養・祈願用紙が渡されます。
参加者は故人への思いや家内安全などの願いを用紙に記入し、開催当日に引換券とともに会場へ持参して灯ろうと交換します。夕暮れから夜にかけて、温かな光を放つ灯ろうが広瀬川の川面をゆっくりと流れていく光景は、幻想的でありながら、亡くなった人々への祈りが込められた厳かな雰囲気に包まれます。
光と水とコンサートの夕べ
広瀬川河川敷の特設ステージで行われる「光と水とコンサートの夕べ」では、地元高校の吹奏楽部やゲストアーティストなどが出演し、第1部と第2部に分かれて音楽演奏が披露されました。灯ろう流しとともに音楽を楽しめるのも、このイベントならではの魅力です。
2019年の会場には、秋田県湯沢市で毎年8月5日から7日まで開催される「七夕絵どうろうまつり」の絵どうろうも展示され、広瀬川の灯ろうとは異なる華やかな灯りを楽しむことができました。
七夕絵どうろうまつりは、元禄15年(1702年)に秋田藩佐竹南家第7代の佐竹義安公へ京都の公卿・鷹司家から輿入れした姫君が、故郷への思いを五色の短冊に託して青竹に飾ったことが始まりと伝えられています。その後、美人画などを描いた絵どうろうが飾られるようになり、現在では湯沢三大まつりの一つとして親しまれている伝統行事です。
20時からは、仙台の夏の終わりを彩る花火大会が約30分間にわたって開催され、スターマインや小型煙火を中心とした色鮮やかな花火が広瀬川の夜空に打ち上げられました。
大規模な花火大会とは異なり、広瀬川灯ろう流しの花火大会は打ち上げ場所と観覧場所の距離が近いことが大きな魅力です。花火が開花する瞬間の美しさはもちろん、打ち上げ時の発射音や破裂音にも迫力があり、間近で観覧することで高い臨場感を味わえます。
また、仙台の街並みや夜景を背景に花火が打ち上がるため、観覧する場所によって見え方や印象が大きく変わります。川面を流れる灯ろうの光と花火が織りなす景色も、この会場ならではの見どころです。
なお、花火の打ち上げ中は堤防上で立ち止まっての観覧が禁止され、河川敷へ降りる階段も一方通行となりました。会場内のさまざまな場所から花火を観覧できますが、安全確保のため、警察官や警備員の指示に従って所定の場所で観覧する必要があります。
広瀬川灯ろう流しの動画
[4K]仙台・広瀬川灯ろう流し 2019 花火大会 Hirose River Lantern floating&Fireworks Festival | Miyagi Japan[Vlog]
2019年8月20日に開催された広瀬川灯ろう流しの花火大会を、4K映像で撮影しました。灯ろう流しや会場の様子に加え、仙台の夜景を背景に打ち上がる美しい花火を収録しています。
撮影は会場内のさまざまな場所へ移動しながら行っているため、観覧位置によって変化する花火の見え方や迫力を比較できます。宮沢橋周辺の花火観覧場所を検討する際にも参考になる映像ですので、ぜひご覧ください。
交通アクセスや観覧情報
| 開催場所 | 東北地方|宮城県仙台市 広瀬川河川敷・宮沢橋下特設会場 |
| 開催日時 | 2019年8月20日 15:00~21:00(花火大会 20:00~20:30) |
| 担当煙火店 | ㈱芳賀火工 |
| 駐車場 | 無し |
| 交通アクセス | 仙台市営地下鉄南北線 河原町駅下車 徒歩5分 |
| マップコード | 21 556 472*24 |
| 関連ウェブサイト | 広瀬川灯ろう流し |
広瀬川灯ろう流しの会場は、仙台市営地下鉄南北線の河原町駅から徒歩約5分の場所にあります。会場周辺にはイベント専用の観覧者用駐車場が設けられていないため、公共交通機関を利用するのが便利です。
車で向かう場合は近隣のコインパーキングを利用することになりますが、駐車台数には限りがあります。混雑を避けるのであれば、地下鉄南北線のほかの駅周辺に駐車し、地下鉄に乗り換えて河原町駅へ向かう方法もおすすめです。
2019年に私が利用した時間帯は、交通規制が解除される前後でも地下鉄が極端に混雑している印象はなく、乗り降りも比較的スムーズでした。ただし、花火大会の終了直後は観覧客が集中する可能性があるため、帰宅時には時間に余裕を持って移動すると安心です。











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