Adobe Lightroom Classicで一眼レフやミラーレスカメラのRAWデータを現像している時に色のバランスが悪かったり特定の色だけが濃くて悩んでしまう事は無いでしょうか?そんな時に使用するのがHSL/カラーパネルで、どのような操作をして色の変化させるかをこの記事で解説します。
記事内の目次
個別に色を調整するHSL/カラーパネルの使用方法
HSL/カラーパネルとは?
Adobe Lightroom Classicの現像パネル右側、トーンカーブの下にある項目で、8色に分けられたスライダーと3つの調整項目があり、このスライダーを左右に動かすことによって特定の色を調整できる素晴らしい機能です。
ライトルームの現像パネルにあるHSL/カラーパネルを拡大したのが上の画像です。上から順番にレッド・オレンジ・グリーン・アクア・ブルー・パープル・マゼンタと並んでいて、それぞれ色相・彩度・輝度の各項目で調整できるようになっています。この機能をどのようなシーンで使用していくのかは、以下の項目で説明します。
HSLスライダーで特定の色の色相を変化させる
HSL/カラースライダーの色相を動かすと、特定の色を変化させられるようになるのですが、パープルを調整したのにブルーまで変わってしまったり、ブルーを調整したのに白まで変わってしまうなど、どこからどこまでの範囲に効果を与えるかわかりにくい部分もあるので、下のカラーチャート画像で検証してみます。
レッドの色相を思い切って-100にすると赤系の色がマゼンタ寄りの色に変化していますが、オレンジ色やブラウンも変化しているので、赤成分交じりの広い範囲の色で色相が変化しているのがわかります。
オレンジの色相を-100にすると、赤やオレンジの色相が変化していきますが、ここで意外だったのが黄色まで微妙に変化している事でした。純粋な黄色ではなく少しオレンジ寄りのイエローではあったのですが、ここまで変化があったのは予想外です。
こちらがイエローの色相-100のカラーチャートで、特に黄色やライムグリーンが大きく変化しているのですが、薄いオレンジ色も色相の変化が見られます。これはライムグリーンと薄いオレンジ色が黄色寄りの色であった事から色の変化があったのではないかと思います。
グリーンの色相を-100に調整すると、緑色が含まれる色が黄色っぽく変化します。ここで意外な変化したのはライムグリーンで、イエローの色相を変化させた時と同様の変化を見せたのは予想外でした。
アクアの色相を変化させた場合は、アクアやライムグリーンなど、一部の色に影響をおよぼすようです。多少はブルーも変わるのかな?と思ったのですが、意外と変化がありませんでした。
ブルーの色相は青や青に近い色が変化しているのですが、パープルやラベンダー色に近い色も変化しているので、思っていた以上に広範囲の色相を変化させているようです。
パープルは紫色だけが変化すると思ったのですが、想定外とも言うべきか、青まで変化しているようです。紫色やマゼンタ系の花の彩度を変えようとしてパープルを調節した時に一緒に青空の色まで変化させていた事があったので、一番挙動が気になっていた部分ではありましたが、予想通りの結果となったのではないかと思います。
マゼンタの色相を-100にした時は、マゼンタのみがそのまま変化して他の色に影響は与えていないようです。ピンク系の花などには有利かもしれません。
ここまでの検証結果では、色が変化する範囲が読めないと言った所で、パープルを変化させたい時にブルーまで動いてしまうようになると少々厄介になると感じました。
ちなみに、ブルーの色相をパープルに変更して、追加でパープルの色相を動かしても効果が表れている様子はありませんでしたので、変化させられるのは元の色のみとなっています。
色温度や色かぶりと組み合わせれば色が変わる範囲をある程度操作できるようになりそうですが、白やグレーなどの無彩色は変えられないので、特に無彩色の色かぶりには注意しましょう。
HSLスライダーで特定の色の彩度を変化させる
HSL/カラーの彩度が作用する範囲は色相の時と全く同じとなるので、グリーンの彩度を上げた場合で簡単に説明させていただきますが、この場合は緑やそれに近い色が鮮やかになっています。
外観の彩度と自然な彩度を調整した時に緑色が薄かったり、逆に鮮やかすぎたりした場合にスライダーを左右に動かして調整します。
HSLスライダーで特定の色の輝度を変化させる
輝度も色相の時と同じ色に作用して特定の色の明るさを変更させられます。空の色が明るすぎて青さが表現できなかった場合や、西日の光が強すぎて全体的に黄色が明るくなりすぎてしまった場合など組み合わせ方で様々な調整を行えるようになります。
HSL/カラーを使用した作例
左が元画像で右がHSL/カラーで調整した画像です。
散り始めだったので全体的に桜の花びらが桃色となっているのですが、マゼンタとパープルの彩度と色相を変えて桜の花びらを強調し、ブルーの彩度を上げて空の青さも強調、他にイエローやグリーンの彩度や輝度を変更して芝生の緑色も強調しています。
HSL/カラーパネルでの組み合わせ方次第では、様々な表現ができますので是非チャレンジしてみて下さい。
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