USB3.1 Gen2の登場とほぼ同時に規格化された「USB Type-C」ですが、裏と表の指定が無いためどちら向きに刺しても接続した機器が動作する最新のUSB端子として登場しました。ところが最近、USB Type-Cにも裏と表があって転送速度にも影響があるという情報を見かけるようになってきたので、実際にUSBケーブルの向きを入れ替えてSSDの速度を測定してみました。
記事内の目次
USB Type-Cとは?
ユニバーサル・シリアル・バス、略称でUSBと呼ばれているシリアスバス規格ですが、マウスやキーボードその他様々な外部周辺機器を接続する事が出来るコネクターとして、USB1.0が登場した1996年から長期間使われてきました。
USB1.0から3.0までは差込口に裏と表の指定があるType-AやType-B、miniやmicroなどが主に使われて、正しい方向以外には接続できない構造となっておりましたが、転送速度が違う事以外は全ての規格で上位・下位共に互換性がありました。
ところが、2013年8月にUSB 3.1規格が策定されると、コネクターの上下方向に向きの指定が無い「USB Type-C」となる規格が登場し、USB3.0を巻き込んで規格がカオス状態となってしまいます。
とりあえず、USBの規格をおさらい!
- USB 1.0 | 半二重 12 Mbps(1.5MB/s) | 1996年1月発表
- USB 1.1 | 半二重 12 Mbps(1.5Mb/s) | 1998年9月発表
- USB 2.0 | 半二重 480 Mbps(60MB/s) | 2000年4月発表
- USB 3.2 Gen 1(USB 3.1 Gen 1)(USB3.0) | 全二重 5Gbps(625MB/s) | 2008年11月発表
- USB 3.2 Gen 2(USB 3.1 Gen 2) | 全二重 10 Gbps(1.25GB/s) | 2013年8月発表
- USB 3.2 Gen2×2 | 全二重 20 Gbps(2.5GB/s) | 2017年9月発表
- USB 4 | 全二重 40Gbps(5GB/s) | 2019年9月発表
現在までUSBが存在していた事によって受けた恩恵は大きいのですが、USB3.0以降の規格がカオスすぎて何が何だか・・。
USB Type-Cのケーブルだとしても、3.2なのか3.1なのかGen1なのかGen2なのか呼び方が乱立しているので、USB Type-Cケーブルを買うにしても「どれだっけ?」ってなってしまいがちですが、転送速度500MB/s以上が必要な機器を繋ぐ時以外は特に困らないとは思われます。
私の場合は、転送速度1050MB/sのSSDを接続する都合で家電量販店でしばらく悩んでおりましたが、USB Type-Cで、転送速度500MB/s以上が必要な機器を接続する時はUSB 3.1・USB 3.2共にGen2で覚えておけば大丈夫・・だと思いますw
USBに関してはGen(Generation)の使い方を間違えているような気がする・・。
ちなみにType-AからType-Cに変換するUSBケーブルは互換性があるので、USB1.0だろうが2.0だろうが規格に準拠している機器なら何に接続しても使える事は使えます。
USB3.2 Gen2・・3.1 Gen2・・? 接続高速SSDの転送速度をテストしてみました。
USB Type-Cの向きを入れ替えてSSDの転送速度に影響があるのかテストしてみました。
使用したSSDは、Delkin Juggler Cinema SSD 1TBです。シーケンシャルリードで1050MB/sの高速読み込みが可能なSSDなので、USB Type-Cの表と裏を入れ替えただけで影響があるならCrystal Disk Markでも数字に表れるはずです。
速度測定 1回目
終わる前にスクショしてしまいましたが、USB 3.2 gen2のType-C to Type-C接続で、ほぼDelkin Juggler Cinema SSD 1TBのメーカー公表値と同じ速度が出ています。
2回目 USB Type-Cケーブルの向きを片側だけ変えて測定
少しでも違いがあったら面白かったのですが、ケーブルの表と裏を入れ替えただけではほとんど変化がありませんでした。
以前SSDの速度が異常低下した時の原因が特定できれば良かったのですが、USB Type-C同士では関係無かった模様。
USB Type-AからType-Cに変換して測定1回目
結果が面白くなかったのでUSB Type-A接続の3.2 Gen1からType-C接続の3.2 Gen2なら影響があるのかテストしてみました。
シーケンシャルリード・ライト共に大幅に速度を落としていますが、ランダムリードに関してはそこまで大きな変化が見られません。
2回目 ケーブルの表と裏を入れ替えて測定
もうちょっと面白い結果が出るのを期待していたのですが、PCIexpressの拡張ボードでUSB3.1 Gen1(USB 3.0)接続をしているので、転送速度が頭打ちになっていただけの模様。
ランダムリードに関してはUSB3.1 Gen1・Gen2共に大差が無いのは新たな発見でした。
まとめ
今回のテストではUSB Type-Cケーブルの表と裏を入れ替えても特に影響は無かったのがわかりましたが、USB Type-Cには電力用の「VCONN」と信号線「CC1」または「CC2」が裏と表で一致していない箇所があるので、裏表を判別できないような機器やケーブルでは何かしらの影響があるのかもしれません。
裏と表で速度に違いが出るというのは、USB3.0以上の規格とUSB Type-Cの規格に準拠していない安価な製品を購入した場合には起こる事だったのかもしれませんが、規格上は差が出るという事は無いのではないかと思われます。
アイキャッチ画像 写真AC@小太郎wanさん
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