宮城県沖地震や東日本大震災などの幾多の大地震にも耐え抜いた落ちそうで落ちない巨石がある事から受験の神様として有名になり、全国から合格祈願を願う参拝者が訪れるようになった、宮城県石巻市北上町にある釣石神社へ初詣に行って参りました。
記事内の目次
釣石神社の由緒
釣石神社が鎮座する宮城県石巻市北上町は、北上川河口付近から太平洋沿岸部に位置する自治体で、2005年の市町村合併以前の住所は宮城県桃生郡北上町となっていました。
奥地の国有林鷹ノ巣山のうち産土沢と称する山上から、現在地に遷宮したのは元和4年(1618年)の事で、400年以上前にはこの地にあったと伝えられており、御社殿に昇る石段の左側斜面に今にも落ちそうに見える周囲14mの巨石がある事から「釣山」から「釣石」へ改められたのは明治時代の事になるそうです。
釣石神社のご祭神
釣石神社のご祭神は、天児屋命(あめのこやねのみこと)となっております。
太陽神である天照大御神が隠れ、世界が暗闇に包まれたとされる岩戸隠れの伝説では、岩戸の前で祝詞を唱え、天照大御神が岩戸を少し開いたときに布刀玉命とともに鏡を差し出したのが天児屋命であると「古事記」や「日本書紀」に記されております。
この伝説から祝詞、言霊の神と評される一方で、中臣鎌足を代表とする中臣連の祖とされており、以後日本の歴史における最大氏族として栄えた「藤原氏」の栄華にあやかって、出世を司る神と崇められています。
また天児屋命は、国家安泰・学業成就・出世開運・諸願成就・受験・入試合格・歌唱力上達にご利益があると言われておりますが、釣石神社では、合格祈願・家内安全・身体健康・夫婦円満・子授け・長寿・交通安全にご利益があります。
釣石神社の再建された鳥居
釣石神社には元々石鳥居があったのですが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波により社務所と共に流失し、震災以降は仮の鳥居が建てられていましたが、2024年には13年ぶりに新しい鳥居が再建されて、訪れる参拝者を出迎えてくれていました。
2023年の初詣では、石段前から鳥居付近まで参拝客が長い列を作っていましたが、2025年は参拝者が少なかった正午過ぎぐらいに訪れていたため、特に規制などは行われていませんでした。
また初詣期間中の正月三が日は、境内に飲食物を販売している屋台や出店が立ち並びます。
長い石段と落ちそうで落ちない巨石
御社殿に向かう長い石段の左斜面には、受験の神様として有名になった周囲14メートルの巨石である男石、またその下には女の神様とされる8メートル×4メートルの女石が横たわっています。
石段の幅が狭く見た目通りに急なので、初詣の際は参拝者の安全を考慮して約20名ずつ174段の石段を昇るように警察が待機しておりますが、受験を控えた若い学生とその家族が多かったので、割とスムーズに階段を上っている様子でした。
石段の途中には東日本大震災時の津波浸水高の表示がありますが、釣石神社の近くを通る北上大橋を渡ってすぐの場所に、74名の幼い命が奪われてしまった石巻市立大川小学校もあります。
周囲14mの落ちそうで落ちない巨大な男石
崖の中腹から突き出た「男石」と呼ばれる巨石の周囲は14メートルで、しめ縄で巨石を釣っているように見える姿から「釣山」から現在の「釣石」に改められました。
最大震度7の巨大地震と大津波で多くの尊い命を奪った2011年3月11日の東日本大震災や、最大震度5を記録した1978年の宮城県地震などに代表される度々宮城県内を襲った大地震でも巨石が落ちた事は一度も無く、今にも落ちそうで落ちない姿の評判と口コミが広がって、高校や大学などへの受験を控えた受験生が訪れる「受験の神様・合格の神様」として崇められるようになりました。
石段を登った先にある釣石神社の御社殿
男石がある179段の急な石段を昇った後も斜面と石段の参道が少し続きますが、その先にあるのが天児屋命(あめのこやねのみこと)を祀る御社殿です。
天児屋命は日本神話に登場する神様で、天照大御神が岩戸に隠れた際に、岩戸の前で祝詞を唱え、天照大御神が岩戸を少し開いたときに布刀玉命とともに鏡を差し出したとされる神様です。
そのため、祝詞や言霊の神と評される一方で、中臣氏の祖神であることから、中臣鎌足を祖とする藤原氏の氏神として信仰されて、藤原氏の繁栄にあやかって「出世の神」としても信仰を集めるようになりました。
釣石神社の参拝方法
釣石神社の参拝方法は、神さまに捧げる真心のしるしとして賽銭箱にお賽銭を入れた後に、二拝二拍手一拝(二礼二拍手一礼)の作法で拝礼し、会釈をしてから退きます。
御社殿の側にはお守りやおみくじなどの授与品を授かる事が出来る授与所もあります。
是非立ち寄って欲しい落ちそうで落ちない山盛りの店
釣石神社の敷地内に店を構え、落ちそうで落ちない山盛りの店として有名になった、「から揚げ こっこ屋」もオススメです。
溢れそうなほどのボリュームだけではなく、ニンニクの効いた少しスパイシーな風味が衣の奥まで染み込んでいてとても美味しかったです。
釣石神社への参拝や石巻地域への観光で訪れた際は是非立ち寄って見て欲しい、釣石神社名物のグルメスポットにもなっております。
釣石神社 所在地・交通アクセス・駐車場情報
場所 | 〒986-0201 宮城県石巻市北上町十三浜菖蒲田305 |
駐車場 | 無料/境内駐車場 初詣期間中は、釣石橋西側に臨時駐車場あり |
交通アクセス | 三陸自動車道 河北I.Cから車で約19分 |
関連ウェブサイト | 釣石神社 |
正月三が日は釣石神社の社務所周辺にある駐車場の他に、北上川沿いの空き地に広い臨時駐車場が設けられます。
混雑が見込まれる時期には、警備員が誘導をして駐車場所を指定してくれるので、現地に車で訪れた際は案内に従って進むようにして下さい。
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