トヨタの90系ヴォクシー・ノアは、純正でシングルホーンを採用しており、車体の大きさに対して、少し物足りない音色が気になっていました。そこで今回は、トヨタ純正オプションとして販売されているカローラフィールダー用プレミアムホーンを購入し、純正配線を加工せずに取り付けてみました。
購入したプレミアムホーンには、シングルホーン用の配線を2つに分岐できる専用ハーネスが付属しているため、90系ヴォクシー・ノアの純正ホーンからダブルホーンへの交換が比較的簡単に行えます。この記事では、実際の交換作業を写真付きで紹介するとともに、必要な部品、取り付け位置、配線方法、交換後の音色について詳しく解説します。
今回の取り付け車両は、90系ヴォクシーハイブリッド E-Four(ZWR95W)です。基本的なホーン交換手順は90系ヴォクシー・ノアのガソリン車とハイブリッド車に共通する部分が多く、ZWR90W/ZWR95W/MZRA90W/MZRA95Wを対象とした参考記事となっています。ただし、年式やグレード、装備によって取り付け箇所の状態が異なる場合があるため、作業前に現車を確認してください。
90系ヴォクシーの純正ホーンは安っぽい?
90系ヴォクシーとノアには、従来の一部車種で採用されていた高音側と低音側のダブルホーンではなく、1個のシングルホーンが標準装備されています。
シングルホーンは構造がシンプルな反面、ダブルホーンのように異なる周波数の音を重ねることができないため、音色が単調に感じられることがあります。実際に90系ヴォクシーの純正ホーンを鳴らしてみると、原付バイクのような軽い音がする印象で、個人的にはもう少し厚みのある音色が欲しいところでした。
普段の運転でホーンを鳴らす機会はほとんどありませんが、鳴らさないと進まない車が多すぎる事・・。必要な場面で使用する装備だからこそ、音質にもこだわりたいものです。
そこで今回は、社外品ではなくトヨタ純正オプションのプレミアムホーンを選び、90系ヴォクシーの純正シングルホーンから交換することにしました。
警音器の保安基準
自動車のクラクションやホーンは、道路運送車両の保安基準では「警音器」と呼ばれており、音量や音色などについて細かな基準が設けられています。
2004年1月1日以降に製作された一般的な自動車の場合、警音器の音量は車両前方7mの位置で測定した際に、原則として87dB以上112dB以下であることが求められます。また、警報音は連続して発生し、音の大きさや音色が一定であることも重要な条件です。
そのため、音楽が流れるミュージックホーンや、音にエコーがかかるタイプのホーンなどは、使用する機能や音色によって保安基準に適合しない場合があります。
例えば、ゴッドファーザーのメロディーを奏でるミュージックホーンや、音色が自動的に変化するホーンは、一般的な自動車の警音器として使用することが認められません。また、緊急車両が使用するサイレンなどを、通常の警音器の代わりとして取り付けることもできません。
これらは道路運送車両の保安基準第43条と、その細目を定める告示に関係する規定です。
ただし、ホーン本体が保安基準適合品として販売されていても、車両への取り付け位置や固定状態、音の伝わり方などによっては、車検時に基準を満たさない可能性があります。
特にメルカリやラクマ、ヤフオクなどで中古ホーンを購入する場合は、製品の仕様や動作状態を確認しておきたいところです。価格だけで判断せず、保安基準への適合状況や付属品の有無も確認することをおすすめします。
トヨタのプレミアムホーンを90ヴォクシーに取り付け
今回購入したトヨタ純正プレミアムホーンは、高音側と低音側の2つのホーンを組み合わせることで、シングルホーンにはない厚みと迫力のある音色を楽しめる製品です。
トヨタの純正オプションとして販売されている保安基準適合品で、今回取り付けた車両では、交換後もディーラーでの車検を通過しています。ただし、カローラフィールダー用を90系ヴォクシー・ノアに流用する取り付け方法のため、その他の車両での適合や車検通過を保証するものではありません。
取り付けに使用した車両は、90系ヴォクシーハイブリッド E-Four(ZWR95W)です。ガソリン車や2WDのハイブリッド車でも基本的な作業は共通していますので、90系ノア・ヴォクシーのホーン交換を検討している方の参考になれば幸いです。
なお、ホーンの交換作業はエンジンやハイブリッドシステムを停止させ、車両がREADY状態でないことを確認してから行ってください。電装品を扱う作業のため、ショートや誤作動にも十分注意が必要です。
プレミアムホーンの実際の音色が分かるように、車内と車外で収録したホーンの音をYouTube動画で公開しています。
TOYOTA Premium horn sound heard from inside and outside the car | 90 Voxy Hybrid E-Four
動画では、車内で聞こえるプレミアムホーンの音と、車外で収録した音をそれぞれ確認できます。
0:00から0:05までは、車内からカメラの内蔵マイクで収録した音を使用し、0:05以降はカメラで撮影した映像に、ZOOM F3とMXL CR21を使用して車外で収録した音声を組み合わせています。
車外での録音には、30Hzから20kHzまでの周波数帯域に対応するMXL CR21と、32bit float録音が可能なZOOM F3を使用しました。大きな音による録音レベルの問題を抑えながら、プレミアムホーンの音色や響きが伝わるように収録しています。
実際の聞こえ方は再生機器や音量によっても変わりますが、車内と車外での音の違いや、プレミアムホーン特有の臨場感を確認できる動画になっています。
0:00~ 車内からカメラの内蔵マイクで記録したプレミアムホーンの音
0:05~ 車外でZOOM F3とMXL CR21を使用して記録したプレミアムホーンの音
購入したプレミアムホーンはカローラフィールダー用
今回取り付けたのは、Amazonや楽天市場などで販売されている、トヨタ純正のカローラフィールダー用プレミアムホーンです。
対応するカローラフィールダーの型式はNZE141G/NZE144G/ZRE142G/ZRE144Gで、購入した製品の品番は「08522-12030」となります。
90系ヴォクシー・ノア専用として販売されている商品ではありませんが、プレミアムホーン本体2個と分岐ハーネスがセットになっており、純正配線を切断せずに取り付けられる点が大きな魅力です。
以前の80系ヴォクシー用として販売されているプレミアムホーンも候補に考えましたが、カローラフィールダー用の購入者レビューに90系ノアへ取り付けた事例があったため、今回はそちらを参考にして購入しました。
中古品も検討しましたが、メルカリやラクマなどで販売されているホーン本体に、別途購入する分岐ハーネスの価格を加えると、新品セットとそれほど変わらない金額になる場合があります。
そのため、今回は付属品がそろった新品のプレミアムホーンを選びました。
プレミアムホーンの音色は、ローピッチが約400Hz、ハイピッチが約500Hzとなっており、2つの異なる周波数の音を重ねることで、柔らかさと厚みのあるヨーロピアンサウンドを生み出します。PIAAなどの市販ダブルホーンと近い周波数帯ですが、音色は製品ごとに異なります。
なお、ホーンの取り付け位置を調整するために、本体背面のナットやステーを緩める方法はおすすめできません。
ホーン内部には音を発生させるための振動板や接点があり、背面のネジやナットを回してしまうと、内部の接点位置が変わって音色が変化したり、正常に音が鳴らなくなったりする可能性があります。
PIAAの公式ウェブサイトでも、ホーン背面の小ネジや取り付けステー、ナットを回さないよう注意されています。取り付け位置が合わない場合は、ホーン本体の固定部分を無理に回すのではなく、適切な取り付け金具などで対応することが重要です。
今回のカローラフィールダー用プレミアムホーンは、ステーを加工せずに取り付けられたため、この点でも扱いやすい製品でした。
ラジエターフードパネルを外す
90系ヴォクシーのホーン交換は、最初にエンジンルーム前方に取り付けられているラジエターフードパネルを取り外すところから始めます。
このパネルは7か所のプッシュリベットクリップで固定されているため、各クリップの中央にあるピンを押し下げてロックを解除し、クリップ本体を上に引き抜きます。
7か所すべてのクリップを取り外したら、ラジエターフードパネルを持ち上げることで、フロントグリルの裏側に取り付けられている純正ホーンが見えるようになります。
90系ヴォクシーのホーン交換では、フロントバンパーを取り外して作業する方法もありますが、今回は上側から十分に手が入るため、バンパーを取り外さずに交換できました。
フロントバンパーにはカメラやセンサー類が取り付けられている場合があり、取り外しによって調整作業が必要になる可能性もあります。ホーン交換だけであれば、基本的にはラジエターフードパネルの取り外しで対応できるため、無理にバンパーを外す必要はありません。
ちなみに、パネルを取り外してみるとエアダクトの開口部が意外と小さく、改めてエンジンルーム内の構造にも興味が湧きました。
純正のホーンを取り外す
90系ヴォクシーとノアの純正ホーンは、車両右側に1個だけ取り付けられているシングルホーン仕様です。
取り外す際は、最初に純正ホーンへ接続されているコネクターを外し、続いて本体を固定しているM8ボルトを緩めます。
ボルトの頭は12mmなので、12mmのラチェットレンチやスパナを使用すると作業しやすくなります。
固定ボルトを外す際は、フロントグリルの下側にあるアンダーカバーへ落としてしまわないよう注意してください。取り付け位置は少し奥まっていますが、工具が入るスペースは確保されているため、純正ホーンの取り外し自体はそれほど難しくありません。
実物を見ると、車体の大きなヴォクシーに対してホーンが1個だけというのは、やはり少し寂しい印象です。交換後にどのような音色へ変化するのか楽しみになってきました。
純正ホーンが取り付けられていた場所にプレミアムホーンを取り付ける
最初に、車両右側の純正ホーンが取り付けられていた位置へ、プレミアムホーンの片側を取り付けます。
今回のヴォクシーハイブリッドでは、車両左側に車両接近通報装置のスピーカーが取り付けられているため、干渉を避ける目的でハイピッチ側のプレミアムホーンを純正ホーンの位置へ固定しました。
取り付ける際に注意したいのが、ホーンの開口部の向きです。
プレミアムホーンは渦巻き状の構造を採用しているため、内部へ水が入り込んで溜まらないように、開口部が下方向を向く状態で取り付ける必要があります。
今回は渦巻きの開口部を車両外側へ向けつつ、排水に支障がない角度で取り付けています。また、ホーン本体が周囲の部品に接触していないことも確認しました。
純正ホーンが取り付けられていた車両側の固定部分にはネジ山があるため、純正ホーンを固定していたM8ボルトを再利用できます。
今回の作業では締め付けトルク17N・mを目安に固定しましたが、正確な締め付け条件については車両の整備資料を優先してください。
純正の固定位置をそのまま利用できるので、ステーを加工する必要もなく、比較的簡単に取り付けられました。
車両接近通報装置の隣にローピッチのプレミアムホーンを取り付ける
続いて、純正ホーンが取り付けられていた場所の反対側に、ローピッチ側のプレミアムホーンを取り付けます。
車両左側のフロントグリル裏側にもM8ボルトを使用できる固定穴があり、今回の車両ではM8ボルトとナットを別途用意して取り付けました。
なお、90系ヴォクシーではネジ穴付きのサービスホールを利用して固定する取り付け例もあるため、作業前に車両側のネジ穴や固定部分の状態を確認し、適切なボルトやナットを用意してください。
ハイブリッド車では、この付近に車両接近通報装置のスピーカーが取り付けられているため、ホーン本体やステーが接触しないように位置を確認する必要があります。
今回のプレミアムホーンでは、渦巻きの開口部を車両外側へ向けることで、車両接近通報装置と干渉することなく固定できました。
固定には適切な長さのM8ボルトとナットを使用し、ホーン本体が振動で動かないように確実に締め付けています。
通常はボルトの頭を表側、ナットを裏側にする取り付け方も多いのですが、私は以前トラックの架装関係の仕事をしていた頃の習慣から、ナットを表側にして取り付けました。
ナットが見える位置にあると、緩みや固定状態を目視で確認しやすいというメリットがあります。ただし、緩みにくさはナットの向きだけで決まるものではないため、適切な締め付けと緩み止め対策が重要です。
裏側ボルトの頭をスパナで固定、表側ナットをメガネレンチやラチェットレンチで締め付ければ締まります。
プレミアムホーンを取り付ける方法として、2つのホーンのステーを重ねて斜めに固定する方法も見かけますが、今回は左右に1個ずつ配置しました。
フロントグリルからわずかに見えるホーンの位置が左右に分かれている方が、個人的には見た目のバランスも綺麗に感じられます。
分岐ハーネスを取り付ける
左右のプレミアムホーンを固定したら、最後に分岐ハーネスを接続します。
今回購入したカローラフィールダー用プレミアムホーンには、純正ホーンの1本の配線を2つのホーンへ分岐するための専用ハーネスが付属しています。
接続する場所は、車両側の純正ホーンコネクターと、左右に取り付けたプレミアムホーンのコネクターの合計3か所です。
それぞれのコネクターを確実に差し込み、ロックされていることを確認すれば、車両側の配線を切断したり、ギボシ端子を取り付けたりする必要はありません。
カローラフィールダー用でも、今回の90系ヴォクシーハイブリッドには配線加工なしで取り付けることができました。
ただし、付属する分岐ハーネスは左右のホーンに向かう配線の長さがほぼ同じなので、左側のホーンへ向かう配線が少し目立ちます。
配線をフロントグリルから見えにくい位置へ収めたい場合は、左側のハーネスを適切に延長して取り回す方法も考えられますが、今回は純正の分岐ハーネスをそのまま使用しました。
ハーネスはラジエターコアや周辺部品と接触しないように取り回し、中央付近のステーの裏側へタイラップで固定しています。エンジンルーム内の高温になる場所や回転部分、鋭利な金属部分に配線が接触しないよう注意してください。
なお、シングルホーンからダブルホーンへ交換すると、ホーンの消費電流が増加します。今回使用したトヨタ純正プレミアムホーンのように流用事例のある製品でも、車両側の電源容量やヒューズ容量を確認することが重要です。
消費電流の大きい社外ホーンを取り付ける場合は、単純に配線を分岐するだけではヒューズ切れなどが発生する可能性があるため、製品の仕様に応じて専用リレー付きハーネスを使用する必要があります。
今回の取り付けでは、左側ホーンの固定用M8ボルトとナット、配線固定用のタイラップなどを別途用意するだけで、プレミアムホーン本体と分岐ハーネスを取り付けることができました。
配線を接続したら、左右のホーンが正常に鳴ることを確認します。
確認の際は、周囲への迷惑にならない安全な場所で必要最小限の動作確認を行い、音が正常であれば、最初に取り外したラジエターフードパネルを元の位置へ戻します。
7か所のプッシュリベットクリップは、中央のピンを上に引き上げた状態で車両側の穴へ差し込み、最後に中央のピンを押して周囲と同じ高さにすることで固定できます。
取り付け後は、ホーン本体や配線に緩みがないこと、周囲の部品との干渉がないことを確認して作業完了です。
もし交換後にホーンが正常に鳴らない場合は、コネクターの接続状態やヒューズ、ボディーアースの導通などを確認してください。
特に、取り付けステーを通じてボディーアースを取る1端子式ホーンでは、固定部分の塗装などによって十分な導通が確保できず、音が鳴らない場合があります。
ただし、原因を確認せずに車体の塗装を削ると錆の原因になる可能性があるため、まずはテスターなどで導通を確認し、必要に応じて適切な接地点へのアース配線追加などで対処することをおすすめします。
また、プレミアムホーン以外の社外ダブルホーンに交換する場合も、純正ハーネスを無加工で接続できる変換ハーネスを使用する方法が便利です。
ただし、ミツバのアルファーホーンなど、消費電流が大きい製品ではリレー付きハーネスが必要になる場合があります。ワンタッチ分岐コネクターによる接触不良を避けたい場合も、車両とホーンの仕様に対応した専用ハーネスを選ぶと安心です。
購入するならカローラフィールダー用
90系ヴォクシー・ノアの純正シングルホーンを交換するなら、今回使用したカローラフィールダー用のトヨタ純正プレミアムホーンは、検討する価値のある製品だと思います。
高音側と低音側のダブルホーンによって、純正のシングルホーンとは異なる厚みのあるヨーロピアンサウンドを楽しめるだけでなく、分岐ハーネスがセットになっているため、純正配線を加工せずに取り付けられる点が魅力です。
純正ハーネスに加工痕を残さず交換できるので、車両を売却する際にも元のシングルホーンへ戻しやすく、配線の状態を維持できるメリットがあります。
メルカリやヤフオクなどでは中古のトヨタ純正プレミアムホーンも販売されていますが、分岐ハーネスが付属していない商品もあります。購入する際は、ホーン本体だけなのか、必要な配線や付属品までセットになっているのかを確認しておきましょう。
今回使用したカローラフィールダー用プレミアムホーンは、ハイピッチとローピッチのホーン本体に加えて分岐ハーネスも付属しており、90系ヴォクシー・ノアのホーン交換で別途用意する部品を比較的少なく抑えられます。
取り付ける車両の仕様や電源容量、固定位置を確認する必要はありますが、純正の見た目を大きく変えずにホーンの音色を改善したい方には、おすすめできる組み合わせです。
今回のようにフロントバンパーを取り外さずに作業できる点もメリットで、90系ヴォクシー・ノアのホーン交換をDIYで検討している方には参考になるのではないでしょうか。















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