D-Tapの14.8V、DC12V、カメラ内蔵バッテリー用のDC7.2V、USB5Vなどの電源を供給し、ミラーレス一眼カメラやシネマカメラの長時間撮影を可能にするANDYCINEのVマウントバッテリーアダプタープレートを紹介します。レンズヒーターや外部モニターなど、複数の撮影機器にも同時に給電できる便利な製品です。
※ANDYCINE Vマウントバッテリープレートの国内流通は無くなり、メーカー直販のみとなりました。
商品リンクは代替商品を紹介しています。
Vマウントバッテリーとは?
カメラを振り回すようなハードな使い方でも外れにくい確実なロック機構を備え、長時間の撮影に必要な電力を安定して供給できることから、業務用撮影機器のスタンダードな電源方式と言ったところでしょうか。
大容量のVマウントバッテリーには、幅100mm前後、縦150mm前後に達する大型の製品もありますが、近年登場しているシネマカメラやミラーレス一眼カメラは本体の小型化に伴って内蔵バッテリーも小さくなり、長回しが難しいという背景もあるため、外部電源として一定の需要があるのだと思います。
今回Vマウントバッテリーを導入したのは、主力カメラのBlackmagic Design Pocket Cinema Camera 6K(BMPCC6K)で長時間撮影するための電源確保に悩んだ末、最終的にたどり着いたのがこの方式だったためで、その経緯も含めて記事にまとめました。
Vマウントバッテリー運用に移行したきっかけ
現在の主力カメラであるBlackmagic Design Pocket Cinema Camera 6Kは、12-bit RAWでの記録と最大6144×3456の6K解像度での撮影が可能な小型シネマカメラなのですが、内蔵バッテリーとして使用しているCanonのLP-E6互換バッテリーでは30~40分程度、外付けSSDに記録する場合は約15~20分程度で1本のバッテリーを消費してしまいます。
Vlog撮影や短時間の演奏記録などであれば、合間に内蔵バッテリーを交換できますが、1時間以上の長回しが必要になると撮影途中で交換するわけにはいかないため、長時間運用が可能な大容量バッテリーを使用する必要が出てきました。
最初から複数の内蔵バッテリーを交換しながら運用する予定はありませんでしたが、初期段階から導入していたSmallRigのNP-Fバッテリーアダプタープレートでは安定した電力を供給できず、電圧不足によってカメラが強制的にシャットダウンしてしまうことが何度もありました。
以前使用していたNP-Fバッテリーアダプターについては、こちらの記事で紹介しています。SmallRigのNP-Fバッテリーアダプターには、NP-Fバッテリーの公称電圧である7.2Vを12Vに昇圧する回路が組み込まれているため、Blackmagic Design Pocket Cinema Camera 6Kの12V給電端子から電力を供給できるのですが、そもそも1本のNP-Fバッテリーを昇圧して使用すること自体に無理があったような気がします。(7.2Vのダミーバッテリー給電は大丈夫!)
Blackmagic Designが公表しているPocket Cinema Camera 4K/6Kの外部電源の仕様は12V~20Vです。Blackmagic Designのフォーラムには低電圧での給電が内部のDC-DC電圧レギュレーターに負担をかける可能性を指摘する投稿もあり、仕様の下限を下回る電圧で使用することには不安がありました。
NP-FバッテリーアダプターからBMPCC6Kに供給される電圧は、満充電時でも11.4V~11.6V付近でしたが、バッテリーの残容量が少なくなるにつれて負荷がかかったときの電圧が下がり、10.6V付近では動作が不安定になったり、強制的にシャットダウンしたりすることもありました。
実際にはLバッテリーの電圧が7.4V以上あっても、NP-Fバッテリーアダプタープレートで昇圧した後の供給電力が不足し、電圧降下が起きていた状態です。こうした不安定な動作を解消し、カメラの電源回路への負担を減らすことを目的に検討していたのが、Vマウントバッテリーの導入でした。
ただし、使用するのは一般的なVマウントバッテリーではなく、大量に購入していたNP-Fバッテリーを2本装着し、Vマウント方式で給電できるアダプターを使用する前提です。
ANDYCINE Vマウントバッテリーアダプタープレートのレビュー
アダプターの外観と端子
Vマウントバッテリーアダプターは様々なメーカーから発売されていますが、その中から、価格がそれほど高くなく、外観もしっかりしているように見えたANDYCINEのVマウントバッテリーアダプタープレートを購入しました。
リグやカメラ拡張機器には中国製の製品が多く、ANDYCINEも中国のメーカーのようですが、一昔前の中国製品に比べて精度が向上していたとしても、実際の品質や使い勝手は使用してみないことには分からないと思います。
Amazonから届いた製品を確認すると、Vマウントバッテリーアダプタープレートを支える金属製のプレートは厚みがあり、強度も十分に感じられましたが、その分ずっしりとした重量感がありました。
カメラへの取り付けには、付属の15mmロッドクランプか、1/4インチまたは3/8インチのネジ穴を使用しますが、Vマウントバッテリー本体の重量も加わることを考えると、15mmロッドクランプでしっかり固定するのが確実だと思います。
ANDYCINEのVマウントバッテリーアダプタープレートには複数の電圧を出力できる端子が備えられており、5.5mm/2.5mm端子のDC12V出力、5.5mm/2.1mm端子のDC7.2V出力、USB機器に給電できるUSB Type-Aの5V出力のほか、Vマウントバッテリーの電圧を直接出力するD-Tap端子(公称14.8V)も搭載されています。
このバッテリーアダプターは複数の機器への同時給電にも対応しており、バッテリーや各出力端子の許容電流を超えない範囲であれば、カメラとレンズヒーター、USB給電のオーディオインターフェイスなどに、同時に電力を供給する使い方も可能です。
それぞれの電圧に対応したDC5525-DC5525 7.2V・DC5521-DC5521 12V・USB Type-A-DC5525 5Vのケーブルが付属し、さらにBMPCC4K/6Kのバッテリー装着部から給電できるLP-E6ダミーバッテリーアダプターも付属しています。
しかし、D-Tap端子からカメラに給電しながら、USB Type-Aの5V端子を使ってハンディレコーダーのZOOM H4nにも給電したところ(正規の使い方ではありませんが)、オーディオラインに「ピー」というノイズが乗ってしまいました。
Vマウントバッテリー本体のD-Tap端子やアダプタープレートの12V端子からカメラに給電するとレコーダーにノイズが乗る一方、モバイルバッテリーなど別系統の電源からレコーダーに給電した場合はノイズが発生しないため、ANDYCINEのVマウントバッテリーアダプターを使用して同時給電した際に起こる症状ではないかと思われます。
一方、USB端子からの給電に正式対応しているZOOM H6ではノイズが発生しなかったため、使用する機器によってUSB給電との相性があるようです。
様々な接続方法を試したところ、H4nでノイズが発生するのは「カメラとH4nへの同時給電」と「オーディオラインでの接続」が重なった場合だったので、それ以外の使い方では問題ありませんでした。
ちょっと残念だった付属の15mmロッドクランプ
ANDYCINEのVマウントバッテリーアダプターを15mmロッドシステムに取り付けてみると、モニターが見えなくなってしまいました。
Amazonの商品画像には、15mmロッドクランプを2方向に取り付けられるという説明があったのですが、仕様変更なのか付属品の間違いなのかは分からないものの、届いた製品ではモニターを隠すような縦付けしかできませんでした。
結局、横付けも可能なSmallRigの15mmロッドクランプを別途購入して対応しましたが、商品説明と違っていたのは少々残念でした。
NP-Fバッテリーアダプタープレートで運用してみた
Vマウントバッテリーについて説明してきた割には、実際に使用したのはROWAのNP-F970互換バッテリーとNeewerのNP-F用Vマウントアダプタープレートです……。
こちらのNP-Fバッテリーアダプターは別途レビューしますが、長時間の運用を見越してNP-F互換バッテリーを大量に購入しちゃったんですよ……。
D-Tap端子からBMPCC6Kに給電していますが、実は一般的なVマウントバッテリーではなく、NP-Fバッテリーを2本装着するVマウントアダプタープレートで運用することにもメリットがあります。
国際線の旅客機では、予備のリチウムイオン電池について、一般にワット時定格量が100Whを超え160Wh以下のものは2個まで、100Wh以下のものは機内持ち込みが認められています。ただし、100Wh以下であっても航空会社によって個数などの制限があり、預け入れができないことにも注意が必要です。その点、1本当たりの容量が小さいNP-Fバッテリーは、大容量のVマウントバッテリーと比較して海外渡航時に持ち運びやすいというメリットがあります。
他メーカーのVマウントアダプタープレートにはロックが甘く、バッテリーがしっかり固定されないというレビューもありましたが、ANDYCINEのプレートに取り付けた際のフィッティングは良好で、簡単に外れてしまいそうな様子もありませんでした。
個体差かもしれませんが、USB給電端子が開口部から少しずれていたため、ケーブルを挿すときにきつく感じるのは少々残念なポイントです。
D-Tap出力の連続撮影時間は驚異の4時間越え
最初はアダプタープレートのDC12V出力からポケシネのDC12V端子へ給電していたのですが、公称14.8Vから降圧された電源でも、カメラに表示される電圧は11.6V程度でした。動作はしていたものの、メーカー公表の外部電源仕様である12Vを下回っていたので、この接続方法での運用はやめておきました。
出力側の特性なのか個体差なのかは分かりませんが、12V入力時の表示電圧は相変わらず少し低めですね。
D-Tap端子からLバッテリー2本で給電したところ、カメラに表示された電圧は15.8Vでした。
SonyのLバッテリーは、純正品・互換品を問わず、今回使用したものでは充電直後の電圧が1本当たり7.8V~8V程度だったため、2本分で約15.8Vとなったようです。
Blackmagic Designの公表仕様は12V~20Vなので、この範囲内で安定した給電ができるかが重要です。D-Tapから15.8Vが入力されること自体は仕様範囲内ですが、初めて外部電源を使用した際には、やはり少し不安もありました。
実際の撮影で使用するZOOM H4nにも給電しながら、バッテリーがなくなるまでカメラを回し続けたところ、約4時間15分で電圧が12.5V付近まで下がり、そこから電圧が低下する速度も速くなって、約4時間30分で内部電源に切り替わりました。
一般的なVマウントバッテリーではなく、VマウントアダプタープレートにNP-F970を2本装着した状態でも、約4時間30分のノンストップ撮影ができたのは、供給できる電力に余裕が生まれ、給電時の電圧降下が抑えられたことで、バッテリー容量をより有効に使えたためではないかと考えています。
使用可能な限界の電圧を確認したかったため、今回は外部給電と内蔵バッテリーを併用しながら電圧表示を観察しましたが、バッテリー残量が少なくなると12Vから11Vまで下がるのが非常に早く、さらに11Vから10.6V付近までの低下は一瞬でした(10.8V付近で電圧表示は消えていました)。こうした実測結果からも、12Vを下回る低電圧での運用は避けた方がよいと感じました。
仕事として撮影を引き受けるのであれば、途中で電源が落ちてクライアントからの信用を失うことの方が恐ろしいので、長回しの際はANDYCINEのVマウントバッテリーアダプターを使用し、ジンバル撮影などカット数が多い映像を撮影するときはSmallRigのNP-Fバッテリーアダプタープレートで運用したいと思います。
今回購入したANDYCINEのVマウントバッテリーアダプタープレートは、Amazonでのレビューこそ少ないものの、製品自体の品質は悪くないと思います。
付属の15mmロッドクランプとUSB端子には少々難がありましたが、プレートやロック機構の強度はしっかりしており、実用性は十分にあると判断しました。
ただし、防水性能は期待できないと思いますので、屋外で使用する際は、しっかりと防水対策を行うようにしてください。
最終的な配置とまとめ
モニターは若干見にくくなりますが、最終的にはこのような配置で取り付けました。
上方70度以上を撮影しなければ、どこにも干渉しないバッテリー配置になりましたが、それ以上の角度では、NP-Fバッテリーがモニターに被る向きに逆付けしないと三脚の脚に干渉してしまいます。
BMPCC6Kの音声入力には3.5mmステレオ端子とミニXLR端子が1系統ずつありますが、ファンタム電源を必要とするステレオマイクを使用する際には、外部レコーダーを取り付けて収録する必要があります。
ANDYCINEのVマウントバッテリーアダプタープレートはUSB 5Vでの給電にも対応しているため、乾電池では収録時間が極端に短くなりやすいZOOM H4nの48Vファンタム電源を使用する場合でも、十分な収録時間を確保できるようになりました。
以前はレコーダー用に別途モバイルバッテリーからも給電していましたが、1つのバッテリーから2台以上の機器へ同時に電源を供給できるようになり、毎回手間取っていた撮影準備の時間も少し短縮されたような気がします。
購入はこちら

Neewer F2-BP NP-Fバッテリー―Vマウントバッテリーコンバータアダプタ

SMALLRIG 15mmロッドクランプ 15mmロッドロックノブ 15mmダブルロッドクランプ
Alvin’s Cables BMPCC 4K 6K 電源ケーブル for Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K



















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