以前、ブレーキローターを交換した後の走行レビューを掲載しましたが、その時からずっとブレーキキャリパーの汚れと錆が気になっていました。
いつかタイヤを交換する時に塗装しようかと思っていましたが、2021年も半分が過ぎた6月になってようやくタイヤを交換する気になったので、その際に一緒に施工した耐熱カラースプレーによるブレーキキャリパー塗装について、作業方法や塗り方、仕上がりなどを詳しくご紹介します。
塗装前のブレーキキャリパーの状態と錆について
以前、DIXCELのブレーキローターとブレーキパッドの商品レビューを掲載しましたが、その前からずっと気になっていたのがブレーキキャリパーの錆と汚れです。
さすがに走行距離が20万キロを超えると亜鉛メッキ部分がほとんど見えなくなり、赤茶けたキャリパーがホイールの隙間から見え隠れしていましたが、ブレーキローターを新品に交換し、インチアップした19インチアルミホイールを履かせていると尚更気になってしまいます。
いつか塗装しようと思って耐熱ペイントと下処理用の道具一式を購入していましたが、タイヤ交換もなかなか気が進まず、初夏を迎えた6月になってようやくやる気になりましたので、今回はブレーキキャリパーを分解せずに、耐熱チタンカラースプレーで綺麗に塗装する方法について解説していきます。
ブレーキキャリパー塗装の下準備
耐熱塗料はブレーキキャリパー専用の塗料ではなく、エキゾーストパイプ用のDAYTONA耐熱ペイントスプレーのチタンカラーを用意しましたが、この塗料は常温で乾燥させるだけでは完全に硬化せず、熱を加えて焼き付け乾燥させる必要があります。
今回使用したデイトナの耐熱ペイントスプレー「つや消しチタンカラー 68114」は、耐熱温度600℃のエキゾーストパイプ用塗料で、メーカーが指定する乾燥条件は180℃で20分~30分となっています。
ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車の場合は、ブレーキの制動時に発生する摩擦熱を利用して塗膜の硬化を進める事もできますが、走行条件によって温度が異なるため、必ずしもメーカー指定の乾燥条件を満たせるとは限りません。
また、ハイブリッド車の場合は、駆動用モーターで発電する際の抵抗力を利用した回生ブレーキと油圧ブレーキを協調制御する車種が多く、通常の減速時には摩擦ブレーキの使用頻度が少なくなるため、ガソリン車と比べて熱が入りにくい場合があります。
熱が入りにくいハイブリッド車に施工する場合や、マニュアル通りにしっかりと乾燥させたい方は、加熱硬化を必要としないブレーキキャリパー用塗料を選ぶ方法もあります。
また、工業用ドライヤーなどを利用して加熱する方法も考えられますが、ブレーキキャリパーにはゴム製のシールやダストブーツなどが使用されているため、加熱しすぎないように注意が必要です。
キャリパーペイントで用意した塗装用品
耐熱ペイント・・刷毛塗りとスプレータイプの2種類がありますが、仕上がりの美しさではスプレー式の方に軍配が上がります。その代わりにマスキングをしなくてはいけない手間がかかるので、刷毛塗りよりも余裕を持った時間を確保しておいた方が良いでしょう。
ワイヤーブラシ・・電動タイプのワイヤーブラシもありますが、極端に汚れていなければ手作業用の方が細かい部分の汚れや錆を落としやすく、ブレーキホースやダストブーツなどのゴム製品を傷つけるリスクも抑えられます。
スコッチブライト等不織布表面処理材・・紙やすりなどでも良いのですが、素材が柔らかく細かい段差にも馴染みやすいので、ワイヤーブラシをかけた後の最終仕上げにちょうど良いです。
シリコンオフかパーツクリーナー・・油分や下処理をした後の粉末を除去するために使用します。ブレーキパッドの周囲などにはグリスなどの油分が残っている事もあるので、脱脂作業を怠ってしまうと、塗料を吹き付けても塗料弾きや剥がれの原因になってしまいます。
マスキングテープや新聞紙・・市販のマスキングシートを使用するのも良いのですが、ブレーキキャリパーの裏に1枚ずつ新聞紙を滑り込ませた方が楽だったのと、細かく切り貼りできる分、ブレーキキャリパー周辺部品のマスキングに最適でした。
ブレーキキャリパーペイントと塗装前の下処理
一回目の塗装が終わった後の画像になってしまいましたが、塗装前にはワイヤーブラシとスコッチブライトで錆や汚れを落としてから、シリコンオフやブレーキパーツクリーナーを使って残った汚れや油分をしっかりと除去し、ブレーキキャリパーの隙間から見えているブレーキパッドやダストブーツなどのゴム部品をマスキングテープで養生します。
多少のはみ出しを気にしない人は、ブレーキキャリパーの隙間に新聞紙を滑り込ませ、動かないようにマスキングテープで固定しながら、極力ブレーキローターや周辺部品に塗料が付着しないように繰り返し新聞紙を差し込んでいきます。
ボディ塗装用ペイントスプレーのように、多少のはみ出しまで神経質になる必要はありませんし(そこまで見る人はいない)、実際にブレーキローターに付着した塗料も、ブレーキを使用しているうちに摩擦で剥がれ落ち、その後も特に問題はありませんでした。
ただし、ブレーキローターの摩擦面やブレーキパッドなどへの塗料の付着は本来避けるべきなので、できるだけ丁寧にマスキングしておいた方が良いでしょう。
分解して塗装すれば細かい部分まで綺麗に仕上げられるとは思いますが、車を止めるための重要な部品でもありますので、整備士ではない方が分解を伴うキャリパー塗装を行う事はおすすめいたしません。
最初は塗料弾きの確認も兼ねて、ブレーキキャリパーから30センチほど離して薄く塗料を吹き付け、10分ほど乾燥させます。
熱を入れる必要がある耐熱塗料ですが、軽く触れても跡が残らない程度までは常温でも乾燥するので、二回目は薄く何度も往復させながら、塗料が垂れない程度に少しずつ厚く塗り重ねていきました。
ブレーキキャリパーの下地が見えなくなるまで塗料を吹き付けたら、再び半乾きになるまで15分ぐらい乾燥させます。
最後に厚塗りしすぎると、上の画像のようにメタリック成分が固まったような色ムラが発生してしまうのでご注意ください!
その場合はドライヤーなどで塗装面を乾燥させてから、耐熱スプレーチタンカラーの塗料に含まれるメタリック成分を全体的に散らすように、パラパラと薄く吹き付けていくと、上の画像のような厚塗りされた部分に塗料が均一に重なり、色ムラが目立たなくなります。
ムラ消しをした後は、ブレーキキャリパーの艶がなくなってしまいますので、艶出し仕上げにしたい方は、耐熱ペイントスプレーのクリアを使用して艶を出す方法もあります。
ただし、クリア塗料を重ねる場合は、下地塗料との相性や指定されている乾燥条件を確認しておくと良いでしょう。
ブレーキキャリパー塗装後の仕上がり
適当に貼ったマスキングテープなどを剥がすと、塗料のはみ出しもほとんど気にならないぐらい綺麗に仕上がりました。
長年の使用で錆びて真っ赤になってしまったブレーキキャリパーよりもずっと綺麗に見えますし、艶が出すぎない自然な質感を維持したような仕上がりが好みなので、私としてはこの仕上がりで満足です!
最後に外したホイールを元に戻せばブレーキキャリパーペイントはすべて作業終了となりますが、今回は触っても跡が付かない程度まで乾燥させてから、山道を走ってブレーキに熱を入れながら焼き付け乾燥を試みました。
使用した耐熱塗料は180℃の熱を加えて20分~30分ほど乾燥させる必要がありますが、山を下りながらブレーキをかけているうちに塗膜の硬化が進み、強めに触っても指の跡が残らなくなりました。
実際の温度を測定したわけではないため、メーカー指定の乾燥条件を満たしていたかどうかは分かりませんが、その後も塗装が剥がれるなどの問題はなく、綺麗な状態を維持する事ができました。
ガソリン車の場合は走行中のブレーキ操作で熱が入りやすいのですが、油圧式回生協調ディスクブレーキを採用しているハイブリッド車やEV車などは、摩擦ブレーキの使用頻度が少なくなるため、十分な熱が入らない場合があります。
そのため、ハイブリッド車の場合は加熱硬化を必要としないブレーキキャリパー用塗料を選ぶか、工業用ドライヤーなどを使用して焼き付け乾燥を行う方法も考えられますが、ゴム部品などを加熱しすぎないように注意が必要です。
自動車ボディ用の塗料でもチタンカラーは数種類ありますが、デイトナの耐熱チタンカラーほど質感のある色調のスプレーが見つからないため、ヴォクシーハイブリッドの場合は何で塗れば良いのか悩みどころです。
スポーク型アルミホイールから覗くブレーキキャリパーの汚れや錆が気になる人は、ドレスアップ効果も高いキャリパーペイントに是非チャレンジしてみてください!
また、今回のブレーキキャリパー塗装では、車を乗り換えるまでの約2年間、再びキャリパーから錆が発生する事もなく、ブレーキダストも固着せずに常に綺麗な状態を維持する事ができました。
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