大容量ポータブル電源EcoFlow RIVER 2 MAXのレビュー|災害対策やアウトドアを便利に

Ecoflow River 2 Maxの出力端子一覧

カメラバッグやバックパックにも入るコンパクトサイズで、キャンプなどのアウトドアシーンの他、スマホの充電や小電力家電製品などへの電力供給やこれから起こりうる災害の対策にも最適なポータブル電源、EcoFlow RIVER 2 MAXをレビューしていきます。

EcoFlow RIVER 2 MAXの主な特徴

EcoFlowは、中華人民共和国深圳市で2017年に設立をしたポータブル電源の製造と販売を手掛けている企業で、Jackery(ジャクリ)やAnker(アンカー)、国内ではJVC(ジェイブイシー)と並んで、ポタ電をリリースしている有名メーカーの一つとして挙げられます。
ポータブル蓄電池やモバイル電源とも呼ばれるポータブル電源のメーカーの中では、高性能でお買い求めしやすい価格に抑えられているのが特徴で、地震等の防災用や停電中の電力確保、車中泊の発電機代わりに活用できる製品がリリースされています。
今回ご紹介をするEcoFlow RIVER 2 MAXは、エコフローテクノロジーリバーシリーズの中容量モデルに位置付けられていて、500Whクラスのコンパクトサイズに抑えたまま最大で750Wまでの電気製品を使用出来るのです。
実際に長期的に徹底検証をしてみて、分かったメリットやデメリット、EcoFlow RIVER 2 MAXの主な特徴や使用用途などについて解説をしますので、ぜひ購入の際の参考にしてください。

豊富な電源出力系統、AC100V出力は純正弦波

Ecoflow River 2 Maxの出力端子一覧

エコフローテクノロジーリバーシリーズの第2世代にあたるEcoFlow RIVER 2 MAXは、USB Type-Aが3ヶ所、USB Type-Cが1ヶ所、DCシガーソケットとDC出力合わせて3ヶ所、AC100Vコンセントが4ヶ所も使用できます。
DC出力はメイン電源スイッチをプッシュして起動をして、AC100V出力はメイン電源がONになっている状態でAC ON/OFFスイッチを押して起動をします。
メインスイッチは長押しでオフにする事が出来ますが、AC ON/OFFスイッチを誤って押しただけでも電源が切れてしまうデメリットがあります。

また、AC100Vコンセントは使用出来る電化製品の制約が無い純正弦波インバーターから出力される交流電源を取得する事が出来るので、いずれの動作モードでも、疑似正弦波で出力するポタ電のように、異常動作や異音の発生はありません。

AC100Vの最大出力は500W、X-Boostモードで750Wまで使用可能

Ecoflow River 2 Max X-Boostモード
AC100Vコンセントに関しては最大500Wまで使用できますが、X-Boostモードをオンにすると、最大で750WのAC電源を家電製品やアウトドア用品などに供給する事が出来ます。

EcoFlow RIVER 2 MAXのX-Boost オンの消費電力表示
X-Boostモードは、定格出力を750Wまで上げる機能ではなく、X-Boostテクノロジーの高度なアルゴリズムにより、電気製品の動作電圧を下げて、消費電力を定格出力の500W以下に抑える事が出来る機能なのです。
セラミックファンヒーターとゲーミングノートPCを接続して、合計の消費電力は650Wになるはずなのですが、510W前後で頭打ちになったまま、両機器共に稼働させる事が出来ておりました。

また、合計の消費電力が750W以内に収まっていても、低電圧保護機能が備えられた機器が動作しない場合がある事や、稼働中の性能を落として動作させる技術である事にはご注意下さい。

X-Boostモードをオフの状態で同じ機器を動作させようとすると、一時的にサージ電力の1000Wまでは使用出来ますが、10秒程度で過電流保護機能が働いて電源を遮断するようになっています。

USB端子は合計4ポート、急速充電はType-Cのみ

直流電源を出力できるUSBポートについては、Type-C端子だけが5Vから20Vまで電圧を自動的に変動させる急速充電規格となりますが、USB Type-Aは全て5V 2.4Aを出力する通常の充電規格となります。

USB Type-Cを使用した急速充電は、USB Type-CからType-Aに変換をしてPD非対応機器の充電が出来たので、PD規格(Power Delivery)ではなく、汎用性が高いUSB PD+QC3.0(Quick Charge)のような高速充電規格を採用しているのだと思われます。

その点にあまり触れていないのは、規格上の大人の事情があるのでしょう。

直流電源はシガーソケットとDC5521プラグから出力

DC出力は、カー用品や車載電装品が使用できるシガーソケット1つとDC5521プラグ2つで、最大12.6V 10Aの電力を出力する事ができます。
使用する自動車用電装品によっては、低電圧保護機能が働いてしまう下限近くの電圧になってしまう製品もあるので、機能設定で低電圧保護機能をオフにするか、下限電圧を変更する事が出来れば正常に動作させる事ができます。
エコフローのポータブル電源に限らず、他のメーカーの製品でもDC出力の電圧が12.6V付近になっているため、自動車の走行時に14.4Vになる自動車用バッテリーの最大電圧とは少々違った電圧に設定されているのだと思います。

充電は4系統、AC入力での充電は史上最速60分で満充電

Ecoflow River 2 Maxの4種類の充電方法
EcoFlow RIVER 2 MAXの充電は、AC100Vコンセント、シガーソケット、ソーラー充電、USB-C充電の4系統の入力に対応しており、AC100Vコンセントを使用した充電では、650W前後の最大入力でわずか60分で満充電にする事ができます。

シガーソケットは、12Vと24Vの最大100Wの入力に対応し、12Vバッテリーを搭載した乗用車だけではなく、24Vバッテリーを搭載した4tトラックや大型トラックなどでも充電をする事が可能。
USB Type-Cポートは、5V/9V/12/V/15V/20Vの最大5A、最大100Wの電力を入力させる事が可能ですが、最大出力25Wのモバイルバッテリーを接続した時は、DC出力としての接続として認識していました。
入出力兼用のType-Cポートを備えたモバイルバッテリーで低電力のモデルを接続すると、正常に入出力が認識が出来ない仕様になっているのだと思います。

ソーラーパネルの接続は、11~50Vの13A、最大220Wの入力に対応し、XT60iコネクターを備えた太陽光発電パネルやXT60i変換ケーブルを経由して接続をします。

残量のモニタリングや設定変更はスマートフォンアプリから可能

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ モニタリング機能
EcoFlow RIVER 2 MAXの各種設定や残容量は、スマートフォンアプリからモニタリングをする事が可能です。
離れた場所や車のトランクルームにポタ電を設置していても、スマートフォンから電力の供給状態を確認する事が出来るのがとても便利です。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ設定画面
初期設定させ済ませてしまえば、ほぼ設定内容を変更する事はありませんが、主に使用をするのはエネルギー管理とAC充電スピードです。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリ AC入力の電力量設定画面
AC充電スピードは、EcoFlow River 2 MAX本体に内蔵されているバッテリーの充電速度を調整する機能になっているので、次に使用を予定している時間に合わせて供給する電力量を100W~660Wまで調整をする事が可能。
最大入力の660Wに設定をすると、約60分で蓄電池を満充電にする事が可能ですが、負荷がかかって空冷ファンが高速で回転をしたり、寿命を縮めてしまう事もあるので、急速充電が必要な時のみ設定をするのが良いでしょう。

Ecoflowポータブル電源のスマートフォンアプリのエネルギー管理画面
エネルギー管理で放電限度を0~30%まで、充電限度を50%から100%まで変更する事ができますが、10%以下と90%以上を避ける設定をするのが、ポータブル電源の内蔵バッテリーの劣化を防ぐ設定として望ましいとされています。
通常は10%から90%の範囲で設定をし、蓄電容量を全て使い切ってしまう可能性がある時のみに、0%~100%に設定をするのが良いでしょう。


災害や停電時の電源として使用

東日本大震災後の仙台市蒲生地区
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、東北3県を中心に電力の供給が停止し、数日にわたって家電製品が使えない日々が続いた他、避難生活の長期化により自由に電力を確保できなかった経験がある人も多いかと思います。
生活必需品の一部は諦めたとしても、連絡を取り合うためのスマートフォンの充電が必要になったり、照明を点灯するための電源確保が必要な事もあって、電力を確保するために試行錯誤をしていた記憶も遠い昔の話ではありません。

震災当時はどうやってAC100Vの電力を確保していたかと言うと、ガソリンの入手が困難な中、自動車の消費電力を抑えるためにDC/ACインバーターをバッテリーに直結して、バッテリーが上がったら他車にブースターケーブルを接続してエンジンを始動させる作業を繰り返していました。
発電機を所有しているご家庭や企業は、何も無いよりは多少楽だったかもしれませんが、ポータブル電源がメジャーじゃなかった当時は電力の確保に苦労したものです。
現在は家電量販店やホームセンターにもポータブル電源を当たり前のように販売しているため、時代が変わって以前よりも災害対策が容易になってきているのは実感できます。

最近では南海トラフ地震への警戒情報も出るほど、再び大災害の発生が予見される状況になっておりますが、被害がよっぽど大きくなければ、2~3日で救援物資は届き、インフラ関係も徐々に復旧し始める事になるかと思います。
数日は多少不便な思いはするかと思いますが、連絡手段の確保のための電力の確保のためであれば、512Whのポータブル電源でも数日は足りるかと思います。

ハイブリッド車とEcoFlow RIVER 2 MAXの組み合わせ、ソーラーパネルとEcoFlow RIVER 2 MAXの組み合わせであれば、インフラの復旧、ガソリンの正常供給される時までは、常時電力を確保できるという状況に出来るので、これから起こりうるかもしれない災害の万が一の備えとして、バックパックや非常用持ち出し袋にも入るコンパクトサイズのポータブル電源を所有しておくのがオススメです。

DELTA2のような大容量ポータブル電源の方が良いかもしれませんが、東日本大震災の経験上、避難をしなくてはいけない程の大災害が発生すれば、持ち出す余裕は全く無くなってしまうので、緊急時は人命→避難用具→その他の順番に優先順位が低くなる事を頭に入れて、ポータブル電源を選んだ方が良いでしょう。

ライブ配信や撮影時の電源確保に

Starlinkを使用したインターネット通信とパソコンへの給電状態
ライブ配信でのカメラやパソコンへの給電、スターリンクを使用したインターネット通信を行うためにEcoFlow RIVER 2 MAXを購入していますが、90%充電で最低でも4時間半は連続使用をする事ができました。
最も時間が長い花火大会は、大曲全国花火競技大会の昼花火から夜花火までの4時間20分が最長になりますが、昼花火から夜花火の間のインターバルを除けば512Whの容量でも足りるという事になります。

ただし、遅延や中断などで花火大会の開催時間が延長された場合は、確実に容量が足りなくなる計算になってしまうので、もう少し余裕を持たせたいという方は容量768WhのEcoFlow RIVER 2 PROを購入するのがオススメかもしれません。
(2024年の全国花火競技大会は進行の遅延が発生してしまったため、実際に最後まで配信をする事はできませんでした。)

Ecoflow River 2 Maxのスターリンクとパソコンを使用した消費電力
また、スターリンクのアンテナとルーターだけでも28Wから60W程度の電力を消費していたようなので、それにノートパソコンの消費電力がプラスされると、60Wから100Wまでの電力が常時消費されていました。
現段階ではカメラのHDMIの出力の仕様でフルハイビジョンでのライブ配信をしていますが、4K映像での配信となれば、グラフィックボードの消費電力もプラスされてしまうので、計算上は3時間から3時間半ほどの連続使用となるので、容量的には少々物足りないかもしれない。

スターリンクは、高度500キロメートル程度の低い高度を周回している衛星との通信を行ったり、衛星に向けてアンテナを自動調整するような精密機器でもあるため、修正正弦波や矩形波のAC出力は原則使用する事が出来ません。
その点においては、EcoFlowのポータブル電源全製品のAC出力が純正弦波になっているので、パソコンへの給電も含めてほぼ全ての家電製品や機器を全く問題なく使用できます。

テストとして約4時間半ほど連続通信を行いましたが、通信終了後にスターリンクアンテナの格納やパソコンのシャットダウンをしても、残容量は約20分ほど残っておりました。

今までは4回線を使用したボンディングをして通信をしていましたが、一つの回線で輻輳が発生していると、楽天モバイルを除いたモバイル回線も輻輳が起きている状況でしたので、この機会に楽天モバイルの回線を残して全回線を解約いたしました(笑)

ちなみにスターリンクアンテナの三脚は、SLIKの三脚を加工したオリジナル品です。


燃料費を節約しながら車中泊での使用に

Ecoflow River 2 Maxを車載用電源として利用した際の写真
カメラやバッテリーの充電をしながら車載電装品を使うのであれば、車内シガーソケットやAC/DCコンバーターを使用した給電よりもポータブル電源を使用するのがオススメです。
自動車はエンジンやハイブリッドシステムを停止したら、給電ができなくなる仕様になっていますが、ポータブル電源を使用すれば、エンジンを停止した後でも電力の確保が出来るようになるので、燃料費の節約をしながら停車中の電化製品の使用などが一晩中可能になります。

Ecoflow River 2 Maxを車載用電源として利用した際の写真
筆者の環境では、ポータブル冷蔵庫の使用やカメラのバッテリーの充電、空気清浄機を使用していても、設定温度で自動停止するポータブル冷蔵庫の省電力機能のおかげで、一晩中ポータブル電源のバッテリーが切れてしまう事もありませんでした。
トヨタのハイブリッド車の場合は、走行をしながらAC100Vアクセサリーコンセントを使用した急速充電ができるので、車載用に使用するのであれば、EcoFlow RIVER 2 MAXの容量で充分なのです。

ただし、割と少ない電力で給電と充電をしていたとしても、内蔵の空冷ファンが回転をして騒音を発生してしまう頻度が高いので、それさえ改善されれば文句無しの性能だとは思います。
ファンが発する音を聞いた感じでは、0(オフ)と1(オン)を切り替える制御しかしておらず、内部温度に合わせて回転数を変動させる機能はありません。

EcoFlow RIVER 2 MAXのスペック

容量 512Wh(20Ah 25.6V )
AC入力 100-120V 50Hz/60Hz, 最大10A
DC入力 11-50V 220W, 最大10A
USB-C入力/出力 5/9/12/15/20V 5A,最大 100W
DC出力 12.6V 10A, 最大126W
USB-A出力 5V 2.4A 各ポート最大12W 合計24W
AC出力 純正弦波、合計500W(サージ1000W) 100V~ 50Hz/60Hz X-Boost 750W
電池素材 リン酸鉄リチウムイオン電池
寿命 3000回以上(80%+)
使用温度範囲 -10°C ~ 45°C
充電温度範囲 0°C ~ 45°C
推奨使用温度範囲 20°C ~ 30°C
保管温度範囲 -10°C ~ 45°C (推奨保管温度:20°C ~ 30°C)
サイズ 26.9 x 25.9 x 19.6cm
重量 約6.1kg
同梱物 RIVER 2 MAX本体・AC充電ケーブル・車載シガーソケット充電ケーブル・DC5521-DC5525ケーブル・取扱説明書


EcoFlow RIVER 2 MAXの購入について

Jackery(ジャクリ)やAnker(アンカー)などで販売しているポータブル電源は、性能の向上に合わせて徐々に値段を上げているようですが、EcoFlowだけは性能の向上と共に何故か徐々に値段を下げているらしい。
購入したヨドバシカメラでも、同クラスのポータブル電源の中では最安値となっていたので、手軽な持ち運びやすさや性能の高さ、コストパフォーマンスで評価をすると、最もオススメできるポータブル電源がEcoFlow RIVER 2 MAXとなります。

EcoFlow RIVER 2 MAXは、Amazon、楽天市場、Yahooショッピングからお買い求めいただけます。

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