録音中のゲイン調整が不要で、過大入力による音の歪みを抑え、小さな音もノイズを目立たせずに収録できる、失敗のないレコーディングを目指して開発された32bitフロート録音対応フィールドレコーダー、ZOOM F3のレビューです。
- オーディオに使用されるビット深度、16bitと24bitについて
- 音声録音の音量調整が不要な32bitフロートとは?
- 超軽量小型サイズに収まったZOOM F3
- マイク入力はファンタム電源対応XLR端子2chのみ
- 軽量小型化でカメラへのマウントがしやすくなった
- バッテリー持続時間は8時間超運用可能!ファンタム電源駆動で2時間超!
- USBのデータ転送速度は従来製品と同様に低速
- ZOOM F3を使用して実際に音を収録してみました。
- ZOOM F3を使用して収録した動画
- 操作ミスが少ない分かりやすいスイッチやボタン
- LINE出力のディレイは192kHzで無効に
- 誰でも簡単にプロ並みの品質で収録可能なZOOM F3の凄さ
- 別売りのオススメペアマイクと音声収録に便利なグッズも紹介!
- ZOOM F3の仕様
オーディオに使用されるビット深度、16bitと24bitについて
音楽を販売する記録媒体として従来からあったアナログレコードやカセットテープに代わって、デジタル情報を記録するメディアとしてコンパクトディスク、いわゆるCDが普及し始めたのが1980年代後半から1990年代前半の頃です。
アナログレコードやカセットテープは摩耗や伸びによる劣化が見られる記録媒体でしたが、それに代わって販売数を伸ばしていったコンパクトディスクは、樹脂などで作られた厚さ約1.2mmの円盤に微細な凹凸を形成し、半導体レーザーの光をディスクに照射する事で記録されたデータを読み込む非接触式のデジタル記録メディアです。
カセットテープと並んで音楽を聴くメディアとして中心的な存在だったアナログレコードは、EP盤で直径7インチ(約17cm)に片面5~8分の音楽を収録する事が可能で、LP盤においては直径12インチ(約30cm)に片面25分ほど収録可能でした。
その後登場したコンパクトディスクは、シングルCDとして販売される事が多かった8cmCDで約20分、アルバムCDとして販売される事が多かった12cmCDで約74分もの楽曲を収録できたのです。
CDの登場で記録媒体の小型化と長時間の収録が可能になった一方、従来のアナログ記録方式から微細な凹凸を半導体レーザーで読み込むデジタル記録方式に変わり、CDはサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16bitのデジタルデータで記録されていた事から、音質面で否定的な声も少なからずあったのです。
サンプリング周波数が44.1kHzであれば、人間の可聴域のほぼ全体をカバーする20Hzから20kHzの音を記録できますが、65,536段階のビット深度16bitを理論上のダイナミックレンジに換算すると約96dBとなり、24bitに比べると微小な音を記録する際の余裕が少なくなります。
普通の人は気付かないかもしれないけど、音の余韻まで楽しむクラシックやオーケストラを好む人には、アナログ音源とデジタル音源の違いが気になったのでしょう。もちろん私も分かりません。
その後登場した高精細オーディオのハイレゾ音源は、96kHz/24bitでCDの約3.3倍、192kHz/24bitで約6.5倍の情報量を持つと言われています。
24bit音源は、16bitの約96dBよりも広い理論上約144dBのダイナミックレンジを持ち、微細な音から大きな音まで幅広い音を記録する事ができます。
ハイレゾリューションオーディオでも十分に高音質なのですが、それよりもさらに幅広い音量を扱える32bit float録音を採用したのが、今回ご紹介するZOOM F3です。
音声録音の音量調整が不要な32bitフロートとは?
16bitや24bitのリニアPCM録音では、過大入力によって音が歪んだり、小さすぎるレベルで録音した音量を上げるとノイズが目立ったりするため、適正な録音レベルに調整しなければならない課題がありました。
例えば大きな音と小さな音の両方を収録する必要がある時は、過大入力を防ぎつつ小さな音が自然に聞こえるように録音レベルを調整する必要があったため、リハーサル無しの一発撮りでは非常に扱いにくかったのです。
適正な録音レベルで収録できていなかった場合には、ある程度は編集時に調整できますが、一度クリッピングしてしまった音や、ノイズフロアに近い小さな音は、編集をしても完全には取り戻せないという問題がありました。
そこで登場したのが、小さな音から大きな音まで幅広く収録できる32bitフロート(32bit float)録音です。
32bitフロート録音は、収録中のゲイン調整が原則不要で、編集ソフト上では波形がクリッピングしたように見えても、録音データ自体に歪みがなければ音量を下げる事で元の波形を取り戻せる特性があります。また、小さな音を録音した場合でも高い解像度を保ちやすく、編集時に音量を上げてもノイズが目立ちにくいという特長を持ちます。
DAWに取り込んでクリップしたように見えていても、録音データ自体がクリッピングしていなければ、ピークが平坦化されていない波形が残っています。
また、幅広い音量を扱うために重要な役割を果たしているのがデュアルA/Dコンバーターです。大きな音と小さな音のそれぞれに適した2つのA/Dコンバーターを使用する事で、従来の録音機器よりも広いダイナミックレンジを確保しています。
広いダイナミックレンジで収録可能な32bit floatとデュアルA/Dコンバーターの採用で、今まで録音レベルの調整に気を取られて撮影に集中できなかった動画クリエイターにもオススメできるポータブルフィールドレコーダーが、今回購入したZOOM F3です。
超軽量小型サイズに収まったZOOM F3
2010年頃にZOOM H4nを購入してから2021年頃まで長く使っていたのですが、その後ZOOM H6を購入してしばらく使用していました。
この2機種はバッテリーの持続時間や録音レベルの調整などが気になり、ワンオペ動画撮影時に集中できない事もありましたが、合計6chを使用したマルチトラック収録ができるフィールドレコーダーH6は、ショックマウントに乗せると本体の重みで徐々に横に傾いてしまう問題もありました。
これらの問題を解決するべく購入を決めたのが、軽量小型サイズのZOOM F3です。
内蔵マイクを備えたH4nやマイクカプセルを装着したH6と比較すると、非常に小さい箱に入って本体が届きました。
購入時の価格は安いものでは32,000円程度、高いものでは38,000円近くで販売されていましたが、それ以上の製品はセット販売などで価格が上がっている場合もあるので、購入内容の確認が必要です。
競合する機種と比較しても、ZOOM F3はとにかくサイズが小さく、67mmのレンズキャップより少し大きい程度の横幅75mm、奥行77.3mm、高さ47.8mmの超小型サイズとなっております。
マイクカプセルを付けて外部マイクも接続し、ショックマウントに乗せると前のめりになっていたH6と比較して、非常にコンパクトになり、本体重量も電池込みで242gと軽量に抑えられております。
マイク入力はファンタム電源対応XLR端子2chのみ
ZOOM製品はXLR/TRSコンボジャック(XLRと標準フォン共用の端子)を採用している機種も多いのですが、ZOOM F3ではXLR端子のみの入力となりました。(ZOOM F6も同様)
これまでのZOOM製品でTRSプラグを採用したマイクを使用していたのであれば、接続方式や電源供給方式を確認したうえで、必要に応じてXLR接続に変換する必要があります。
また、これまでのZOOM社製フィールドレコーダーと同様に、コンデンサーマイクなどへ+48V・+24Vのファンタム電源を供給する機能も内蔵しています。
軽量小型化でカメラへのマウントがしやすくなった
ZOOM H4nやH6の内蔵マイクやマイクカプセルで音声を収録する場合は、タッチノイズを低減するショックマウントが重要で、ハイアングルで撮影をするとレコーダー上面の液晶モニターが見にくくなったり、ボタンが押しにくくなったりするデメリットもありました。
配線が不要でオールインワンのレコーディングが可能ですが、内蔵マイクの指向性や液晶ディスプレイの位置の問題で、今まで設置場所にも制約があったのです。
その一方で、ZOOM F3はレコーダー本体にマイクカプセルを備えていないので、裏面の1/4インチネジ穴や固定バンドを使って自由な位置に固定できるのです。
その代わり、マイクの配線や固定をするための時間と設置場所が必要になるので、一長一短と言った所でしょうか・・。
バッテリー持続時間は8時間超運用可能!ファンタム電源駆動で2時間超!
本体の電源には、使い切りのアルカリ電池や充電可能なニッケル水素電池など、コンビニでも購入できる単三型電池2本を使用します。
満充電したニッケル水素電池2本(エネループ)を使用して、ファンタム電源を使わない状態では8時間以上の連続録音が可能!
コンデンサーペアマイクを+48Vのファンタム電源で駆動し、最大収録時間を計測した場合は、2時間14分ほどで電池が空になり、録音がストップしていました。
内蔵の単三電池以外では、USB Type-C端子に接続したモバイルバッテリーやポータブル電源などから給電し、さらに長時間運用する事も可能です。
内蔵電池で+48Vのファンタム電源を使用するペアマイクを接続した際は2時間14分でRECがストップしていましたが、容量10000mAhのモバイルバッテリーをUSB端子に接続して残容量が無くなるまで録音を続けるテストを行った際は、7時間7分ほどでモバイルバッテリーの残容量が半分になり、このまま続けてもキリが無いので途中で停止いたしました。
この結果から、10000mAhの外部電源なら少なくとも10時間以上、20000mAhであれば丸一日近く録音を続けられると考えられ、従来製品よりも長時間の運用がしやすくなっていました。
USB端子にUSB Type-Cを採用していますが、PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)を必要としない5V入力なので、USB 2.0のType-A to Type-Cケーブルなど、古い規格のケーブルでも給電できます。
また、モバイルバッテリーやACアダプターでは全く問題ありませんでしたが、Vマウントバッテリーの電圧を降下させるUSB端子から5Vで給電した際は、ZOOM F3からカメラへ出力していたLINE OUTにノイズが乗ってしまいましたので、DC/DCコンバーターの種類によっては同じような事が起こるかもしれません。(ZOOM F3で記録したデータにはノイズは入りません。)
USBのデータ転送速度は従来製品と同様に低速
USB接続でデータを転送した時の速度は、コネクターがType-Cになったとしても5MB/s前後しか出ていなかったので、最近のUSB接続機器の中ではかなり遅い転送速度です。
今までZOOM H4nとH6を使用してきましたが、ここだけは全く性能が変わっていなかったので、10年以上前からUSB転送速度はほとんど改善されていないように感じます。
従来製品の16bitや24bit記録のデータと比較すると、F3の32bitフロート録音で保存される音声ファイルはサイズが大きくなりやすいので、転送速度が速いmicroSDカードリーダーを使用した方が早くデータの転送が終わります。
音声データを記録するメディアはmicroSDカード
ZOOM H4nやH6はSDカードで記録していましたが、ZOOM F3では4GB~32GBのmicroSDHC規格対応カードか、64GB~1TBのmicroSDXC規格対応カードが使用できます。
9時間21分の収録をした時のファイルサイズは合計で48.8GBになりましたので、最長の収録時間が10時間以内であれば64GB、数日続くようなレコーディングであっても128GB~256GBほどあれば十分足りる容量に収まるのではないかと思います。
記録される音声データは、ファイルサイズが2GBを超えると自動的に分割される仕様になっており、ZOOM H6の96kHz/24bit記録では1時間ほどで分割されていたのに対し、ファイルサイズが大きい32bitフロート記録のZOOM F3では、今回の設定でさらに短い23分10秒~20秒ごとに分割して保存されます。
ZOOM F3を使用して実際に音を収録してみました。
内蔵されたデュアルA/Dコンバーターの性能
マイク入力のゲイン調整は不要と説明しましたが、波形表示の拡大率を変更すると、表示だけでなく収録を開始する時点の録音レベルも変わります。
波形拡大率を×1から×1024まで変更した音声データを用意し、Adobe Audition上で同じ音量になるように調整してみましたが、×1と×1024のどちらもノイズ量に違いは無く、編集ソフトでゲインを38dB上げた×1の音声でも、劣化を感じられない全く同じ音で収録されていました。
つまり、波形の拡大率を変えた時に、使用するA/Dコンバーターそのものが切り替わる仕組みではないようです。
また、オートゲインのようなシステムなのか?と思って購入をためらっていた事もありましたが、大きな爆発音と小さな人の声の両方が収録される花火大会の撮影時にも、自動的なゲイン調整で音量がコロコロ変わるようなシステムではありませんでした。
どんなシステムなのかを収録した音や編集中の波形を見ながら考えてみました。
アナログからデジタルに変換する際に、2つのA/Dコンバーターを使い、過大入力に耐えられる大きな音用とノイズフロアに埋もれにくい小さな音用の信号から、適切なデータを記録する仕組みなのだと公式の説明から読み取れます。
32bitフロート収録に対応していても、1つのA/Dコンバーターだけで幅広い音量を扱うのは難しいため、製品価格を抑えながらダイナミックレンジを広げる仕組みが、デュアルA/Dコンバーターの役割なのだと考えられます。
マイクの性能がそのまま反映される録音品質
ゲインの調整が不要で大きな音から小さな音まで収録できるZOOM F3ですが、マイクの最大入力音圧レベルを超える過大な音が入力されれば音は割れます。
マイク本体の最大音圧レベルを超える音が入力されると、歪んだ音がそのまま記録されてしまうので、マイクからA/Dコンバーターまでのアナログ信号が歪まないようにする必要はあります。
当然の事ながらS/N比が低いマイクを使えば、その性能もダイレクトに記録されてしまうので、ZOOM F3の32bit floatを最大限に活かすのであれば、マイク本体の性能やケーブルの品質にも気を使わなければいけません。
とは言っても、後編集でノーマライズをしてもノイズレベルはそれほど上がっていなかったので、これまで使用していた16bitや24bitリニア収録と比べると、小さな音から大きな音まで扱える範囲の広さは圧倒的に違います。
ゲイン調整不要で一発撮りが楽になった
マイクレベルを1刻みで調整できるZOOM H4n使用時は、経験と勘でロケーションによる録音レベルの違いを把握できていましたが、0~10までのダイヤル式を採用したZOOM H6では、XLR入力時の左右のバランス取りや音量の微細な調整がかなり大変でした。
特にリハーサル無しの一発撮りが必要な場面では、過大入力によるゲインオーバーや左右の音量の違いなどにも気を使わなくてはいけなかった事もあり、収録途中にゲインオーバーが発生して録音レベルを変更した時は、編集時の音量調整にも手間がかかっていたのです。
その点、大きな音から微細な音まで幅広く収録できる32bit float録音は大きなメリットとなり、録音レベルを細かく調整しなくても、後編集で好みのバランスや音量にまとめて調整できるようになります。
左右のマイクで同じ音源を収録する際に、右の倍率と左の倍率を極端に変えている状態の写真ですが、これを動画編集ソフトのBlackmagic Design DaVinci Resolveで読み込ませた時の波形を見ていただきたいと思います。
左側の波形が大幅にクリップしたように表示され、音も割れて聞こえている状態ですが、右側は最大音量に全く届いておらず、左右のバランスが極端に違う音として取り込まれていました。
左右のマイクの誤差はあるかと思いますが、この音をノーマライズして左右のバランスを整えていきます。
左チャンネルのボリュームが-19.6、右チャンネルのボリュームは+8.2で左右のバランスが整い、過大入力に見えていた左側も波形の潰れや歪みが無い状態に仕上がりました。
また、音量が小さかった右チャンネルをノーマライズした事によるノイズの増加も見られません。
DaVinci Resolveの従来バージョンは、0dBFSを超えるレベルのデータを保持する32bit float音源を適切に扱えない場合がありましたが、今回使用したバージョンでは問題なく調整できたので、発売当初のF3 32-bit Float動作確認済みアプリケーションとは対応状況が変わっているようです。
参考までに、2022年3月時点での動作確認済みアプリケーション対応表のURLを掲載しておきます。
F3 32-bit Float動作確認済みアプリケーション対応表
自宅で収録した環境音をノーマライズしたサンプル音源
自宅の近くには鉄工所があり、また新幹線が通過する高架橋や空港から離陸する飛行機など、大小問わず様々な環境音を収録できる、普段は静かなド田舎に住んでいます。
ZOOM F3で録音した環境音のゲインを+35dB上げて書き出してみると、どこに停車していたのか分からないトラックの音の後に高架橋を新幹線が通過し、空港周辺のどこかで航空大学校の小型航空機が訓練飛行をしている音が収録されていました。
高架橋を通過した新幹線以外は目視で確認できる範囲から発していた音では無かったのですが、35dBもゲインを上げたにもかかわらずノイズがあまり目立たず、音の位置関係や解像感を保ったまま大小様々な音を鮮明に記録できています。
ちなみに時々入る打鍵音は、確定申告の準備でキーボードを叩いている音です。
レコーダーを外に置き、部屋の窓やドアを閉め切っていたはずなのに、丸聞こえになるほど音がしっかりと収録されていました。
ZOOM F3を使用して収録した動画
BMPCC6K BRAW + ZOOM F3 32bit float Sound | Plane Spotting at Sendai Airport
収録に使用したマイクロフォンは5kHz~10kHz付近が少し山なりになっている特性を持つMXL CR21 PAIR。
マッチドペアではないマイクだけど、20Hzから20kHzまでの音を収音できて左右のバランスさえ合わせれば、ほぼマッチドペアのように使える中価格帯のペアマイクです。
品質にムラがあるギャンブルマイクですねw
今回の収録では波形表示倍率を×8に設定して収録しましたが、当然の事ながら録音データにクリッピングは無く、編集時に+6dBから+15dBの範囲で音量を上げてもノイズが目立つような事はありませんでした。
24bitリニア収録では離陸に伴う排気音の低音がピーク音量となり、比較的音量が低く収録されるエンジンの回転音がはっきりしなかった印象がありましたが、今回の32bit float収録では音量が低い領域も鮮明に記録されていました。
また、レコーディング中に波形表示倍率を変更する事はできますが、通しで記録されている音声データの録音レベルには反映されず、一旦停止して次のレコーディングを始めた時に変更した波形倍率が適用されて記録されます。
【4K HDR】2024年 第118回 長野えびす講煙火大会 フルプログラム収録
人が歩く足音から大花火の爆発音まで大小様々な音が収録される花火大会では、×1の波形表示倍率でオープニングからフィナーレまで通しで記録し、編集時にBlackmagic RAWデータとZOOM F3に保存した音声データを同期しました。
尺玉のような大きな花火の音も歪ませる事なく収録できており、従来の16bitや24bit録音で苦労していた音量調整を気にせず、臨場感のある忠実な音を記録できております。
音楽無しのプログラムはノーマライズのみ、音楽入りのミュージックスターマインはノーマライズ後にマルチバンドコンプレッサーを使用して+16.5dBほど音楽のボリュームを上げておりますが、小さな音を増幅させた時に発生するホワイトノイズは目立っておりません。
操作ミスが少ない分かりやすいスイッチやボタン
ZOOM F3は従来機種よりも小型化された事でディスプレイやスイッチ類がチープになったようにも見えますが、メニューや再生ボタンとRECスライダーの配置さえ覚えれば、暗い場所でも操作ミスが少なくなりました。
ZOOM H4nやH6はRECボタンの隣が再生ボタンになっているので、暗い場所での収録時に手探りで操作するのが難しかった分、プッシュとスライドで操作方法を分けたり、配置によって操作ミスを回避する気配りに救われています。
LINE出力のディレイは192kHzで無効に
ZOOM F3のLINE出力にはリミッターやライン出力ディレイを適用できますが、ディレイはサンプルレート192kHzの設定で無効になる仕様です。
カメラ側の音声入力と映像の記録に時間差が生じる場合は、録画時にディレイで補正する手段が使えなくなるので、編集時に音声と映像を同期したり、音をずらして入れ替えたりするなどの対策が必要になります。
マイク入力にもディレイをかける事ができますが、ライン出力と同様にサンプルレート192kHzで無効になります。
誰でも簡単にプロ並みの品質で収録可能なZOOM F3の凄さ
今までの16bit/24bitリニア収録では、マイクの配置や音声記録レベルの調整など、収録場所の環境に合わせたセッティングが重要でしたが、32bit float収録のZOOM F3ではマイクの配置をしっかり固めておけば、録音レベルを気にする負担が大幅に減り、編集時に音量を柔軟に調整できる記録方式なのです。
まさに写真のRAWや動画のLogのように、後編集で調整できる幅が広い記録方式が32bit floatであると思っても良いでしょう。
これから初めて32bit float収録を始めるという人には伝わりにくいかもしれませんが、最大96kHz/24bit収録でバッテリーの持ちが悪かったZOOM H4nや、XLR入力のマイクゲインの調整やバランス取りが難しかったZOOM H6を使用した事がある人なら、失敗のないレコーディングを目指して開発されたZOOM F3の凄さは感じられるのではないかと思います。
一発撮りでも経験や勘で音量を調整できる玄人だけでなく、初心者でもプロ並みの品質を目指したレコーディングを可能にしたのが、音量調整不要の32bit float録音に対応した2chポータブルレコーダー、ZOOM F3です。
ZOOM F3本体の他、記録メディアやマイクなどは、Amazon・楽天市場・Yahooショッピングの各ECサイトでお買い求めいただけます。
microSDXCカードは1日2時間の収録でも数日連続で記録できる256GBがオススメです。
2年以上使用していますが、書き込みエラーは一度も無く、容量についても特に不便に感じた事はありません。
別売りのオススメペアマイクと音声収録に便利なグッズも紹介!
マッチドペアマイクではないものの、1万円台の低価格帯にしては音質が良く、周波数特性を見ても20Hz~20kHzの範囲内で大幅な落ち込みが少ないペアマイク、MXL CR21 Pairもオススメです。
個人的な使用感では、RODE NT4よりもシャリシャリ感が少なく、左右のバランスさえ調整してしまえば、非常に扱いやすいコンデンサーペアマイクです。
スタジオレコーディングにも使用可能なZOOM社の6ch収録PCMレコーダー、ZOOM H6はこちらの記事でご紹介しています。
ZOOM F3の仕様
| マイク入力 | XLR × 2ch(2番HOT) |
| 入力ゲイン | 調整不要(デュアルADコンバータ回路採用) |
| 入力インピーダンス | MIC : 3 kΩ 以上 / LINE : 3 kΩ 以上 |
| 最大入力レベル | MIC : +4 dBu / LINE : +24 dBu |
| ファンタム電源 | +24/+48 V (チャンネル合計 10 mA以下) |
| 入力換算雑音 | -127 dBu 以下(IHF-A) @ 波形表示の拡大率 x1024、150 Ω input |
| ライン出力 | 3.5mm ステレオミニジャック×1 |
| 最大出力レベル | +1 dBu |
| 出力インピーダンス | 100 Ω以下 |
| ヘッドフォン出力 | 3.5mm ステレオミニジャック×1 |
| 最大出力レベル | 50 mW + 50 mW(32 Ω負荷時) |
| 出力インピーダンス | 15 Ω以下 |
| 最大同時録音トラック数 | 2ch |
| 最大同時再生トラック数 | 2ch |
| 録音フォーマット | WAV 44.1/48/ 88.2/96/192 kHz、32-bit Float mono/stereo BWFおよびiXMLフォーマット対応 |
| 記録メディア | microSDHC規格対応カード 4 GB ~ 32 GB microSDXC規格対応カード 64 GB ~ 1 TB |
| 表示 | バックライト付き LCD(96 x 64 ドット) |
| USB端子 | USB Type-C USBバスパワー動作対応。 |
| オーディオインターフェース動作 | USB2.0 High Speed 44.1/48/88.2/96 kHz、24-bit Linear/32-bit Float ※32bit floatはファームウェア Ver.2.0以降で対応 |
| リモート操作対応 | 専用無線アダプター(ZOOM BTA-1)別売り |
| 入力電源 | 単三電池2本動作(アルカリ乾電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム乾電池) AC アダプター(ZOOM AD-17):DC 5V / 1 A (別売り) USB バスパワー動作対応 |
| 電池の連続使用可能時間 (ファンタム電源OFF) |
アルカリ乾電池:約8時間 ニッケル水素蓄電池(1900 mAh):約8.5時間 リチウム乾電池:約18時間 |
| 電池の連続使用可能時間 (ファンタム電源 48V) |
アルカリ乾電池:約2時間 ニッケル水素蓄電池(1900 mAh):約3時間 リチウム乾電池:約7.5時間 |
| 消費電力 | 最大 5 W |
| 外形寸法 | 75.0 mm (W) × 77.3 mm (D) × 47.8 mm (H) |
| 質量(電池含む) | 242 g |



























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