2019年8月1日に宮城県石巻市の中瀬付近で開催した第96回石巻川開き祭りからブルーインパルス特別展示飛行と約6000発の美しい花火を打ち上げた花火大会の様子・見どころのご紹介です。
記事内の目次
石巻川開き祭り花火大会
石巻川開き祭りの起源と歴史
北上川を改修して洪水から町を守り石巻港を築港した川村孫兵衛重吉扇に対する報恩感謝の祭りとして始められた「石巻川開きまつり」は、石巻の各地で開催していた「川施餓鬼」を統一して、1916年に第1回を開催しました。
祭りの他に花火大会や流灯なども行われましたが、翌年には開催日を8月の第一週日曜日と決めて、打ち上げ花火や仕掛け花火などが行われる花火大会と、ボートや水泳競争で構成する水上行事が行われるようになりました。
その後は米騒動や第二次世界大戦などで中断されていた「川開きまつり」を1946年に復活させ、その翌年には十数年ぶりに尺玉を打ち上げて宮城県を代表する大花火大会に成長する事になります。
1962年からは8月1日と2日に開催日を変更して後に7月晦日8月1日開催となり、2011年の3月11日に発生した東日本大震災後には花火大会の開催場所を開北橋付近から現在の旧北上川下流の中瀬に変更して縮小開催しています。
現在は、1日目に川村孫兵衛重吉扇への報恩祭や供養祭・東日本大震災供養祭など、地元にゆかりのある方々への祈りを捧げるお祭りなどが行われ、夜には約1時間15分の供養花火が打ち上げられます。
ブルーインパルス特別展示飛行
例年は8月1日13時過ぎ頃に行われているブルーインパルスの展示飛行ですが、2019年は17時30分からの特別展示飛行へと変更になりました。
ブルーインパルスの展示飛行は、飛行場上空で行うアクロバット飛行と市街地などで行う通過系のフライトの2種類の飛行方式があります。
石巻川開き祭りでは主に通過系の演目が花火大会開催場所上空で行われました。
大きなハートに矢が刺さるタイプのものは「バーティカル・キューピッド」と呼ばれる演目ですが、通過系で行われる演目は「オリジナル・レベル・キューピッド」と呼ばれる水平のハート模様に矢が刺さらないタイプのものです。
石巻川開き祭りの会場に現れたブルーインパルスは最初にこの演目を行いました。
市街地上空なので水平に8の字を描く演目も行われます。
私が撮影していた場所の真上が8の字の頂点になっていたので、旋回しているT-4練習機がすごくかっこ良かったですね!
2機が並んで会場上空を通過する演目も行われました。
今回2機のみでの展示飛行となったのは、エンジンの不具合で4月から展示飛行を中止し、先に改修の済んだ2機のみで2019年7月20日から展示飛行を再開している影響があるようです。
6機での展示飛行再開が待ち遠しいですね。
復興を願う鎮魂の花火大会
石巻川開き祭り花火大会は、石ノ森漫画館のある中瀬を中心に、右岸と左岸の2か所から観覧できます。
メイン会場となるのは有料席のある右岸になっていて、アナウンスやミュージックスターマインの音楽が流れるスピーカーが設置されていますが、サブ会場となる左岸は観覧場所のみでスピーカーが設置されていません。
19時30分にはカウントダウンのアナウンスと共に5か所から盛大に花火が打ち上げられるオープニングスターマインで開幕します。
花火の打ち上げ場所は大きく2か所に分けられていて、石ノ森漫画館のある上流側はローマンキャンドルなど小型煙火の打ち上げ場所となり、写真では左側の下流側は2.5号玉や3号玉があるスターマインや連発の花火を中心に打ち上げられます。
石巻川開き祭りでは、大曲全国花火競技大会や土浦全国花火大会などにも出場している、㈲若松煙火製造所・㈱佐藤煙火・㈱芳賀火工の宮城県内3業者が2日目の花火打ち上げを担当しています。
コンピューター制御で音楽と花火をシンクロさせるミュージックスターマインは10年前から徐々に主流となってきていましたが、宮城県内では打ち上げを行っている花火大会もまだまだ数が少なく、川開き祭りでは㈱芳賀火工によるイリュージョンスターマインが行われているのみでした。
2018年からは、㈱佐藤煙火・㈲若松煙火製造所によるミュージックスターマインも増えて、合計で3回行われるようになっています。
大スターマインや特大スターマイン・ジャンボスターマインなどの名称がありますが、花火の大きさではなく一基(一つのプログラム)での打上数量で変わるそうです。
どのプログラムも協賛金によって打ち上げが行われているので、協賛した企業に向けて常に感謝の気持ちを込めて盛大な拍手を送りたいですね!
総打上時間は1時間30分、約6000発・50のプログラムで行われた第96回石巻川開き祭りも残すところフィナーレスターマインのみとなりました。
フィナーレスターマインは、2011年の東日本大震災で石巻川開き祭りの開催が危ぶまれた時に、新潟県長岡市で行われている長岡まつりが提供した「震災復興祈願花火 ミニフェニックス」が初めて打ち上げられました。
長岡市は2004年の新潟県中越地震で大きな被害を受けて、翌年の長岡まつりでは打上幅1.6kmの震災復興祈願花火フェニックスが打ち上げられるようになり、大震災に負けずに頑張っている中越地方をはじめとする新潟県全体の大勢の人々を元気付けるシンボルとなったとの事です。
石巻川開き祭りのフィナーレでは長岡まつりのフェニックスと同様に、平原綾香さんのジュピターをBGMに、復興への祈りを捧げ、被害に逢われた方への慰霊の気持ちを込めて花火が打ち上げられます。
花火を観覧しに来た近所に住む方からお話を聞かせていただきましたが、震災当時は押し寄せる瓦礫から何とか難を逃れましたが、友人や知人などを亡くしてしまったとの事で、見開いたままの目を閉じて最後を見送ってあげたそうです。
震災から8年が経過した今でも鮮明に残る悲しい記憶を持っている方々が沢山いる事を知り、その方々にとっては特別な花火だったんだなと感じると、綺麗、凄いだけで花火を見ているだけではなく、慰霊や日頃の感謝の気持ちを込めながら花火を見ることも大切なのかもしれないと感じる部分もありました。
花火には沢山の人の気持ちが込められているという心を大切にしていきたいですね。自戒の意味も含めて。
石巻川開き祭りの動画
[4K]2019年 石巻川開き祭り花火大会 ミュージックスターマイン Ishinomaki Fireworks – Music Star mine
㈱佐藤煙火によるミュージックスターマインです。 このプログラムはコンピューター制御で音楽と花火をシンクロさせる打上花火で、supercellの君の知らない物語に合わせて花火が打ち上げられます。
[4K]2019年 石巻川開き祭り花火大会 イリュージョンスターマイン アラジン
㈱芳賀火工によるイリュージョンスターマインです。2019年6月7日に公開となった実写版アラジンでジャスミンとアラジンが魔法のじゅうたんで夜空を駆け巡るシーンに使われた曲「ホール・ニュー・ワールド(A Whole New World)」とアラジンとランプの魔人ジーニーが出会うシーンに使用した曲「フレンド・ライク・ミー(Friend Like Me)」の2曲でアラジンの世界観を音楽と花火で表現しています。
左岸観覧会場はスピーカーが設置されていないので、ラジオ音声を合成しています。
2019年8月1日に宮城県石巻市の中瀬付近で開催した第96回石巻川開き祭り花火大会の映像です。
花火の総打上時間は1時間30分、約6000発・51のプログラムで行われた石巻川開き祭りのオープニングからフィナーレまで左岸堤防上から撮影し、主要となるプログラムを抜粋して公開しました。
石巻川開きまつり 日程や交通アクセス情報
開催場所 | 東北地方|宮城県石巻市中瀬付近 |
開催日時 | 2019年8月1日 19:30~21:00(花火大会) |
花火打ち上げ数 | 6,000発 |
担当煙火店 | ㈱芳賀火工・㈱佐藤煙火・㈲若松煙火製造所 |
観覧場所 | 旧北上川下流 防潮堤付近両岸 |
駐車場 | 無料:石巻市民会館・イオン石巻ショッピングセンター・石巻リバーサイドホテル跡地 他、石巻駅周辺有料駐車場 |
交通アクセス | 三陸自動車道 石巻河南ICから車で10分 JR石巻駅から徒歩14分 |
マップコード | 105 052 201*58 |
関連ウェブサイト | 石巻川開き祭り 公式ホームページ |
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