2011年3月11日に発生した東日本大震災で津波被害を受けていた宮城県名取市の仙台空港では、震災からわずか1ヶ月というスピードで、旅客便の1部で運航を再開しました。再開初日は、東京の羽田空港と仙台を結ぶ臨時便を、全日本空輸と日本航空が1日6往復で運航を行い、震災の爪痕が残る仙台空港は復興への一歩を踏み出しました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、仙台空港のターミナル内を高さ3.02メートルの大津波が襲い、周辺地域を含む多くの場所で、震災から1ヶ月後も多くの爪痕が残されたままになっていました。
仙台空港の北側にあった仙台空港臨空公園の遊具も、津波の力によって全て横に倒されていて、緊急性の無い場所でもあった事から、瓦礫も残されたままになっています。
仙台空港の東側を通る貞山運河沿いのアスファルトも、津波の強大な力で持ち上げられた痕跡を残し、海沿いを覆っていた防風林もまばらになっていました。
震災後は、被災地域の復旧や被災者の救護に尽力した米軍トモダチ作戦の拠点となり、旅客ターミナルの被災状況から数年は使用不可能とも言われていましたが、懸命な復旧活動のおかげで民間旅客機が着陸できる程まで回復し、2011年4月13日に震災後初の乗客を乗せた旅客機を臨時便として就航。
臨時便として運航を行ったのは、日本航空と全日本空輸の2社で、両社共に167席仕様のボーイング737-800型機を使用しています。
乗客が乗り降りできる最低限の設備しか復旧できていない状態での再開だったため、木製の杭と有刺鉄線で作った仮設のフェンスが設置されていました。
空を通じて希望や有機の芽吹きを届けたいという思いから日本航空は「がんばろう日本」のメッセージロゴ、全日本空輸は「こころをひとつに、がんばろう ニッポン」のロゴを一部の機体に入れて運航を行っていました。
両社合わせて1日6往復で仙台空港と羽田空港を空の便で結び、同じく大部分が不通となっていた東北新幹線の代替輸送機能として重要な役割を担いました。
【東日本大震災からの復興】 仙台空港で臨時便の就航と運航再開初日 日本航空 ボーイング737-800 羽田空港行き
この記事へのコメントはありません。