一見するとGitzoのパクリ?とも思えるような形状ですが、動画向け75mmのハーフボール雲台と写真用雲台の両方に対応し、軽量ながらもブレが少ない格安カーボン三脚、INNOREL カーボン カメラ 三脚 LT364Cをレビューします!
記事内の目次
NNORELカーボンカメラ三脚 LT364Cを購入した理由
現在メインで使用している三脚はGitzoのジャイアントGT5562GTSなのですが、270cmを超えるハイアングルからも撮影する事が出来る反面、持ち運びや低い位置での撮影には不向きな三脚でした。
三脚本体が重いのに加えて、ビデオ雲台も重量があるSachtler FSB8を取り付けて使用しているため、合計すると8Kg近い重量となるのです。
ハイアングルで使用しなくても直径41mmの脚を採用している極太三脚なので、最大まで伸ばさない限りブレやねじれにも強く、動画撮影には重宝している三脚ではあるのですが、重量があるGitzo5562GTSの持ち運びの大変さに加えて、高さ制限のある狭い場所においてローアングルで撮影をする事が出来ない事がとても不便でした。
そんな時はどうしていたかというと、6段ある脚のうち5段を取り外してなんとか対応をしておりました・・。
この脚を取り外す方法でも20cm近くも低くできるのは良いけど、ネジがむき出しになってしまう事が精神衛生上あまり良くなくて、Gitzoジャイアントで一番低くしている状態から20cm低く、ビデオ雲台を取り付けられる75mmハーフボールを備えた三脚が必要だったのです。
元々gitzo用のハーフボールアダプターも特注品でしたし、ツインチューブのボールアダプター付きはあってもモノチューブ三脚でボールアダプター付きってなかなか見つからないんですよね。
そんなわけで、Amazonで見つけたINNOREL カーボン カメラ 三脚 LT364Cを購入して人柱になってみました。
東レのカーボンファイバーを採用した軽量な脚
今回購入したINNORELのカーボンカメラ三脚 LT364Cですが、仕組みや形状はほぼgitzoの三脚と同じなのです。
INNORELは中国の撮影補助機器メーカーではあるけど、脚は日本の東レ製を採用しているのだとか・・。
東レのカーボンファイバーはレーシングカーの他、航空機分野ではボーイング787の機体にも採用されているので、それなりに高品質な材料を使用して製造しているという事になりますね。
スチール撮影とビデオ撮影に対応した豊富なヘッドベース
三脚+アダプターのキットを購入すれば75mmハーフボールベースや写真用雲台を取り付けられる3/8ネジ付き75mmボールアダプター、3/8ネジ付き雲台ベースの3つがセットで付属します。
75mmハーフボールベースはザハトラーのハーフボールと互換性があるため、マンフロット・ザハトラーの75mmハーフボールヘッドと同じ形状であれば、無加工で取り付けられます。
ちなみに雲台のベースの交換方法もジッツォの三脚とほぼ一緒で、ロックノブを緩めて裏のプッシュボタンを押すと簡単に取り外しが出来ます。
ここまで似せて本当に大丈夫だろうか・・と感じる部分はありますが、ビデオ用雲台とスチール用雲台を簡単に入れ替えられるのは良いですね。
三段階に開脚角度を変更できる角度調整ボタン付きロック機構
ここもGitzoと同じ仕組みで、ロックした状態で開脚をすると65°、ロックを一旦外すと35°、最大でほぼ水平に近い5°まで開脚角度を変えられます。
ビデオ雲台ではロックノブが下に突き出てしまうため、開脚5°は使用できないのですが、ローアングルで撮影をするためにはとても便利な機能です。
三脚単体で最低54cmからローアングルでの撮影が可能
開脚65°で一番低くした状態では、三脚のみで54cmとなり、座った状態でビデオ雲台とシネマカメラを取り付けた状態でも、頭上を越える事はありません。
花火大会のように三脚の高さが指定されていて一人分のスペースが決まっているような場所で使う分には、よっぽどの事が無い限り座った状態でも頭上を越えたり無駄に場所を取りすぎる事はまず無いでしょう。
角度を35°に設定したとしても、あまり横に広がりすぎないのも良いですよね。
INNORELの三脚に限らず、長めの三脚を所有しているのであれば、もう一本はサブ三脚として短めの製品を所有しておくべきだと感じさせられました。
三脚単体で最大高は160cm!ビデオ雲台を組み合わせると2m近くなる
コンパクト?なサイズでありながらLT364Cの最大高は160cmとなり、雲台とシネマカメラを取り付ければ立った状態でのアイレベルでの撮影も可能で、ザハトラーFSB8のように高さのあるビデオ雲台を取り付ければ、カメラの高さが頭上を越える2メートル近いハイアングル撮影も出来ます。
ここまで伸ばしてしまうと航空機のロングフォローをするようなビデオ撮影時は、ねじれやブレが強く出てしまうようでしたので、全ての脚を数センチずつ低くして、捻じれが収まる範囲で使用するのがベストな設定となるのではないかと思われます。
脚のロック機構もジッツォそのままで、訴えられないか若干心配になるくらいではある・・。逆に本家よりしっかりとロックしてくれているような気もします。
INNOREL カーボン カメラ 三脚 LT364Cを実際に使用してみて
パイプ径35mm以上クラスの三脚であるとしても、動画撮影用途ではパン方向のねじれに対しての粘りの弱さは感じられました。
やはり捻じれの強度に関してはツインチューブのビデオ三脚が一番ではあるけれど、許容範囲であると感じたGitzoの三脚と比較すると若干の頼りなさは感じます。
航空機撮影であれば、一部切り取りvlogぐらいなら気にならないかもしれないけど、ロングフォローをした時は、捻じれた分が戻った時の揺り戻しが気になるかもしれないというレベルでした。
ただし、最大まで伸ばさないで使用をすると、気にならない程度まで捻じれやブレが収まりますし、スチール撮影時であれば、写真の仕上がりに影響が出そうなほどのブレはほとんど感じられません。
まず、500mmの望遠レンズを載せても大丈夫って思うぐらいだから、標準ズームレンズや広角レンズを使用する分には間違いなく大丈夫でしょうし、最大高にした時の捻じれしか気にならないのは、かなり優秀なレベルです!
写真用途であればパイプ径が細い三脚でも大丈夫そうですが、超望遠レンズを使用した撮影をする予定があるのであれば、脚のパイプ径35mm以上で耐荷重35kg以上のモデルであるInnorel LT364Cはぎりぎり許容範囲の選択肢となるでしょう。
この辺はINNORELに限らず他のメーカーも含めた三脚や補助機器全般に言える事ですが、最大耐荷重は安全耐荷重ではないという事を頭に入れて三脚の購入をした方が良いとは思います。
しっかりとした素材の三脚バッグ付きの2万円から3万円クラスの三脚にしては、かなり高品質な製品であるのは間違いないでしょう。
購入するまで強度や品質面で不安はありましたが、見た目通りに強靭でGitzoのほぼパチモンとも言えるようなInnorelの三脚は、持ち運び中にも苦痛を感じない軽さと程よい強靭さを持ち合わせているので、個人的にはオススメできます。
特に暑い夏場に重い荷物を持ち運ぶと熱中症のリスクが高まるので、可能な限り撮影機材を軽くする方が体のためにも良いですよ。
INNORELカーボンカメラ三脚 LT364Cは、Amazon・Yahooショッピング・楽天市場の各ECサイトからお買い求めいただけます。
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