宮城県宮城郡松島町にある円通院では、秋になると庭園の紅葉を幻想的に照らし出すライトアップイベントが開催されます。日本三景・松島を代表する秋の観光イベントとして知られ、色鮮やかなモミジや石庭、鏡のような水面に紅葉が映り込む心字の池など、美しい夜の日本庭園を楽しめるのが魅力です。今回は、円通院庭園の紅葉ライトアップの見どころを、現地で撮影した写真や4K動画と共にご紹介します。
紅葉ライトアップが行われる円通院とは?
宮城県宮城郡松島町にある円通院は、京都の妙心寺を本山とする臨済宗妙心寺派の寺院で、仙台藩初代藩主・伊達政宗公の孫にあたる伊達光宗公の菩提寺として知られています。
光宗公は仙台藩二代藩主・伊達忠宗公の次男として生まれましたが、1645年(正保2年)に19歳という若さで亡くなりました。その死を悼み、1647年(正保4年)に光宗公の霊廟である三慧殿が建立され、円通院が開山されました。
国の重要文化財に指定されている三慧殿には、慶長遣欧使節としてヨーロッパへ渡った支倉常長が伝えたとされる西洋文化の影響が見られ、内部の厨子にはローマを象徴するバラやフィレンツェを象徴する水仙などが描かれています。日本の伝統的な霊廟建築に西洋の意匠が取り入れられていることも、円通院の歴史的な見どころの一つです。
こうした西洋バラの装飾にちなみ、境内には色とりどりのバラが植えられ、円通院は別名「バラ寺」としても親しまれるようになりました。初夏にはバラの花々が庭園を彩り、秋にはモミジやカエデなどの木々が赤や黄色に色づくなど、四季折々の自然を楽しむことができます。
特に秋の紅葉ライトアップは全国から観光客が訪れる人気イベントで、昼間とは異なる幻想的な景色が広がります。2019年も10月26日から11月17日まで開催され、円通院庭園を中心に、瑞巌寺参道や観瀾亭など、松島の歴史ある観光名所が美しい光に包まれます。
石庭「雲外天地の庭」
円通院の山門をくぐって左手に見える「雲外天地の庭」は、水を使わずに自然の山水風景を表現する枯山水の石庭です。白砂で松島湾を、岩で周囲の島々を表現しており、「天の庭」と「地の庭」を結ぶ天水橋など、松島の自然と仏教の世界観を取り入れた庭園となっています。
紅葉の季節には、白砂や石組、緑の苔と色鮮やかな木々が美しいコントラストを描き、夜にはライトアップによって日本庭園ならではの繊細な景観が浮かび上がります。
山門から近い場所にあるため、庭園に入って間もなく幻想的な紅葉の風景を楽しめるのも魅力です。ライトアップされた木々の鮮やかな色彩に足を止め、写真を撮影する拝観者も多く、円通院庭園の中でも特に人気のある撮影スポットとなっていました。
三慧殿へ向かう石畳の歩道も美しくライトアップ
円通院の紅葉ライトアップでは、庭園の木々だけでなく、境内を巡る石畳の参道も美しく照らし出されます。歩道の両脇に並べられた灯籠の柔らかな明かりが周囲の木々や石畳を照らし、静かな境内に幻想的な雰囲気を生み出しています。
この石畳の道を進み、奥にある階段を上ると、伊達光宗公の霊廟である三慧殿へとたどり着きます。華やかな紅葉だけでなく、歴史ある寺院の落ち着いた佇まいを感じながら散策できるのも、円通院ならではの魅力です。
鏡のように幻想的に紅葉を映し出す心字の池
円通院の紅葉ライトアップで特に印象的なのが、本堂前の「遠州の庭」にある心字の池です。遠州の庭は、江戸時代の著名な作庭家・小堀遠州が手がけた庭園を移設したと伝えられる池泉式庭園で、池の周囲にはモミジやツツジなどが植えられています。
秋の夜には、ライトアップされた赤や黄色の紅葉が水面に鏡のように映り込み、上下対称に広がる幻想的な風景を楽しむことができます。見る位置や角度によって映り込む木々の形や色彩が変わるため、同じ池でもさまざまな美しい景色に出会えるのが特徴です。
特に、風が弱く水面が穏やかな日には、紅葉の映り込みがより鮮明になり、まるで水中にも庭園が広がっているかのような光景が現れます。反対に、風が強い日は水面に波紋が生じて映り込みが崩れてしまうため、心字の池の美しい紅葉を写真に収めたい場合は、できるだけ風の弱い日を選ぶと良いでしょう。
円通院には、このほかにも西洋風の庭園や苔に囲まれた自然庭園など、趣の異なる庭園があり、散策しながらさまざまな景観を鑑賞できます。石庭の白砂、苔の緑、鮮やかな紅葉、柔らかな照明が調和した空間は、松島の秋を感じられる魅力的な観光スポットです。
また、紅葉ライトアップの開催期間中は、境内でさまざまなアーティストによる音楽の生演奏も行われます。美しい紅葉を眺めながら心地よい音色に耳を傾け、ゆっくりと夜の日本庭園を楽しんでみてはいかがでしょうか。
注意事項
円通院の紅葉ライトアップでは、拝観者の安全確保と通行の妨げを防ぐため、境内での撮影時に一脚・三脚・自撮り棒・ドローンなどの撮影補助機材を使用することは禁止されていますので、ご注意ください。
夜間の紅葉ライトアップを撮影したい方に向けて、三脚を使わずに綺麗な写真を撮影するための設定を少しご紹介します。
カメラをマニュアルモードに設定し、手持ち撮影でもブレにくいシャッタースピードを確保したうえで、絞りやISO感度を調整するのが基本です。周囲が暗いためISO感度を上げる必要がありますが、明るいレンズを使用すれば、手持ちでも十分に撮影を楽しむことができます。
この記事に掲載している写真は、ホワイトバランス約4000K、ISO3200、F2.8、シャッタースピード1/40秒を基本に撮影しています。手ブレ補正機能を備えたカメラやレンズであれば、撮影条件によってはさらにシャッタースピードを遅くすることも可能ですが、手ブレや木々の揺れによる被写体ブレには注意が必要です。
ISO感度を高くすると高感度ノイズが目立ちやすくなりますが、撮影後のノイズリダクションによってある程度軽減できます。ただし、処理を強くかけすぎると紅葉の葉や枝などの細かな質感まで失われる場合があるため、仕上がりを確認しながら調整すると良いでしょう。
スマートフォンでも、機種によってはマニュアル撮影や夜景撮影モードを利用できます。カメラの性能や撮影環境に合わせて設定を工夫すれば、三脚が使用できない場所でも幻想的な紅葉の写真を残すことができます。
撮影の際は周囲の拝観者の通行を妨げないよう配慮し、その他の注意事項についても円通院の公式ホームページをご確認ください。
円通院庭園紅葉ライトアップの映像
[4K]松島・円通院庭園 紅葉ライトアップ
こちらは2017年に撮影した、宮城県松島町・円通院庭園の紅葉ライトアップを収録した4K動画です。
庭園内の順路に沿って撮影しているため、入り口付近の石庭から歴史ある境内の散策路、心字の池に映り込む幻想的な紅葉まで、円通院の夜の風景を映像で楽しんでいただけます。
撮影はすべて手持ちで行い、編集時に強めの手ブレ補正を適用しています。ライトアップされた木々の鮮やかな色彩や、日本庭園ならではの美しい景観を、写真とはまた違った4K映像でご覧ください。
円通院 場所・時間・料金情報
| 所在地 | 東北地方|宮城県宮城郡松島町松島字町内67 |
| 開催日時 | 2019年10月26日(土)~11月17日(日) 毎日17:30~21:00(最終受付20:45) |
| 料金 | 円通院夜間拝観料 平日:一般500円、小中学生200円、未就学児無料 土日祝:一般800円、小中学生200円、未就学児無料 |
| 駐車場 | 松島公園駐車場および近隣のコインパーキングを利用 |
| 交通アクセス | JR仙石線 松島海岸駅から徒歩約7分 三陸自動車道 松島海岸ICから車で約5分 |
| マップコード | 110 442 166*44 |
| 公式ホームページ | 円通院ホームページ |
※本記事の開催日時・拝観料金などは2019年当時の情報です。今後の開催情報や注意事項については、公式ホームページ等でご確認ください。
また、本記事に掲載している写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。











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