東北地方太平洋沿岸部で多くの人命が奪われた東日本大震災から10年目の犠牲者慰霊と2020年の春から世界中で蔓延している新型コロナウィルス感染症の収束を祈願した1500発の美しい冬花火が、2021年2月6日に日本三景の一つである宮城県宮城郡松島町の観光桟橋付近で打ち上げられました。
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日本三景の一つ松島の風景
京都府の天橋立、広島県の宮島と並んで日本三景の一つに選ばれている松島は、宮城県宮城郡松島町に位置する※1多島海です。
松島丘陵呼ばれる丘陵地に囲まれた湾内外に260か所の島々で構成された風景が美しい事から全国から観光客が訪れるほどの観光名所となっておりますが、元々は丘陵地の一部が地殻変動によって沈下し、山頂部だけが取り残された事から、現在のような美しい景観となりました。
※1 多島海・・多数の島嶼が存在する海域
しかし、景観が美しい観光地である松島町も2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波被害を受けて、町内在住者21人の尊い命が失われ、3000戸を超える家屋が浸水や損壊などの大きな被害を受けました。
松島湾東日本大震災10年慰霊とコロナ収束祈願花火
古来から疫病退散や慰霊の意味合いを込めて打ち上げられる花火を東日本大震災発生から10年という節目を迎えた2021年に、そして2020年から世界中で蔓延している新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の早期収束を願って松島湾内の観光桟橋付近から打ち上げられました。
花火の打ち上げは仙台七夕まつり前夜祭など全国各所の花火大会で活躍する株式会社芳賀火工が担当し、昨年の土浦全国Online花火競技大会で準優勝した妖怪アマビエや仙台・宮城観光PRキャラクターのむすび丸の型物などを含めた、約1500発の花火が夜空を彩りました。
コロナウィルス感染症の感染拡大防止の観点から事前の告知を行わないシークレット方式での開催であったため、花火が打ち上がる事に気づいた場所から撮影を行いました。
ローマンキャンドルなどの打ち上げ方向が決まっている花火は真横から見るような形になってしまいましたが、多くの悲しみを生んだ東日本大震災から10年目の冬の夜空を彩る暖かい光の華を楽しませていただきました。
東日本大震災10年慰霊とコロナ収束祈願花火の動画
東日本大震災10年慰霊とコロナ収束祈願花火 2021
地震の大きな揺れと大津波を経験してから10年の月日が流れるのもあっという間だったような気もするのですが、この10年の間に松島町の観光名所も整備されて、とても綺麗になっていました。昨年は新観光拠点の松島離宮も完成して震災前よりも魅力ある観光地になってきたような気がします。
沢山の苦難を乗り越えて復興を続けてきた東北地方太平洋沿岸部は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって、新たな未来に向かう10年の始まりも苦難の年となってしまいました。
不明となっている感染経路を早期に特定して、感染リスクの少ない手段を取りながら経済復興活動や観光客誘致に向けて動いていく事が最善なような気もしています。
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