つい先日ですが、とある市の小学校・中学校にある特別支援学級の生徒が集まるスキー教室に同伴させていただきました。
スキー教室の方は、スキー場に全く雪が無く中止となってしまいましたが、博物館?の見学やお食事会など約半日という短い時間でしたが、大勢集まった子供達はとても楽しんでいたようです。
特別支援学級とは?
特別支援学級は、教育上特別な支援を必要とする児童や生徒が在学するための学級で、過去には特殊学級とも呼ばれていましたが2006年に現在の名称に変更されました。
学校教育法第81条では次のように定められています。
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校においては、次項各号のいずれかに該当する幼児、児童及び生徒その他教育上特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、文部科学大臣の定めるところにより、障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。
○2 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校には、次の各号のいずれかに該当する児童及び生徒のために、特別支援学級を置くことができる。
一 知的障害者
二 肢体不自由者
三 身体虚弱者
四 弱視者
五 難聴者
六 その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの
○3 前項に規定する学校においては、疾病により療養中の児童及び生徒に対して、特別支援学級を設け、又は教員を派遣して、教育を行うことができる。出典:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000026
私が見た感じ、はっきりと「そうなんだろうな。」って感じる子もいれば、話しをしてても歩いていても支援学級にいるという事を知らなければ全く気付かないような子もいたわけです。
色々な学校の支援学級にいる生徒が集まっている場でしたが、話し声や笑い声は普通の教室を見ているのと全く変わらないような印象もありました。
引率した保護者や教師も含めて、ここは安心できる場所であると感じているのかもしれません。
やはり中にはうまく話せない子もいましたが、大型バス4台で移動していた人数分、100人以上はいたのでしょうか・・・。急かすわけでもなく煽るわけでもなく、誰の指示も無い中でその子が話し終わるまでの数分間を全員が黙って見守っていたのです。
とても温かい世界だと感じました。
その中でも、車いすがないと移動できない子は見落とされがちだったので、その子は常に移動が後回しになっていたような状況も見受けられましたが、テーブルなどの陰に車イスが隠れてしまえば、保護者が車イスを押しているという状況にもなかなか気づけない部分もあったかと感じます。
支援が必要な子供達が集まっている中で起きていた事なので、社会に出れば尚更見落とされがちになってしまうかもしれません。
大勢の人が出口の方に向かっている状況で、人の流れの逆方向にいるその子の元に車イスを届けようとしている保護者を見かけた時はどうすれば良かったのか、正直な所わからない状況ではありましたが、最初から車イス専用通路があれば解決していたような気もします。
何かしらハンデを負っている子供達がいる中でも起きていた事ではありましたが、現在の日本の社会に目を向けてみると障がい者専用(車椅子マーク)駐車場やトイレなどがあります。
何故そのような専用の場所があるのかと思う方もいるかもしれませんが、前述した車イス専用通路があれば・・という通りに、車イスを広げられる専用の場所がないと生活ができないのです。
それだけではなく、知的障害などで突発的な行動をする人が安全に移動できるように、店舗や施設の入り口に近い場所に専用の駐車場が用意されているという考えもあるようです。
実際に障がい者専用駐車場を見てみると、遠くに止めてしまうとウンコが漏れてしまいそうな車もよく見かけますが、高齢者や妊婦、けが人など、軽度~重度までの歩行困難者も対象者として含まれるため、線引きが難しい所ではありますし、外見だけでは何があるのかわからないという部分もあるので、まだまだ法的な改善の必要性はあるのではないかと思います。
今回の件では、体の不自由な方が安心して過ごせるような法整備も必要なのではないかと感じました。
その中でも、障害を盾に傲慢な態度や威圧的な行動を取る活動家などもいますが、健常者でも障がい者でも壁を作ってしまうような行動をする人は無視しても良いと思います。
本当に必要なのは、健常者と障がい者の共存ではないかと私は感じます。
近年では目に見えない障がいを可視化するヘルプマークがインターネットやSNSを中心に広まりを見せましたが、長年障がい者を取り上げている番組や24時間テレビでも成し遂げられなかった功績なのではないかと思います。
支援や配慮を必要とする全ての人が使用する事のできるマークなのですが、義足や人工関節、内臓疾患や精神疾患、知的障害など、他人の目に見えない疾患や障害を可視化する事ができる命綱のようなものです。
例えば、ヘルプマークを持っている方が突然倒れてしまったりパニックになってしまった時に持病や対処法、連絡先を記して、必要な救護活動を迅速に行えるようにする事もできるのです。
そのような必要なものでも普及しない背景には、心ない言葉を浴びせる人も多いようです。
ヘルプマークを持っている持っていない関係なく、自分と違うというだけで暴言や差別的な発言をするというもので、正しい知識を持っていない保護者が不意に発した言葉を子供が鵜呑みにしてしまっていたなんて事例もあったりします。
加害者でありながらも正しい知識を知らなかった事で傷ついた被害者でもあったのですが、子供と話すのをめんどくさがったり、そんなに遅くない時間から保護者が酒臭かったり、SNSを見ていればその子の家庭環境も異常だったなんて事もあるようです。
何かしらのハンデを負った本人だけでなく、健康に産ませられなかった事を悔やんでいたり悩んでいる保護者も多い現状で必要な事は、テレビなどで情報を得ている人が正しい知識を身に着ける事や必要な時にサポートをする事ぐらいのもので、それ以外は普通に接するだけで良いのではないかと感じます。
実際に特別支援学級の出入りを自由にしてみると、学年を問わず大勢の子供達が集まって一緒に遊ぶようになり、今は20人の人数制限を設けるようになった事例もあります。
遊びを通して子供達は必要なサポートを学び、正しい知識を身に着けて、将来は困っている人に手を差し伸べられる優しい大人に育っていくのではないかと思いますし、何もせずとも平等で差別のない小さな社会が出来上がっていたのです。
セミナーをやったわけでもないですし何かの活動をしたわけでもないですし、壁を作らずそこに集まって遊ぶようになって、そこに注意事項を加えただけの自然な流れだったのです。
活動家には嫌な顔をされそうですが、何もしなくても広まった温かい灯火を消したくありませんし、これが色んな場所に広まり今後も続いていけば良いなと思っています。
福祉の面でも色々と壁はありますが、これから先の理想としてはヘルプマークの普及と共に一つの個性と捉えて、サポートが必要な方とそうじゃない方ぐらいに区別して、障がい者という言葉が無くなるのが理想なんじゃないでしょうか。
普通に生きているだけでもあちこちに危険が潜んでいるのが現状である日本ですが、今まで見えていなかった部分がよく見えるようになった1日だったのではないかと思います。
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