動画もミラーレスカメラやシネマカメラの時代になって、ビデオカメラは終焉を迎えたとは言われていましたが、たしかに画質の面ではそうかもしれませんし、メーカーもビデオカメラにはそんなに力を入れていない様子は何となく分かります。
自分もそうだと思って、10年間はシネマカメラとミラーレスカメラを渡り歩いていましたが、久しぶりにビデオカメラを使ってみると、視聴者側の反応が明らかに変わり、高評価も多く得られるようになりました。
実際に使用してみて案外オワコンではなかったビデオカメラですが、この度購入をしたパナソニックHC-X1600を3ヶ月使用して、操作性や画質などを徹底レビューしていきます!
動画撮影でビデオカメラを使用するメリットとデメリット
一度はオワコンだと言われていたビデオカメラですが、飛行機撮りや野鳥撮影、運動会や演奏会などの特定の撮影条件では、ミラーレスカメラやシネマカメラが主力になったとは言い切れない場面もまだまだあります。
ミラーレスカメラやシネマカメラを使用して、レンズ一体式ビデオカメラに戻った上での感想ですが、レンズ別体式カメラとの違いやビデオカメラの方が有利な点についてまとめてみました。
広角端から望遠域までのズーム倍率の高さと滑らかさ
レンズ交換式カメラの場合は、広角端から望遠域までのズーム倍率が低く、望遠から広角に切り替えたいような場面では、いちいちレンズを交換しなければいけません。
短いシーンを繋ぎ合わせて動画を作る分にはそれでも良いのかもしれませんが、長回しの際にズームリングを手で操作するガタガタ感や、広角端まで引いても引き切れていないもどかしさは、あまり好まれていませんでした。
ビデオカメラの場合は25mm程度の広角域から600mm以上の望遠域まで、レンズを交換する必要が無く、速度を変えながら滑らかなズーム操作が可能なので、寄りと引きを多用するような撮影条件では、まだまだビデオカメラの方が好まれています。
手振れ補正が動画に特化している
レンズ交換式カメラでも、ボディ内手振れ補正が内蔵されて、昔よりも手振れ補正の精度は上がってきてはいますが、大きくパン・チルトを振った時の揺り戻しが大きく、左右上下に大きくブレて安定感の無い映像が記録されている場合があり、超望遠レンズではレンズサポートを使用しないと、まともに撮影が出来ない場合があります。
ビデオカメラは三脚を使用した撮影条件に合わせて、パンチルトのみの手振れ補正に切り替える事が出来るので、手持ちと三脚固定の両方に合わせた補正方向の設定も可能。(機種による)また、本体底だけで雲台に固定するだけで、よっぽどじゃなければ別売りのレンズサポートを使用する必要がありません。
長回しが可能な長時間記録対応の内蔵バッテリー
ボディ本体が小型化されたミラーレスカメラやシネマカメラは、内蔵バッテリー単体で連続記録時間が30分であったり、短いと15分以内って事もありますが、ビデオカメラは1本の内蔵バッテリーで記録時間2時間越えや長くて5時間以上の場合もあります。
バッテリー残量を気にせずに長時間の録画をしたい場合や、バッテリー交換時の記録途切れを防ぎたい場合は、まだまだビデオカメラを使用する方にメリットがあると感じます。
イメージセンサーや画像処理エンジンは10年間ほとんど変わっていない
10年前まで使用していた4Kビデオカメラと最新機種の4KビデオカメラであるパナソニックHC-X1600の暗所撮影性能やダイナミックレンジが変わっている感じは無く、イメージセンサーや画像処理エンジンの性能はさほど良くなっていないようには思えます。
ミラーレスカメラやシネマカメラから1/2.5型CMOSセンサー搭載機クラスのビデオカメラの乗り換えた際には、夕方以降の薄暗い撮影条件では過度な期待は禁物です。
せいぜい太陽が沈んで30分から45分ぐらいの薄暗さまでです。
オートフォーカスの性能も、ミラーレスやシネマカメラよりも甘く感じる事もあります。
飛行機やブルーインパルス専用機となっていますが、今回購入をしたパナソニックHC-X1600をレビューしていきます!
小型・軽量ボディに機能を凝縮したデジタル4Kビデオカメラ
アイカップやレンズフードを含めた外形寸法は129mmx93mmx267mmの小型サイズで、バッテリーを含めた本体質量は約1.2kgとなります。
多少はずっしりとした印象は受けますが、グリップベルト取り付け部から前後のバランスも良く、男性であれば手持ち撮影も苦ではありません。
光学ズーム倍率は24倍で、35mm判換算で25mmの広角域から600mmの望遠域までをカバー!デジタルズームを使用すると4K UHD記録時に最大32倍、フルハイビジョンで最大48倍の超高倍率ズームに対応をしています。
レンズの性能は、広角端で開放f値F1.8となりますが、通しにはなっていないので、望遠域を使用するとf4.0まで絞り込まれてしまうので、望遠域を使用した暗所撮影には不向きです。
ズームとアイリスリングは割り当てを変更可能!内蔵NDフィルターも4段階で切り替え可
フロントリングとリアリング、その下にはマルチダイヤルが取り付けられていますが、フロントリングとリアリングは、ズーム、アイリス、フォーカスのうちの2つをそれぞれ割り当てる事が可能。
私の場合のズーム操作は、ズームスイッチを使用しているので、リングはアイリスとフォーカスに割り当てています。
内蔵NDフィルターは、CLR(NDフィルター無し)・1/4・1/16・1/64の4段階から切り替え可能ですが、シャッタースピードを1/60か1/100に固定する場合は、1/8があると丁度良かったようにも思えるので、別途NDフィルター(フィルター径62mm)があった方が良いのかもしれません。
豊富なユーザースイッチは割り当て変更可能・・だが・・
上側面や上面にはユーザースイッチが備え付けられていますが、液晶モニターのメニュー画面の6つと合わせて、合計13の機能を割り当てる事が出来ます。
工場出荷時のUSERボタンの機能割り当て
| USERボタン | 機能 |
| USER1 | 水準器 |
| USER2 | 逆光補正 |
| USER3 | O.I.S |
| USER4 | VF |
| USER5 | RECチェック |
| USER6 | AEレベル |
| USER7 | AWB |
| USER8 | エリア |
| USER9 | FACE DETECT |
| USER10 | ゼブラ |
| USER11 | メニュー |
| USER12 | COUNTER |
| USER13 | RESET |
私の場合は、水準器は表示しっぱなしで逆光補正も使う事が無いので、USER1を使用する頻度が高いフォーカスアシストに変更し、USER2を遠くの被写体を一時的に確認したい時に使用するi.ZOOMのON/OFFに変更をして使用し、撮影中に時々使用するウェーブフォームとベクトルスコープ表示にUSER5ボタンを入れ替えています。
USERボタンに割り当てられる機能
| 無効[INBIHIT] | 機能を割り当てません |
| AWB[AWB] | オートホワイトバランスの機能割り当て |
| DRS[DRS] | ダイナミックレンジストレッチャー機能割り当て |
| FBC[FBC] | フラッシュバンド補正機能の有効/無効 |
| ONE PUSH AF[ONE PUSH AF] | ワンプッシュオートフォーカス機能割り当て |
| スーパーゲイン [S.GAIN] | スーパーゲイン切り替え機能割り当て |
| エリア[AREA] | エリア機能割り当て |
| ATW[ATW] | オートトラッキングホワイトバランス機能切り替え |
| ATWロック[ATW LOCK] | オートホワイトバランス値を固定 |
| スポットライト[SPOTLIGHT] | スポットライトのオートアイリス制御機能の有効/無効切り替え |
| 逆光補正[BACKLIGHT] | 逆光補正用のオートアイリス制御機能の有効/無効 |
| ONE PUSH A.IRIS[ONE PUSH A.IRIS] | ワンプッシュオートアイリス機能の割り当て |
| AEレベル[AE LEVEL] | AEレベル機能の有効/無効 |
| Y GET[Y GET] | 中央付近に表示された枠部分の輝度レベルを表示させる機能を割り当て |
| O.I.S[O.I.S] | 手振れ補正機能の有効/無効 |
| O.I.Sモード[O.I.S MODE] | 手振れ補正機能の標準・パン/チルト・固定、切り替え |
| i.ZOOM[i.ZOOM] | 画質劣化の少ないズーム機能の割り当て |
| デジタルズーム[D.ZOOM] | デジタルズームの有効/無効 切り替え タッチごとに2倍・5倍・10倍ズームに切り替え |
| 赤外線撮影[IR REC] | IR撮影の有効/無効 |
| 高速ズーム[FAST ZOOM] | ズームレバーを最後まで押し込んだ時にズーム速度が速くなります |
| レックスイッチ[REC SW] | RECボタンと同じ機能割り当て |
| プリレック[PRE REC] | プリレックの有効/無効 |
| スーパースロー[SUPER SLOW] | スーパースロー記録の有効/無効 |
| バックグラウンド記録停止[BACKGR PAUSE] | カードスロットのバックグラウンド記録を停止する機能 |
| レックチェック[REC CHECK] | 直前に撮影したクリップの最後の約3秒間を自動的に再生 |
| 最終クリップ削除[DEL LAST CLIP] | 直前に撮影したクリップを削除 |
| 音声CH1レベル[AUDIO CH1 LEVEL] | 音声チャンネル1の録音レベル調整方法の自動/手動切り替え |
| 音声CH2レベル[AUDIO CH2 LEVEL] | 音声チャンネル2の録音レベル調整方法の自動/手動切り替え |
| フォーカスアシスト[FOCUS ASSIST] | フォーカスアシスト機能の有効/無効 |
| WFM[WFM] | ウェーブフォームモニター・ベクトルスコープ表示切替 |
| ゼブラ[ZEBRA] | ゼブラパターン表示/非表示 |
| 撮影ガイドライン[GUIDE LINES] | 撮影ガイドライン表示切替 |
| 水準器[LEVEL GAUGE] | 水準器の表示/非表示 |
| 水準器設定[LEVEL GAUGE SET] | 現在の水平方向と垂直方向を水準器の基準値として設定 |
| VF[VF] | ビューファインダーの点灯/消灯 |
| LCD/VFディテール[LCD/VF DETAIL] | フォーカスを合わせやすくするために、ビューファインダー映像と液晶モニター映像の輪郭を強調 |
| 音声出力[AUDIO OUT] | ヘッドフォン端子および内蔵スピーカーから出力する音声チャンネルと形式を切り替え |
| FACE DETECT[FACE DETECT] | 顔検出AE&AF機能の有効/無効を切り替え |
| セットアップファイルロード[LOAD SETUP FILE] | メモリーカードに保存されたセットアップファイルを選択して本機に読み込み |
| LCDバックライト[LCD BACKLIGHT] | 液晶モニターの明るさ切換え |
| カードリーダーモード[CARD READER MODE] | カードリーダーモード機能の有効/無効 |
| ストリーミング開始[STREAMING START] | ストリーミング配信の開始/停止切り換え |
| COUNTER[COUNTER] | タイムこーそ表示を切り替え |
| RESET[RESET] | カウンター値をリセット |
| REAR RING[REAR RING] | リアリング動作を切り換え |
初期設定で割り当てられている機能で、使う頻度が少なく、メニューで設定を切り替える機能を、頻繁に使用する機能に入れ替えておくと、非常に取扱いしやすいカメラにする事が出来ますが、メニューの中から探すのが大変な機能をユーザーボタンから外してしまうと、非常にめんどくさい事になる事があるのでご注意を!
パナソニックHC-Xシリーズは、カメラを触った事が無さそうな人が開発したレベルで、ボタンの押し難さを感じますが、小さいピットクッションをボタンサイズに切って貼っておけば、割と操作性は改善されます。
特にAF/MF切り換えボタンを本体とフラットになるように配置しているので、押し難い場合は出っ張りを作っておけば解決です!
液晶モニターは3.5型 屋外でも視認性は悪く無い方
フリップ式3.5インチ液晶モニターは、多少の青っぽさとガンマ曲線のズレを感じてしまう品質ですが、屋外での撮影時は多少の反射は気になるものの、モニターフード無しでもしっかりと視認する事が出来るぐらい見やすくはなっています。
モニター上の設定では、シャッタースピード1/100固定、アイリスマニュアルに設定をしていますが、マルチダイヤルの回転で設定を切り替えてプッシュで設定値の変更をする事が可能です。
アイリスマニュアルはF11を超えると絞りが完全にクローズとなってしまうので、明暗差が激しい撮影条件ではAEレベルで明るさを調整した方が、余計な失敗は少ないような気がします。
内蔵モニターを使用してホワイトバランスをマニュアルで調整すると、割と合っていない事も多いので、別途外部モニターかホワイトバランスカードを使用して調整をした方が確実です。
豊富な入出力端子を備え、HDMI出力は4:2:2 10ビット出力
側面にマイク入力端子・リモート端子・マスストレージ機能を備えたUSB Type-C端子を備え、背面はHDMI出力端子・ヘッドフォン端子・電源入力用のUSB Type-C端子を備えます。
HDMI端子は4:2:2 10ビット出力なので、外部モニターの使用やライブ配信用ソフトウェアでも、劣化の少ない映像データを外部に出力する事が可能です。
パナソニックHC-Xシリーズには、ワイヤレスでライブ配信をする機能が備えられていますが、一度HDMI出力でライブ配信をすると、ワイヤレス機能を使う気が失せてしまうぐらいの画質の良さに驚きます。
バッテリーの持続時間は6時間越え!外部給電も使用すると無制限に使用可能
パナソニックHC-X1600は、付属のバッテリーのみで最大約6時間10分の撮影が可能で、外部給電を使用すればほぼい無制限に撮影を続ける事が可能です。
Vマウントバッテリーを併用して撮影をしていますが、10時間越えの撮影でも内蔵バッテリーに切り替わる事も無いので、内蔵バッテリーは最初のテストの時以外はただ本体に付いているだけです。
あっても無くても変わらないかもしれませんが、雲台プレートとの設置面積を増やしたいがために、バッテリーを付けっぱなしにしています。
SDI端子にさえ拘らなければ中古のハンドルでほぼHC-X2100仕様にする事が可能
上位機種のHC-X2100にはSDI端子とハンドルユニットが標準で付属してきますが、SDI端子を使う事が無い方は、HC-X1600にハンドルユニットVW-HU1-Kを取り付けてほぼ同仕様にする事が可能です。
ハンドルユニットはHC-X1500・HC-X2000・HC-X1600・HC-X2100共通の部品になっているので、HC-X1500/2000から取り外して売ったハンドルユニットを中古で買ってきた方が、合計金額がHC-X2100よりも安く済む場合があります。
特にXLRマイク入力端子とファンタム電源を使いたい方は、HC-X1600+中古ハンドルユニットの組み合わせは割とオススメです!
HC-X1600の実写レビュー
🔴4K LIVE | ブルーインパルス 中越大震災復興記念祭展示飛行 JASDF Blue Impulse Air Display 2026.4.19 新潟県小千谷市
2026年4月19日に新潟県小千谷市で行われた、ブルーインパルスによる中越大震災復興記念祭展示飛行の様子をライブ配信したアーカイブ映像です。
AV1コーデックを使用して4K UHDライブ配信をしていたので、アーカイブ映像も4K映像アップロード後と変わらないぐらいに画質が良いです。
ガンマ設定CINE LIKE Vを使用していますが、クロマレベルだけ+方向に設定変更をすれば、他のガンマモードと比較しても非常にバランス良く自然な映像が記録できていると感じます。
手振れ補正については、望遠端付近でほぼ効いていないと感じる事はあるものの、少しだけ引き気味にするだけでブレが少ない映像を配信する事が出来ました。
ズーム操作時は、ズームボタンを離した時にゆっくりと停止するようなイーズイン・イーズアウト機能が備えられていない事が気になりますが、ズームレバーの押し加減でズームスピードが変わる可変式ズームで滑らかな動きを可能にしています。
広角から望遠まで必要なブルーインパルスの撮影は、パナソニックHC-Xシリーズ一択と言われるぐらい、実は人気があります。
| シャッタースピード | 1/60固定 |
| アイリス | オート |
| AEレベル | 0~+0.7 |
| NDフィルター | 1/16 |
| ホワイトバランス | AWB (ホワイトバランスカードを使用して設定) |
【4K】陸上自衛隊 船岡駐屯地 創設67周年・第2施設団創隊65周年記念行事 訓練展示 JGSDF Funaoka Camp
場所取りに敗北したため、編集時にアスペクト比をシネマスコープに変更して、他の来場者の写り込みを減らしております。
手振れ補正は、ブルーインパルスのように高速で移動する被写体じゃなければ、ズーム位置全域で有効に機能しておりますし、ブルーインパルスによる中越大震災復興記念祭展示飛行の映像は、CINE LIKE Vで丁度良かったのですが、陸上自衛隊 船岡駐屯地の訓練展示はCINE LIKE D撮って出しのままでも自然な映像が記録出来ています。
ミラーレスカメラやシネマカメラと比較すると、画質やダイナミックレンジ性能で劣ってしまうのは否めないのですが、ビデオカメラならではの滑らかなズームコントロールは、長回しのノーカット映像で非常に効果的に機能しています。
| シャッタースピード | 1/100固定 |
| アイリス | オート |
| AEレベル | 0~+0.3 |
| NDフィルター | 1/4 |
| ホワイトバランス | AWB (ホワイトバランスカードを使用して設定) |
ビデオカメラはまだオワコンでは無かった!
BMPCC6KからHC-X1600に切り替えてからは、ブルーインパルスのライブ配信で5倍から10に再生回数が増えて、チャンネル登録者もBMPCC6Kの時より月間で10倍に増えているため、明るい時間帯に記録した映像では、視聴者からの評価が非常に高くなっております。
一度はオワコンとか言われていたビデオカメラも、実際に使ってみると被写体や撮影条件によってはまだまだ現役で頑張れるものなんだと実感しておりますし、手持ち撮影しか出来ないような場所でも非常に取り扱いはしやすいです。
Panasonic HC-X1600は、Amazon・楽天市場・Yahooショッピングの各ショッピングサイトでお買い求めいただけます。

















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