日本三大桜名所で知られる高遠城址公園の帰り、自宅まで480kmという長い道のりを帰ろうかと思って駐車場を出た直後にシートベルト未着用警告音と同じ音が鳴ったので、助手席に乗せていたバッグをずらしてメーターパネルを見たら、いつもとは違う警告表示が沢山点灯していたのです。
マルチインフォメーションディスプレイ(メーター中央に文字で車両や外気温が表示される機能)には「VSCシステムチェック」「パーキングブレーキチェック」の表示があり、メーターパネル内には「エンジン警告灯」「パーキングブレーキ警告灯(オレンジ)」そして「VSC警告灯」が点灯していたのです。
しかも、高遠城址公園の駐車場から出るとしばらくは狭い一方通行路になっていたため、安全に停車が可能な広い場所まで走り続けなければいけなかったのですが、走行時のフィーリング的には大きな異常は感じないぐらいで、アクセルを踏んだ時に若干もたつく程度でした。
道幅が広い場所で停車してから、エンジンの再始動を何度か試みるも状況は全く変わらず、不具合のあるような音や症状も全く感じられません。
さすがに480kmをレッカーで移動するのは金銭面でかなりきつく、長野県内のディーラーに放置して新幹線で帰った方が良いのか?とも考えたのですが、問題なく走れているので明るい場所まで自走させてみる事にしました。
今の状況で警告表示または警告灯が点灯している各機能を紹介します。
記事内の目次
VSCシステムチェック表示および警告灯の紹介
VSCシステムチェック
VSCとは、Vehicle Stability Control(ビークルスタビリティコントロール)の略で、トヨタが採用する横滑り防止装置の名称です。
オーバーステアやアンダーステアなど、通常走行時には起きる事の無い不安定な挙動を各種センサーが感知して、センサーから得られた情報を元にブレーキやエンジン出力を自動的に制御して理想の走行状態に近づけるように車両の姿勢を自動制御する機能です。
積雪路を走行していると分かりやすいのですが、カーブを曲がっている最中にアクセルを踏んでも踏力に対して加速感が無い場合は、横滑りを感知してブレーキやエンジン出力を制御している状態になり、メーターパネルのVSC警告灯も点滅している状態になります。
今回のトラブルでは、VSCシステムチェックの表示があり、この機能が強制的に停止している状態になりました。
パーキングブレーキチェックおよび警告灯(オレンジ)
マルチインフォメーションディスプレイにパーキングブレーキチェック表示と、オレンジ色のパーキングブレーキ警告灯が点灯している状態になりました。
以前の車両では、ハンド式や足踏み式のパーキングブレーキからワイヤーを介してブレーキを作動させていましたが、近年の自動車では電子制御でアクチュエーターを作動させる電気式パーキングブレーキを採用している車種が増えています。
オレンジの警告灯の場合は、パーキングブレーキの制御に不具合があるという表示なので、パーキングブレーキを作動させたまま動かなくなった時以外は走行をさせる事が可能です。
今回は、ブレーキの引きずり(パーキングブレーキを効かせたまま走行している状態)もなく、パーキングブレーキの機能自体は正常に動作をしています。
エンジン警告灯
エンジン警告灯は、エンジンの動作を正常に保つための、各種センサーが異常を検知している状態に点灯する警告灯です。
エンジン内部で適切な燃焼を行うための空燃比を実現するエアフローセンサーやO2センサーの他、アクセル開度を監視して踏力に応じた点火制御を行うなど、近年のガソリンエンジン車は各種センサーとECUが連携して制御する事によって、省燃費性能の向上や排ガス規制への対応も行っています。
今回は異常な燃焼状態で発生するノッキングやハンチングなどの症状も無かったので、エンジンの制御自体は全く問題が無いだろうという自己判断でそのまま走行を続けました。
救ってくれたのは、みんカラ等の自動車系SNS
みんカラには登録をしていた時期もあったのですが、今の車に乗り換えてからは書く事も無くなっていたので10年前ぐらいにはプロフィールページを削除しています。(90系ヴォクシーに乗り換えた10年後に復活しました。)
トヨタのアベンシス(ZRT272W)は玉数が少ないため同様のトラブルに対しての投稿を一切見かける事が無かったのですが、トヨタ系の車両であれば同様のトラブルについての投稿が多くありました。
トヨタ車はO2センサーかエアフロセンサー(エアフロメーター)から送られる異常信号を5秒以上継続して検知していると、VSCのシステムチェックを点灯させる仕組みになっているらしく、吹け上がりが極端に悪くなっていたり異常燃焼状態を表すノッキングやハンチングが発生していなければ、問題なく走行を出来たらしいのです。
みんカラの投稿者さんは、包み隠さず書き込んでくれているので、本当にいつも助かっています。
走っても大丈夫との自己判断で、長野県伊那市から宮城県名取市まで自走して帰ってきましたが、ディーラーに連絡をして予約を入れても、入庫当日を迎える前に警告灯が消えてしまうし、ランプが消えている時に行っても、分からないって言われるし・・。
警告灯が消えた状態で行ったら、整備担当に「警告灯が点灯している時に来てください」って言われて、「予約しろって言ったのどっちだよw(整備と受付が違うからだろうけど)」って思いながらも結局話しは前に進まず・・。
急患枠みたいなのがあれば助かるんですけどねぇ・・。
待っていたら、景品表示法違反で措置命令が出たはずのクレベリン除菌を勧めてくるのも、どんな神経をしているのか分からなくなってきたので、結局自分で対処する事にしました。
最初に簡単に出来そうなエアクリーナーの清掃から始めて、次にエアフロセンサーの清掃を行って様子を見ていこうかと思います。
やっぱりエアフロセンサーの清掃で治った
エアフロセンサーを外す
O2センサーとエアフロセンサーを交換するか清掃すれば治る事が多いとの事で、手っ取り早くエアフロセンサーを清掃してみました。
まずインテークパイプにビス止めされているエアフロセンサーのコネクターを抜いて2本のビスを外します。
次に、エアフロセンサー本体をぶつけないように上に持ち上げてゆっくりと外しますが、Oリングが固着している場合は、揺すりながら上に引っ張ると簡単に外れます。
エアフロセンサーはインテークパイプを通過する吸入空気量を検出して燃料噴射量を調整するセンサーなのですが、フラップ式・熱線式・カルマン渦式の中から、多くのメーカーで熱線式やカルマン渦式を採用している事が多いそうです。
エアクリーナー側から吸入した空気で極端に汚れてしまう事はあまりありませんが、EGRシステムでインテーク側に戻したブローバイガスなどの影響でエアフロセンサーが汚れてしまうと、正常な空気吸入量が検出できなくなります。
誤った空気の吸入量をエアフロセンサーが検知すると、誤った量の燃料を噴射する事によって燃調が狂ってしまい、O2センサーが出力するデータとの相違も生まれると、今回のように警告灯を点灯させてしまう事が多いようです。
エアフロセンサーの清掃
呉工業から販売しているエアフロクリーンという専用のケミカルも市販されていますが、一回だけのために買うのはもったいないので自宅にあったパーツクリーナーを使用しています。
専用品の方が間違いないため、パーツクリーナーを使用して清掃をするというのはあまりオススメできる行為ではありませんが、トラブルが起きた時はパーツクリーナーが大体の事を解決してくれます。
熱線式のエアフロセンサーは、吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗で構成されているので、エンジン停止直後の熱線が温まっている時にパーツクリーナーやエアフロクリーンを吹きかけたり、最大の圧力で吹きかけないように注意しながら作業します。
清掃後のエアフロセンサーが充分に乾いたら、外した時の逆の手順でインテークパイプにエアフロセンサーを取り付けます。
作業後は警告灯が消えた
バッテリーのマイナス端子を抜いてECUのリセットもかけていたのですが、エンジンを始動した時には全ての警告灯が消灯し、VSCシステムチェックの表示も点灯しなくなりました。
ディーラーでエアフロセンサーの異常と診断されると交換となってしまう事も多く、交換工賃に1万円以上かかってしまう事も少なくないとの事。
エアフロセンサーの清掃や吸気系の清掃をする分にはまず壊れる事も無いはずなので、ダメ元で試してみたい方は是非参考にしてみて下さい。(パーツクリーナー以外を)
エアフロセンサー清掃用品の購入
KURE(呉工業) エアフロクリーン (170ml) エアフローセンサークリーナー [ 品番 ] 3018 [HTRC2.1]
KURE(呉工業) ブレークリーンロング増量 (840ml) ブレーキクリーナー [ 品番 ] 3014 [HTRC2.1]
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