冬が終わってスタッドレスタイヤからサマータイヤに交換をする時期になりましたが、めんどくさいタイヤ交換で楽をしながら雪道で汚れた下回りを洗浄して、愛車に長く乗り続けるための自分流メンテナンスとタイヤが外れない確実な取り付け方法を記事にしました。
記事内の目次
タイヤ交換で楽をしながら車に長く乗り続けるためのメンテナンス方法
はじめに
春と言えば自動車のタイヤ交換。
冬の間履き続けていたスタッドレスタイヤ付きのホイールを外して、いよいよノーマルタイヤに交換をする時期になりました。
雪が確実に降らなくなるまでスタッドレスタイヤを装着していたい人もいると思いますが、インチアップをしている人は春の訪れを待ち望んでいたはずです。
そのままホイールを脱着しても良いですが、タイヤ交換自体の時間を短縮しながら、雪道を走行して溜まった泥や融雪剤を落として、愛車に長く乗り続けるためのメンテナンスは是非オススメしておきたいです。
ホイールのナットを緩めるのはテコレンチで
ホイールナットを緩めるのは、長さを調整できる伸縮自在なテコレンチがオススメです。
規定トルクで締めていたとしても、走行しているうちにきつく締まっている時もあるので、力を使わずに簡単にホイールナットを緩める工具としてとても便利です。
軽く緩めるだけなのと、ジャッキでタイヤを浮かせてからだと、ジャッキが倒れて思わぬ事故に繋がってしまう事があるので、タイヤが接地した状態か、ジャッキで車体を上げてもタイヤが浮いていない状態で緩めるのが安全です。
油圧ジャッキを使用するのが安全で楽
車載のパンタグラフジャッキを使うのも良いですが、油圧のガレージジャッキを使用する方が力を使わずに倒れにくくて安全です。
持ち上げ能力が2tあれば、ヴォクシーHVクラスのミニバンでも軽々と持ち上げられるので、軽自動車であれば最低1.5t、普通車やMクラスミニバンは2t、LサイズのミニバンやSUVは2.5tぐらいの能力があった方が良いでしょう。
あくまで、片持ち上げの作業での能力なので、2輪ずつ持ち上げるのであれば、3tのロングタイプは必要です。
車種によって微妙に場所が変わりますが、逆Uの字の切り欠きが2箇所入っている場所の間がジャッキアップポイントになります。
また、ガレージジャッキの皿のままだと、車体側のジャッキアップポイントが歪んでしまう原因になるので、専用のアダプターラバーを取り付けるようにしてください。
十字レンチでホイールナットを緩める
最初からホイールナットを緩めるのに十字レンチを使うのも良いですが、テコレンチで軽く緩めてから十字レンチでホイールナットをくるくると回しながら外すのがめっちゃ楽です。
折り畳み式の十字レンチなので、車載用としてラゲッジスペース下のトレイなどに常備しておくと緊急時にも使えますが、緩める時の1発目と締める時の仕上げには力がかけずらい形状だと思う。
締める時は順番がありますが、緩める時は頂点になるホイールナットを最後に残して、他は適当に緩めちゃっても大丈夫です。
また厚口ソケットタイプはアルミホイールのナットホールに傷を付けてしまう原因になる時もあるため、社外アルミホイールの場合は薄口ソケットタイプのレンチを使うのが良いです。
普段は洗えない部分を洗浄して足回りを綺麗に!
タイヤとホイールを外したついでに、普段は洗浄できない足回りやタイヤハウスを綺麗に洗浄しておくのがオススメです。
特に冬の間に雪道を走行して溜まった汚れや融雪剤交じりの泥などを掻き出しておかないと、春の後に訪れる梅雨時期に湿気を含んだ泥が金属部品を錆びさせてしまう原因になってしまいます。
納車してから半年しか経過していないのもありますが、ロアアームやタイヤハウスがとても綺麗になりました。
気が向いたら簡易コーティングをして綺麗な状態にしておくのも良いでしょう。
汚れや錆に限らず、この作業中は細かい所にまで目が届きやすくなるので、ボルトやナットの緩みやアームの曲がりなど、万が一の事故に繋がってしまうようなトラブルも未然に防ぐ事ができます。
またホイールナットを付ける時にかじりの原因になるボルトの汚れも除去できますし、ホイールの脱着の度にやっておくといつまでもナットが回りやすい状態を保つ事ができます。
タイヤに空気を入れるのは車両に装着する前
保管中はタイヤ劣化防止のために空気圧を半分ぐらいに減らしていたため、車両にタイヤを取り付ける前に空気を入れて適正な空気圧より少し高めに調整をしておきます。
電動式のコンプレッサーの方が楽ですが、音がうるさくて時間もかかってしまうため、ダブルシリンダーの足踏み式空気入れの方が早く空気を入れる事ができました。
ちなみに19インチのホイールは、冬の間に10年近く長年蓄積した汚れを落とすために、ピアスボルト一つ一つをコンパウンドで磨くぐらいに全体を綺麗にしてから春を迎える準備をしていました。
タイヤとホイールを車両に取り付ける
ホイールナットを締める時は先に薄口ロングソケットを使用して、全てのナットが均等に締まるまで手締めをしておきます。
最初からインパクトレンチや十字レンチなどを使って締めてしまうと、ナットが斜めに入ってねじ山の潰れの原因になってしまう事もありますので、ある程度締まるまでは手締めをするのが安全です。
薄口ロングソケットを使用するのは、純正アルミホイールに比べて社外アルミホイールの方がナットホールが狭く作られている場合が多いためで、もし厚口ソケットをを使ってしまうとホイールナットの周囲が傷だらけになる原因になってしまいますのでご注意を。
メルテック(meltec) 薄型ディープソケット(21mm) アルミホイール対応 差込角:12.7mm対応 Meltec DPS-21
十字レンチで軽く均等に締め付ける
ホイールナットのテーパー面が全て均等にハマるように、十字レンチである程度力をかけて締め付けます。
オーバートルクになるのを防ぐ意味合いもありますが、力をかけた瞬間にジャッキが外れてしまったり、倒れてしまう事故を防ぐ意味合いで、あまり力をかけすぎない程度に締めております。
ホイールナットを締める順番は、4穴であれば対角、5穴であれば星型に締めるのが基本となります。
これをやらないと一か所のボルトに負荷がかかりすぎたり、緩みすぎているナットが出てしまう原因になってしまうので気を付けて下さい。
トルクレンチでホイールナットを締め付ける
ホイールを取り付けた直後は、タイヤが接地するまでジャッキを下してからトルクレンチを5N・m低い値に設定して、一旦締め付けを終えてからジャッキを下します。
規定トルクで締め付けるのは、四輪全てのタイヤ交換が終わってからチェックも兼ねて行うので、この段階ではホイール側とナット側のテーパー面を馴染ませるために、少し低い値に設定をして締め付けています。
四輪全てのホイールとタイヤを取り付けたら、最初に取り付けた所からチェックを兼ねて、規定トルクでホイールナットの締め付けを行います。
1輪ずつ本締めをするより、タイヤ交換が終わってから順番に四輪全てを本締めした方が忘れる事が少ないですし、2回目の本締めで確実にチェックが出来るようになるので、何かの拍子に忘れっぽい人ほど、この締め方をするのがオススメですよ。
エアゲージでタイヤの空気圧をチェックする
タイヤに空気を入れた時に空気圧を少し高めに入れていたのは、エアゲージでチェックする時に開放ボタンを押して、空気を抜きながら適正空気圧になるまで調整をするためです。
XL規格のタイヤなので、JATMA規格の純正タイヤと同じ負荷能力に合わせると、適正空気圧は280kPaになりましたので、少し高め設定となるXL規格で入れられる適正空気圧の範囲内で最大になる290kPaに調整をしました。
【Amazon.co.jp 限定】エーモン(amon) エアゲージ レッド ラバープロテクト付 タイヤゲージ 空気圧 最大測...
スタッドレスタイヤは洗浄と乾燥をしてから保管する
取り外したスタッドレスタイヤは、次の冬が訪れた時に洗浄をしても良いのですが、冬の間に付着した融雪剤交じりの汚れを落として、タイヤやホイールが傷みにくい状況を作ってから保管をします。
水洗いが一番良いけど、それだけでは落ちないと思うので、使うのであれば中性の洗剤のみで、しっかりと水で洗い流す事。
ゴム自体も酸性やアルカリ性に耐性が無いのですが、アルミニウムが自己形成をする酸化アルミニウム被膜もアルカリや酸に破壊されやすい性質を持っているので、酸性やアルカリ性の洗剤やケミカルを使うのは厳禁です。
また、タイヤに負荷がかからないように、150kPaぐらいまで空気圧を落としてから完全に乾燥させて収納をしました。
10年近くこのやり方を貫いておりますが、スタッドレスタイヤとサマータイヤ共に大きなトラブルが無く、タイヤのひび割れも起きにくくなるので、この手順はオススメしておきます。
あと、これも特に重要なのですが、アルミホイールと銅やステンレスなどの異種金属が接触しているような状況を作らない事も大事です。
これは電蝕による影響があるためで、電位が低い金属が高位にある金属を浸食してしまう中でも、アルミニウムとステンレスは特に相性が悪いので、絶縁性の素材を挟んで電蝕が起こらないようにする事も重要です。
知らない人もいるかもしれないけど、トラックの架装屋は金属部品の製造から取り付けまでをしているので、酸性やアルカリ性に弱い事や相性が悪い金属がある事を叩きこまれるから知っている人も多いはず。
アルミニウムは錆無さそうに見えて実は特にデリケートなんです・。
まとめ
少々めんどくさそうな手順ですが、普段は目が届きにくい足回りのトラブルを未然に防げる洗浄と、締め忘れやオーバートルクが無いホイールの取り付け方はうっかりしやすい人ほどオススメの手順ですが、100kmほど走行をしてから増し締めをしておくと、何か所かはもう少し締まる事もあるので、増し締めまでが一通りのタイヤ交換の作業だと思っておいた方が良いでしょう。
むしろ、タイヤ交換の総仕上げは増し締めが全てだと思っているので、しばらく走行をしたらもう一度適正トルクでの締め付けをしておくと確実です。
また、取り外したタイヤとホイールを綺麗に洗浄をして乾燥をさせてから保管をすると、タイヤとホイール共に傷みにくくなるのでこれもオススメです。
冬期間にスタッドレスタイヤで雪道を走り続けて、いよいよサマータイヤへの交換の時期がやってきました。タイヤ交換をするだけならそんなに時間がかからないのですが、冬に溜め込んだ融雪剤入りの汚れを落として錆を防ぐための下回り洗浄をオススメします。 タイヤ交換のついでにやっておきたい下回り洗車で錆対策の汚れ...
タイヤの空気圧によって荷重能力が違うJATMA(日本タイヤ)規格とXL規格(欧州タイヤ規格ETRTO・EXTRA ROAD)の2種類の規格がありますが、JATMA規格のタイヤからXL規格のタイヤに変えたりインチアップをした場合は、何を基準にして空気圧を調整すれば良いのかを解説いたします。 タイヤの...
ホイールナットを締める時にトルクレンチを使わなければいけないから始まり、1回で締めるか2回で締めるかなど、様々な論争が起きていますが、筆者は違った形での2回締めを行っておりますので、自分流のトルクレンチを使用したホイールナットの締め方をご紹介します。 トルクレンチの使用方法!タイヤを脱落させないた...
この記事へのコメントはありません。