動画編集やゲームプレイに必須のPCパーツであるグラフィックボードが、2019年後半から現在に至るまで元の価格の2倍から4倍の価格まで高騰をし続けています。私のPCも4K以上の動画編集がとても辛い状況なので、増設をしたい所なのですが、価格高騰の原因を探り、いつになったら価格が落ち着くのかを探ってみました。
記事内の目次
グラフィックボードとは?
通称グラボとも呼ばれているグラフィックボードは、ビデオカード、グラフィックスカードなどとも言われている拡張ボードの一つで、ディスプレイに映像を出力したり、3Dコンピューターグラフィックスの描画や、動画再生時のハードウェアアクセラレーションなどにも使用している重要なパーツです。
近年はCPUにGPUを内蔵して拡張ボードを使用せずに映像を出力したり、低画質であれば3Dゲームをプレイする事も出来るようになりましたが、解像度の高い映像の編集や3Dコンピューターゲームでは、ハイスペックなグラフィックボードを必要とします。
グラフィックボードは、マザーボード上にあるPCI Express×16と呼ばれる拡張スロットに挿入し、補助電源を専用のコネクターで接続する事で機能するのですが、近年は2枚のグラフィックボードを接続してリンクさせる事で、性能を1.5倍まで引き上げてVRAMの容量を2倍にするマルチGPU環境「SLI」で動作させる事も可能なのです。
最近のゲームや映像は、4Kの4倍の解像度にあたる8Kで出力させるものも一般化してきており、ハイスペックなグラフィックボードをPCに積んでおかないと満足な描画が出来ないどころか、処理中に落ちてしまうなんて事もたまにありますが、私の場合も6K RAWを編集するためにギリギリのスペックで編集を続けていました。
しかし、映像を編集するソフトウェアのバージョンアップで最低必要要件が変わってしまい、エンコード中にビデオメモリーが不足して処理が落ちてしまうなんて事も増えて来たのです。
グラフィックボードは映像の描画や演算に使用するGPUと一時的にデータを保存するVRAMが搭載されているのですが、GPUよりもVRAMの容量が不足してしまいがちで、むしろCPUやDRAMが低スペックでも大丈夫な時まであります。
グラボの価格が高騰し続ける理由、落ち着くのはいつ?
映像編集やゲームプレイに必須のグラフィックボードですが、2020年から現在に至るまで価格の高騰が続き、新品で5万円から6万円で購入できた製品も今は4倍の価格にあたる20万円台で販売されているなんて事もあるのです。
nvidiaの最新グラフィックボードであるRTX30シリーズの価格が高いのかと思っていたのですが、2020年の春に5万円台で購入したはずのRTX2070Superまでもが4倍近い価格で販売されていたので、どうしてここまで価格が高くなっているのかを探っていたら何点か原因を見つけ出す事が出来ました。
グラボの価格が高騰している原因
- 仮想通貨のマイニング需要による買い占め
- コロナ禍での自粛要請や在宅ワークでの需要
- 世界的な半導体不足
この3つが主な原因としてあげられるのですが、PCの重要なパーツであるマザーボード・CPU・DRAMの価格はそれほど高騰している様子もなく、製品によっては逆に価格が下がっているぐらいなのです。
転売も疑ったのですが、一般的に販売されている価格とさほど変わりが無く、RTX30シリーズよりもRTX20シリーズやGTXシリーズなどの価格が大幅に高騰している様子も見受けられました。
RTX30シリーズはマイニングに必要な性能を制限して買い占めを防いでいたらしく、マイナーの大部分がRTX20シリーズなどを買い占めしていたらしい。
そのため、新品価格が当時5万円台だったRTX2070Superが今ではRTX30シリーズの最上位機種であるRTX3080と変わらない価格である15万円から20万円の高価格で販売しているか、完全に品切れとなっている店舗もあるのが現状なのです。
コロナ禍ではなく半導体不足でもなく、マイニングによる需要がグラボの価格高騰の最大要因となっているのですが、今の所は仮想通貨が暴落してマイナーがグラボを手放す時期が来るのを待つしかないのではないかと思います。
今はマイニング専用のグラフィックボードも販売しているようですが、マイニングを辞めた後でも中古で販売がしやすい通常のグラフィックボードが売れているのが現状らしいです。
逆に映像出力の無いSLI用のグラフィックボードを安く販売してくれた方が有難かったような気がする。むしろ増設用のVRAMだけでも欲しい・・。
仮想通貨のマイニング報酬の下落がグラボの価格高騰に歯止め
GPUではなくHDDやSSDをマイニングに使用するChiaが登場してHDDやSSDが品薄となった時期もありましたが、Chiaの価格が下落したことで、マイニングに使用していたハードドライブの投げ売りが始まり、今では通常の価格に落ち着いております。
同じようにGPUを必要とするビットコインやイーサリアムの価格が下落すれば、グラボの投げ売りも起きる可能性もありますが、そうなるとHDDやSSDが再び品薄となる可能性も無いわけではありません。
中国は仮想通貨の規制に乗り出しましたが、世界的に見ると日本を含めて友好的な国が多いので、まだまだマイニング需要とグラボの価格高騰は収まる気配がありません。
しかし、1BTCが400万円以下になると日本では撤退組が出てくると予想されているので、下落が続けばグラボの需要も一旦落ち着きを見せてくれるはずです。
2022年の3月に落ち着くという見方もあれば、相場が安定したまま一定の需要を保ち続けるという見方もあるので、私は3月頃まで様子を見てから考えようかと思っています。
重い編集をしていると書き出しに24時間ぐらいかかる事もあるので、本当に困っています・・。
VRAM以外は余力が残っているからマイニングでもしちゃおうかと思ったけど、動画の書き出し時間にかなり影響したのでやめました・・。
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