宮城県名取市のJR名取駅前にあったサッポロビール仙台工場「ビオトープ園」の桜をご紹介します。名取駅利用者や近隣の住民にはよく知られていたサッポロビール仙台工場の桜は、駅から徒歩2分程度とアクセスが良く、散歩コースとしてはもちろん、通勤通学のついでにも美しい桜並木を鑑賞できるお花見スポットとして親しまれていました。
※2024年4月26日に施設の閉鎖が発表され、2024年12月29日をもってビオトープ園が閉園し、併設されていた仙台ビール園も同日に閉店となりました。この記事では、閉園前に撮影した桜の風景とともに、施設の歴史や閉園に至った経緯についてもご紹介します。
サッポロビール仙台工場
お花見の時期の宴会に欠かせないのが「ビール」! この時期は家族や友人と一緒に桜の木の下にシートを敷きながら、ビールを飲んでお花見を楽しむ姿もよく見かけます。
★のマークでおなじみのサッポロビールは、国内の大手ビールメーカーの一角を占める業界第4位の酒造メーカーです。サッポロビールの歴史は、明治9年(1876年)に北海道札幌市で開業した「開拓使麦酒醸造所」に始まり、翌1877年にはドイツ式の低温発酵・熟成技術を用いた冷製「札幌ビール」が発売されました。この札幌ビールが、現在のサッポロビールというブランド名の由来となっています。
その後、2003年には持株会社のサッポロホールディングス株式会社が発足し、サッポロビール株式会社が酒類事業を担う体制となりました。
サッポロビールは全国各地に製造拠点を持ち、その一つである「サッポロビール仙台工場」が宮城県名取市の名取駅前にあります。1971年に操業を開始して以来、東北地方における同社のビール製造拠点として長年にわたり稼働し、名取市のシンボル的な存在としても知られていました。以前は工場見学も可能でしたが、その後は一般向けの工場見学を実施しなくなりました。
しかし、サッポロビールの生産体制の見直しによって仙台工場の役割も大きく変化し、2021年12月22日には、2022年12月をもって仙台工場でのビール製造を終了し、RTD飲料の製造設備を新設する方針が発表されました。
RTDとはReady to Drinkの略で、缶チューハイなどの栓を開けてそのまま飲めるアルコール飲料のことです。仙台工場では約40億円を投じて新たなRTD製造ラインを整備し、2023年10月11日から「サッポロ 濃いめのレモンサワー」や「サッポロ 男梅サワー」などの製造を開始しました。
こうしたビール製造からRTD製造への転換に伴い、従来のビール製造設備の撤去や工場敷地の一体的な活用が検討されることとなり、その対象となる敷地内にあった仙台ビール園とビオトープ園も閉鎖されることになりました。
サッポロビール仙台ビール園
サッポロビール仙台工場に併設されていた仙台ビール園は、ドイツの民家をイメージした建物の中で、サッポロ生ビール黒ラベルやヱビスビールなどとともに、ジンギスカンやバーベキューを楽しめるビアホールでした。
1994年に開業した仙台ビール園は、JR名取駅西口から徒歩2分程度とアクセスが良く、地元の住民だけではなく、仙台市内や県内外からも多くの人々が訪れる人気のスポットとなっていました。
※閉店前の座席数は350席で、営業時間は日曜日から木曜日が11:30~21:00、金曜日・土曜日・祝前日が11:30~22:00でした。
詳しくは店舗ホームページなどをご参照ください。
長年にわたり親しまれてきた仙台ビール園でしたが、2024年4月26日、サッポロビールは同年12月29日をもって仙台ビール園を閉店し、隣接するビオトープ園も終了することを発表しました。
仙台ビール園を閉店することになった理由は、1994年の開業から約30年が経過して施設や設備の老朽化が進み、営業を継続するためには大規模な修繕が必要となっていたことに加え、仙台工場のビール製造設備撤去後の跡地を一体的に活用する計画が検討されていたためです。
仙台ビール園は、撤去対象となるビール製造設備に隣接したエリアに位置しており、今後の工場敷地の有効活用を検討するうえで、店舗を閉鎖することが望ましいと判断されたことが閉店につながりました。
こうして、1994年の開業以来、工場に併設されたビアホールとして親しまれてきた仙台ビール園は、2024年12月29日(日)の営業を最後に、約30年間の歴史に幕を下ろすこととなりました。
サッポロビール ビオトープ園
ビオトープとは、ギリシャ語で生命を意味する「bios」と、場所を意味する「topos」を組み合わせた言葉に由来しており、生き物が生息する空間を意味しています。
サッポロビール仙台工場のビオトープ園には大きな池があり、コイやゲンゴロウ、沼エビなどが生息していたほか、運が良ければ亀に出会うこともありました。また、季節によっては野鳥の飛来地にもなり、マガモやキジバト、サギなど多様な鳥を見かけることができる、自然豊かな場所でした。
春にはJR東北本線の名取駅沿いにある桜並木が美しい花を咲かせ、地元の人々や通勤通学で名取駅を利用する人々が訪れる、桜の観賞スポットとしても親しまれていました。
しかし、仙台ビール園の閉店と同時に、ビオトープ園も2024年12月29日をもって閉園することとなりました。
ビオトープ園が閉園することになった背景には、仙台工場でのビール製造終了に伴う設備撤去と、工場敷地の一体的な活用計画があります。
サッポロビールは、仙台工場の南側敷地に仙台ビール園とビオトープ園が含まれていることから、今後の跡地活用を検討するうえで、両施設を閉鎖することが望ましいと判断したことを明らかにしています。
なお、閉鎖が発表された2024年4月の時点では、跡地の具体的な活用方針は未定とされていました。
名取駅前の桜の名所として長年親しまれてきたビオトープ園でしたが、園内の池や桜並木、遊歩道などを自由に散策できた風景も、2024年12月29日の閉園によって見られなくなってしまいました。
ビオトープ園の池と桜は名取駅からもよく見える場所にあったため、通勤通学で名取駅を利用する人々にとっては、真っ先に春の訪れを感じられる場所でもあったのではないでしょうか。ここの桜が咲き始めると、宮城県内各地の桜の名所でも次々と見頃を迎えていきます。
ビオトープ園の桜並木の下は遊歩道になっており、ボリューム感のある満開の桜を眺めながら、ゆっくりと散歩を楽しむことができました。
サッポロビール仙台工場のビオトープ園は、JR東北本線の名取駅のすぐそばにあったことから、近所の子供たちや鉄道ファンも集まる鉄道鑑賞スポットにもなっていました。
桜並木の向こうを走る貨物列車や仙台空港アクセス線、東北本線の電車を眺めることができ、春には美しい桜と鉄道車両を一緒に撮影できる場所としても楽しめました。
ビオトープ園の池に架けられていた桟橋は、対岸まで渡れるようになっており、池に生息する魚や飛来する野鳥を観察することもできました。
この橋の上から眺める桜並木は、池の水面に映り込む桜の姿も美しく、桜の写真を撮影するのであれば、特におすすめしたい撮影スポットでした。
名取駅前で気軽に四季の自然を楽しめる場所として親しまれてきたサッポロビール仙台工場のビオトープ園。今では閉園してしまいましたが、満開の桜並木と池の水面に映る美しい春の風景を、当時の写真とともに振り返っていただければと思います。
サッポロビール仙台工場 ビオトープ園 所在地・交通アクセス情報
| 住所 | 東北地方/宮城県名取市手倉田八幡310-1 |
| 時間 | 2024年12月29日に閉園 |
| 入園料 | 無料(閉園前) |
| 交通アクセス | JR名取駅 西口 徒歩2分 |
| マップコード | 21 316 452*04 |
| 関連ウェブサイト | サッポロビール仙台工場 |












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