ジンバル撮影時の縦揺れを減らしてブレの少ない滑らかな動きを実現するDJI RONIN S/RSC2/RS2対応CAME-TVのZ-Axisデュアル・アジャスタブル・スプリング・ハンドル(Dual Adjustable Spring Handles)を個人輸入で購入したので、使用感やフィッティングについてレビューいたします。
記事内の目次
ジンバル撮影時の縦揺れについて
3軸ジンバル(3軸スタビライザー)は、ミラーレス一眼カメラやシネマカメラ等を搭載して動かしても、カメラを水平に保ちながらパン方向やチルト方向の揺れを軽減する撮影補助機器で、ジャイロセンサーで傾きを感知してブラシレスモーターで制御する製品が一般的です。
天秤の原理を応用してウェイトでバランスを調整するスタビライザーもありますが、今はブラシレスモーターで制御する小型軽量な3軸スタビライザーを使用している人を多くみかけるようになりました。
3軸ジンバルはパン・チルト・回転方向を制御するアームとモーターで構成されているのですが、縦揺れの原因になる上下方向は制御されませんので、歩き方や持ち方を工夫して軽減させなくてはいけません。
持ち方や歩き方を工夫して上下方向のブレを軽減できている人もいるのですが、元々の歩き方に癖がある人はなかなか出来ない・・
そしてカメラ本体やレンズが重かったり、カメラ内部の機能で完結できずに外部周辺機器を頼らなくてはいけない場合などは、重量に負けて縦方向の揺れを制御しにくくなってしまいます。
縦揺れを軽減するデュアルハンドル
カメラ本体やレンズだけでも2kg近くあり、ケージやウェイトなども含めるとかなり重くなってしまうので、スプリング内臓のデュアルハンドルは以前から探しておりました。
ジンバルのグリップに装着できるDigitalFoto DH04などの製品もありますが、ハンドルを取り付けた部分から上にかかる重量が極端に大きくなってしまうため、縦揺れを軽減できても横に倒れる力を抑える事ができません。
つまり、左右独立で動くデュアルハンドルを繋ぐスタビライザーかジンバルの重量配分を調節するウェイトでも取り付けない限り抑えられないのです。
そんな時に見つけたのがDJI RONIN S/RSC2/RS2対応のCAME-TVデュアル・アジャスタブル・スプリング・ハンドルだったのですが、一応NATO互換レールかマウントさえあれば何にでも取り付けられます。
つまり、NATO互換マウントが無いDJI RONIN Sは、DJI純正のデュアルハンドルキットのマウントやNATO互換レールがあるマウントが無ければ取り付けられないのでご注意を。
2021年6月現在では、日本国内に在庫を置いているショップが存在していないので、個人輸入での購入の仕方はこちらを参考にしてください。
近年はカメラの周辺機器を日本のメーカーが製造をせずに、海外のメーカーが販売している周辺機器を日本国内の店舗やオンラインショッピングで購入する機会が増えてきました。しかし、今回は日本国内では販売していない商品を購入するべく、生まれて初めての個人輸入で取り寄せてみましたので、注文方法から貨物の引き取りま...
Amazonにはあるのですが、正規商品価格$270の2倍以上の価格で販売しているので、そちらで購入しないようにご注意下さい。
他にも正規ではない高額な商品を出品している業者さんだったので、この世に存在していなかったことにします。
CAME-TV製品の品質は若干難ありだけど・・
綺麗とは言えない梱包
ウェブサイトを見る限りではアメリカ企業っぽく見えるのですが、XIAMEN CAME TECHNOLOGY CO.,LTD.という中国企業が展開しているブランドらしいです。
個人輸入で注文から5日で自宅に配送されましたが、外装は期待できるようなものではありませんので、中身さえ無事であれば良いと考えた方が気が楽です。
デュアルスプリングハンドルのみでマニュアルは無し
箱の中身はプチプチに包まれたスプリングアームとグリップのみです。
説明書や保証書も無い実にシンプルな中身・・
アームの固定はNATOレール互換クランプで、アームとグリップの固定は固定位置を360度調整可能なロゼットですので、ノーマルモードやインバートモードの他、逆さ吊りなど様々な取り付け方に対応をしています。
アームに取り付けられている2つのノブは、NATOクランプ側のノブでスプリングアームを固定し、ハンドル側のノブでスプリングの強度を調整します。
製品品質とペイロードについて
DJI純正デュアルハンドルキットのマウントに取り付けた感じでは、横方向への倒れも無くバランスの良い感じになりました。
しかし、ここで一つ問題が発生・・。
CAME-TVデュアルハンドルキットのNATOクランプは製品品質が悪く、どのNATOレールに入れてみてもきつくて入らないのです。
DJIとSmallRigのNATOレール全てに入らなかったのですが、どうやらCAME-TVのスプリングアームのクランプの切削角度と厚みが違ったのが原因だった模様。今更送り返すのも大変なので金やすりで少し削ったら入りました。
マウントとクランプ両方ともに抜け止めのロックピンは無いのですが、クランプを締め付けただけでも抜ける事無く6Kg近い重さをしっかりと保持できています。
スプリングの強度はロゼットの隣にある赤いつまみで調整が可能なのですが、ペイロードの公表値1.5kg~11kgに対して7.5~8.5kgしか無いような感じでした。
デュアル・アジャスタブル・スプリング・ハンドルと同じアームを使用しているシングルアームのGS08で公表しているペイロードの2倍の計算なのだと思いますが、油圧ダンパーが無い分ペイロードが下がっているのだと思います。
DJI RONIN-Sよりも重量が軽くなっているRS2では特に問題にならなかったのですが、RONIN-Sでは少しペイロードが足りない感じです。
内蔵しているスプリングはねじ込み式になっているので、分解する勇気があれば締め付けてばね強度の最大値を上げる事は出来ますが、やるのであれば自己責任でお願いします。
製品品質としては一昔前の中国製という印象で、精度が高いSmallRigなどの中華製品を使用している人はNATOクランプのフィッティングと左右のスプリング強度のバラつきに不満を感じるはず・・。
フィッティングとペイロードのバラつきに関して改良が行われればオススメしたいです。
使用感はすごく良かった
動きや歩き方に合わせて調整ノブでスプリングの強度を調整しなくてはいけないのですが、効率よく上下動を吸収してジンバルに伝わる縦方向のブレはかなり軽減されました。
ダンパー機構が無い分、沈み込んだ後の反動で上下動が余計に大きくなる事もありますが、調整ノブでスプリングの強度を上げるとしっかりと収まりますので、ジンバルと同様に微調整は必要です。
DJI RS2に買い替えをしてから気付いたのですが、NATOレールを使用する事でマイクなどの外部周辺機器を取り付けるスペースが無くなってしまいますので、アームに1/4ネジ穴などがあっても良かったとは思います。
CAME-TV デュアル・アジャスタブル・スプリング・ハンドルを使用して撮影した映像も公開いたしました。
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