トヨタ車に搭載されているディスプレイオーディオ(カーナビ)には、CDに収録されている音源よりも高音質な音楽を聞く事が出来るハイレゾリューションオーディオこと、ハイレゾ音源に対応している機種があります。
車内で高音質なハイレゾ音源を聞くためには対応した音源を1曲ずつ購入しなければいけないのですが、それよりもオススメなのが、ハイレゾ対応の音楽サブスクリプションサービスです。
記事内の目次
トヨタ車でハイレゾ音源対応ディスプレイオーディオで音楽を高音質で聞くならこれがオススメ
音楽メディアの歴史と音質
音楽を視聴するためのメディアとして主力だったカセットテープやアナログレコードに変わって、音楽データをデジタル化したCD(コンパクトディスク)が登場してから40年近くが経過しようとしています。
デジタル信号化されたCD音源は、深みが無くて固く聞こえるとの批判もありましたが、わずか12cmのディスクに74分の音楽を収録できるメディアとして1980年代に登場しました。
現在に至るまでの間に、DAT(デジタルオーディオテープ)やMD(ミニディスク)も登場しましたが、2000年代には終焉を迎えて、SDカードやスマートフォンに保存して音楽を聞くようになるまでは、音楽を視聴するメディアとして主力の座を明け渡さなかった期間が長く続きました。
現在も音楽を視聴する主力メディアとして残っているのは、規格統一に向けた話し合いと意見の対立が何度も繰り返されていた中で、ソニーが提案していた「21世紀になっても通用するシステム」としてサンプリング周波数44.1kz、量子化ビット数も16ビットで統一が進められていたのが理由にあります。
フィリップス方式は、ソニー方式よりも量子化ビット数が少ない14ビットを主張していましたが、16bitであれば、1ビットあたり6dBのダイナミックレンジとなるので、1×16で96dBとなり、人間の聴覚が持つ120dBにより近くなる事で採用され、サンプリング周波数も毎秒44100回も標本化を行う44.1kHzが採用されました。
その後、高圧縮音声ファイルフォーマットの採用や、記録メディアの大容量化に伴って、ポータブル音楽再生プレーヤーからスマートフォン等での視聴に代わり、コンパクトディスクの需要は薄れてきています。
スマートフォンなどでの視聴の中でも、音楽をダウンロードする配信サービスから、一定の月額料金を支払って音楽を聴く事ができる、音楽サブスクリプションサービスの利用者が近年急速に伸びており、プランに応じて様々な音質を選択できるようになりました。
音楽配信サービスによって、音楽を配信する際のファイルフォーマットは変わってきますが、無料と有料の違いは一般的に以下のようになっています。
配信サービスのプラン | CMの有無 | 配信データのファイルフォーマット | 再生品質 | パケット通信量 |
無料プラン | 一定時間で入る | AACなどの高圧縮データ | 悪い | 少ない |
有料プラン | 無し | WAVE同等またはハイレゾ音質 | 標準から高音質 | 多い |
無料で音楽を聴くことが可能な配信サービスもありますが、音楽を再生して一定時間が経過するとCMが入る事が多く、再生する音楽の品質も悪くなる傾向があります。
有料プランであれば、CMが入らずに無制限で音楽を聴く事が可能な他、CD同等の音質または、さらに高音質なハイレゾリューションオーディオでの音楽再生も可能となります。
ハイレゾリューションオーディオとは?
出典:トヨタカーナビ/オーディオ基本機能より
通称ハイレゾやハイレゾ音源と呼ばれているハイレゾリューションオーディオとは、CDに収録されている音声データよりもさらに細かい、44.1kHz以上のサンプリング周波数で量子化ビット数24bit以上、または96kHz/16bit以上で収録した音声データの事で、一般的にはサンプリング周波数が48kHz以上で量子化ビット数が24bitとなる、人間の可聴域を超える精細な音を収録できるデジタルデータの事です。
例えばCDでカットされていた楽器の音の響きや歌い手の息遣いなど、生演奏でしか伝える事が出来なかった音の繊細さや重厚感をデジタルデータでも伝える事が出来るようになったのが、ハイレゾ音源のメリットと言っても良いのでしょう。
写真やビデオで言えば、木々に付いている葉の輪郭が鮮明ではないハイビジョン映像が、葉の輪郭や表面の模様まではっきりと映し出されている4Kや8K映像になったと例えれば分かるかもしれません。
ハイレゾリューションオーディオのデメリット
ハイレゾリューションオーディオは、CDに収録されている音源よりも繊細さが増したことによって、1曲あたりの容量が大きくなり、74分収録可能なはずのCDに収録した場合は5曲程度しか入りません。
1曲あたりのファイルサイズが200MBを超える事もあるので、例えば10曲をストレージに保存すれば2GBを消費し、128GBの記録容量があるスマートフォンに保存をすれば、500曲程度しか保存できないという事になります。
つまり、音楽をダウンロードする金額の他に、データを保存をするためのストレージや端末も大容量な製品を選ばなくてはいけなくなってしまうので、1曲の音楽を聴くためのコストが高くなってしまうのです。
オススメはハイレゾ対応の音楽サブスク
音楽を月額固定料金で聞くことが出来るサブスクリプション音楽配信サービスは沢山ありますが、ロスレス圧縮である可逆圧縮方式オーディオコーデックのFLACとALACを採用しているサブスク音楽配信サービスは、メジャーな所で2か所しかありません。
FLACとはFree lossless Audio Codecの略でその名の通りオープンソース、その一方ALACとはAppleが開発したApple lossless Audio Codecの略で、どちらもハイレゾ音源対応の可逆圧縮音声ファイルフォーマットです。
ALACを採用しているハイレゾ対応のサブスク音楽配信サービスの一つはApple Music、FLACを採用しているのがAmazon Music Unlimitedなのですが、筆者的にはFLACでの配信を行っているAmazon Music Unlimitedがオススメです。
Apple Musicは接続を切った時と再接続をした時の音量が変わってしまう事や、ハイレゾ音質とCD音質の切り替えはスマートフォンの設定で行わないといけない煩わしさがあったため、今までインストールしていたApple MusicとSportifyをアンインストールしてAmazon Music Unlimitedに入れ替えました。
普通に音楽を聞いている分にはどちらもさほど変わらないと思いますが、車載プレーヤーとして利用するのであれば、アプリケーションの使い勝手の良さでAmazon Music Unlimitedの方に軍配が上がります。
Amazon Music Unlimited
Amazon Music Unlimitedの料金
個人のAmazonプライム会員は月額980円、プライム会員でない方は月額1,080円で音楽が聴き放題となり、ファミリープランであれば6台の端末で同時に利用可能で月額1,680円となります。
個人プラン | ファミリープラン | ワンデバイスプラン | |
月額料金 | 980円(非プライム会員は1080円) | 1680円 | 480円 |
年額料金(プライム会員のみ) | 9800円 | 1万6800円 | – |
最大認証可能端末 | 10台 | 10台 | 1台のEcho端末またはFire TV端末 |
同時に利用できる端末の数 | 1台 | 6台 | 1台のEcho端末またはFire TV端末 |
年齢制限 | – | 13歳以上 | – |
スマートフォンを接続して自宅でも音楽を聴くような方は個人プランやファミリープランがオススメですが、他の端末を使わずに、車載用にFire TVを接続して音楽を聴いているような人はワンデバイスプランがオススメです。
ハイレゾリューション音質で音楽を聴ける端末は、どの有料プランにおいても、第3世代以降の「Fire TV Stick」シリーズと、「ARC」または「eARC」に対応したテレビもしくはオーディオ機器、iPhoneやAndroid端末にインストールしたAmazon Musicのアプリでの対応となります。
Amazon Music Unlimitedの音質
SD | HD | Ultra HD | Dolby Atmos・360 Reality Audio | |
サンプリングレート | 48kHz | 44.1kHz~96kHz | 44.1kHz~192kHz | 48kHz |
量子化ビット数 | 不明 | 16bit | 24bit | 16bit~24bit |
最大ビットレート | 320kbps | 850kbps | 3730kbps | 不明 |
音質 | 標準音質 | 高音質 | ハイレゾ音質 | 空間オーディオ |
コーデック | Opus | FLAC | FLAC | Dolby AC-4 IMS? MPEG-H (MHA1)? |
曲数 | 不明 | 1億曲以上 | 700万曲以上 | 不明 |
HDがCD同等の高音質設定となりますが、ハイレゾ音質は量子化ビット数24ビットで配信をしているUltra HDでの対応となり、配信している音楽によっては、ハイレゾ音質以外にもDolby Atmosや360 Reality Audioなどの立体音響を楽しめる空間オーディオを聞く事も可能です。
ただし、全ての曲でハイレゾ音質や空間オーディオを楽しめるわけではなく、最近リリースされた楽曲を中心とする、ハイレゾ音質や空間オーディオを選択する事が出来る楽曲でのみの対応となってしまう点については注意が必要ですが、割とK-Popなどを含めた海外で製作している楽曲の方が、ハイレゾ音質やDolby Atomosなどの空間オーディオに対応している場合が多いです。
サブスク音楽配信サービスは自身で作成したライブラリにまとめる事が出来るので、自分が主に聞きたい曲だけを集めたプレイリストを作成したり、他の方が作成したプレイリストをブックマークして聞くことが可能です。
ただし、ダウンロードをして記録メディアの容量を圧迫しなくて済むようになった分、音楽を視聴している間のパケット通信量が多くなってしまうデメリットがあり、特にファイルサイズがとても大きいハイレゾ音質や空間オーディオは、定額制プランのスマートフォンやポケットWi-Fiに接続をして楽しむのがオススメです。
自動車のディスプレイオーディオへの接続はUSBまたはBluetoothで!
iPhoneやAndroidなどのスマートフォン端末をトヨタ車のディスプレイオーディオに接続する際は、USB接続かBluetoothでの接続となります。
iPhoneでの接続の場合はApple Carplay、Androidの端末であればAndroid Autoを使用して、ディスプレイオーディオとのペアリングをして音楽の視聴が可能になりますが、通話機能やLINE、またメールなどの通知も割り込んでしまうので、筆者の場合は音楽視聴用のスマートフォンをポケットWi-Fiに接続をして音楽の視聴をしております。
また、通常の視聴モードと自動車用のカーモードがありますが、プレイリストを埋めておかないと、興味が無い音楽やネットラジオがAmazonのオススメ楽曲としてプレイリストに入れられてしまう事もあるので、先にお気に入り楽曲でプレイリストを埋めておくのがオススメです!
音質の設定方法
ストリーミング設定で「Wi-Fi接続時のみストリームする」をオフにしておき、HD/Ultra HDにチェックを入れておくと空間オーディオやハイレゾリューション再生が優先されますが、インターネット通信の定額無制限プランを契約していない方は、通信量オーバーに注意しましょう。
その際は、「標準」に設定をすると、圧縮されたデータで通信量を抑えながら高品質な音楽を再生できるようになります。
オーディオ品質を自動やHDに設定していて、音楽を最高音質で再生されていない場合は、楽曲の再生ページでオーディオ品質の設定を行います。
右下の「・・・」をタップした「その他のオプション」でオーディオ品質を設定します。
TWICEの最近の曲は空間オーディオのDolby Atmosとハイレゾ音質のロスレスオーディオのみの配信となっていますが、NiziUはハイレゾが最高音質、Stray KidsはCD音質のHDが最高音質になるなど、同じ事務所でもアーティストによって音質の差にバラつきはあります。
トヨタの90系新型ヴォクシーハイブリッドにオプションのディスプレイオーディオプラスを付けて、ハイレゾ音質で音楽を聴いていますが、正直言って自分の耳では区別はつきません。
しかし、ほとんど変わらない月額でせっかくサブスクを登録するなら、音質が良くて使い勝手が良いAmazon music Unlimitedはオススメですよ!
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通信回線は無制限プランがオススメ!
データ量が大きいハイレゾ音質や空間オーディオを再生し続ける場合に、データ通信量の制限があるプランでは、20GBプランでも半月程度で使い切ってしまう場合があります。
そんな時はデータ通信無制限のポケットWi-Fiに接続するか、スマートフォンで無制限のプランに契約して使用するのがオススメです!
楽天モバイルなら、月々2,980円(税込み3,278円)の支払いで、ハイレゾ音源対応のサブスク音楽配信サービス以外にもオンラインゲームやライブ配信にも使えますし、場所によっては輻輳の影響を受けない唯一の通信回線になる場合もあるので、とても使い勝手が良いですよ。
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