秋田県仙北市の田沢湖は深い青色をした湖水が神秘的な湖で、最大水深は日本一となる423.4mを誇り、世界でも17番目に深い湖と認定されています。観光地としても人気が高く「たつ子像」や「御座石神社」など周辺地域には数多くの観光スポットが点在しています。
記事内の目次
青い湖面が美しい日本一の水深を誇る田沢湖
日本のバイカル湖とも呼ばれる田沢湖とは?
秋田県仙北市にある田沢湖は直径6kmの円形をした湖沼で、外周は約20kmにも達し、最大深度においては日本一の深さとなる423.4mを誇ります。湖水の色は透明度が高く濃い青色や翡翠色などにも変化する事から、世界遺産にも登録されたロシアのバイカル湖(Lake Baikal)に準えて「日本のバイカル湖」と呼ばれる事もある程の神秘的な美しさを誇る湖です。
かつては、日本で唯一となるクニマスの生息地として知られていた田沢湖ですが、玉川に流れる強酸性水を田沢湖に排水して弱酸化させる事業によって、全国トップクラスの透明度を誇る田沢湖の水質は急激に悪化して、生息していたクニマスなどの水生生物を絶滅させてしまいました。
その後は湖水の酸性化による下流の農業用水への被害も深刻になり、玉川温泉の水質を中性化する施設を平成元年に稼働させ、次第に田沢湖の湖水も中和され始めているようです。
環境省のレッドリストでも絶滅に指定されていたクニマスは、京都大学研究チームの調査によって2010年に山梨県の西湖で発見され、現在は環境省レッドリストでも野生絶滅に指定変更となり、今後は田沢湖の水質改善と共にクニマスを戻すプロジェクトも進行しているとの事ですので、無事にクニマスが田沢湖に戻されるようになれば良いですね。
田沢湖のシンボルにもなっている たつこ像と辰子伝説
田沢湖のシンボル的存在となっているたつこ像は、濃い青色の湖面に映える金色の姿で設置されている女性像で、このモデルとなった悲しい伝説でもある辰子伝説がこの地に言い伝えられています。
湖のほとりにあった神成村に辰子と呼ばれる娘が暮らしていた。
辰子は類い希な美しい娘であったが、その美貌に自ら気付いた日を境に、いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたいと願うようになる。
辰子はその願いを胸に、村の背後の院内岳は大蔵観音に、百夜の願掛けをした。
必死の願いに観音が応え、山深い泉の在処を辰子に示した。そのお告げの通り泉の水を辰子は飲んだが、急に激しい喉の渇きを覚え、しかもいくら水を飲んでも渇きは激しくなるばかりであった。
狂奔する辰子の姿は、いつの間にか龍へと変化していった。自分の身に起こった報いを悟った辰子は、田沢湖に身を沈め、そこの主として暮らすようになった。
辰子の母は、山に入ったまま帰らない辰子の身を案じ、やがて湖の畔で辰子と対面を果たした。
辰子は変わらぬ姿で母を迎えたが、その実体は既に人ではなかった。
悲しむ母が、別れを告げる辰子を想って投げた松明が、水に入ると魚の姿をとった。
これが田沢湖のクニマスの始まりという。
引用:Wikipedia
たつこ像の側に鎮座する縁結びのパワースポット 浮木神社
たつこ像の側に鎮座している浮木神社(うきじんじゃ)にも言い伝えがあり、水面から2mほど顔を出した大木が斜めに水底深く沈んでいった事を神格化したとされる神社で、祀られているのは辰子伝説で知られている辰子姫。
また、八郎太郎が川伝いに田沢湖に入った場所であるとされる事から、恋愛などの縁結びにご利益があるパワースポットとして知られています。
美のパワースポット 御座石神社
田沢湖北側にある御座石神社(ござのいしじんじゃ)は、秋田藩主の佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際に腰をかけて休んだ石がある事から名付けられた神社で、こちらも竜神となった辰子姫が祀られているとの事で、美容や縁結びのご利益があると女性を中心に人気のパワースポットとなっています。
御座石神社の鳥居は湖面側となる河畔に設置されています。その隣には御座石があり、秋田藩主の佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際にそこで休んでいたと言い伝えられています。
辰子姫が鏡に使ったとされる辰子の鏡石
辰子の鏡石は、辰子姫が自分の姿を鏡のように映し出したとされる言い伝えが残されている石で、こちらも美容にご利益があるとされています。
ここに行くには険しい山道を200mほど登らなくてはいけないので、相当な覚悟が必要です。
鏡石まで通じる山道の途中にある願い橋は、ここに願い事を書く事によって願い事が叶うとされています。
鏡石まで登る自信が無ければ、先に進まずここで終わりにしても良いかもしれません・・。
鳴き砂として有名だった浜が1kmも続く白浜
約1Kmも浜が続く白浜は、かつて鳴き砂として有名な観光名所となっていましたが、道路工事などをきっかけに土砂が流入して次第に音が鳴らなくなってしまったそうです。
湖沿い浜辺を歩くとぬかるみもあり少々歩きにくいと思う場所もありましたが、浜辺越しに眺める湖面の鮮やかな色は絶景そのもので、眺めているだけでもバイカル湖と呼ばれる理由がわかるような美しさも感じられます。
星空の撮影や朝焼けの美しさも感じられるフォトスポットでもある田沢湖
田沢湖は街灯も少ないので、星の観察にもオススメの星空観賞スポットにもなります。
たつこ像周辺は街灯や自動販売機などの光が強いのでオススメはできませんが、他の光が弱い場所であれば満天の星空を楽しめます。
晴天時の田沢湖は朝焼けもとても美しく、朝靄のかかった湖面との相乗効果で幻想的な風景も楽しめます。
太陽が昇り始めると湖面の青さが増してきて、湖畔に生える木々と共にとても美しい景色を見る事ができます。
幻想的な湖面の青さが一番美しく見えるのは太陽が昇り切った正午頃になりそう。
田沢湖は車で外周を一周できるのですが、場所によっては駐車場が分かりにくいのが難点ではあると思います。 特にたつこ像周辺は観光用の駐車場らしきものが少なく、民間の有料駐車場となっている事があるので注意が必要。
田沢湖周辺は観光スポットが沢山あるのですが、外周一周の距離が20kmもあるので、ここ訪れる前に観光する順番とルートの確認をしておいた方が時間が無駄にならずに済むかもしれません。
抱返り渓谷の映像
秋田の風景 田沢湖・抱返り渓谷 田沢湖抱返り県立自然公園
田沢湖抱返り県立自然公園を構成する日本一の深さを誇る田沢湖やパステルブルーの水流が美しい抱返り渓谷の風景を撮影した映像です。
約6分30秒ほどの映像ですが、訪問する際の参考にご視聴いただければ幸いです。
田沢湖の所在地や交通アクセス情報
所在地 | 東北地方/秋田県仙北市田沢湖 |
時間 | 24時間 |
駐車場 | 無料(一部有料) |
交通アクセス | 田新幹線田沢湖駅より羽後交通バス田沢湖畔行15分 |
マップコード | 280 766 345*63(たつ子像) 280 888 824*72(御座石神社) 280 892 137*66(縄文の森 田沢湖) 280 834 693*76(白浜・たつこ観音) |
関連ウェブサイト | 仙北市ウェブサイト |
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