複数のインターネット回線を束ねて安定した通信を行う事が出来るボンディングソフトウェア「Speedify」をノートパソコンにインストールして、ライブ配信を行っていましたが、ついにどこでも衛星インターネット通信を行えるStarlinkを手に入れたので、衛星通信の欠点を補うための2回線ボンディングを行った上でライブ配信を行いました。
記事内の目次
衛星インターネット通信Starlink×5G ポケットWi-FiをSpeedifyで束ねて2回線ボンディング
Speedifyとは?
複数の回線を束ねて1回線としてインターネット通信を行う事が出来るハードウェアとして、Live U SoloやPeplinkのルーターなどがありますが、手を出すのを躊躇ってしまうぐらい高価な価格で販売されています。
私がライブ配信を行うようになってからは、WiMAXや楽天モバイルの回線単独での通信を行っておりましたが、人が多い場所では輻輳が発生して、1回線のみではライブ配信が行えない状態が続いておりました。
そこで導入をしたのがSpeedifyというセルラーVPNボンディングソフトウェアです。
スマートフォンやWindows PCなど、様々な端末にインストールして設定を行うだけで、イーサネットやWi-Fiに接続した回線を束ねて冗長化させる事が出来るソフトウェアで、月額7.49ドル、年額で89.99ドルを支払えば、Live U SoloやPeplinkルーターのようにマルチWANボンディングが出来るようになるのです。
インターネット通信やライブ配信などで、一つの回線では安定した通信速度を確保出来ない場合もありますが、有線LANや4G/LTE、Wi-Fiや5Gなどのインターネット通信回線を複数束ねて、通信速度の高速化が可能なSpeedifyの紹介とボンディングの設定方法を記事にしました。 複数回線を束ねて通信速度...
インストールから設定方法、通信状態については上記関連記事カードリンクに掲載しておりますが、ソフトウェアは良くても国内通信事業者が提供していているモバイル回線のほぼすべてで輻輳が発生して壊滅的にダメでした。
その中でも比較的安定して通信を行えていたのは楽天モバイルのみでしたが、プラチナバンドに対応してから契約者が増えたためなのか、昨年は大丈夫だった所でも少々不安が残る通信状況となっていたのです。
WiMAX・UQモバイル・楽天モバイル・NUROモバイルの4回線を契約していましたが、肝心な所で繋がらないのであれば契約しているだけ無駄だと思ったので、今回Starlinkを契約して楽天モバイルを残した全回線を解約いたしました。
Starlinkの欠点は必ず通信が途切れる
人工衛星を使用したインターネット通信が行えるStarlinkは、アメリカ合衆国の民間企業スペースXが運用している衛星インターネットアクセスサービスで、日本においては東日本地域のみの提供でしたが、2023年夏に日本全域でのインターネットアクセスが可能になりました。
スターリンク衛星は地上から高度約550kmを時速2万7000kmで移動し、2024年9月6日に行われたファルコン9ロケットの打ち上げで、合計6,998ユニットのスターリンク衛星が宇宙空間を高速で移動しております。
宇宙空間を飛び交うスターリンク衛星との通信は、専用のスターリンクアンテナを使用して通信を行いますが、現在通信を行っている衛星から次に通信を行う衛星に切り替わる瞬間に、通信が必ず途切れてしまう欠点があり、周囲の環境によっては10秒以上の通信断絶をしてしまう事もあるようです。
つまり、通信を行うスターリンク衛星が切り替わる瞬間もネットワークが途切れないように、バックアップ回線に切り替わる仕組みが必要になってしまうため、マルチWANボンディングルーターのような機器やボンディングソフトウェアが必要になるのです。
ボンディングが有効なのはパソコン内蔵のハードウェアとドライバー次第
Speedifyを使用したマルチWANボンディングは、途切れが許されないライブ配信などでも有効なのですが、実はパソコンに搭載してある優先LANと無線LANのコントローラーやデバイスドライバーによっては、通信状況が変わってしまう事が分かりました。
まず、メインのデスクトップPCですが、USB3.0に楽天モバイルのSIMを入れた富士ソフトFS050Wを接続し、無線LANにStarlinkの5.6GHzを接続した場合です。
楽天モバイルよりもStarlinkの方が常に早い速度で通信が行えている状況になっていますが、時々Starlinkの速度に楽天モバイルの速度が追いついて、バックアップ回線として機能している事が分かるかと思います。
通信を行う場所のネットワーク次第ではありますが、もし衛星が切り替わる瞬間にStarlinkとの通信が途絶えたとしても、楽天モバイルの回線がバックアップ回線として機能して、途切れないインターネット通信が行えるという事になります。
デスクトップPCからノートPCに切り替えて、同じ条件で通信を行った場合は、USBテザリングのドライバーとSpeedifyの相性が良かったのか、Starlinkと楽天モバイルがほぼ同じ速度で通信が出来ておりました。
この場合は、ライブ配信ソフトウェアから出力される映像をYouTubeに送信するデータ量以上の回線速度が出ている状態なので、もう少しビットレートを上げてもフレームドロップの発生はほぼ無い状態に抑えられます。
これならStarlinkとの通信が途絶えたとしても、楽天モバイルの回線からフレームドロップの無い完全な映像データをYouTubeのサーバー側が受け取れる状態になっているはずです。
常時接続状態を維持するならボンディングは必要
ライブ配信やオンラインゲームなどの常時接続状態を維持しなければいけない用途に限っての話ですが、Starlinkは、通信を行う衛星の切り替え時や通信が出来ない障害物の検出時に瞬間的に通信が途切れる事があるので、他の回線でバックアップ通信を行うマルチWANボンディングが出来る状態を作っておく必要はあります。
ただし、それも特殊な用途のみでの使用に限った話で、インターネットサーフィンやバッファを先に溜める動画の視聴であれば、常時接続状態を維持しなくても瞬間的に途切れた事にも気づかない程度なので、スターリンク単体でのインターネット通信でも特に問題になる事はありません。
もしStarlinkを使用していて、瞬間的なパケットロスなどが気になった場合はSpeedifyを導入してみるのも考えてみるのは良いかもしれません。
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