大容量で長時間の撮影が可能なバッテリーとして定評のあるSonyのNP-Fバッテリーを、Quick Charge 2.0(QC2.0)によって2本同時に急速充電でき、LCDディスプレイで充電状態をリアルタイムに確認できるバッテリーチャージャー「NITECORE USN3 PRO」のレビューです。
【2026年10月26日追記】
今回レビューしたNITECORE USN3 PROは、現在もメーカー公式サイトに製品情報が掲載されていますが、日本国内では品切れとなっている販売店もあり、入手しにくい状況です。一方、海外では現在も販売が確認できるため、正式に生産終了となったかどうかは不明です。
また、NP-F970バッテリーに対応する正式な後継機種は確認できていません。NITECORE USN4 PROはSony NP-FZ100専用の充電器であり、NP-F970には対応していないため、購入時には注意が必要です。
NP-Fバッテリーとは?
Sony製ハイエンドカムコーダーの純正バッテリーとして採用され、サードパーティ製の外部モニターやシネマカメラの外部電源としても需要があるNP-Fバッテリーは、公称電圧7.2Vで、NP-F970では45Wh(6,300mAh)の大容量を備え、長時間の撮影や機器の運用を可能にするリチウムイオンバッテリーです。
Amazonなどでは国内外のメーカーから互換バッテリーも数多く販売されているロングセラー製品なのですが、手元にあるNP-F970バッテリーをSony製AC-VQ1051Dで充電すると、私の使用環境では1日以上かかることがあり、デュアルスロットを使用して2本を充電する場合には、長い時で2日ほどかかることもありました。
なお、Sonyが公表している純正NP-F970の充電時間は、AC-VQ1051Dで実用充電まで約285分、満充電まで約345分となっており、私の使用環境とは大きく異なります。
AC-VQ1051Dは実用充電と満充電を選べる急速充電対応のチャージャーなのですが、手元のバッテリーでは実用充電でも遅い!その割にチャージャーの価格が17,000円もするのです。
撮影機材への設備投資にお金がかかっているのに、そんな高価な物は買えない!と思って見つけたのが、今回紹介するNITECORE USN3 PROです。
NITECORE USN3 PROのレビュー
現在手持ちのバッテリーは、Sony純正のNP-F970バッテリーのほか、ROWA NP-F970互換バッテリー3本とEDOGAWA NP-F970互換バッテリー2本、ATOMOS NINJA ASSASSINに付いてきたおまけのNP-F互換バッテリー7本で運用しています。
丸一日撮影しているとバッテリーをほとんど使い切ってしまい、翌日も撮影する場合には充電が追い付かず、長回しをしている最中にバッテリーが切れて撮影できなくなることも稀にありました。
今回、追加の充電器としてNITECORE USN3 PROを購入したのは、そのような経緯があったからなのです。
NITECOREとは?
NITECOREは中国を拠点に、カメラ用バッテリーチャージャーやライト、ポータブル電源など、さまざまな製品を世界各国で展開しているメーカーで、25mmから100mmまでの焦点距離をそろえた本格的なシネレンズ「Superior Prime」シリーズまで発表しているのです。
製品品質については、今のところバッテリーチャージャー以外のことは知らないのですが、CEマークも表示されているようです。ただし、CEマークだけで製品の品質や安全性を判断できるわけではないので、実際の使い勝手や動作についても確認していきたいと思います。
ちなみに、桁違いだったシネレンズの価格は見なかったことにしました。
NITECORE USN3 PROの開封
2021年9月20日に発注して届いたのが10月5日。手元に届くまで約半月かかったのですが、荷物の追跡もできず、どうなっているんだろう?と思っていたら、国際配送でなぜかイギリスから届いていました。
国際配送で届く荷物は外装が汚れているイメージがあったのですが、今回は国内配送と変わらないぐらい綺麗な状態のパッケージで届いています。
NITECORE USN3 PROの付属品
画像には写っていないのですが、充電器本体と給電用のUSBケーブル以外にも説明書と保証書が付属しており、LCDディスプレイの表面には保護フィルムが貼られています(剥がしにくかった)。
本体サイズは125×70×29mmほどで、NITECORE USN3 PROと同じデュアルスロットを採用しているSony AC-VQ1051Dと比較すると、非常にコンパクトで軽量な充電器でした。
抜け防止機構を備えた背面とUSBコネクター
付属するMicro USB Type-B-USB Type-Aケーブルを接続し、ケーブルの抜けを防止する溝に沿って配線を這わせます。
多少引っ張ったぐらいでは簡単には抜けませんし、万が一落下させてしまった場合でも、ケーブルに直接力が加わりにくいため、充電器側のUSB端子を傷めるリスクを軽減できそうです。
INPUTには9V/2Aと5V/2Aと記載されていますが、9V入力は米国のQualcomm(クアルコム)社が開発した急速充電規格Quick Charge 2.0(QC2.0)に対応したもので、下位互換性のあるQC3.0対応のACアダプターやモバイルバッテリーからも急速充電が可能です。
なお、USB PD(Power Delivery)はQuick Chargeとは異なる急速充電規格のため、PD対応というだけで9Vの急速充電が利用できるわけではなく、使用する電源機器がQC規格にも対応しているか確認する必要があります。
NP-F970互換バッテリーを充電してみた
AC-VQ1051Dで充電していたNP-Fバッテリーを外してNITECORE USN3 PROで充電を始めてみましたが、AC-VQ1051Dは基本的に片方ずつ充電を進めるリレーチャージ方式であるのに対し、NITECORE USN3 PROはQC2.0対応の電源を使用すると、1本の場合は最大1,200mA、2本同時の場合は各スロット最大800mAの充電電流で急速充電することができます。
入力電圧5VのUSB給電の場合は標準モードとなり、最大1,000mAで先にセットしたバッテリーから順番に充電を行いますが、いずれの場合もACアダプターやモバイルバッテリーは付属しないため、急速充電を利用する場合には別途QC対応の給電機器を準備する必要があります。
LCDディスプレイにはバッテリー電圧、充電電流、充電開始からの充電量などの情報がリアルタイムで表示され、バッテリーの状態を確認しながら充電できるのが便利なところです。
また、Good・Normal・Poorの3段階で表示するバッテリーヘルス検出機能も搭載しており、バッテリーの状態を把握する目安として活用できるため、撮影時の給電トラブルを防ぐうえでも役立ちそうです。ただし、この表示だけでバッテリーの劣化状況を正確に判断したり、接触不良などの異常をすべて検出できたりするわけではありません。
2つのスロット両方にNP-F970互換バッテリーを入れ、QC3.0対応のACアダプターで充電してみましたが、ほぼ空の状態から約8時間でほぼ満充電となりました。
私の使用環境では、SonyのAC-VQ1051Dで充電した場合と比較して3分の1以下の時間でNP-F970互換バッテリー2本を充電できたことになり、2本同時充電の便利さと合わせて大きなメリットを感じました。
NITECORE USN3 PROの欠点
充電電流の自動調整機能があるので大丈夫なのかもしれませんが、NITECORE USN3 PROにはバッテリー温度をモニタリングするT端子が見当たらず、バッテリーの温度をどのように管理しているのか確認できないため、安全性について少し気になる面があります。
Sony純正チャージャーにはバッテリーの状態や温度に応じた充電制御に加え、満充電まで充電せずに終了する実用充電モードも備えられているので、急ぎではない場合には、できるだけ純正チャージャーを使用した方が安心ではないかと思います。
もう一点が、ケーブルの抜け防止機構を備えていて絶賛したUSB端子とは対照的に、バッテリーがあっさり抜けやすい充電スロットです。
バッテリーを少し動かしただけでも接触不良を起こしたり、移動中に充電していると知らないうちに充電スロットからバッテリーが外れていたりすることがあるのは少々残念。
しかし、Amazonのレビューに記載されていた液晶モニターが消えるというトラブルは、今のところ発生していません。
NITECORE USN3 PROと純正チャージャーの併用が良いかも?
リチウムイオンバッテリーは、満充電や空に近い状態で長期間保管すると劣化が進みやすくなる特性があるため、すぐに使用しない場合には満充電での保管を避けた方が良いとされています。
急速充電が可能なNITECORE USN3 PROには実用充電を選択する機能がないため、バッテリーの寿命を延ばすことを考えるなら、8割ほど充電した時点で手動で充電を終了するか、Sony純正チャージャーの実用充電モードを利用して、満充電を避ける方法も良いのかもしれません。
まとめ
消費電力が大きいBMPCC6Kを使っていると、本当にバッテリーが何本あっても足りない状態が続くので、撮影の合間に使用する充電器としては重宝しそうです。
ACアダプター以外にもQuick Chargeに対応したモバイルバッテリーから給電できる汎用性の高さに加え、2スロット同時充電の便利さと充電時間の短さ、価格の安さにはとても驚いています。
故障した際には新たに購入した方が早そうですが、製品登録をすることで保証も受けられるので、購入後はぜひ登録しておくことをおすすめします!
【2026年10月26日追記】
今回レビューしたNITECORE USN3 PROは、現在もメーカー公式サイトに製品情報が掲載されていますが、日本国内では品切れとなっている販売店もあり、入手しにくい状況です。一方、海外では現在も販売が確認できるため、正式に生産終了となったかどうかは不明です。
また、NP-F970バッテリーに対応する正式な後継機種は確認できていません。NITECORE USN4 PROはSony NP-FZ100専用の充電器であり、NP-F970には対応していないため、購入時には注意が必要です。















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