長時間のビデオ撮影で突然のバッテリー切れ対策に、ソニー・ブラックマジック等のカメラのバッテリー容量が少なくて長時間の動画撮影でお困りの方に、外部給電で長時間の連続撮影を可能にするSmallRig NP-Fシリーズバッテリー用アダプタープレートを紹介します。
記事内の目次
ミラーレスカメラのバッテリー切れは突然に・・
2014年ごろから普及し始め、今まで主流だった一眼レフカメラやビデオカメラと入れ替わるように現在では主流となったミラーレスカメラですが、写真撮影の性能だけではなく、動画撮影でもかなり高性能な機能を搭載して販売するようになりました。
ズームやフォーカスを動かしまくる動体撮影では、レンズ一体型のビデオカメラの方が扱いやすいのは紛れもない事実ではございますが、高感度性能やダイナミックレンジ、色の表現力では各メーカー共に小型のミラーレスカメラやシネマカメラの方に力を入れている感じがします。
カメラが軽量で小型になった分、誰でも手軽に写真を楽しめるようにはなったのですが、動画撮影に関しては小型のバッテリーを搭載した影響で、記録中に突然バッテリー切れが起きたり頻繁に交換をしなくてはいけない弊害も発生し、15分~20分に一回、寒い季節であればRecボタンを押して5分も経たないうちにバッテリー残量警告が点灯する事なんかもよくありました。
今はだいぶ連続記録時間が長くなっていますが、初期の頃の某二ー製ミラーレスカメラはバッテリー切れ対策でとても苦労しました。
SmallRigのNP-Fシリーズバッテリーアダプター
SmallRig NP-Fシリーズバッテリー用アダプタープレート(Lite)-3018
※旧型の販売中止により現在は、Lite(3018)のみの販売となります。
Vマウントバッテリー程の大きな容量はいらないけど、程よく大きすぎないバッテリーを使用するなら、SmallRigのNP-Fシリーズバッテリーアダプターがおすすめです。
BlackMagic Design Pocket Cinema Camera 6Kで使用していますが、約20度程度の外気温でROWA JAPANのNP-F970互換バッテリーを使用しても1時間45分~2時間は余裕で連続撮影が可能になり、BMPCC6Kの場合はダミーバッテリーの他にもDC-LEMO 2ピンから給電が出来るので、内臓バッテリーを併用しながらNP-Fバッテリーを交換していけば無限に連続撮影が可能です。
NP-Fバッテリーは定格で7.2Vの電圧で電力を供給いたしますが、SmallRigのNP-Fシリーズバッテリーアダプターは12Vと7.4VのDC出力端子を搭載していますので、別売りのダミーバッテリーや給電ケーブルを購入して使用できるようになります。
一応バッテリー残量表示ランプは付いていますが、BMPCC6KのDC-LEMO2ピンを使用して給電した時は、残量表示ランプが2つ点灯していてもカメラ本体では外部からの給電が行われていると判断したまま電圧が低下し、正常動作範囲以下の低い電圧で給電してしまう場合があるのでご注意を!
つまりNP-Fシリーズバッテリーアダプターの12V側は、バッテリーが空になるまで使い切れないのです。
ブラックマジック社製品の12V給電端子は、10.6Vから20V(P4Kは10.8Vから20V)の範囲で給電できる仕様らしく、正常動作可能電圧の下限付近で使用しているとカメラに内臓してあるDC-DC電圧レギュレーターが過負荷になり損傷する原因となってしまう模様です。
出典:ブラックマジックデザインフォーラムより
SmallRigのNP-Fバッテリーアダプターの12V端子からBMPCC6Kに給電すると、満充電時の最大供給電圧が11.4Vから11.8Vとなってしまうため、少し電圧が下がっただけでもブラックマジック社の仕様としてはあまり望ましくない状態になってしまいました。
電力の消費量が激しいP6KとP6K PROではNP-Fバッテリーの過電流保護回路が働いて、電力供給を止めてしまう事もあるので、ブラックマジック社製品で使用する場合はダミーバッテリーを使用した給電を使用するか、Vマウントバッテリーを導入した方がカメラ本体が過負荷にならず安心して長時間の運用が可能になります。
NP-Fバッテリーアダプターが対応しているカメラ一覧
SmallRigのNP-Fバッテリーアダプターは、3種類のバッテリーと1種類のDC入力端子に対応していますので、一覧をまとめてみました。
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- SmallRig BMPCC 4K/6K用DC5525-LEMO 2ピンケーブル 2920
BlackMagic Pocket Cinema Camera 4K/6K (記載されていないけど6K Proも大丈夫かも? ) - SmallRig LP-E6ダミーバッテリー DC5521給電ケーブル 2919
CanonバッテリーパックLP-E6を使用するデバイス
BMPCC4K/6K
Canon EOS 5Ds R/EOS 5Ds/EOS 5D Mark IV/EOS 5D Mark III/EOS 5D Mark II/EOS 6D Mark II/EOS 6D/EOS 7D Mark II/EOS 7D/EOS 90D/EOS 80D/EOS 70D/EOS 60D/EOS 60Da/EOS R5/EOS R6/EOS R/EOS Ra - SmallRig NP-FW50ダミーバッテリー DC5521給電ケーブル 2921
NP-FW50を使用するソニーA5/A6/A7シリーズカメラ
Sony RX10Ⅳ/RX10Ⅲ/RX10Ⅱ/RX10/SLT-A37/SLT-A37K/SLT-37Y/SLT-A55V/SLT-A55VL/SLT-55VY/SLT-A33/SLT-A33L/SLT-A33Y/α6100/α6300/α6400/α6000/α6500/α5100/α5000/α7/α7R/α7S/α7Ⅱ/α7RⅡ/α7SⅡ/NEX-3N/NEX-5T/NEX-7/NEX-6/NEX-5R/NEX-F3/NEX-5NY/NEX-5N/NEX-5ND/NEX-5NK/NEX-C3D/NEX-C3K/NEX-5A/NEX-5D/NEX-5K/NEX-3D/NEX-3A/NEX-3K
- SmallRig BMPCC 4K/6K用DC5525-LEMO 2ピンケーブル 2920
- SmallRig NP-FZ100ダミーバッテリー DC5521給電ケーブル 2922
α7RⅢ/α7SⅢ/α7Ⅲ/α7RⅣ/α9/α9Ⅱ/α1/α7C/α6600
記載漏れがあるかもしれませんが、ざっとこんな感じで各カメラに対応しています。
BlackMagic Designは大丈夫なのですが、ソニーのカメラでダミーバッテリーを使用した外部給電は保証対象外になるというのを中の人に聞いたことがあるので保証期間が残っているユーザーはご注意下さい。
上記では対応しているケーブルをご紹介していましたが、ケーブルとバッテリーアダプターがセットになった商品なども販売されています。
SmallRig NP-Fシリーズバッテリー用アダプタープレート(Lite) 3018
バッテリー残量警告ランプを簡素化したアダプターで、2504では4つのランプで残量を表示していたものを、こちらの商品ではランプ一つで表示しています。
SmallRig BMPCC 4K/6K用NP-Fバッテリーアダプタープレート 3093
NP-FバッテリーアダプターのBMPCC4K/6K用のDC-LEMO2ピンケーブルとLP-E6ダミーバッテリーケーブルが付属しています。
なので、内臓バッテリーにNP-F570を採用したBMPCC 6K Proではダミーバッテリー分が無駄になってしまうのでご注意下さい。
SmallRig NP-FZ100ダミーバッテリー付きNP-Fシリーズバッテリー用アダプタープレート(Lite) 3095
NP-FZ100ダミーバッテリーがセットになったNP-Fシリーズバッテリーアダプタープレート(Lite)です。
NP-Fバッテリーアダプターはこんな人にオススメ
メーカー純正でバッテリーを増設可能な縦位置グリップも各メーカーから販売されているのですが、動画撮影をする場合は雲台からの高さが高くなってしまうのと、固定箇所がバッテリーグリップとカメラ本体底面の2か所になってしまうので、経験上はブレが発生しやすくなってしまいます。
それが気になる人は、1/4ネジでどこにでも固定が出来るNP-Fバッテリーアダプターの方がオススメです。
ジンバルと三脚を併用して撮影をする時にも、バッテリーアダプターの取り付け位置を変えるだけで済みますし、USBモバイルバッテリーのようにバッテリー固定用のホルダーを別途購入をする必要が無いので、固定方法に困る事もありません。
安価なNP-F互換バッテリーもAmazonなどで手軽に購入もできるので、予算をあまりかけたくない人は是非検討してみましょう!
飛行機撮影の時はこんな感じでカメラ上部に取り付けています。
2021年8月15日追記 : 約1年3ヶ月ほど使用しましたが、カメラのファームアップ後にNP-Fバッテリーアダプタープレートの12V側の給電量が追い付かなくなり、正常に使用する事が出来なくなりました。
バッテリーアダプターの問題ではなく、NP-Fバッテリーが供給する電力をカメラ本体の消費電力が上回っているのが原因なようで、元々電力消費量が多いBMPCC6kのファームウェアバージョン7.3に高速記録が可能なSSDを使用すると電圧が降下してシャットダウンをしてしまうようです。
その際は12V給電ではなく、7.4V出力を使用してダミーバッテリーアダプターで給電をすると問題なく使用できます。
これをきっかけにVマウントバッテリーでの運用とジンバル撮影時は7.4V給電とダミーバッテリーで運用をしていますが、電力消費量が多いBMPCC6Kで使用をする際はご注意下さい。
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