写真編集ソフトのAdobe Lightroom CCやPhotoshopのRAW現像で全体の明るさやコントラスト、または色を変えて写真のイメージをガラリと変えるテクニックとして重宝するトーンカーブの使用方法について詳しく解説していきます。
記事内の目次
トーンカーブの使い方やテクニックをマスターする
トーンカーブの使い方
トーンカーブは、写真全体の明るさやコントラストを変えるだけではなく、RGB別で調整すれば写真の色調も変更できるツールです。Adobe Lightroom Classicでは階調と外観パネルで写真の明るさやコントラストを調整できますが、決められた箇所と調整幅でしか調整ができません。しかし、トーンカーブを使用すると自由な場所のコントラストや明るさなどを調整できるようになるため、写真の最終仕上げなどでも活用する事ができます。
基本の操作
明るさを変える
トーンカーブの一番左側はブラックポイントで、下の画像の場合はホワイトレベルが0となり真っ黒の部分をコントロールするポイントになっています。Lightroomの場合は0~100%で表現しますので、この場合は黒が0%、一番明るい白が100%となります。
上の画像のように中間を左クリックしてコントロールポイントを作って上に持ち上げると、黒レベルと白レベルをほとんど動かさずに、中間の明るさを主に明るくできるようになります。
S字カーブでコントラストを変える
上の左側の画像のようにトーンカーブの左側を上に持ち上げて右側を下に押し下げると、コントラストが低い柔らかいイメージの写真となり、逆に右側のトーンカーブのように左側を押し下げて右側を上に持ち上げてS字カーブを描くようにするとハイコントラストな硬い印象の写真に仕上がります。
階調のコントラストと違う点は、トーンカーブのS字を操作する幅と場所によってコントラストの変わり方に変化を与える事ができますので、RAW現像時に表現の自由度が広がります。
トーンカーブで写真の一部の色調を変える
桜の花びらをピンク色にする
トーンカーブは、RGBを一括操作するパターンとレッド,ブルー,グリーンを個別に操作する2種類があり、操作の仕方によって写真の一部の色調や全体の色調をコントロールする事が可能になります。
今回は、桜の花びらをピンク色にしたかったので、黒から25パーセントずつに分けてコントロールポイントを作り、元のトーンカーブを固定してから、花びらの明るさと同じ70%付近から80%付近の2箇所にコントロールポイントを作って上に少し持ち上げて、赤を強調しています。
この操作を行うと、下のトーンカーブの画像のようなハイライト部分だけが盛り上がった形状になり、桜の花びらに赤がプラスされています。
しかし、同じ明るさの部分も一緒に補正されてしまうため、桜の花と同じ明るさである空の色にも赤がプラスされて、マゼンタ被りを起こしてしまったような色に変わりますので、これは別途説明するHSLスライダーで調整をします。
トーンカーブを使用して写真をクールに仕上げる
上の写真は、仙台空港臨空公園のブランコを雨が降る中撮影したのですが、左半分の元の写真だとイマイチ雨が降っている雰囲気が伝わらないので、冷たい雨が降っているイメージでシャドウを青緑っぽくしました。
上のトーンカーブのように、ブルーとグリーンのシャドウ部分だけを持ち上げる操作をする事によって、中間調からハイライトの色調を全く変えずに暗部の色調だけを変更する事ができます。
左クリックでコントロールポイントを何か所も加える事ができますが、クリックした瞬間にトーンカーブが動いてしまうため、Altを押しながら左クリックをするとトーンカーブを全く動かさずに、コントロールポイントを追加できます。
そして、ブランコのチェーンの輝きを強調するために、上のRGBトーンカーブのようにホワイトポイントを左側に移動させる事によって、白レベルをプラスしたような効果が得られ、金属の輝きがプラスされます。
逆にブラックポイントを右側に移動する事によって黒レベルを引き下げたような効果が得られますので、そこから暗部を引き締めるためにシャドウからハイライトまでは緩やかな谷のような形にして、ブランコのチェーンの輝きを際立たせるようにハイライトからホワイトポイントまでは急激な山のような形にS字カーブを描いています。
まとめ
触れば触る程奥が深いトーンカーブですが、カラー別のトーンカーブはハマってしまうので、ほとんど使用しておりません。カメラによってはシャドウでマゼンタ被りを起こしてしまったりする機種もあるので、その修正などで活用してみるのも良いかもしれません。
操作方法を組み合わせて多彩な表現が可能となりますので、是非トーンカーブを使用してのレタッチにチャレンジしてみて下さい。
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