宮城県石巻市にある「石ノ森萬画館(いしのもりまんがかん)」は、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』『人造人間キカイダー』など、数々の名作を生み出した漫画家・石ノ森章太郎さんの作品世界を楽しめるマンガミュージアムです。館内には歴代仮面ライダーの展示や貴重な原画、特撮ヒーローの世界を再現した展示コーナーがあり、3階のマルチメディア工房ではアニメーション制作も体験できます。今回は、宮城県石巻市の観光スポットとしても人気がある石ノ森萬画館を訪れ、実際に見学した館内の様子や見どころをご紹介します。
石ノ森萬画館とは?
石ノ森萬画館は、宮城県石巻市を流れる旧北上川の中州「中瀬」に建つマンガミュージアムです。近くの中瀬公園は、石巻川開きまつりの花火打ち上げ会場としても知られ、石巻市を代表する観光スポットの一つとなっています。
2001年7月23日に開館した石ノ森萬画館は、『サイボーグ009』や『仮面ライダー』などの人気作品を生み出した漫画家・石ノ森章太郎さんの功績を紹介する施設で、貴重な原画の展示をはじめ、漫画や特撮ヒーローの世界を立体的に再現した展示、オリジナルアニメーションの上映などを楽しむことができます。
宇宙船をイメージした近未来的な建物のデザインは、石ノ森章太郎さん自身の発案によるものです。旧北上川の中州に建つ独特な外観は遠くからでも目を引き、館内に入る前から漫画の世界へと引き込まれるような雰囲気があります。
石ノ森章太郎さんは、1938年1月25日に現在の宮城県登米市中田町石森で生まれ、本名は小野寺章太郎といいます。幼い頃から絵や漫画に親しみ、映画監督にも憧れていたそうですが、手塚治虫さんの作品『新寶島』に強い影響を受け、漫画家を志すようになりました。
中学生の頃には漫画の投稿を始め、高校時代には漫画仲間と「東日本漫画研究会」を結成し、肉筆回覧誌『墨汁一滴』を制作するなど、早くから才能を発揮していました。
高校2年生だった1954年には、手塚治虫さんから仕事を手伝ってほしいという電報を受け取り、上京して『鉄腕アトム』の制作を手伝ったこともあったそうです。同年12月には漫画雑誌『漫画少年』で『二級天使』の連載を開始し、漫画家としてデビューを果たしました。
その後は『サイボーグ009』『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』『佐武と市捕物控』など数々の名作を発表し、日本の漫画や特撮ヒーロー文化に大きな影響を与える漫画家となりました。
石ノ森章太郎さんは学生時代、映画を見るために故郷から自転車で石巻市まで通っていたともいわれています。現在の石ノ森萬画館が建つ中瀬には、かつて「岡田劇場」という映画館があり、石巻市は石ノ森さんにとって思い出深い土地でもあったのです。
石ノ森萬画館では、こうした石ノ森章太郎さんの生涯や創作活動の歴史に触れながら、世代を超えて愛され続ける作品の魅力を間近で楽しむことができます。
仮面ライダードライブの撮影で使用されたトライドロンを展示!
石ノ森萬画館のエントランス前には、特撮テレビドラマ『仮面ライダードライブ』で実際に撮影に使用されたスーパーマシン「トライドロン」が展示されていました。
仮面ライダードライブは、従来の仮面ライダーシリーズでおなじみだったバイクではなく、自動車を主な移動手段として使用するヒーローとして話題になった作品です。
トライドロンのベースとなった車両は、本田技研工業が1990年に発売した初代ホンダNSX。日本を代表するスポーツカーを大胆に改造し、近未来的なスーパーマシンへと生まれ変わらせています。
実車を間近で見ると、低く構えたボディや独特なタイヤの配置、迫力のあるエクステリアなど、テレビ画面では気付きにくい細部まで観察することができます。
実際の特撮撮影に使用された車両を目の前で見られるのは、仮面ライダーファンはもちろん、自動車が好きな方にとっても魅力的な展示ではないでしょうか。
1階の受付・お土産売り場・映像ホール
石ノ森萬画館に入館すると、受付の頭上では『がんばれ!!ロボコン』のロボコンとフラッグが来場者を迎えてくれます。
天井から吊り下げられたロボコンは、一定の時間になると音楽に合わせて動き出す仕掛けになっており、子どもたちにも人気がありそうです。
実は、このフラッグの中には一つだけ間違いが隠されているそうですが、私は最後まで見つけることができませんでした。何気なく眺めているだけでは気付きにくいので、訪れた際にはぜひ探してみてください。
1階には、石ノ森萬画館のオリジナルグッズやキャラクター商品などを販売するミュージアムショップ「墨汁一滴」も併設されています。仮面ライダーやサイボーグ009などの関連商品をはじめ、ここでしか手に入らないお土産を探すのも楽しみの一つです。
館内のスロープを進んでいくと、仮面ライダーと一緒に記念写真を撮影できるフォトスポットも設けられています。
歴代仮面ライダーの展示を見る前に、お気に入りのヒーローと写真を撮影できるのは、特撮ファンにとってうれしい演出ではないでしょうか。
スロープをさらに進んだ先には、石ノ森章太郎さんの作品を映像で楽しめる映像ホールがあります。
訪問当時は、石ノ森作品を原作とする『龍神沼』『消えた赤ずきんちゃん』のオリジナルアニメーションに加え、宮城県石巻市のご当地ヒーロー『シージェッター海斗』の特撮映像が上映されていました。
シージェッター海斗の映像は、『仮面ライダー』シリーズに関わった制作スタッフや出演者が参加した作品で、特撮ヒーローならではの臨場感あふれるアクションシーンを楽しむことができます。
上映は毎時10分と40分に行われていましたが、上映する作品や時間は変更される場合もありますので、見学する際には館内の上映案内を確認するとよいでしょう。
2階の展示ホールで歴代仮面ライダーや石ノ森章太郎の代表作を見学
石ノ森萬画館の2階には、石ノ森章太郎さんの代表作品を紹介する常設展示室や企画展示室が設けられています。
中でも仮面ライダーファンにとって見逃せないのが、歴代仮面ライダーのマスクがずらりと並んだ展示コーナーです。
1971年に放送が始まった初代『仮面ライダー』の仮面ライダー1号をはじめ、昭和から平成へと受け継がれてきた歴代仮面ライダーのマスクを間近で見ることができました。
仮面ライダー1号がテレビに登場したのは1971年ですから、当時テレビに夢中になっていた子どもたちも、今では孫と一緒に仮面ライダーを楽しむ世代になっているのかもしれません。
長い歴史を持つ仮面ライダーシリーズならではの魅力を感じられる展示です。
こちらには比較的新しい平成仮面ライダーシリーズのマスクも展示されており、初代から続くヒーローのデザインの変化を見比べることができます。
子どもの頃に見ていた懐かしい仮面ライダーを探したり、親子でお気に入りのヒーローについて話したりと、幅広い年代の来場者が楽しめるコーナーとなっています。
それぞれのマスクを間近で観察すると、テレビ画面では分かりにくい細かな造形やデザインまで見ることができ、特撮ヒーローを制作する技術の奥深さも感じられます。
宮城県石巻市のご当地ヒーロー「シージェッター海斗」の世界を紹介する展示コーナーもあります。
シージェッター海斗は、石ノ森章太郎さんが生前に描き残したヒーローのデザインを基に、2004年3月20日に石巻市で誕生した特撮ヒーローです。
その原案となったのは、1976年に放送された特撮テレビドラマ『超神ビビューン』の制作過程で描かれた、超神バシャーンに関連する未採用デザイン「鉄魔神シャドル」のラフスケッチです。
石ノ森章太郎さんが残したデザインを現代によみがえらせ、海と自然、そして人々の平和を守るヒーローとして誕生したシージェッター海斗は、石巻市の地域振興にも深く関わる存在となりました。
テーマソングは、宮城県石巻市出身のアニメソング歌手・遠藤正明さんが歌っており、作詞には遠藤正明さんと影山ヒロノブさん、作曲には影山ヒロノブさんが参加しています。
地元ゆかりのヒーローでありながら、本格的な特撮作品として制作されていることも、シージェッター海斗の大きな魅力です。
館内には『人造人間キカイダー』や『サイボーグ009』の世界を再現した展示コーナーもあり、石ノ森章太郎さんが生み出した多彩なキャラクターや作品の世界観を楽しむことができます。
『人造人間キカイダー』は1972年に特撮テレビドラマとして放送が始まった作品で、人造人間ならではの葛藤や正義をテーマにした物語が印象的でした。
一方の『サイボーグ009』は、特殊な能力を持つ9人のサイボーグ戦士たちが活躍するSF漫画で、1964年の連載開始以来、アニメーションなどさまざまな形で映像化されてきた石ノ森章太郎さんの代表作です。
子どもの頃にこれらの作品を見ていた方にとっては懐かしく、初めて作品に触れる方にとっても、日本の漫画や特撮ヒーローの歴史を知ることができる興味深い展示となっています。
なお、2階の常設展示室は原画コーナーなど一部を除いて写真撮影が可能になっていますが、企画展示室では展示内容によって撮影が禁止される場合があります。動画撮影やフラッシュ撮影にも制限があるため、必ず館内の案内を確認してから撮影するようにしてください。
3階のマルチメディア工房でアニメーション制作を体験
石ノ森萬画館の3階には、漫画を読むだけでなく、自分で絵を描いたりアニメーション制作を体験したりできるマルチメディア工房があります。
中でも子どもたちに人気があるのが、自分で描いた絵をアニメーションとして動かすことができる「マンガ家入門」のコーナーです。
石ノ森章太郎さんの作品に登場するキャラクターなどを参考にしながら絵を描き、アニメーションが完成するまでの過程を体験できるため、漫画家やアニメーション制作の仕事に興味がある方にもおすすめです。
実際に体験してみると、一枚の絵を描くだけでも意外と時間と根気が必要で、普段何気なく見ている漫画やアニメーションが、どれほど多くの手間をかけて制作されているのかを実感できます。
また、3階には約6,000冊の漫画や関連書籍を収蔵した図書ライブラリーも設けられています。
石ノ森章太郎さんの作品だけでなく、さまざまな漫画を自由に読むことができるため、気になる作品を一冊手に取ってしまうと、時間を忘れて読みふけってしまいそうです。
石ノ森萬画館は、漫画や特撮ヒーローの展示を見るだけでなく、作品を読んだり自分で描いたりしながら、漫画文化の魅力を体験できる施設でもあります。
子どもから大人まで楽しめる石巻市の観光スポットとして、漫画や仮面ライダーが好きな方はもちろん、家族連れにもおすすめしたい場所です。
石ノ森萬画館 交通アクセスや入館情報
石ノ森萬画館は、宮城県石巻市の中心市街地を流れる旧北上川の中州に位置しています。JR石巻駅から徒歩でアクセスできるほか、三陸自動車道の石巻河南ICからも車で訪れることができます。
周辺には石巻市内の有料駐車場や提携駐車場がありますが、駐車場によって無料サービスの条件が異なるため、利用する際には注意が必要です。
以下は、記事執筆当時の開館時間や観覧料金、交通アクセスなどをまとめたものです。開館時間や料金、駐車場の利用条件は変更される場合がありますので、実際に訪れる際には公式ウェブサイトで確認してください。
| 所在地 | 東北地方|〒986-0823 宮城県石巻市中瀬2−7 |
| 開館時間 | 3月~11月 9:00~18:00 12月~2月 9:00~17:00 休館日:3月~11月は第3火曜日、12月~2月は毎週火曜日 ※休館日には例外期間があります。 ※記事執筆当時の開館時間です。 |
| 観覧料 | 個人入館:大人840円 中・高校生520円 小学生210円 団体入館(20名以上):大人670円 中・高校生410円 小学生160円 年間パスポート:大人2,100円 中・高校生1,050円 小学生520円 ※2019年10月改定時点の料金です。 |
| 駐車場 | 石巻市かわまち立体駐車場・中央駐車場・オークパーキング 立町ヤマトパーキング・アサノ駐車場・アイパル駅前パーク ホバラヤ駐車場・駅前カープラザ・丸勝パーキング リオモールパーキング・イーケーパーキング・駅前ヤマトパーキング 当時の提携駐車場では、観覧チケットと駐車券を受付で提示すると1時間無料券が進呈されていました。 ※石巻市かわまち立体駐車場は1時間無料券の対象外です。 萬画館奥の臨時駐車スペースは、2018年5月31日に閉鎖されています。 障がい者用駐車スペースは萬画館側に用意されています。 ※駐車場の名称や提携状況は記事執筆当時の情報です。 |
| 交通アクセス | 三陸自動車道 石巻河南ICから車で約10分 JR石巻駅から徒歩約14分 |
| マップコード | 105 052 201*58 |
| 撮影 | 館内の動画撮影は禁止されています。 2階の常設展示室では、原画コーナーなど一部を除いて写真撮影が可能です。 企画展示室などでは、展示内容によって撮影禁止の場所があります。 フラッシュや三脚、自撮り棒などの撮影機材の使用は禁止されています。 撮影した写真をSNSなどで公開する場合は、他の来館者の肖像権や著作権に配慮する必要があります。 YouTubeなどの動画投稿サイトへの画像・映像の投稿や、営利目的での画像利用などについても制限があります。 詳しい撮影条件や画像の利用規定については、必ず公式ウェブサイトをご確認ください。 |
| 関連ウェブサイト | 石ノ森萬画館 |

















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