Adobe Lightroom Classic CCの部分補正機能である段階フィルターは、上下や左右に分けて特定領域の明るさやコントラストなどの補正ができる素晴らしい機能です。水面反射の強調や明るくなりすぎた空の部分だけを暗くできる、効果的な使い方について解説していきます。
記事内の目次
段階フィルターを使用して水辺の反射を美しく表現する
段階フィルターの基本的な使い方
Adobe Lightroom Classic CCの部分補正である段階フィルターは、選択領域から上下左右・斜めなど自由自在に部分補正が可能な機能で、英語版のLightroomではグラデーションフィルターとも呼ばれています。
上の写真の例では、台風一過の澄んだ青空が美しかった長野県松原湖の風景写真を、RAWデータの外観や階調を調整後に、今回のテーマである段階フィルターを使って水辺の部分だけに透明感をプラスするような調整を行っています。
段階フィルターの操作方法
段階フィルターの操作方法は、Adobe Lightroom classicの操作パネル、上の写真にある赤い矢印の先にある長方形のアイコンを左クリックすると、階調・外観パネルが下に下がり段階フィルターの効果パネルが追加されます。
段階フィルターの適用範囲を決定する
段階フィルターのアイコンをクリックした後に、現像パネルの画像上で効果を適用する境界線となる位置を左クリックして、適用したい範囲の逆方向にドラッグします。下側の階調を変更したい場合は上方向にドラッグ、左右に分けて右側の階調を変更したい場合は左側にドラッグします。
段階フィルターの適用範囲を調整する
上が段階フィルターを適用した画像で、わかりやすいように「選択したマスクオーバーレイを表示」にチェックを入れて、効果のかかり具合を赤く表示しています。グラデーションの始点と終点を広げているのも効果をわかりやすくするためですが、上の画像のように3本線を広げると始点から終点まで緩やかにグラデーションがかかり、明暗差の段差が無い自然な写真に仕上がります。段階フィルター中心線の左右どちらかをドラッグすると段階フィルターの角度を調整する事が可能となっています。
この写真の場合は、木の部分と湖に写り込んだ部分が同じような明るさになるように調整するため、今回はクッキリと分けられるように狭い範囲でグラデーションをかけます。
効果を調整して画像を仕上げる
この画像では、木と湖面の境界となる狭い範囲に段階フィルターを適用して、葉の明るい部分と水面に写り込んだ部分が同じになるように、コントラストや露光量・ハイライトなどを調整して違和感の無い仕上がりにしています。
写真上側は変わらないのですが、水面に反射している部分の透明感が一段と増しているのが分かると思います。
補正ブラシを使用して範囲を追加する
右側パネルのマスク 新規 | 編集 | ブラシ と表示されている部分のブラシを左クリックすると、マウスカーソル自体が円となってドラッグしながら効果が適用される範囲を追加できるようになります。
これは、別のページで紹介する補正ブラシの項目でご紹介させていただきます。
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【応用編】段階フィルターを二重にかけて印象的な写真にする
先程の画像にもう一段の段階フィルターを適用して空が逆さまに映り込んでいるような青さを強調してみました。
どの位置にどのぐらいの範囲で段階フィルターを使用したのか、写真を見ただけで判別できるでしょうか?この写真だけ見たら、きっと気付かない方もいらっしゃるかと思いますが、水面と木の境界線から写真の下まで緩やかなグラデーションをかけて段階フィルターを使用した事がわからないように水面の露光量を調整しています。
まとめ
一眼レフやミラーレスカメラで水面の反射がある場所で撮影した時に、もっと水面に反射している様子を強調させたいと思った時に使えるのがAdobe Lightroomの段階フィルターです。
他にも、空が上に向かって暗くなっていくようなグラデーションのかけ方など様々な場面で活用できる便利な機能ですので、是非活用してみて下さい。
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