コンパクトで大容量!ポータブル電源!EcoFlow RIVER 2 MAXのレビュー

Ecoflow River 2 Maxの出力端子一覧

カメラバッグやバックパックにも入るコンパクトサイズで、キャンプなどのアウトドアシーンの他、スマホの充電や小電力家電製品などへの電力供給やこれから起こりうる災害対策にも最適なポータブル電源、EcoFlow RIVER 2 MAXのレビューです。

災害時やアウトドアシーンで快適になるポータブル電源

災害や停電時の電源として使用

東日本大震災後の仙台市蒲生地区
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、東北3県を中心に電力の供給が停止し、数日にわたって家電製品が使えない日々が続いた他、避難生活の長期化により自由に電力を確保できなかった経験がある人も多いかと思います。
生活必需品の一部は諦めたとしても、連絡を取り合うためのスマートフォンの充電が必要になったり、照明を点灯するための電源確保が必要な事もあって、電力を確保するために試行錯誤をしていた記憶も遠い昔の話ではありません。

震災当時はどうやってAC100Vの電力を確保していたかと言うと、ガソリンの入手が困難な中、自動車の消費電力を抑えるためにDC/ACインバーターをバッテリーに直結して、バッテリーが上がったら他車にブースターケーブルを接続してエンジンを始動させる作業を繰り返していました。
発電機を所有しているご家庭や企業は、何も無いよりは多少楽だったかもしれませんが、ポータブル電源がメジャーじゃなかった当時は電力の確保に苦労したものです。
現在は家電量販店やホームセンターにもポータブル電源を当たり前のように販売しているため、時代が変わって以前よりも災害対策が容易になってきているのは実感できます。

イベント時や行楽時の電源として使用

インターネットライブ配信撮影風景
コロナウィルス感染症の感染拡大でイベントの中止が相次ぐ中、場所非公表でのオンラインライブ配信の需要が高まっていたので、その波に乗ろうと映像の生放送が出来るライブ配信に対応したわけですが、2日連続とか3日連続で撮影をしていると、カメラの内蔵バッテリーや外部バッテリーとして使用しているソニーのNP-Fバッテリーだけでは足りなくなるのです。

しかも、メインで使用しているBlackMagic Design Pocket Cinema Camera 6Kの消費電力が多すぎて、外部SSDで収録して内蔵バッテリーのみで連続20分も撮影できれば良いぐらいで、2日とか3日連続で撮影していると、当然の如くNP-Fバッテリーの充電が追い付かなくなってしまいます。

さらにノートパソコンの消費電力もプラスされてしまうので、今まで使用していた小容量222Whのポータブル電源では容量が足りなくなってしまいました。

・・・というか、2024年の神明の花火大会後に発生したゲリラ雷雨で水没して壊れてしまいました。

ポータブル電源買い替えの目的

神明の花火大会が終わった後日は、南海トラフ地震警戒情報も発令されていたのもありましたが、ポータブル電源を購入予定だったヨドバシカメラ甲府店の店員も、南海トラフ関係で購入しに来たもんだと思っていた模様。

旅行中だった事と前日の大雨の話をしたら、合致がいって納得していただけたようですが、店員さんに手伝ってもらって、新たなポータブル電源選びとなりました。

災害時の非常用や、屋外でのライブ配信、今後スターリンクを使用したインターネット通信も行う事と、バックパックに入って一人で持ち運べるサイズを希望している事を伝え、ライブ配信でスターリンクを使用する事が前提となりますが、大曲の花火の昼花火からフィナーレまでの4~5時間使用する消費電力とポータブル電源の容量から、EcoFlow RIVER 2 MAXを購入する事になりました。

また、使用しない時は非常用持ち出し袋の中に入れておいて、災害時の通信手段の電力確保や最低限の電力を使用するための非常用電源として使用する事も検討材料になりました。

EcoFlow RIVER 2 MAXのスペック

容量 512Wh(20Ah 25.6V )
AC入力 100-120V 50Hz/60Hz, 最大10A
DC入力 11-50V 220W, 最大10A
USB-C入力/出力 5/9/12/15/20V 5A,最大 100W
DC出力 12.6V 10A, 最大126W
USB-A出力 5V 2.4A 各ポート最大12W 合計24W
AC出力 純正弦波、合計500W(サージ1000W) 100V~ 50Hz/60Hz X-Boost 750W
電池素材 リン酸鉄リチウムイオン電池
寿命 3000回以上(80%+)
使用温度範囲 -10°C ~ 45°C
充電温度範囲 0°C ~ 45°C
推奨使用温度範囲 20°C ~ 30°C
保管温度範囲 -10°C ~ 45°C (推奨保管温度:20°C ~ 30°C)
サイズ 26.9 x 25.9 x 19.6cm
重量 約6.1kg
同梱物 RIVER 2 MAX本体・AC充電ケーブル・車載シガーソケット充電ケーブル・DC5521-DC5525ケーブル・取扱説明書


豊富な出力系統 AC出力は純正弦波

Ecoflow River 2 Maxの出力端子一覧

USB Type-Aが3ヶ所、USB Type-Cが1ヶ所、DCシガーソケットとDC出力合わせて3ヶ所、AC100Vコンセントが4ヶ所も使用できます。

最大出力は500W、X-Boostモードで750Wまで使用可能

Ecoflow River 2 Max X-Boostモード

AC100Vコンセントに関しては最大500Wまで使用できますが、X-Boostモードをオンにすると、最大で750WのAC電源を家電製品やアウトドア用品などに供給する事が出来ます。
ただし、X-BoostモードはAC/DCコンバーターや内蔵バッテリーに負荷がかかって、寿命を縮めてしまう可能性もあり、常用ではなく非常時の使用に止めておいた方が良いかもしれないとの事で、通常使用時は極力X-Boostモードをオフにしておいた方が良さそうです。

また、使用出来る電化製品の制約が無い純正弦波のAC電源を出力する事が出来るので、疑似正弦波のAC電源を出力するポータブル電源のように、異音や異常動作の発生は全くありません。

USB端子は4つだけど、急速充電はType-Cのみ

USB端子については、Type-C端子だけが5Vから20Vまで電圧を自動的に変動させる急速充電規格となりますが、残念ながらUSB Type-Aは全て5V 2.4Aを出力する通常の充電規格となります。
USB Type-Cを使用した急速充電は、USB Type-CからType-Aに変換をしてPD非対応機器の充電が出来たので、多分PD(Power Delivery)ではなく、USB PD+QC3.0(Quick Charge)のような高速充電規格を採用しているのだと思う。

その点にあまり触れないのは、USBの規格上の問題か、何らかの大人の事情があるのかもしれない。

DC出力はシガーソケットとDC5521プラグ

DC出力は、カー用品や車載電装品が使用できるシガーソケット1つとDC5521プラグ2つで、最大12.6V 10Aの電力を出力する事ができます。
使用する電装品によっては、低電圧保護機能が働いてしまう下限近くの電圧になってしまう製品もありますが、機能設定で低電圧保護機能をオフにするか、下限電圧を変更する事が出来れば、正常に動作させる事ができます。
エコフローのポータブル電源に限らず、他のメーカーの製品でもDC出力の電圧が12.6V付近になっているため、走行時は14.4Vになる自動車用バッテリーの最大電圧とは少々違った電圧に設定しているのだろう。


充電は4系統、AC入力での充電は史上最速60分で満充電

Ecoflow River 2 Maxの4種類の充電方法
EcoFlow RIVER 2 MAXの充電は、AC100Vコンセント、シガーソケット、ソーラー充電、USB-C充電の4系統の入力に対応しており、AC100Vコンセントを使用した充電では、650W前後の最大入力でわずか60分で満充電にする事ができます。
例えば、通常時は低電力で90%まで充電をしておいて、長時間の使用が見込めるような時にだけ最大電力で100%にフル充電をし、内蔵バッテリーの寿命低下を防ぐような使い方をする事も可能!

高速で充電が可能なEcoFlow RIVER 2 MAXはAC100Vアクセサリーコンセントを備えたハイブリッド車やEV車との相性も良く、下り坂で発生する余剰電力で充電をしていれば燃費への影響もありませんし、駆動用バッテリーが満充電になりにくくなって回生ブレーキもしっかりと効かせる事も可能!
ポータブル電源を車外に持ち出す直前に満充電にすれば、災害時でも極力ガソリンを使わずに、安否確認のためのスマートフォンの充電や、小電力家電製品の使用もできます。

USB-Cを使用した充電については、ACアダプターとモバイルバッテリー共にQC2.0で最大11Wまでしか出力されず、PDを搭載したACアダプターやモバイルバッテリーで最大出力で充電をする事が出来たので、USB入力の急速充電に関してはPDのみの対応になっているようです。
また、入力と出力が共通のUSB-C端子が搭載されているモバイルバッテリーは、ポタ電からの入力が優先されてしまってポータブル電源の充電をする事は出来ませんでしたので、出力と入力が別になっているPD搭載のモバイルバッテリーのみの対応となるようです。

残量のモニタリングや設定変更はスマートフォンアプリから可能

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ モニタリング機能
EcoFlow RIVER 2 MAXの各種設定や残容量のモニタリングはスマートフォンアプリから確認をする事が可能です。
車のトランクルームに設置していても、スマートフォンから電力の供給状態を確認する事が出来るのがとても便利です。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ設定画面
初期設定させ済ませてしまえば、ほぼ設定内容を変更する事はありませんが、エネルギー管理とAC入力の電力量は、使用するロケーションに合わせて設定内容を変更するのがオススメです。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリのエネルギー管理画面
エネルギー管理で放電限度を0~30%まで、充電限度を50%から100%まで変更する事ができますが、10%以下と90%以上を避ける設定をすれば、ポータブル電源の内蔵バッテリーの劣化を遅くする事はできます。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ AC入力の電力量設定画面
また、AC入力の電力量は、緊急時を除いてAC/DCコンバーターやバッテリーへの負荷がかかりにくい最低電力量の100Wから300W程度に抑えておくのもオススメで、それらの設定を行うだけでもEcoFlow RIVER 2 MAXの寿命を長く引き伸ばす事も可能です。


燃料費を節約しながら車中泊での使用に

Ecoflow River 2 Maxを車載用電源として利用した際の写真
カメラやバッテリーの充電をしながら車載電装品を使うのであれば、車内シガーソケットやAC/DCコンバーターを使用した給電よりもポータブル電源を使用するのがオススメです。
自動車はエンジンやハイブリッドシステムを停止したら、給電ができなくなる仕様になっていますが、ポータブル電源を使用すれば、エンジンを停止した後でも常時給電が可能で、燃料費の節約や停車中の電化製品の使用などが一晩中可能になります。

Ecoflow River 2 Maxを車載用電源として利用した際の写真
筆者の環境では、ポータブル冷蔵庫の使用やカメラのバッテリーの充電、空気清浄機を使用していても、設定温度で自動停止するポータブル冷蔵庫の省電力機能のおかげで、一晩中ポータブル電源のバッテリーが切れてしまう事もありませんでした。
トヨタのハイブリッド車の場合は、走行をしながらAC100Vアクセサリーコンセントを使用した急速充電ができるので、車載用に使用するのであれば、EcoFlow RIVER 2 MAXの容量で充分なのです。

ただし、割と少ない電力で給電と充電をしていても内蔵の空冷ファンが回転をして騒音を発生してしまう頻度が高いので、それさえ改善されれば文句無しの性能だとは思います。
ファンが発する音を聞いた感じでは、0(オフ)と1(オン)を切り替える制御しかしておらず、内部温度に合わせて回転数を変動させる機能はありません。

キャンプなどのアウトドアシーンでの利用に

Ecoflow River 2 Maxでポータブル冷蔵庫に給電している写真
IHクッキングヒーターや消費電力750W以上のドライヤーは使用する事ができませんが、ポータブル冷蔵庫やスマートフォンなどのモバイル機器の充電、照明を利用するための電力確保などの用途に、EcoFlow RIVER 2 MAXを1台所有しておくのがオススメです。
500Wまたは、X-Boostモードをオンにして最大消費電力750Wまでの家電製品も使用できるようになるので、今までよりも快適なキャンプが楽しめる事になるかと思います。

個人的には不便さを楽しむものだと思っているので、ポータブル電源を持ち込んだ時点でキャンプじゃなくなるような気もしますが💦


ライブ配信や撮影時の電源確保に

Starlinkを使用したインターネット通信とパソコンへの給電状態
ライブ配信でのカメラやパソコンへの給電、スターリンクを使用したインターネット通信を行うためにEcoFlow RIVER 2 MAXを購入していますが、90%充電で最低でも4時間半は連続使用をする事ができました。
最も時間が長い花火大会は、大曲全国花火競技大会の昼花火から夜花火までの4時間20分が最長になりますが、昼花火から夜花火の間のインターバルを除けば512Whの容量でも足りるという事になります。

ただし、遅延や中断などで花火大会の開催時間が延長された場合は、確実に容量が足りなくなる計算になってしまうので、もう少し余裕を持たせたいという方は容量768WhのEcoFlow RIVER 2 PROを購入するのがオススメかもしれません。
(2024年の全国花火競技大会は進行の遅延が発生してしまったため、実際に最後まで配信をする事はできませんでした。)

Ecoflow River 2 Maxのスターリンクとパソコンを使用した消費電力
また、スターリンクのアンテナとルーターだけでも28Wから60W程度の電力を消費していたようなので、それにノートパソコンの消費電力がプラスされると、60Wから100Wまでの電力が常時消費されていました。
現段階ではカメラのHDMIの出力の仕様でフルハイビジョンでのライブ配信をしていますが、4K映像での配信となれば、グラフィックボードの消費電力もプラスされてしまうので、計算上は3時間から3時間半ほどの連続使用となるので、容量的には少々物足りないかもしれない。

スターリンクは、高度500キロメートル程度の低い高度を周回している衛星との通信を行ったり、衛星に向けてアンテナを自動調整するような精密機器でもあるため、修正正弦波や矩形波のAC出力は使う事ができない。
その点においては、EcoFlowのポータブル電源全製品のAC出力が純正弦波になっているので、パソコンへの給電も含めてほぼ全ての家電製品や機器を全く問題なく使用できます。

テストとして約4時間半ほど連続通信を行いましたが、通信終了後にスターリンクアンテナの格納やパソコンのシャットダウンをしても、残容量は約20分ほど残っておりました。

今までは4回線を使用したボンディングをして通信をしていましたが、一つの回線で輻輳が発生していると、楽天モバイルを除いたモバイル回線も輻輳が起きている状況でしたので、この機会に楽天モバイルの回線を残して全回線を解約いたしました(笑)

ちなみにスターリンクアンテナの三脚は、SLIKの三脚を加工したオリジナル品です。


災害時の非常用電源としての利用

宮城県仙台市蒲生地区の東日本大震災で被害を受けた時の写真
東日本大震災から13年、最近では南海トラフ地震への警戒情報も出るほど、再び大災害の発生が予見される状況になっておりますが、被害がよっぽど大きくなければ、2~3日で救援物資は届き、インフラ関係も徐々に復旧し始める事になるかと思います。
数日は多少不便な思いはするかと思いますが、連絡手段の確保のための電力の確保のためであれば、512Whのポータブル電源でも数日は足りるかと思います。

ハイブリッド車とEcoFlow RIVER 2 MAXの組み合わせ、ソーラーパネルとEcoFlow RIVER 2 MAXの組み合わせであれば、インフラの復旧、ガソリンの正常供給される時までは、常時電力を確保できるという状況になるので、これから起こりうるかもしれない災害の万が一の備えとして、バックパックや非常用持ち出し袋にも入るコンパクトサイズのポータブル電源を所有しておくのがオススメです。

DELTA2のような大容量ポータブル電源の方が良いかもしれませんが、東日本大震災の経験上、避難をしなくてはいけない程の大災害が発生すれば、持ち出す余裕は全く無くなってしまうので、緊急時は人命→避難用具→その他の順番に優先順位が低くなる事を頭に入れて、ポータブル電源を選んだ方が良いでしょう。

EcoFlow RIVER 2 MAXの購入について

Jackery(ジャクリ)やAnker(アンカー)などで販売しているポータブル電源は、性能の向上に合わせて徐々に値段を上げているようですが、EcoFlowだけは性能の向上と共に何故か徐々に値段を下げているらしい。
購入したヨドバシカメラでも、同クラスのポータブル電源の中では最安値となっていたので、手軽な持ち運びやすさや性能の高さ、コストパフォーマンスで評価をすると、最もオススメできるポータブル電源がEcoFlow RIVER 2 MAXとなります。

EcoFlow RIVER 2 MAXは、Amazon、楽天市場、Yahooショッピングからお買い求めいただけます。

 

YouTubeチャンネルオリジナルロゴ

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