Adobe Lightroom CCの標準機能であるレンズ補正と変形をご紹介。レンズ特有のゆがみや写真の端が暗くなってしまった時に補正してRAWデータを自然な写真に仕上げる機能や、変形機能を使用して水平垂直の補正するLightroom Upright toolをご紹介します。
記事内の目次
レンズ補正と変形を使いこなして歪みのない写真に仕上げる
レンズ補正を使用してゆがみや色収差を除去する
プロファイル補正
レンズ補正のプロファイル補正は、一眼レフやミラーレスカメラで撮影した写真で発生するレンズ特有のゆがみを補正して被写体本来の姿に近づける機能の事で、RAWデータであればカメラのEXIF情報(Exchangeable image file format)からレンズ情報を読み込んでワンタッチで補正する事ができます。
上の写真は、Sony α7SにマウントアダプターLA-EA4を使用してSonyのAマウントレンズSAL1635Zを使用して撮影した写真ですが、アダプターを介していてもLightroomでは正しいレンズ情報を読み込めました。
写真の右半分が補正前、左側が補正後の写真なのですが、全体的にはっきりとわかるのは空の青さでしょう。
これは周辺光量補正の効果で露出の明暗差を均一にした事で写真が全体的に明るくなるのが理由で、補正されない中心部分の明るさに関してはほとんど変化がありません。
ただし、標準的なレンズの特性を補正する機能ですので、カメラとレンズの組み合わせによっても違いが出る事もあるため、その場合は操作パネルの補正量・周辺光量補正のスライダーを左右に動かすことによって手動で補正する事も可能です。
色収差を除去
ここまで派手に色収差を出すレンズは現在ほとんど生産されていませんが、色収差とは上の写真のように被写体から特定の色がズレてしまう現象で、色収差補正はこれを修正したい場合に使用します。
前述の通りに使用したレンズは色収差が発生しないため、Photoshopでわざと色をずらして掲載いたしました。過去にヤフオクなどで売られている激安テレコンバーターレンズを使用した時に、これに近い色収差を出した事があるのですが、正規品の場合はここまで出る事はありません。Adobe Lightroom Classicの色収差の除去は、上のような色のズレを修正したい場合に使用します。
手動で補正する
こちらでは、手動でゆがみの補正やフリンジ軽減・周辺光量補正が操作できます。
プロファイル補正を使用していれば、まず使用する事の無い項目ですが、わずかながらパープルフリンジが発生しておりました。
白い部分が紫っぽくなっている感じがする程度でほとんど気付かないぐらいなのですが、写真に出現しているフリンジの色相を指定して、どのぐらい適用させて軽減するかを上のスライダーを動かして調整します。
ペンのようなアイコンをクリックすると、表示されている画像のフリンジが発生している場所の色を指定する事ができます。
変形 Upright toolで水平垂直を修正する
Adobe Lightroomの変形 Upright Toolは、写真の水平垂直を補正して遠近感や奥行きを補正する機能で、歪みを修正して違和感の無い写真に補正する機能です。この機能がどのように効果を発揮するのか以下の項目で比較してみましょう。
Upright 自動補正
Uprightの自動をクリックした場合は、水平垂直全ての歪を自動で補正いたします。この場合はお寺の門が垂直になったような気がしますが、写真全体的に傾きが発生してしまいました。
Upright 水平
水平方向を自動で修正する機能で、ほとんど傾きが無いと思った写真でもぴったりと水平を合わせてくれます。写真の素材によっては正しく補正されない場合もあるのでご注意を。
Upright 垂直
垂直方向の傾きやゆがみを修正します。この場合は五重塔が真っ直ぐ垂直に立っているのがわかると思いますが、Uprightは角度だけではなく歪みも補正してくれているのがわかると思います。
ですが、この写真で一番目立つ門の形が頭でっかちな印象になってしまいました。
Upright Full
Uprightのフルは、全ての歪みや傾きを修正して正面から見たような写真に修整してくれます。
この項目に関しては、私も特に使用する事もなく、逆に違和感が出てしまう機能だとは思いました。
歪を正して被写体本来の姿にする機能だと思っていたのですが、Lightroomの自動検出性能に頼らなくてはいけない部分もあるので、被写体によっては全く使えない時もあるかもしれません。
歪が酷すぎて写真としては使えないと思った時に使用してみてはいかがでしょうか?
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