Adobe LightroomやPhotoshopなどのRAW現像ソフトで基本的な操作となる基本補正を解説。ホワイトバランスや色かぶり補正、コントラストの操作で元の写真の色調がどのように変化するのかを写真やスクリーンショットと共に解説していきます。
記事内の目次
RAW現像について
一眼レフやミラーレスカメラの保存形式であるRAWデータとは、撮像素子で記録した生のデータの事で、カメラ内部で処理したJPEG画像よりも豊富なデータ量で保存されているものです。
8ビットのJPEGであれば各色256階調1677万色で保存されますが、12ビットのRAWでは各色4096階調687億色の豊富な情報量で記録されます。
階調が多いと明部から暗部までのグラデーションが滑らかになり、8bitでは黒から白までを256段階のグラデーションで表現をしますが、12bitであれば黒から白までを4096段階のグラデーションで表現します。
光の三原色である赤・緑・青それぞれ4096段階で表現できるようになるため、RAWデータを編集してもトーンジャンプのような破綻が起きにくいという事になります。
RAW現像ソフトは、カメラ内部でいう画像処理エンジンと同じ役割を果たしますので、JPEG画像にカメラ内部で変換するのか、外部で変換するのかという違いにしか過ぎません。
この記事では、RAW現像の基本的な操作であるAdobe Lightroom Classic CCの基本補正のパネルについて解説します。
基本補正
基本補正とは、Adobe Lightroomの右の画像のようなパネルの部分で、色温度や色かぶり補正、露光量の調整など様々な調整を行う事のできる部分なのです。
ここで撮影したRAWデータを自由自在に補正をする事が可能になりますが、JPEGよりも耐性があってもRAWデータには限界があり、過度な補正を行うとノイズの出現やトーンジャンプなどの弊害も起きますので、適正な露出や設定で撮影する事が基本となります。
私の場合は、白トビしない範囲で明るめに撮影をして編集時に露光量を極力上げないようにしていますが、RAW現像ソフトで暗くするよりも明るくする時の方がノイズが出やすいのと、黒つぶれを防止する意味も含めてですので、この辺は人それぞれでも良いと思います。
それでは、以下の項目から調整方法や変化の仕方などを解説していきます。
色表現
Lrの基本補正 色表現とは編集をカラーで行うか白黒で行うかの違いで、カラーで撮影をした後にRAW現像モジュールで白黒に変更をして編集をする事が可能になっています。
プロファイル
プロファイルとは、Lightroom7.3以前はキャリブレーションの項目に入っていた機能で、7.3からは基本補正内に移動をしました。カメラのクリエイティブスタイル等とのマッチングを行ったり、ポートレート向けの色調や風景向けの色調などに色を整えます。
※別ページではプロファイルの違いを解説をしています。
Camera Matchingプロファイル
ホワイトバランス(WB)
ホワイトバランスの色温度は全体的な色の偏りを適正な色に合わせる機能で、色温度の数値を低くすると写真全体が青っぽくなり、逆に高くすると黄色っぽくなります。単位はケルビン(K)で表示されます。
もう一方の色かぶり補正は、プラス補正で赤くなり マイナス補正で緑色になります。
上記の2つを組み合わせてホワイトバランスを補正しますが、上の写真の赤丸の部分をクリックして写真のニュートラルカラーを選択すると、一発でホワイトバランスを合わせる事が出来るようになります。
ただし、ディスプレイの調整が出来ている前提での話ですので、キャリブレーション対応モニターかキャリブレーションツールを使用して調整しましょう。
露光量
編集する素材の明るさを変更する設定項目で、マイナスにすればローキーに、プラス方向にすればハイキーな写真に仕上がります。上の比較写真の中で飛行機の機体の明るさに合わせるために、露光量+1.43に調整をすると、雲の立体感が無くなってしまい、逆に-1.0では全体的に暗くなりすぎて、空の青さが失われてしまいました。
露光量の調整でヒストグラムの山の形でローキーかハイキーか判断するような記事も時々見かけますが、編集する素材によっては上のような2つの山が出来る時がありますので、一概に同じようになるとは限らないと思っていた方がやりやすいと思います。
コントラスト
コントラストを調整する事によって明暗差を大きくしたり小さくする事もできます。
マイナス方向に動かせば明暗差が小さくなり、プラス方向に動かせば明暗差が大きくなりますが、上の写真のコントラスト+85に関してはヒストグラムの▲が白く表示されています。
これは写真の中の一部が黒つぶれを起こしているという警告になっていて、逆に右側の▲が白く表示されている場合は、画像の一部に白飛びがあるという警告となります。
露光量を上げたり、コントラストを下げたりして表示が消えるように調整をしますが、白飛びや黒潰れがあるとダメなのかと言うと、必ずそうしなくてはいけないわけではないので、見た目が悪くなかったら、多少犠牲になっても構いません。
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