トヨタ90系ヴォクシーハイブリッドE-Fourを購入してから、アクセルの踏み方や減速の仕方を工夫してどのぐらい燃費が向上するか考えてみましたが、何となく低燃費走行が可能な走り方が分かったような気がするので、そのコツを記事にしてみました。
※この記事は、実際の走行データを元に、アクセルの踏み方や減速方法について解説をしていますが、車種や駆動方式、走行条件によって変わる事もございます。
また、記事内においてGoogleアドセンス自動広告も表示されておりますが、執筆段階ではデータの信憑性が無い高額な燃費向上グッズやケミカル等はご紹介しておりません。
記事内の目次
トヨタ 90系ヴォクシーハイブリッドのカタログ燃費
90系ヴォクシーハイブリッドのカタログ燃費は、FF車で23.0km/l、リアモーターで後輪を駆動するE-FourではFFよりも1km/l下がる22.0km/lがWLTCモードのカタログ燃費となります。
ハイブリッド FF | ハイブリッド E-Four | |
WLTCモード | 23.0km/l | 22.0km/l |
市街地モード | 22.2km/l | 22.0km/l |
郊外モード | 25.0km/l | 23.9km/l |
高速道路モード | 22.1km/l | 22.1km/l |
トヨタのハイブリッドシステムであるTHSⅡは第5世代にアップデートされて、72kw(98ps)の最高出力を発揮する2ZR-FXEガソリンエンジンに、70kw(95ps)のフロントモーターを搭載。
E-Fourは、さらに30kw(41ps)のリアモーターが搭載されています。
第5世代にアップデートされたと言っても、新型プリウスですら2.0Lエンジンを搭載しているのに、車重が重いヴォクシーハイブリッドは先代プリウスと同じで非力な1.8Lのエンジンを搭載しています。
E-Fourについてはリアモーターが搭載されているとしても、ハイブリッドシステムが出力できる電力の最大値は変わらないので、システム出力は140PSぐらいなのだとか・・。
車重の軽いヤリスハイブリッドやプリウスと比較すると、アクセルコントロールの仕方によってはガソリン車と変わらない燃費になったりカタログ燃費に近付いたりと、少々扱いが難しい車なのかもしれません。
実燃費を向上させるコツ① ECOドライブモードを使用する
シフトレバー横のドライブモードセレクトスイッチを押すと、ノーマル・パワー・エコの3つの走行モードを選択する事が出来ます。
エコドライブモードは、アクセル操作に対する駆動力を穏やかにすると同時に、エアコン(暖房/冷房)の動作を控えめに抑えて、燃費の向上を意識した走行に適しています。
エコドライブモードに入っている時は、メーターパネルにECOの表示と共に、マルチインフォメーションディスプレイのスピードメーターが緑色に点灯している状態になります。
このモードでは、アクセルペダルの踏み込み量に対する急激なパワー変化を抑えて、マイルドな加速でEV走行が可能な範囲を維持する事が出来るのです。
実燃費を向上させるコツ② 0発進はEVモードを使う
信号待ちで停車した後の0発進時は、ドライブモードセレクトスイッチの下にあるEV MODEを押して、強制的にEVモードを維持して加速をするのもオススメです。
駆動用バッテリーの残量にもよりますが、モーター駆動のみで40km/hから60km/hまで加速が可能で、通常の加速時よりもアクセルペダルを踏み込める量も拡大しているのです。
特に下り坂が続くような道を走行する場合は、駆動用バッテリーが満充電になってしまわないように、EVモードで早めに駆動用バッテリーを消費してから、下りに備えるのも有効です。
通常のEV走行は上の写真の緑の範囲内でしか走行できない場合が多いのですが、バッテリーの残量や速度次第ではEVモードで赤のラインの範囲までアクセルを踏み込める事が多いのです。
前車に追従する事が可能なぐらいの加速力はありますし、急激な加速力が欲しい時は、アクセルペダルを踏み込んで強制的に通常の走行モードに切り替える事も出来ます。
一度通常の走行モードに戻った時は、40km/h以下にならないと再度EVモードに切り替える事が出来ないのですが、駆動量バッテリーを強制的に使いたい時も含めて積極的に使っていくと燃費が伸びる事が多いです。
ただし、駆動用バッテリーの残量を減らしすぎると、強制的にエンジンを回して充電を初めてしまうため、適度な使い方を見極める必要があります。
実燃費を向上させるコツ③ 減速時は回生ブレーキを使う
アクセルオンの時にタイヤを回転させるための駆動力としてモーターを利用していますが、減速時や弱いブレーキをかけた時は、このモーターが発電機の役割をして、駆動用バッテリーに充電をしながら抵抗力を生み出す仕組みが回生ブレーキです。
さらに強い減速力が欲しい時は、回生ブレーキに加えて油圧ディスクブレーキの摩擦を使用して強い減速力を生み出します。これがハイブリッド車で標準装備になっている回生協調油圧ブレーキというシステムです。
回生ブレーキの強度は、ハイブリッドシステムインジケーターのチャージエリア(CHG)の範囲内で示されるようになっていますが、指針がCHG下限に達すると回生協調油圧ブレーキを作動させます。
また、走行時の速度によっては、指針が下限を指していなくても回生協調油圧ブレーキを作動させてしまう事があるので、チャージエリア中間ぐらいが最も効率良く充電をしながら減速出来ているのではないかと思います。
回生ブレーキのみで減速が出来ている時は、時速5km/hぐらいで油圧ディスクブレーキに動作が切り替わり、ブレーキパッドがブレーキローターにタッチした時のショックが伝わってくるはずです。
このショックと作動音が無い場合は、走行時の駆動力として使用するはずの電力が、油圧ブレーキの力によって無駄になっている状態なので、極力油圧ブレーキを作動させない範囲で減速できている範囲というのが、一番効率の良い減速だと考えておいた方が良いでしょう。
信号待ちや渋滞中は、2台前から先の車両の動きを読んで減速や加速をすると、前の車に近づきすぎた時に見かけるブレーキパカパカも避けられますし、アクセルを踏んだ分のエネルギーも無駄にならなくて済みます。
また、高速道路などでの急ブレーキによる追突事故も避けられますので、特に車体重量が重くてブレーキが効きにくいミニバンは、先行車のブレーキランプではなく、もっと先を見る癖をつけるのが、安全運転と燃費向上の観点からも有効な手段となります。
E-Fourは2つのモーターを使うけど、シングルモーターで回生する時がある
E-Four限定での話ですが、通常はアクセルオフで2つのモーターで発電をしながら、駆動用バッテリーに電力を蓄えます。
FFの場合はフロントモーターのみで回生しますが、E-Fourの場合はリアモーターも利用した2つのモーターで回生ブレーキを効かせるため、少々減速度が大きく感じます。
ところがリアモーターの回生ブレーキをオフにして、フロントモーターのみで電力を回収しながらゆっくりと減速をする事が出来るアクセルの踏み方があるのです。
このアクセルの踏み方を使うと、ほぼ慣性走行に近い状態でエネルギーを回収できるので、この仕組みを利用しながらゆっくりと減速をするのも良いでしょう。
実燃費を向上させるコツ④ 定速走行に入ったら一旦アクセルを緩める
メーターパネルのマルチインフォメーションディスプレイに表示されているEVのランプが点灯している間が、エンジンが停止してモーターのみで走行できている状態になります。
加速時や登り坂でEVランプが消灯すると、エンジンの力のみを使った走行モードに切り替わりますが、加速が済んで、定速走行になった時にそのままアクセルを踏み続けていると、エンジンを使用した走行モードから切り替わりません。
ある程度駆動用バッテリーが充電出来ていて、前車に追従可能な速度に達したら、一旦アクセルを緩めるかペダルから足を離すと、EVランプが点灯して、エンジンを停止したモーター走行のみのEV走行が可能になります。
また、駆動用バッテリーの残量が少なくて前車に追従出来なさそうな時も、EVランプが点灯するまでアクセルを緩めて再び踏み込むと、エンジンの始動と共に1秒間程度のモーターアシストが入るので、これもモーターの稼働時間を増やすためにも有効な手段です。
さらに突き詰めると、冬場に燃費が落ちてしまう暖房を止めたり、短距離走行をしない事も含まれてしまうのですが、そこまでやってしまうと苦痛に感じてしまうかもしれません。
実燃費を向上させるコツ⑤ まとめ
冬場の短距離走行や高速道路などは、カタログ燃費よりも落ちてしまう事が多いのですが、市街地や郊外などでは、カタログ燃費と同等か少し下がるぐらいで収まる事もあります。
減速する時は、なるべく回生ブレーキのみで緩やかに減速したり、加速時はEVモードで加速して前車や後者の動きに合わせてアクセルを踏み込み、定速走行になったら一旦アクセルを緩めるような動作を積極的に使っていけば割と燃費は伸びる事の方が多いので、一度実践してみてください。
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