宮城県東松島市矢本にある航空自衛隊松島基地に所属し、T-4練習機を使用するアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、不定期で実施している基地上空訓練の情報です。
基地上空訓練は、航空ショーで披露する展示飛行のための訓練なので、飛行予定がある平日には本番さながらの本格的なアクロバット飛行を楽しむことができます。
ブルーインパルスとは?
広報活動を主な任務としてアクロバット飛行を専門に行っている「ブルーインパルス」は、宮城県東松島市矢本の航空自衛隊松島基地に所属する「第4航空団飛行群第11飛行隊」が正式な部隊名で、全国各地の航空祭やイベントのオープニングセレモニーなどで展示飛行を行っています。
「ブルーインパルス」という名称は、かつて第2飛行隊で使用されていたコールサイン「インパルス」と、青い空を表す「ブルー」を組み合わせたものです。1960年に正式なアクロバット飛行チームが発足した際に生まれた名称で、語呂が良く、一般にも伝わりやすい愛称として定着しました。
使用している機体
ブルーインパルスが使用している機体は、川崎重工業製のT-4中等練習機がベースですが、量産型T-4の派生型となる「戦技研究仕様機」として新造または改修された特別仕様の機体で、展示飛行などを行います。
エンジンは量産型と同等ですが、曲技飛行に必要な改修が施されており、低高度警報装置の追加やラダーリミッターの制限角度変更、右エンジン排気ノズル後方へのスモーク発生装置の追加などが行われています。また、安全面ではウィンドシールドを強化し、バードストライクへの対策も施されています。
機体の基本形状は他基地にも配備されているグレーのT-4と共通ですが、ブルーインパルスの機体はアクロバット飛行に対応した専用仕様になっており、燃料タンクの一部をスモークオイル用に転用しているため、通常仕様のT-4よりも航続距離が短くなっています。
花火大会などのイベントで、T-4による展示飛行を謳い文句に集客することもありますが、通常仕様のT-4でも似たような飛行はできるものの、ブルーインパルスと同じスモークを使用した曲技飛行ができるわけではないので、過度な期待は禁物です。
ブルーインパルスが曲技飛行中に機体後部右側から出しているスモークは、ケム〇〇〇〇ではなく、右エンジンの排気ノズル直後に設けられた噴出ノズルから機械油(スピンドルオイル)を噴射し、排気熱で気化させたオイルが冷えて細かな粒子になることで白煙を発生させる、T-4戦技研究仕様機独自の装備によるものです。
エンジンオイルがエキゾースト側に回ってマフラーから白煙を出しちゃっている車と、見た目やオイルが白煙になる仕組みは似ていますが、こちらは専用のオイルを意図的に噴射しているわけです・・。
昔は色付きのスモークを出しながら展示飛行を行っていましたが、着色用の染料と機械油を混ぜ合わせるために飛行直前まで攪拌する手間がかかることや、地上への染料の付着といった問題があり、1998年を最後に通常の展示飛行では使用されなくなりました。ただし、2020年3月の東京2020オリンピック聖火到着式や、2021年7月のオリンピック、同年8月のパラリンピック開会日に合わせた展示飛行では、特別にカラースモークが使用されています。
ブルーインパルス飛行訓練の予定を見る方法
ブルーインパルスは全国各地の航空祭やイベントのオープニングセレモニーなどで見ることができますが、航空自衛隊松島基地では展示飛行に向けた飛行場上空訓練が不定期で行われており、基地周辺から本番さながらのアクロバット飛行を見学することができます。
飛行場上空訓練の予定は、航空自衛隊松島基地の公式ウェブサイトで公表される「ブルーインパルス基地上空訓練」で確認でき、夜間訓練の実施予定についても「夜間飛行訓練」に掲載されています。ただし、全機が揃う日もあれば何機か抜けた状態でフライトを行う日もあり、天候によっては中止になったり、金華山沖での洋上訓練に変更されたりする場合もあります。
公表されている時間は、ブルーインパルスが訓練のために離陸する予定時刻の目安なので、ナレーション(ある場合)やウォークダウン、エンジンスタートなどは、その15分から20分ほど前には始まっています。
展示飛行に向けた一連の動きは予定時刻の30分ほど前から始まっているので、松島基地のブルーインパルス基地上空訓練を見学・撮影する際は、少なくとも予定時刻の30分前には準備を終えておくのがオススメです。
航空祭の人混みが苦手で行けない人や、なかなか足を運ぶきっかけがない人でも、訓練予定がある平日の午前中や午後に松島基地周辺を訪れれば見ることができますので、松島基地の公式ウェブサイトや公式Xなどで飛行予定をご確認ください。
10:30頃からの飛行場上空訓練は予定通りです❗#ブルーインパルス pic.twitter.com/qyB3eZKuv1
— 航空自衛隊 松島基地 (@matsushimabase) September 3, 2019
10:40頃からの飛行場上空訓練は洋上での訓練に変更になりました。
— 航空自衛隊 松島基地 (@matsushimabase) September 6, 2019
ちなみに、私も含めて松島基地に集まったブルーインパルスファンのほとんどは、予定時刻の30分前頃に行われる松島基地公式Xでの発表を確認するまでは、実際に飛ぶかどうかも分かっていません。また、何機飛ぶかについてはキャノピーが開いている機数などを見て判断しているので、それ以前に聞かれても分からないはずです。
直前まで本当に何も分かっていないので、本当のことを教えてくれない不親切な人だと思わないでくださいね。
松島基地外周にいる人も、公式に公表されている時間以外のことや、飛行する機数、展示区分、展示飛行の事前訓練を行うかどうかまでは知らされていないため、大体は実際に飛び始めてから初めて分かります。
また、公式ウェブサイトに記載がなかった時間に飛行場上空訓練を行っていたこともありますが、その様子を撮影できた方は、たまたま松島基地外周にいたか、すぐに戻れる範囲にいたかのどちらかのはずです。
ブルーインパルスの動画で訓練の時系列を解説
🔴4K LIVE | ブルーインパルス 展示飛行訓練 6機4区分 航空自衛隊松島基地 F-2B訓練飛行 夜間訓練
航空自衛隊松島基地でブルーインパルスの飛行場上空訓練と夜間訓練が行われたこの日は、2ndが11時10分、3rdが14時30分という変則的な予定が組まれていたので、何かあるのか?と期待していましたが、結局は第21飛行隊のF-2B戦闘機による飛行訓練も含めて、全体的に約1時間ずらして訓練を行っていただけでした。
通常より約1時間遅れてF-2Bがテイクオフし、早めに戻って来てからは、ブルーインパルスの飛行場上空訓練が始まる直前までタッチアンドゴーやローアプローチの訓練を行っていました。
F-2Bが着陸する前には既にブルーインパルスのエンジンがスタートしており、2ndの飛行場上空訓練が予定されていた11時10分頃に滑走路上でスモークチェックを行って離陸し、6機による第4区分の展示飛行訓練が30分間行われました。
訓練を終えたブルーインパルスが格納庫前に戻って来た約1時間後には、第21飛行隊(21SQ)のF-2Bがタキシングを始め、RWY25から次々と離陸。ブルーインパルスがタキシングを始める10分ほど前まで、タッチアンドゴーやローアプローチを繰り返していました。
ブルーインパルスの3rd訓練が予定されていた14時30分には、飛行場上空訓練に向けて6機のT-4が離陸し、30分間の展示飛行訓練が行われました。
ブルーインパルスが格納庫前に戻って来た30分後にはF-2Bが飛行訓練に向けてタキシングを開始し、45分後には第1陣がRWY25から離陸。約1時間後に戻って来てからは、ローアプローチやタッチアンドゴーを繰り返して着陸しました。
ブルーインパルスの夜間訓練では、17時過ぎ頃に3機のT-4が離陸し、20分ほどで松島基地上空に戻って来てタッチアンドゴーを行った後、次々とハンガー前に戻って来ました。
🔴4K LIVE | ブルーインパルス 展示飛行訓練 6機1区分 航空自衛隊松島基地 F-2B 訓練飛行
1stが洋上訓練、2ndと3rdにブルーインパルスの飛行場上空訓練が予定されていたこの日は、風が弱く青空も広がる最高のコンディションの中で、展示飛行訓練を楽しむことができました。
松島基地は風が強い日も多く、強風か曇り空のどちらかになってしまうことも少なくありませんが、2nd訓練では青空の下、6機による第1区分で航空祭RWY33パターン、通称「松島スペシャル」の訓練を見ることができました。
3rd訓練は4機による第1区分のフライトになってしまいましたが、1日を通して天候に恵まれた素晴らしい日でしたね!
ちなみに、1stや2ndというのは、その日に行われる飛行訓練を順番に表す呼び方です。
通常は1stが8時ちょうど、2ndが10時30分から10時40分頃、3rdが13時30分から13時40分頃に訓練を開始しますので、誰かが「ファースト」や「セカンド」と言ったら、こうした時間帯に行われる訓練のことだと思ってください。
展示の区分や飛ぶ機数を知る方法
ブルーインパルスが何機飛ぶのか、展示飛行の訓練は何区分で行われるのか、どうして分かるのかと聞かれることもありますが、私も実際にエンジンがスタートして飛行する機数を確認し、飛んでから無線で「〇区分」と聞くまでは分かりません。
展示飛行の区分は、視程やシーリング(雲底高度)などの気象条件によって演技課目を分けたもので、第1区分はシーリングが10,000ft(高度約3,000メートル)以上という最も条件の良い区分となり、縦ループやロールなどのダイナミックなアクロバット飛行を楽しむことができます。
第3区分になると演技で使用できる高度が低く抑えられ、シーリング5,000ft(高度約1,500メートル)以上の条件でローパスなどの水平飛行を中心とした課目が行われますが、スモークを引きながら低空で頭上を通過する迫力あるフライトを楽しむことができます。
| 区分 | シーリング(雲底高度) |
| 1区分 | 10,000ft (3,000m) |
| 2区分 | 7,000ft(2,100m) |
| 3区分 | 5,000ft(1,500m) |
| 4区分 | 3,000ft(900m) |
事前に気象予報から展示区分をある程度予測することはできますが、天気情報アプリのWindyで風の強さ、クラウドベース(雲底高度)、視程、雨・雷などを調べておけば、飛行場上空訓練が実施されそうか、どの区分になりそうかを判断する参考になります。
風速10m/sほどの強風でも飛ぶときはありますが、立っていられないほどの暴風では飛ばなかったり、小雨や雪が降っていても視程が5km未満、またはシーリングが1,500ft以下になると展示飛行が中止になったりすることがあります。洋上訓練への変更や飛行場上空訓練の中止、展示区分については、私の感覚では8割から9割ほどが天候に左右されていると思っておいて良いでしょう。
何機飛ぶかについては、ハンガー前に並べられているブルーインパルスの機数も参考になります。7機並びであれば予備機1機と飛行予定機6機で最多6機、6機並びでも予備機なしで6機が飛ぶことはありますが、私の経験では、ほとんどの場合、ハンガー前に並んでいる機数から1機を引いた数が最多だと思ってください。
5機並びであれば、最多でも4機以下でT-4によるフライトが行われることが多いです。
また、実際に何機飛ぶかは、整備員さんがキャノピーを開けた機数から判断することもできますが、ごく稀に1機だけ基地内見学者用に開けていたり、整備中だったりすることもあるので、より確実なのは尾翼の衝突防止灯が点滅している機数や、実際にエンジンをスタートさせた機数を確認することです。
ブルーインパルスの飛行場上空訓練が予定されている日でも、洋上訓練に変更されたりキャンセルになったりした際に、航空情報の一種であるNOTAMが出ていないことがあります。
他基地への移動や現地予行訓練の当日などで、元々予定されていた飛行場上空訓練が前日にキャンセルされたときにも、関連するNOTAMが出ていなかった例があります。
SWIMポータルのNOTAM情報を「AIR DISPLAY」や「T4」で検索する方法もありますが、手軽なのはskyinfo.jpでRJST(松島飛行場)やRJJJ(福岡FIR)、展示飛行を予定している飛行場の4レターICAOコードのNOTAMを確認する方法です。ただし、NOTAMの有無だけでブルーインパルスの飛行場上空訓練が実施されるかどうかを確実に判断できるわけではないので、基地の公式発表と併せて確認するのが確実です。
ブルーインパルスの撮影に向いているカメラとは?
ブルーインパルスの撮影に向いているカメラについて時々聞かれることもありますが、動きの速い機体を撮るためにシャッタースピードを上げても適正露出を確保しやすい明るいレンズや、広角から600mm以上の超望遠域まで対応できるレンズが必要になる場合もあります。
一眼レフカメラやミラーレスカメラでは、こうした広角から超望遠までの全てを1本でカバーするのは難しいため、カメラ本体を2台持ちにしたり、レンズを交換しながら撮影している方も見受けられます。
レンズ沼やカメラ沼に落ちやすい撮影ジャンルではありますが、皆さん本当に凄い機材を使っているなと驚かされることもありました。
キューピッドやスタークロス、サクラなどの大きな課目は、展示予定の場所から少し離れれば35mm判換算で30mm前後の広角レンズでも撮影できますし、1機や2機で行う課目も、展示予定の場所に近いところから撮るのであれば必ずしも超望遠レンズが必要になるわけではないので、絶対に高価なレンズやカメラでなければいけないわけではありません。
ブルーインパルスのハンガー前では、前方はお子様、後方に大人、脚立の使用は控えるようにアナウンスされていますので、パイロットの雄姿を写真に収めたい方は超望遠レンズが必要になるかもしれません。
松島基地のハンガー前では、パイロットの搭乗やウォークダウンなど、離陸前の様子を間近で見ることができますが、飛行場上空訓練が始まると課目によっては機体が遠くに見えてしまうこともあります。そのため、飛行中のブルーインパルスを見学・撮影するのであれば、滑走路側や堤防側に移動した方が機体を見やすくなる場合もあります。
また、松島基地から少し離れた滝山公園の展望台や道の駅東松島からは、周辺の景色を見下ろすような眺望とともにブルーインパルスの訓練を楽しむことができます。ただし、基地周辺から見る場合と比べると機体までの距離が遠くなるため、撮影場所によって必要なレンズの焦点距離や機体の見え方も変わってきます。
撮影時の設定については、シャッタースピードが遅いと機体がブレてしまうこともありますので、シャッタースピードと絞り、ISO感度の関係を知っておくと、マニュアル設定で適正露出を確保しながら、ブルーインパルスの華麗な姿を収めやすくなります。
説明を読んで分かったつもりでも、実際にやってみないとよく分からないことの方が多いので、とにかく撮影数をこなし、最適な設定や写り方の違いを何度も見直しながら、納得できる撮り方を体で覚えるのが上達への近道だと思います。綺麗に撮れた写真とそうではない写真の違いは、カメラ本体やPCに取り込んだ際に表示される撮影時の設定にも現れているはずです。
動画については、レンズ交換式ミラーレスカメラやシネマカメラなどを使用する際、複数のカメラによるマルチカメラ編集やスイッチングが必要になることもありますが、既に下火になったとも言われているレンズ一体式のビデオカメラが、まだまだ必要になる撮影ロケーションです。
35mm判換算で25mmの広角域から600mmの超望遠域までを光学ズームでカバーし、スムーズなズーム操作で高画質な4K動画を撮影できるビデオカメラもパナソニックから販売されているので、シネマカメラ勢やミラーレス動画勢に何と言われようとも、巡り巡ってレンズ一体式のビデオカメラに辿り着くのがブルーインパルスです。
最新機種でも、私が以前使っていたビデオカメラと比較すると、4K対応以外の基本的な性能は13年前からあまり変わっていないように感じますし、暗所撮影性能やオートフォーカスについても大きく変わっていないという印象を受けましたので、レンズ内にチリや埃が入っていなければ中古でも十分使えると思います。
私の場合はパナソニックHC-X1600を使用しておりますが、シネマカメラとミラーレスカメラを経て、13年前の撮影スタイルに逆戻りしました。
実際にブルーインパルスの撮影で使用してみると、600mmの超望遠域でもオートフォーカスの追従性は良く、手ブレ補正もしっかり効いているので、飛行中の機体を追いかけながら撮影する際にも使い勝手の良さを感じています。ただし、AFとMFの切り替えボタンは押しにくいため、ピットクッションなどを貼り付けて突起を作り、指で押しやすくする工夫をしています。
上位機種のHC-X2100とは基本的な撮影性能が共通していますが、HC-X2100にはハンドルユニットが付属し、3G-SDI端子や有線IPストリーミング、USBテザリングなどの機能も備わっています。SDI端子や有線ネットワーク機能を使わないのであれば、前モデルのHC-X2000とも共通のハンドルユニット「VW-HU1」を別途購入することで、HC-X2100に近い操作性やXLR音声入力を備えることもできます。
松島基地 交通アクセス情報
| 所在地 | 東北地方/〒981-0503 宮城県東松島市矢本字板取85 |
| 駐車場 | ブルーインパルス観覧駐車場 (オートガレージ隣) |
| 交通アクセス | JR仙石線 矢本駅から徒歩13分 |
| マップコード | 581 582 219*80 |
| 関連ウェブサイト | 航空自衛隊 松島基地 |














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