2027年末までに、一般の住宅で主力だった照明用の蛍光灯の製造と輸出入が禁止されます。既に照明器具ごと交換をしているお宅もあると思いますが、従来の蛍光ランプの器具をそのままにLEDランプに交換をする方法と注意点をご紹介していきます!
記事内の目次
従来の蛍光灯が2027年までに製造中止になる問題
一般家庭やオフィスで主力だった一般照明用の蛍光灯(蛍光ランプ)は、2027年末までに製造と輸出入が禁止となります。
令和5年10月30日(月曜日)から11月3日(金曜日)まで、スイス・ジュネーブにおいて開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」で、水銀添加製品の規制の見直し、規制の対象となる水銀汚染廃棄物のしきい値等に関する議論が行われ、蛍光ランプの製造等をその種類に応じ2027年末までに禁止することになりました。
蛍光灯に使われている微量の水銀が飛散したとしても、人体への影響は少ないとされていますが、水俣病の原因となった水銀を包括的に規制する法案の中で、水銀を使用したボタン型電池と共に従来の蛍光灯も製造が出来なくなります。
製造が中止になったとしても、在庫が残っている限りは2027年以降も蛍光灯自体は販売されている可能性もありますが、いつかはLED照明などに変更をしなくてはいけない時期が来るかもしれません。
既にLEDを使用した照明器具に交換をしているご家庭もあると思いますが、電気工事の費用をかけたくない、自分で交換をして安く済ませたいという方に、蛍光灯の交換と同じ要領でLEDランプに交換をする方法をご紹介していきます!
蛍光灯をLEDに交換して発煙・火災が発生する原因とは?
従来の蛍光灯の点灯方式は、主にグロースタート方式点灯回路、ラピッドスタート方式点灯回路、インバーター方式点灯回路の3つに分けられます。
蛍光灯の場合は、間違えて交換をしても点灯しない・・で済むかもしれませんが、蛍光灯型LEDランプの場合は、本来は蛍光管内のフィラメントを予熱するために高電圧をかけていた過程で、LEDランプに高電圧がかかり、それが原因で発火や発煙に至る事もあります。
簡単に交換が可能な分、点灯方式を間違えてしまうと、火災の原因になってしまう事もあるので、現在の点灯方式が交換予定のLEDランプに対応をしているかを事前に調べておく必要があります。
それぞれの方式は、蛍光灯か安定器に記載されている形式で分かります。
- グロースターター形→FLで始まる
- ラピッドスタート形→FLRで始まる
- インバーター形→FHFで始まる
ただし、蛍光管がFLなのに、実はインバーター方式だったという事もあるので、グロー球が無いFL型蛍光灯などの特殊な例は、直結工事や器具の交換が必要になる場合があります。
分からない場合や自信が無い場合は、自身で交換をせず、電気店などで相談をする事をオススメします。
簡単なグロースタート方式をLED化する方法
一番手っ取り早くて簡単なのが、グロースタート方式で、蛍光灯が点灯する前にパチパチとグロー球が点滅するタイプの点灯方式です。
元々取り付けられていた点灯管(グロー球)を、LEDランプに付属する専用ダミー球に交換をするだけですが、ねじ込み式のE形口金と反時計回りにひねってロックを外すP形口金があります。
グロースタート式LEDランプに交換する時は、E形とP形口金のグロー球の違いについてもご注意ください。
上の写真のグロー球はE型口金です。
今回交換をするグロースターター方式用直管型LEDランプは、アイリスオーヤマのLDG20T・D・7/10V2です。
全光束1000lmで、消費電力は1本あたりわずか6.7Wの省電力化も可能なLEDランプです。
実際には安定器をバイパス工事するタイプじゃないと、消費電力が変わらない説もありますが・・。
全ての点灯管をLED管付属のダミー球に交換をして、蛍光灯の交換の要領で直管形LEDランプを全て取り付けていきます。
全周にわたって点灯をする蛍光灯と違って、LEDの場合は指向性があるため、取り付ける向きがある事にも注意が必要で、アイリスオーヤマのLEDランプの場合は、形式などの文字が書かれている箇所が下向きにならないと、部屋の中を正しく照らしてくれません。
取付が終わったら、ランプのカバーを取り付ける前に、点灯チェックを行います。
すぐに点灯しない場合は、取り付け方法を間違えているか、スターター方式を間違えて取り付けている場合もあるので、すぐに消灯をしてミスが無いかをチェックをしておきましょう。
チェックをして問題が無くて点灯しない場合や、問題があって修繕後にも点灯しない場合は、そのまま放置をせずに、LEDランプとグロー球を取り外して、問題個所に電力が供給されない状態にしておく必要があります。
これも火災の原因になると思うので、万が一に備えての対応ですね。
蛍光灯をLEDランプに交換した後の光り方
横方向への光りの広がり方は、蛍光灯よりも弱く感じられますが、同じサイズの20W形蛍光灯で比較すると1.3倍から1.5倍ぐらい明るく感じます。
1本ぐらい外しちゃっても良いかもと思うぐらい、明るさの違いに気付くかと思いますよ!
天井には光りムラが発生していますが、部屋全体ではムラなく床や壁まで明るく照らしていました!
2027年末までに製造と輸出入が禁止される蛍光灯から交換の際に、交換工賃をかけたくないご家庭などは、蛍光灯形LEDランプに交換をしてみてはいかがでしょうか。
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