夏本番となり連日30度を超す猛暑が続いておりますが、夏休みやお盆休みを前にして自動車で長距離を走る機会も多くなるのではないでしょうか?
今回はオイル交換やエンジンのメンテナンスをしっかり行っていても突然異音を発生させて壊れるウォーターポンプについて記事にいたしました。
記事内の目次
エンジンルーム内の異音にご注意!オーバーヒートを引き起こすウォーターポンプの故障
この記事を書いたきっかけ
自動車を新車で購入してから5年が経過していますが、花火遠征や旅行などでかなりの距離を走ってしまいまして、初回の車検では走行距離が10万kmを突破、5年目に訪れた2回目の車検では16万kmを越えて、ディーラーも驚く過走行車認定となってしまいました。
2回目の車検では、オイル交換などのメンテナンスの他にタイミングベルト交換やブレーキローターの研磨、17万km直前にはほぼ溝無しに近かったタイヤも新品に変えて、気持ち新たに次の車検に向けて大事に乗っているつもりではありましたが、エンジンルームから聞こえる音が少し大きくなってきたと思った後に、ウォーターポンプ故障という事態に発展しました。
私だけではなく、旅行や遠征でかなりの距離を走る方々も多い時期にトラブルなく夏を乗り越えて欲しいという思いもあり、今回はエンジンルーム内の異音について記事にさせていただきます。
ウォーターポンプの機能とは?
圧縮した空気とガソリンをエンジン内部のシリンダー内で燃やして爆発した時の力を利用して動く自動車ですが、現在市販されているガソリン車やディーゼル車のほとんどが水冷エンジンを採用していて、ラジエーターと冷却水を使用して高温になったエンジンを冷却しています。
エンジンの熱で高温になった冷却水は、車両前方に配置してあるラジエーターで冷やされて再びエンジン内部のウォータージャケットを通過する際にエンジン内部が冷却されるようになるのですが、この時にクーラントを循環させる役目を果たしているのがウォーターポンプです。
この装置はエンジンの回転する力を利用してタイミングベルトを通じて駆動させ、ラジエーターからエンジンまで冷却水を送るポンプの役目を果たしています。
ハイブリッド車を中心に電動のウォーターポンプも登場してきていますが、どちらにしてもウォーターポンプが本来の機能を失ってしまえば高温になった冷却水は循環されずに、オーバーヒートを起こしてしまいます。
水温系の針が上がったところで気付ければ良いのですが、最悪の場合はピストンの焼き付きを起こしてエンジン載せ替えや廃車にせざるを得なくなってしまいます。
ウォーターポンプ故障の前兆
「カラカラ」「ガラガラ」と異音がする場合
タイミングベルトでウォーターポンプのプーリーを回転させ、内部のインペラと呼ばれる羽根を回転させてエンジン内部に冷却水を循環させるのですが、プーリーからインペラまでのシャフトを支えているベアリングが破損した場合や、内部の羽根が破損した場合に、「カラカラ」や「ガラガラ」とノッキングに似たような異音を発生させます。
比較的低回転域やアイドリング域で異音が出ている事が多いので、エンジン音が大きくなってきたり聞き慣れない音がすると感じたらウォーターポンプの故障を疑った方が良いかもしれません。
車両エンジンの下が湿ってしまうほど冷却水が漏れていなければ即座に故障する事もありませんが、いずれクーラントが漏れ出すのも時間の問題ですので早めに交換した方が良いと思います。
「ウォーン」「ウィーン」と異音がする場合
上の「カラカラ」や「ガラガラ」と同じくベアリングやインペラの故障や冷却水の漏れ止めの役目を果たしているメカニカルシールが破損した際にも発する音で、メカニカルシールが破損するとすぐに冷却水も漏れ始めてきますので、こちらの場合は走行せずに早めに修理に出した方が良いでしょう。
エンジンや地面に緑や赤の液が垂れている場合
エンジンルームの中や、車両下側の地面に赤色や緑色の液体が漏れ出している形跡をみつけたら、既にウォーターポンプからクーラントが漏れ出している可能性が高いです。
また、アクセルを踏まないで慣性で走行をすると水温が下がり、アクセルを踏めば水温が上昇するような水温計の針の動きが不安定な状況だと、冷却水のリザーバータンクの下限を下回って、正常に循環されていない可能性が高いです。
水温計の針が「H」に達している場合に水を継ぎ足して応急的に冷却する事は可能ですが、ラジエーターキャップを開けてしまうと熱せられたクーラントが噴き出して、火傷をしてしまう危険性がありますので、必ずリザーバータンクに注入するようにして下さい。
ここまで来ると、ほとんど自走不可能な状態になっていますので、安全な場所に停車してからボンネットを開けてエンジンも停止させてレッカー車を手配するのがオススメです。
軽症であればラジエーターキャップの損傷による液漏れの場合もありますので、漏れている箇所はしっかりと確認しておいた方が不要な出費を出さないで済むと思います。
まとめ
前所有車の場合は、欠陥の多かったリーンバーンエンジンだったので20万kmでノッキングを起こしてお釈迦になってしまったのですが、今回も似たような症状だったので「またか・・・」と覚悟していましたが、今回はウォーターポンプのみの交換で済んで出費は26,000円だけで済みました。
異音が発生し始めたのがいつ頃からなのかはわかりませんが、ウォーターポンプ交換後はほとんど聞こえないぐらいにエンジン音が静かになっていましたので、徐々に劣化を始めて「ガラガラ」音がし始めた頃には、プーリーがグラついている末期症状だったのではないかと思われます。
ウォーターポンプと同様に電気を発電するオルタネーターも異音を発生させますので、あまり聞きなれない音がしたら早めに点検に出して必要な処置を行うか、だいたい10万kmが寿命と言われているウォーターポンプはタイミングベルト交換時に一緒に交換した方が良いかもしれません。
旅行先でエンジンが止まってしまったりすると部品発注に1日以上かかってしまって予定が台無しになってしまったり、最悪の場合は修理工場が閉まっていて修理を受けられない場合もございますので、日常点検時に聞きなれない異音が無いか確認をしておいた方が良いでしょう。
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