映像撮影やライブ配信の他、ご家庭のテレビでも長いHDMIケーブルが必要になる場面もあると思いますが、家電量販店で購入できるHDMIメタルケーブルは、約10メートルの長さでほぼ全てのデータが伝送時の損失によって失われてしまいます。
長尺のHDMIケーブルにおいてはイコライザーを内蔵した製品やLANケーブルで伝送するエクステンダーもありますが、HDMI光ファイバーケーブルってどうなんだろう?と、気になっていた事もあったので、価格が安いAmazonベーシックの61メートルHDMI光ファイバーケーブルを実際に使用してみて、3メートルのHDMIケーブルと比較して長距離ケーブルに遅延や伝送損失はあるのかレビューしてみました。
記事内の目次
Amazon Basic HDMI光ファイバーケーブルをレビュー
Amazonベーシック 光ファイバーケーブル HDMI ハイスピード 18 Gpbs 4K/60Hz 約15.2m, ブラック
家電量販店で市販されているHDMIメタルケーブルとは?
家電量販店で一般的に購入できるHDMIケーブルは、ケーブル内部に19本分の信号線を通した、いわゆるメタルケーブルというものなのですが、非常に高価なプレミアムケーブルでも20Ω以上のインピーダンス(抵抗)の影響を受けて約10メートルほどの長さでほぼ全てのデータを損失するか、映像として映ったとしてもかなり劣化した映像となってしまうらしい。
パソコンにビデオキャプチャーボードを接続して可能な限り遠くにHDMIケーブルを延ばさなくてはいけないというのが条件だったのですが、USBの規格でケーブルの長さが5メートル以内と決まっている以上、ビデオキャプチャボードに接続しているHDMIケーブルを延ばさなくてはいけなかったのです。
一般のHDMIメタルケーブルでは伝送損失の限界を突破しすぎた50メートルオーバーはさすがに厳しい・・・という事で、Amazonベーシックの61メートルHDMI光ファイバーケーブルを購入する事になりました。
HDMI光ファイバーケーブルの構造
HDMI光ファイバーケーブルは入力した映像信号をコネクター内部で光信号に変換して出力側で再び映像信号に変換している構造になっているらしい。
分解したわけではないので詳しい事は分かりませんが、映像信号のみ光ファイバーで制御信号はメタルのままであるハイブリッド構造であるらしく、少なからず制御信号の伝送損失が起きる製品もある事は事実です。
ほとんどの製品は大丈夫でしょうけど、100メートルの長さで映像は大丈夫でもカメラはコントロールが出来なかったという例があるので注意して欲しい。
AmazonベーシックのHDMI光ファイバーケーブルもARC、HDCP/EDID/CEC/DDC/audioに対応しているのと、触った感じでは光ケーブル以外の信号線の感触があったので、多分ハイブリッド構造。
それにしても61メートルの長さになると巻き取るのも大変ですね・・。
HDMI光ファイバーケーブルには向きがある
HDMI光ファイバーケーブルは、入力側と出力側の向きが決められており、AmazonベーシックのHDMI光ファイバーケーブルは、SOURCEが入力側でTV側が出力端子となっています。
逆に接続しても壊れはしませんが、映像が全く映らない時はこれが原因である場合があるので接続する向きにご注意下さい。
ビデオキャプチャソフトでHDMI光ファイバーケーブルを使用してみた
カメラからビデオキャプチャーボードまでを3メートルのHDMIケーブルとAmazonベーシックの光ファイバーHDMIケーブルで接続して2代目ノートパソコンにインストールしたOBS (Open Broadcaster Software)で録画をするテストをしました。
ZOOM H4nをオーディオインターフェースとして認識させているので、これならHDMIケーブルの違いで遅延が発生するなら結果が変わるはず!
どちらにしてもOBSで設定する音声遅延の計算をしなければいけないので、2本のHDMIケーブルを使用してテストしてみました。
まず最初に3メートルのHDMIメタルケーブルを使用して録画したデータをAdobe Premiereに読み込ませ、カメラの前でスティックを叩いた映像から音のズレを計算して音声遅延時間をOBSに入力して同期させておいたデータです。
音の波形表示と実際に出ている音が1フレームほどずれていたのはPremiereの仕様なんだと思いますが、実際に音が出ていた箇所に再生ヘッドを合わせてから、これを基準に計算してOBSで映像と音を同期させています。
61メートルの光ファイバーHDMIケーブルでは音声が0.01秒ほど遅延している様子は見受けられましたが、目に付いてしまうほど極端に映像と音声がずれていない点では3メートルのメタルケーブルと61メートルの光ファイバーHDMIケーブルではほぼ同等の結果であったと考えて良いのだと思います。
映像の画質については3メートルのメタルケーブルと同等の品質だったQING CAOQINGの光ファイバーHDMIケーブルとAmazonベーシックの光ファイバーHDMIケーブルで比較をしてみましたが、Amazonベーシックの方が発色が悪く少しコントラストが弱い印象を受けました。
Amazonベーシックのケーブルの品質の問題か、61メートルという長距離の問題なのかは分かりませんが、明らかに品質は落ちています。
しかし、低予算で長距離を伝送しなくてはいけなかった事を考えると、映像の品質が多少落ちたとしても伝送できているという点では満足していますし、音質に関しても比較しても分からないぐらいの品質は保てていると思います。
映像の品質を保ったまま長距離を伝送するのであれば、プレミアムケーブルを使うか、ワイヤレスHDMIの使用も検討した方が良いでしょう。
ライブ配信でHDMI光ファイバーケーブルを使用してみた
みさと花火2022/08.14/LIVE配信はこちら!(一般社団法人 美里町物産観光協会より)
このために購入していたと言っても過言ではないのですが、ご近所から光回線を借りていた都合でHDMIケーブルを伸ばして使う事になっていました。
コロナ禍の間の2年間だけの使用となりましたが、いずれも問題なく映像データの伝送はできておりますので、多少画質が落ちるという点を除いては問題が無い製品だと思っておいても良いでしょう。
長いケーブルは巻き取りドラムでどうにかなった!
流石に長さが61メートルのHDMIケーブルともなると巻き取りがとても大変だったのですが、ホームセンタームサシで販売していた巻き取りドラムでどうにかなりました。
曲げRも大きいドラムなので、巻いたままでも映像信号は伝送できているのですが、あまりにも曲げ半径がきつくなるドラムの場合は光デジタルケーブルと同様に信号伝送距離が短くなる事があるのでご注意を!
ちなみにコネクターにテープを巻いているのは、コネクターが壊れたわけではなく、いずれ表示が消えて向きが分からなくなると思うからです。
過酷な使い方は想定をしていないと思うので、撮影用途で使用するといずれはコネクターのSOUCEとTVの向き表示が消えると思います。
まとめ
近々このケーブルを使用した撮影を行う機会があるのですが、100回ぐらいテストをしたので当日にトラブルが発生する確率は少ないはず。
メタルケーブルの限界を超えた長いHDMIケーブルを探している人は価格も手頃なAMAZONベーシックの光ファイバーHDMIケーブルを検討してみて下さい。
購入はこちら!
Amazonベーシック 光ファイバーケーブル HDMI ハイスピード 18 Gpbs 4K/60Hz 約9.1m
Amazonベーシック 光ファイバーケーブル HDMI ハイスピード 18 Gpbs 4K/60Hz 約15.2m, ブラック
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