Adobe Lightroom CCやPhotoshop CCのCamera RAW現像モジュールにアーティスティックプロファイルが追加されましたが、このプロファイル機能がRAWデータから写真にするまでの仕上がりにどのような影響があるかをカラーチャートを使って検証してみました。
記事内の目次
アーティスティック プロファイルを使いこなす
はじめに
2018年4月にAdobe Lightroom ClassicやCamera RAWが大幅アップデートを行い、従来のAdobe RAWやカメラプロファイルの他に新たにCreativeプロファイルとしてアーティスティックやビンテージ・モダンなどが追加され、従来はサードパーティ製のプリセットを導入する事で利用可能となっていた機能が、最初からアーティスティックのプロファイルとして使えるようになりました。
今回はこのプロファイルが写真にどのように作用するのかを検証してみようという企画を行いました。
カメラ標準
基本となるのは、2018年4月7日に撮影した船岡城址公園から眺める白石川堤一目千本桜です。この写真とカラーチャートを基本にして各プロファイルがどのように影響をするのかを検証していきます。
アーティスティック01
ハイライトを残して、暗部が紫っぽくなり中間色からハイライトにかけては青っぽい色になっています。カメラ標準プロファイルと比較しても夕焼けを残して全体的に紫色となり味のある写真に変わりました。夕焼けや朝焼けとはとても相性が良さそうです。
アーティスティック02
ハイライトに黄色、中間にオレンジ、シャドウに赤とオレンジの中間を足したような色と、トーンカーブの左側を4%持ち上げ黒をスッパリと切り落としたような色調となり、全体的に霧がかったような写真に仕上がります。
アーティスティック03
全体的に色が深くなっているような印象ですが、特に黄色や緑が赤みがかっていて、より夕焼けが美しく表現されています。緑の多い写真の場合は特にくすんだ色になってしまいそうなプロファイルですが、この写真に関しては夕焼けの色を再現しようとした際の、全体的なマゼンタ被りを抑えてくれています。
アーティスティック04
ハイライトはそのままに、暗部にかけて青味がかったような色調になります。この写真では、夕焼けの光が桜や電車に当たらず日陰になっているような雰囲気に仕上がりましたので、少々違和感のある仕上がりとなってしまいました。
アーティスティック05
全体的にアンバーっぽい仕上がりになるのが特徴ですが、ハイライトの方が効果が弱く夕焼けの部分にはほとんど作用していません。少し柔らかいタッチになったような印象もありますので、アーティスティックプロファイルはシャープや明瞭度なども変化させているのかもしれません。
アーティスティック06
一見するとアーティスティック04と似たような感じに仕上がっていますが、明部は変わらず中間色にパープル、暗部にブルーがかかっていて、この写真ではアーティスティック04よりも自然な色調に仕上がっているのではないかと思います。
アーティスティック07
全域において黄色味がかった色の写真になります。暗部に強めにかかっているような気がする感じなのですが、個人的にはほとんど使用しなさそうな気がします・・・。
アーティスティック08
ハイライトを残して全体的に青紫がかった色調になります。使いどころによっては良いかもしれませんが、この写真には少々向かないのではないかと思いました。
まとめ
この記事を書くまではほとんど触れなかったアーティスティックプロファイルでしたが、夕暮れの白石川堤一目千本桜にはアーティスティック03がピッタリとハマってしまったような結果となりました。
アーティスティックプロファイルは、特定の明るさの領域にカラーフィルターをかけているような効果や種類によってはトーンカーブの黒を持ち上げた状態になるのではないかと思います
次回はビンテージに触れてみたいと思います。
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