暗号資産(仮想通貨)は「絶対に儲かる」「稼げる」などの謳い文句で勧誘され、一部ではトラブルも発生しているようですが、「本当はどうなのか?」と疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか?
儲かる時もあれば儲からない時もあるというのが答えですが、2022年4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、詐欺などのトラブルが増えることも懸念されています。
そこで、暗号資産とは何かという基本的な仕組みから、暗号資産で利益を出すための売買のタイミング、取引所の選び方や詐欺などのトラブルを回避する方法について解説させていただきます。
暗号資産とは何か?法定通貨との違い
法定通貨
法定通貨は、日本円や米ドルのように強制通用力(金銭債務の弁済手段として用いることができる法的効力)を有する通貨のことで、日本においては、日本銀行が発行する日本銀行券(紙幣)と、造幣局が製造し日本政府が発行する貨幣が法定通貨となります。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産は、貨幣や紙幣などの現物を持たないデジタル化された資産のことで、代表的な暗号資産であるビットコインでは、決済や送金などの取引データを記録したブロック同士を暗号技術によって結び付け、ネットワーク上で鎖(チェーン)のようにつないで共有するブロックチェーンという仕組みが使われています。
通貨の価値を保証する中央銀行などの機関が存在しなくても取引が成立する金融システムとして、サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物が2008年に論文を発表し、それを元にブロックチェーン技術を使用した初めての暗号資産であるビットコイン(Bitcoin)が2009年に誕生しました。
その後、1,500を超える銘柄の暗号資産が誕生しましたが、国内の暗号資産交換業者が取り扱う銘柄はその一部に限られており、当時は1業者につき20銘柄程度までの取り扱いが中心となっていました。
大企業の経営者が暗号資産を保有していることも知られており、米テスラ社のCEOであるイーロン・マスクも、個人としてビットコイン・イーサリアム・ドージコインを保有していることを明らかにしています。また、テスラでは一部のグッズを購入する際に、ドージコインでの支払いを受け入れることも発表しました。
中南米のエルサルバドルでは、2021年9月にビットコインを世界で初めて法定通貨として採用するなど、暗号資産を決済手段として利用する動きも広がっていますが、一方で資産としての価格は大きな上昇と下落を繰り返しています。
取引には暗号資産交換業者で口座の開設が必要
日本国内の暗号資産取引所を利用して暗号資産を売買する場合は、暗号資産交換業者が運営する取引所や販売所で口座を開設する必要があります。また、日本国内で暗号資産交換業を営むためには、金融庁・財務局への登録が必要となっています。
上記の暗号資産交換業者で口座を開設する際には本人確認が必要なので、通常の取引であれば、登録されている暗号資産交換業者とユーザーの間に第三者の業者や個人を介在させる必要はありません。
そのため、「必ず儲かる」や「投資をすれば資産が増える」といった類の話は、暗号資産の価格が常に変動する仕組みを考えても、まず有り得ない話ですから。
暗号資産の取引に使用する口座は、銀行口座とは別に暗号資産交換業者で開設する専用の口座のことで、例えば私の場合は、登録されている暗号資産交換業者のうち、ビットバンク株式会社が運営する取引所「bitbank」で口座を開設したのですが、bitbankで作った口座を他の取引所で使用することはできません。
原則として、それぞれの暗号資産交換業者が管理する専用口座となるので、手数料や利便性、取り扱う銘柄などを考慮して、口座を開設する取引所を選択する必要があります。
同じ銘柄の暗号資産であれば、どの取引所でも基本的には同じ市場の値動きに影響されますが、取引所ごとに売買価格が異なる場合もあり、手数料や取り扱い銘柄数などもそれぞれ変わってきます。
口座を開設する取引所を選ぶコツ
取り扱い銘柄数
口座を開設する取引所によって、取り扱う暗号資産の銘柄数はそれぞれ変わってきます。
私は楽天ウォレット・Coincheck・bitbankで口座を開設しているのですが、口座を開設した当時の取り扱い銘柄数を比較すると、最も多いのはCoincheckの17通貨、次いでbitbankの12通貨、楽天ウォレットは有名どころの取引所の中でも少ない3通貨となっていました。
多くの暗号資産は市場全体の動向に影響されて似たような値動きをすることもあるので、取り扱い銘柄数が多くてもそれほど変わらない場合がありますが、一つの通貨だけ急騰や急落をしたり、突然大きな値動きを見せたりすることもあるため、長期的に暗号資産を保有するのであれば、取り扱う通貨が多い方が選択肢も広がるでしょう。
特に、まだまだ伸びしろがあると期待されている通貨ほど、大きな値動きには注意が必要です。
取引所と販売所の取り扱い
暗号資産の取引には、暗号資産交換業者と直接売買する販売所形式と、ユーザー同士の売買を暗号資産交換業者が仲介する取引所形式の2通りがあります。
暗号資産の取引所と販売所の違いは、売買する相手や価格の決まり方、取引手数料などにあり、それぞれに特徴があります。
原則として販売所形式では、買値と売値の価格に差を付けて、暗号資産交換業者が受け取る手数料に相当するスプレッドが存在します。例えば、1BTC500万円を仲値とすると、買値515万円、売値490万円ぐらいの差が付けられることもありますが、暗号資産交換業者が提示する価格で比較的簡単に売買できる取引方法です。
長期的に暗号資産を保有して、価格が高くなった時に一気に売るような取引をする場合にも利用できますが、売買価格の差が大きいと利益を出しにくくなるため、スプレッドの大きさを確認しておく必要があります。
一方、取引所形式では、ユーザー同士の売買を暗号資産交換業者が仲介する形になるので、業者によっては売買時に0.1%から0.2%程度の取引手数料が発生します。
1万円あたり10円~20円程度の手数料なので、値動きに合わせて短いスパンで少額の利益を出していくならこちらの方が良いのですが、ユーザー同士の売買価格がマッチしないと取引が成立しないことがあるので注意しましょう。
ただし、ユーザー同士がメッセージのやり取りをして取引するようなものではなく、例えば1BTC540万円の時に0.002BTCを売ろうとした場合、同じ価格で0.002BTCを購入したい人の注文が板に並んでいれば、売買が成立するという仕組みです。
暗号資産交換業者によっては販売所のみの取り扱いであったり、スマホアプリでは取引所形式の売買に対応していない場合もあるので、口座開設前に確認しておいた方が良いでしょう。
入出金手数料
日本円を預けている銀行口座から暗号資産の口座に資金を移す時には、入金手数料がかかる場合があり、反対に暗号資産の口座から銀行口座へ資金を戻す際にも出金手数料が発生する場合があります。
入金のみの手数料を無料にしている場合や、入出金手数料を無料にして売買時の手数料を高くしている場合などもあるので、気になる人は特に要注意です。
ただし、取引する金額によっては入出金手数料が全体の取引額に比べて微々たるものになる場合もあるので、取引金額や利用頻度に応じて比較してみると良いでしょう。
売買時の手数料(スプレッド)
販売所で買値と売値に差を付けるスプレッドは、暗号資産交換業者によって大きく変わります。
買値と売値に大きな開きがある場合は、特に値動きが小さい時には利益を出しにくくなるので、できるだけスプレッドが小さい所を選びましょう。
例えば、1BTC500万円の時に買値と売値に30万円の差があると、購入した時点からその差額を埋めるだけの価格上昇が必要になりますが、価格が上昇するまでに一か月以上かかったり、十分に上がり切る前に下がってしまったりすることもよくあります・・。
利益を出したい場合は、スプレッドの差を埋めたうえでさらに価格が上がるのを待つ必要があるので、長期戦を覚悟しなければならない場合もあるでしょう。
私が利用した楽天ウォレット・Coincheck・bitbankの中では、楽天ウォレットが特にスプレッドを広く取っていました。
空売り(ショート)が出来るか否か
通常は、暗号資産の価格が低い時に購入し、価格が上昇した時に売却することで利益を出すのですが、空売り(ショート)は手持ちの暗号資産が無い状態でも先に売り建てて、価格が下落した時に買い戻すことで利益を狙う、通常の取引とは逆の取引方法です。
信用取引などでは暗号資産を借りて売却する仕組みがあり、現物を購入して保有する場合とは異なり、価格が下落する局面でも利益を狙えるという特徴があります。
ただし、レバレッジ取引や証拠金を利用したショート取引には、一定の条件を満たすとポジションが強制的に決済されるロスカット(強制清算)の仕組みがあり、相場が予想と反対に動けば大きな損失が発生する可能性もあるので、初心者はあまり手を出さない方が良さそうです。
倒産の危険性があるかどうか
暗号資産の大手取引業者であるFTXトレーディングが2022年11月に経営破綻し、口座から資金を引き出せなくなるというトラブルに発展したこともあるので、経営状況や信用面で悪い噂が出ていない取引所や販売所を選ぶのが良いでしょう。
暗号資産で儲かる仕組み
ビットコインを例に挙げると、1BTCあたりの価格が低い時に暗号資産を買って、高くなった時に売れば利益になりますが、価格が上がると予想して高い時に購入したにもかかわらず、下落した時に売ってしまえば損失となります。
値動きをある程度予想できるパターンもありますが、大きな金額の投資が行われた場合には価格が急激に上昇したり、逆に大量の売却が行われて急落してしまったりする場合もあります。
また、ネットワーク上に存在する通貨でありながら、ロシアによるウクライナ侵攻のような国際情勢や社会情勢の変化にも左右され、価格が大きく動いてしまう場合もあるので、ニュースなどをチェックしながら売買のタイミングを判断する必要があります。
そして、売るタイミングを逃して価格が下がってしまった場合には、購入した暗号資産をすぐに売却せず、同じ銘柄の暗号資産を価格が安い時に追加で購入することで、平均購入価格を引き下げるという方法もあります。
その後、価格が回復して損益がプラスマイナス0かプラスになった時点で売却できれば損失を避けることもできますが、追加で購入しても必ず価格が回復するわけではないので、売買のタイミングを見極める必要があります。
また、さらに大きく暴落する危険性がある場合には、マイナスになってでも一旦暗号資産を売りに出す損切りを行い、損失を極力少なくするという判断も必要になります。
暗号資産は本当に儲かるのか?
ビットコインで大きな資産を手にしている人は、価格が大きく上昇する前に購入していた人がほとんどですが、ここ最近でビットコインを買った人が投資金額を2倍以上に増やすには、購入時点からさらに大きな価格上昇が必要になるでしょう。
ビットコインのハードフォークによって枝分かれしたビットコインキャッシュや、2022年9月に大型アップデートが行われたイーサリアムのように、将来性が期待されている暗号資産にはまだまだチャンスがあるのではないかと思いますし、他の銘柄についても将来性が無いわけではないので、価格の大幅な上昇を期待して、ある程度保有していても良いのではないかと思います。
しかし、世界中で取引されている暗号資産が今後どのように動くかを完璧に予測できるわけではないので、「必ず儲かる」という言葉は鵜呑みにしない方が良いでしょう。
2022年4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことで、若年層を狙った投資詐欺などのトラブルが増えることも懸念されていますが、暗号資産の取引でどのようにトラブルを回避するべきか、見極めるためのポイントを何点か挙げさせていただきます。
- 暗号資産は、代理店や代理人を通さずに、金融庁・財務局に登録されている暗号資産交換業者で直接口座を開設して取引する。無登録で暗号資産交換業を行っている場合には資金決済法違反となる可能性があり、投資の勧誘内容によっては金融商品取引法に抵触する場合もあるので、不審な出資話を持ちかけられた場合は警察などに相談しましょう。
- 暗号資産の価格は一か月間で10%前後の変動にとどまらず、それ以上に大きく上昇したり下落したりすることもあるので、必ず値上がりして高配当を得られるという話はまず有り得ません。数年待っていればいつかは上がるかもしれませんが、下がったまま価格が戻って来ない場合もあるので、暗号資産の仕組みや価格変動の特徴をよく理解してから考えた方が良いでしょう。
- 新規の暗号資産に投資したとしても、必ず暗号資産交換業者に上場できるとは限りません。上場予定の暗号資産交換業者を聞いても、「守秘義務があるから答えられない」などと言って具体的な根拠を示さない場合は、詐欺の可能性を疑った方が良いでしょう。
- SNSなどで見かけるビットコインや現金のプレゼント企画については、少なくとも私は今まで実際に当選した人を見たことがありません。検索の邪魔になるので不審なアカウントはブロックしていますが、明らかに怪しい企画に応募している人を見ると、なぜ嘘を見抜けないのかと不思議な気持ちになります。
こうしたポイントを理解していれば、暗号資産に関する詐欺やトラブルに騙される危険性を減らせるとは思いますが、情報商材については販売そのものに違法性があるとも言い切れないので、内容を十分に見極めたうえで自己責任で対応しましょう。








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