Youtubeで動画のメタデータなどを編集する事のできるクリエイターツールが廃止となって、今後は新機能であるYoutube Studioで、動画の管理や視聴者との交流、収益の獲得が可能になりました。
それに先駆けて現在公開されているYoutube Studioベータ版では、パクられた動画の削除申請に手間がかかっていた以前のツールを簡素化して、容易な手続きのみで無断でアップロードされた動画の削除申請を提出する事ができるようになっています。
今回は、その機能についてご紹介します。
記事内の目次
著作権とは?
著作権とは英語でCopyrightとも書き、日本の法律では知的財産権の一つとして定義され、美術品や音楽、文芸、学術など作者の思想や感情が表現された著作物を対象とした権利であるとしています。
簡単に解説すると、テレビ放送やDVDなどの映像を違法に複製したり、販売しているCDなどから音楽を無断で複製して動画のBGMにして使用する事なども著作権侵害となります。
何故DVDレコーダーやオーディオレコーダーなどで録音や録画をして、ポータブルプレーヤーで再生できるのかと言うと、著作権法の第30条で私的使用のための複製であれば使用しても良いと定義されているからです。
私的利用のための複製(著作権法第30条)
自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することができる。ただし、デジタル方式の録音・録画機器等を用いて著作物を複製する場合には、著作権者に対し補償金の支払いが必要。コピープロテクション等技術的保護手段の回避装置などを使って行う複製については、私的複製でも著作権者の許諾が必要。私的使用目的のための複製であっても、違法著作物であることを知りながら音楽又は映像をインターネット上からダウンロードする行為は、権利制限の対象から除外される。
デジタル方式の録音・録画機器を用いて著作物を複製しているのに、著作権者に対して補償金を支払っていないように思いがちですが、私的録音録画補償金制度に基づいて記録機器や記録媒体などに補償金を上乗せして販売していたりするのです。
今回テーマになっているのは、Youtubeにアップロードした動画の著作権はどうなっているのか?という話なのですが、著作権は映像を製作した方や、音楽の製作者にあるのです。
音楽が映像の中に入っている場合は、著作権管理団体との包括契約の下で広告の表示や、再生地域や端末の制限、ブロックなどの処理が自動的に行われるのですが、動画を公開しているユーチューバーなどの場合は、まとめサイトや違法に動画をアップロードしているアカウントに無断使用されたとしても、削除要請を出すのにかなりの手間がかかっていたのです。
Youtubeクリエイターツールの後継となるYoutube Studioでは、他人に著作権侵害された動画を自動的に検出して、動画の削除やアカウントの停止などの手続きが簡素化されていましたので、今回は著作権侵害動画の削除方法を紹介します。
Youtube Studioとは?
今までYoutube動画の管理ツールとして活躍していたクリエイターツールですが、今後はYoutubeスタジオに完全移行してそちらの方で管理できるようになります。
約1年前ぐらいから、デフォルトの管理ツールとしてYoutube Studioベータ版が表示され、動画の管理やアナリティクス、コメントの管理などが一まとめになりました。
使いづらいのもあって従来のクリエイターツールに切り替えて使用していて気付かなかった方も多いかもしれませんが、今回著作権侵害動画を削除するのに使用するのがYoutube Studioにある©著作権と記載されている項目です。
著作権侵害動画の検出方法
©著作権の項目をクリックすると、著作権侵害をしたYoutubeチャンネルにアップロードされている動画が一覧で表示されるようになります。
中には、同じ動画であると誤認して、正当にビデオをアップロードしているユーザーまで表示されているので注意して下さい。
この項目では、以下の内容が表示されています。
- 一致する動画・・アカウント管理者がアップロードした動画を違法にコピーした疑いがある動画です。
- 視聴回数の合計・・違法にアップロード疑いのある動画の視聴回数です。
- 日付・・当該のビデオをアップロードした日付です。
- チャンネル・・ここに表示されている動画を公開しているチャンネルです。
- 一致率・・検出した動画の中で、どのぐらいの範囲で無断使用されているかを表す項目です。たった10%でも検出するぐらい高性能なようですね。
- フレーム・・無断使用されている場所を表示する項目です。「ここで動画を再生」をクリックすると検出範囲から自動的に再生されます。
- アクション・・この動画に対してどのような操作を行うかを選択できる項目です。アーカイブに移動、チャンネルに問い合わせるを選択できますが、応じない確率の方が高いので動画の削除をリクエストを選択するのが良いでしょう。
動画の削除方法
動画の削除をリクエストアイコンをクリックして選択すると、動画の削除をリクエストするかキャンセルするかを選択できます。間違っていなければ「動画の削除をリクエスト」をクリックして先のページに進みましょう。
削除要請を提出する時は、個人情報を記載しなくてはいけません。こちらに記載した内容は違法にアップロードした動画を管理しているチャンネル所有者に届くものではなく、いたずらでの申請を行って動画の管理者が不利益を受けた時に裁判となった場合、証拠として提出される資料になるものです。
正当な削除申請であれば、ここに入力した個人情報が相手に渡る事は無いので、全て正確に入力しましょう。
削除申請を出す動画と、著作権侵害された動画が一致しているのか確認して、7日間の猶予期間を設けるか 今すぐ削除をリクエストするかを選択できます。
無断でアップロードした動画を自身で削除させる期間を設けるか、Youtube側に強制削除させるかの違いなので、優しくない人は「今すぐ削除をリクエストする」にチェックを入れましょう。
当該チャンネルの収益が90日間はく奪されるそうです。
法的合意事項を全て読んでチェックを入れます。
- 私は、申し立てが行われたコンテンツの使用が、著作権者、代理人、法律によって許可されていないことを確信しています。
- この通知に記載する情報は正確であり、虚偽の申告をした場合には偽証罪に問われることを認識したうえで、私は、自身が著作権者であること、または侵害されていると主張する独占的権利の所有者から代理権を許諾されている者であることを誓います。
- 所有権のないコンテンツの削除リクエストを送信するなどしてこのツールを不正使用した場合、YouTube アカウントが削除される場合があることを了解しています。
という内容なので、虚偽の申告をした場合は偽証罪に問われてしまう事があり、軽くても自身のYoutubeアカウントが削除されてしまう等の措置が行われてしまいますので、いたずらで使用するのはやめましょう!
署名に氏名を入力して送信をすれば終了です。
送信が完了すると、削除リクエストの項目に削除申請を提出した動画が記載され、Youtubeからも申請が行われた事を証明するDMが送られてきます。
「今すぐ削除をリクエストする」で申請を行った場合は、後はYoutube側で勝手に削除してくれます。
優しくない人は・・と書いていましたが、優しい時は7日間の猶予を与えている時もありますので、どうするかはあなた自身で決めた方が良いでしょう。
Youtube側にとっても、無駄なサーバースペースを使ってしまうアカウントがいなくなるのはメリットになると思うので、無断で動画をアップロードされた場合は、積極的に削除申請を出しても良いと思います。
ただし、Youtubeの動画リンクをSNSに掲載されたとか、ブログにhtmlで埋め込みされたという内容は、著作権法的にも全く違法性が無く、ただの言いがかりになってしまうので、あくまでも無断で複製された動画のみで使用できるツールである事を認識しておきましょう。
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