航空機にまつわる資料や飛行機の実機の展示、フライトシミュレーターなど、航空業界の事や歴史を学びながら子供から大人まで楽しめるミュージアム、日本の空の玄関口である成田国際空港に隣接する、千葉県山武郡芝山町にある航空科学博物館をご紹介します。
記事内の目次
航空科学博物館 | 飛行機に詳しくなれる成田国際空港隣接のミュージアム
航空科学博物館とは?
世界の航空先進諸国は航空博物館の設置により、貴重な資料を展示して国民に航空の歴史を伝えるとともに、航空に対する理解と認識を深めながら航空界の発展のための役割を果たしておりました。
国内では特に青少年に対し航空に関する科学知識についてその啓発を図り、 もって航空思想の普及及び航空科学技術の振興に寄与し、あわせて我が国の航空の発展に資することを目的に、成田空港開港に関連し昭和52年に地元芝山町の要望の一つとして運輸大臣に提出され航空科学博物館が建設されました。
航空科学博物館は、展望台を含めた5階建ての建物で、屋内はエントランスとミュージアムショップを除いて全面有料制となっています。
航空機の実機が展示された屋外展示場
屋外展示場には、小型機の展示の他、日本航空機製造が製造した双発ターボプロップエンジン搭載旅客機のYS-11試作機も展示しております。
日本航空機製造のYS-11試作機(JA8611)は、1962年のロールアウトから度重なる試験飛行を重ねて1982年に抹消されるまでの間、日本の空を飛び続けていた日本の航空業界の歴史上でも重要な航空機となった実機です。
屋外展示場には、航空機だけではなく、空港用消防車や空港監視レーダーなどの空港用設備の展示も行っております。
エントランスとミュージアムショップ
航空機の模型や成田国際空港関連のグッズ、お土産品を販売しているミュージアムショップがあるエントランスは入場無料、その先の展示室などは全て有料制となっております。
B747の大型模型や実機断面が展示してある1F西棟
1階西棟のど真ん中には、日本の航空会社の旅客機としては10年前に全機が退役したボーイング747-400の1/8スケールの大型模型が展示してあり、受付で「コックピット体験」に申し込めば、後方にある操縦席の操作に合わせて動かすことができます。
実際にボーイング747に搭載されていた主翼の断面と、プラット・アンド・ホイットニー製ターボファンエンジンJT9Dが展示してあり、ジェット機のエンジンや主翼の内部構造などを見ながら学ぶことができます。
2階席があるダブルデッカーであるボーイング747は、貨物室も含めて縦に3階構造になっている事がよく分かる実機の胴体断面も展示してあり、間近で見てみるととても大きい機体であったことが分かります。
キャビンモックアップは、年季が入っている事もあってシートに擦れはあるものの、誰でも旅客機に搭乗している気分を感じられる事ができるコーナーになっています。
旅客機の機内には空飛ぶキッチンとも呼ばれる、ギャレーのモックアップも展示。
実機では、ここからキャビンアテンダントが、ソフトドリンクや軽食などの機内サービスを搭乗者に提供をします。
キャビンモックアップの中にあるコクピットは、実際に映画「ハッピーフライト」の撮影で使用したもので、操縦席の上には機長昇格試験を受ける副操縦士の田辺誠一さんのサインと、副操縦席の上には審査を担当した時任三郎さんのサインが書かれております。
情景に合わせて大型模型が動くプロジェクションマッピング
壁に投影された映像に合わせて、ボーイング747の大型模型に投影する光の色を変化させるプロジェクションマッピングも定期的に行われるようになりました。
次々と映像のシーンを切り替えながら大型模型を動かす様子は航空ファンにはたまらない演出に仕上がっております。
航空機の歴史を学べる資料や模型も展示
現在に至るまでの間にジェット機が主力となる以前の航空機の歴史を学べる模型や資料も各所に展示してあるのも航空科学博物館ならではです。
東棟2階は成田国際空港にまつわる展示も
東棟2階には成田国際空港全体の様子を見る事ができるジオラマが展示してあり、色々な事情がある事には触れないが、本来は滑走路として運用されるはずだった横風用のC滑走路を含めて、平行しているA滑走路とB滑走路も変則的な配置になっているのがよく分かります。
エコエアポートコーナーでは、シンボルになっている地球儀を中心に地球に優しい空港のエコ対策についての解説や、廃棄物とリサイクルについてを学ぶことができます。
ボーイング747 セクション41
機体前方の機首から後方に向けて13メートルの部分は、ボーイングの呼称でセクション41と呼ばれており、747クラシックの標準的な機体である747-200Bの機首部分を航空科学博物館が2011年に引き取って展示しております。
747-212Bなので、シンガポール航空に納入後に最後にノースウェスト航空に渡り、そこで退役を迎えてアメリカで退役機を保管している空港で眠っていた機体の機首部分になっているとの事。
遠くから見ているような状況でしたが、丁度良く機体の説明をするツアーが行われている最中でした。
フライトシミュレーターの体験もできるコーナーも
実機さながらのフライトを体験する事ができるフライトシミュレーターもありますが、大型模型やボーイング747セクション41と同様に、先着順の申込制となっております。
中央棟3階は飛行機を眺められる屋外の展望台
中央棟の3階は、迫力ある音を聞きながら成田国際空港で離着陸をする飛行機を眺められる屋外の展望台になっております。
34Lエンド付近では、ひこうきの丘と並んで見晴らしの良い場所から眺められる飛行機の観賞スポットとしても楽しむ事ができます。
4階はレストラン、5階は成田国際空港を見下ろせる展望台
3階から上は4階にレストランがあり、5階は屋内から成田国際空港で離着陸をする飛行機を眺める事ができる屋内の展望台になっております。
5階は飛行機を眺められる展望台になっている他、世界の航空会社の機体を見る事が出来る写真や、管制室の設備などがある展示室の役割も果たしております。
時間の都合で全ての場所を回りきる事はできませんでしたが、ここを思う存分楽しむのであれば半日ぐらいは必要なので、成田国際空港周辺の飛行機観賞スポット巡りも含めて2日間の予定を立てないと物足りなくなるかもしれません。
他のページでは成田国際空港周辺で飛行を見る事ができる場所をご紹介しています。
千葉県成田市の成田国際空港A滑走路南側に位置し、元々畑スポットとして航空ファンに知られていた場所を誰でも楽しめる場所として公園化したのが「ひこうきの丘」で、国内外の旅客機や大型貨物機などを見る事が出来る飛行機観賞スポットです。 ひこうきの丘・成田国際空港に離着陸する飛行機を見れるお出かけスポット ...
千葉県成田市駒井野に位置する「さくらの山公園」は、成田国際空港建設時に植樹した300本のソメイヨシノや山桜、枝垂桜が植樹された公園で、「ちば眺望100景」にも選ばれているお花見スポットとして知られています。ここは成田国際空港を発着する国内や海外の飛行機を間近で観賞する事ができる航空ファンの聖地として...
日本の空の玄関口として知られる成田国際空港に隣接する成田市さくらの山公園から観賞する事ができる滑走路の夜景をご紹介します。 千葉県成田市の桜の名所として有名な公園ですが、煌びやかに輝く滑走路の中を世界各国の旅客機が発着している様子を眺められる夜景観賞スポットとしても知られるようになりました。 成...
航空科学博物館 観光情報
所在地 | 〒289-1608 千葉県山武郡芝山町岩山111−3 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入館16:30) |
料金 | 大人700円・中高生300円・子供200円 |
駐車場 | 無料 |
交通アクセス | 東関東自動車道 富里ICから車で18分 成田空港交通 南部博物館線・そらまる線 航空科学博物館 バス停下車 JR東関東バス JR成田駅行き 航空科学博物館下車 |
関連ウェブサイト | 航空科学博物館 |
最新の情報は公式ホームページ等をご参照ください。
この記事へのコメントはありません。