ソニーのフルサイズミラーレス一眼カメラ「Sony α7S」は、高感度性能や高画質な動画撮影が魅力ですが、長時間撮影ではバッテリーの消耗が大きいことが悩みでした。特に花火大会のように途中で撮影を中断しにくい場面では、頻繁なバッテリー交換が大きな負担となります。
そこで、α7Sのバッテリーをモバイルバッテリーで外部給電する方法として、NP-FW50互換のUSB給電ケーブルとダミーバッテリーを導入しました。今回は、実際の接続方法や長時間撮影での使用感、突然電源が落ちる不具合などをレビューします。
初期α7シリーズの泣き所とも言えるバッテリーNP-FW50とは?
初代Sony α7シリーズやAPS-Cミラーレス一眼カメラなどに採用されているNP-FW50は、ソニーのα5000シリーズやα6000シリーズ、初代α7シリーズ、α7 IIシリーズなど、幅広い機種に対応したリチャージャブルバッテリーパックです。
軽量・コンパクトな設計が特徴ですが、バッテリー容量は公称7.7Wh(1,080mAh)、定格最小7.3Wh(1,020mAh)と比較的小さく、動画撮影では電池の消耗が気になるところです。
ソニーの公式仕様によると、α7SでNP-FW50を使用した場合の実動画撮影時間は、ファインダー使用時で約55分、液晶モニター使用時で約60分とされています。ただし、これは所定の条件で測定された目安であり、実際の使用時間は撮影環境や機材の使用状況によって異なります。
私の場合、中規模の花火大会で必要となる約60分間の撮影を、バッテリー1本で最後まで乗り切れたことは一度もありませんでした。これまでは4本のバッテリーを交換しながら撮影していましたが、夏場でも1時間の撮影で平均3本を消費し、寒い時期には4本を使い切っても花火大会の終了まで撮影できないことがありました。
α7Sは高感度撮影に強く、外部レコーダーを使用すれば4K動画の記録にも対応するカメラですが、本体のUSB端子から撮影中に給電することはできません。バッテリーグリップや外部モニターなども試してみたものの、電源の問題を十分に解決することはできませんでした。
花火の迫力や臨場感を高画質な映像に残すためには、撮影の途中で電源が切れない環境を整えることが重要です。そこで思いついたのが、バッテリーの代わりに外部電源から直接カメラへ給電する方法でした。
今回購入したのは、AC-PW20 フルデコードDCカプラ NP-FW50互換バッテリーUSBケーブルという商品で、USB接続したモバイルバッテリーからカメラ本体へ給電できる製品です。
ソニー純正のAC-PW20は家庭用コンセントから給電するACアダプターですが、今回購入した商品は、その代替として使用することを想定した他社製のUSB給電タイプです。
付属する説明書には不自然な日本語が多く見られ、海外製の製品と思われます。ソニー純正品ではないため、動作や安全性がメーカーによって保証されているわけではありませんが、長時間撮影の電源問題を解決したかったこともあり、慎重に試してみることにしました。
商品はUSB給電ケーブルとNP-FW50互換のダミーバッテリーがセットになっており、モバイルバッテリーは別売りです。購入当時の価格は送料別で2,799円と、ソニー純正バッテリーNP-FW50の半額以下で入手できました。
AC-PW20の使用方法
まず、ケーブルが接続されたNP-FW50互換のダミーバッテリーを、α7S本体のバッテリー収納部に差し込みます。取り付け方法は純正バッテリーと同じなので、カメラ本体を改造したり、特別な加工を施したりする必要はありません。
次に、バッテリー収納部のカバーにあるケーブル取り出し口を開き、ケーブルを外側へ逃がしてからカバーを閉じます。基本的には無加工で取り付けられますが、今回購入した製品はケーブルがやや太いため、カバーを閉じにくい点が気になりました。
ケーブルを無理に挟み込むと断線や接触不良の原因になる可能性があるため、取り回しには注意が必要です。
ダミーバッテリーのUSBケーブルをモバイルバッテリーに接続したら、モバイルバッテリーからの給電を開始し、その後にカメラ本体の電源を入れます。電源を切る際は、先にカメラ本体をオフにしてからモバイルバッテリーを取り外すようにしています。
実際に容量10,000mAhのモバイルバッテリーを使用し、掲載写真を撮影した際に約1時間の動作テストを行ったところ、途中で電源が落ちることなく使用できました。その後の花火大会でも、約1時間半にわたってバッテリー交換をせずに動画撮影を続けることができ、従来のNP-FW50による撮影と比べて電源管理が大幅に楽になりました。
ただし、モバイルバッテリーの容量や出力性能、使用環境によって動作時間は変わるため、同じ容量の製品で必ず同等の撮影時間を確保できるわけではありません。
なお、α7S本体への動画の連続記録には約29分という仕様上の制限があります。今回の外部給電によって改善できるのは電源の持続時間であり、本体内の連続録画時間の制限が解除されるわけではありません。4K映像を記録する場合も、別途4K対応の外部レコーダーが必要です。
導入時の注意点
NP-FW50互換USB給電ケーブルを導入したことで、α7Sによる花火大会の長時間撮影が格段に便利になりましたが、まったく問題がないわけではありません。頻繁に発生するものではないものの、使用中に突然カメラの電源が落ちる不具合を経験しています。
特に気になったのが、オートフォーカスを使用してピントが合った瞬間に電源が落ちる現象です。また、ダミーバッテリーとカメラ本体の接点が不安定になり、接触不良と思われる症状が発生したこともありました。
ただし、これらの原因を詳しく調査できたわけではないため、USB給電ケーブルの出力不足や電源の不安定さ、接点の問題など、どの要因によって発生したものかは断定できません。
普段の花火撮影ではマニュアルフォーカスを使用しているため、オートフォーカス作動時のシャットダウンに遭遇する機会は少なく、長時間の撮影でもおおむね問題なく使用できています。しかし、突然の電源断によって大切な撮影機会を逃す可能性があるため、重要な撮影では事前に十分な動作確認を行う必要があります。
また、互換DCカプラーはソニー純正品ではないため、カメラ本体の動作や安全性が保証されているわけではなく、万が一故障した場合には保証修理の対象外となる可能性もあります。使用するモバイルバッテリーの出力性能やケーブルの状態にも注意し、不安定な動作が見られた場合には使用を中止した方がよいでしょう。
α7Sのバッテリー消耗に悩んでいる方にとって、モバイルバッテリーによる外部給電は長時間撮影の負担を軽減できる方法ですが、電源の安定性という点では課題も残ります。今回のNP-FW50互換USB給電ケーブルは、実際に撮影時間を延ばすことができた一方で、突然電源が落ちる不具合も確認しているため、導入する際にはこうした点を理解したうえで慎重に使用することをおすすめします。
AC-PW20 フルデコ—ドDCカプラnp-fw50互換バッテリーUSBケーブルは、購入当時、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのECサイトで取り扱われていました。













この記事へのコメントはありません。