80系ノアとヴォクシーの4WDで尻上がり前傾姿勢のホットロッドスタイルになっていたり、90系ノアとヴォクシーの4WDやハイブリッドE-FourはFF車よりも車高が高くなっていますが、その理由は何なのかを考えてみました。
記事内の目次
80系ノアとヴォクシー4WDの尻上がりと90系E-Fourで車高が高い理由が分かった
90系ヴォクシー4WDとE-Fourの車高の事
80系ノアとヴォクシーの4WDはスタイリングを無視した尻上がりでホットロッドのような前傾姿勢になっているのですが、90系ノアとヴォクシーの4WDとハイブリッドE-Fourでは4WD専用のショックアブソーバーとスプリングを取り付けて、前傾姿勢を抑えたスタイルに落ち着かせております。
当初はリアデフやリアモーターが低くなりすぎて、車高を上げない事には保安基準の最低地上高に必要な9cmを確保できないのかと思っていましたが、下回りを覗いて見る限りは、どうやらそれが理由になっている事は無さそう。
それでも若干の尻上がりに感じてしまったり、ショックとスプリングを4駆専用設計にした事による特有の車高の高さが気になってしまう人もいるかと思いますが、何故この車高にしてしまったのかを考えてみました。
理由 フルフラットな車室内フロアとドライブシャフト
90系ノアとヴォクシーは、前から後ろまで段差が無いフルフラットフロアを採用し、室内の高さを確保するための低床化と居住性の高さに力を入れた車種になっております。
女性や子供でも乗り降りがしやすく、子供であれば立ったままでも車内の移動が容易になり、これによって乗り降りをするための一段低いスライドドア用ステップも必要が無くなりました。
また、フロア下パーツの薄型化や高効率化にも力を入れて、広い室内を実現するための技術も新型ヴォクシーとノアには詰め込まれているのです。
駆動用バッテリーや燃料タンクに至るまでの部品を極限まで薄くして、車内を最大限まで広く確保する惜しまない努力は本当に凄いなと思う反面、それで犠牲になったのが、ガソリン車の4WD用デフやハイブリッド車用のリアモーターの取り付け位置でした。
リアモーターやデフが取り付けられている分には地上高も充分確保されているため、わざわざ後軸の車高を上げなくても良いようなもんですが、リアの車高を測定している時に気付いたのが、ドライブシャフトの取り付け位置です。
ドライブシャフトがバンザイの状態になっていたり逆に下に下がっていると、ジョイント部分やシャフトブーツが常に折れ曲がった状態になり、水平時よりも負荷がかかってジョイントの耐久性の低下やシャフトブーツからのグリス漏れなどの弊害が起こります。
近年の自動車は10年以上20万kmは余裕で走るぐらいの耐久性はあるにも関わらず、ドライブシャフトやシャフトブーツの耐久性だけが低いという事には出来ないのでしょう。
車内フロアに張り出さないようにリアデフやリアモーターを最小限の大きさに止めて、ドライブシャフトが水平の位置になるようにした車高が、80系4WDの前傾姿勢と90系4WDの車高の高さだったのだと思われます。
ローダウン時のドライブシャフト\(^o^)/
80系と90系4WDの車高の高さが気になる人は、そもそも根っからのドレスアップ好きでそんなの知ったこっちゃないって感じだとは思いますが、RS-R Ti2000で45mm程度のローダウンをすると想像していたよりも急な角度で上方に折れ曲がります。
そんなに簡単にシャフトブーツやドライブシャフトが破損する事はありませんが、車高を下げてしまうとデフやリアモーター側からタイヤ側に向けてドライブシャフトが上に上がるような形状になりますので、ローダウン時には常にドライブシャフトやシャフトブーツに負荷がかかりやすい状態だと思っておいた方が良いと思います。
悪路を走行する時の走破性を考えて車高を上げているのであれば、4WDだけフロントの最低地上高を125mmに下げるということは無いと思うので、辿り着く答えはリアモーターのドライブシャフトの位置以外には思いつきません。
フルフラットフロアの採用やリアデフ・リアモーターの小型化の企業努力の中で、妥協するしか無かったのがドライブシャフトの位置なのだと思われますが、80系よりも尻上がりになっていないのは新型のリアモーターとリアデフが従来品よりも小さくなっているからなのでしょう。
90系ヴォクシーハイブリッドの4WDとE-Fourを、RS-R Ti2000でローダウンをすると、こんな感じになります。
FFと4WDでフロントアンダーカバーの最低地上高が違うのも、ドライブシャフトの位置を調整するために、フロントサスペンションクロスメンバーを下げているからなのでしょう。
一番低いフロントアンダーカバーが地上高100mmを下回ってしまう影響で、悪路や冬の雪道の走破性は確実に下がってしまいますが、ノーマルFFの見た目と同じぐらいまでは車高を下げられます。
ヴォクシーハイブリッドE-FourをRS-R Ti2000で少しローダウンをしたのは、長距離を走行できる範囲の実用的ドレスアップという事で、腰高感のある4WD特有の車高の高さからFF車ノーマル並のローダウンで抑えております。
タイヤの耐久性を考えて極端なアライメントの狂いが無い車高に抑えたのもありますが、ドライブシャフトやシャフトブーツの他、ブッシュ類にも負担が少ない範囲で抑えたかったというのもありますので、あくまでアベンシスの形見の19インチをノーマル状態で車高が高いヴォクシーの4WDに入れるためのローダウンだったと思っていて下さい。
ノーマルの車高時とローダウン後に19インチアルミホイールを履かせた時のツライチマッチングの記事もご紹介しています。
前車ZRT272Wアベンシスを下取りに出す前に履かせていた19インチのタイヤとホイールが残ってしまったので、最近購入したトヨタのミニバン、新型90系(95)ヴォクシーハイブリッドE-Fourに履かせてみました。キャンバー加工を前提としたホイールマッチングをたまに見かけますが、4WDのノーマル車高かち...
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