USB 3.0や3.1 gen1、3.2 Gen2などの様々な規格が策定されていますが、市販されているUSBケーブルの中にはUSB 10Gbpsと互換性があったり、Type-CでもUSB2.0と同等の速度しか出ない時もあります。
注意するべきケーブルの種類や規格などをまとめてみましたので、是非ケーブル購入時の参考にしていただければ幸いです。
記事内の目次
転送速度が遅いUSBケーブルにご注意
家電量販店やパソコン専門ショップ、雑貨屋さんなどの店舗でもUSBケーブルが販売されていますが、コネクター形状だけ合っていて、データの転送に必要な速度が出なかったり、高速充電規格に対応をしていないケーブルが販売されているのをよく見かけます。
Type-CのUSBケーブルで高速データ通信がしたいにも拘わらず、実際に販売されているのはUSB 2.0同等のケーブルしか無かった店舗もありますが、スマホの充電をしたいだけのユーザー向けに、安価なケーブルを販売しているのが事情なのだそうです。
USB 2.0のType-Cって規格違反じゃないの?って思ったけど、Type-Cの規格違反は変換ケーブルかマグネット式ぐらいのもんで、低速である事自体は問題ではないらしいです。
たしかに、高速データ通信が可能なUSBケーブルが必要な方って、PCユーザーかカメラ界隈ぐらいのものなので、需要だけで見れば低価格で速度が遅いケーブルでも充分ですもんね。
USB 2.0じゃなければ、ほとんどの場合は下位互換性がありますが、世の中には上位互換性があるケーブルも存在しているので、実際の転送速度を測定してどのケーブルが正確な速度を出せるのか測定をしてみました。
規格違いのケーブルで実測した転送速度の違い
最近はコネクター部やポートにSSシンボルを刻印して、USBケーブルの規格の違いが一目で分かるようにはなってきていますが、USB-IFが推奨しているだけで、実際には何も刻印がされていないまま販売が行われている場合もあります。
最も分からなくなってしまうのは、ケーブル自体が持つ給電応力で、20Wなのか60Wなのか100Wなのか見た目では判断できません。
どうすれば良いかと言ったら、古いケーブルは捨ててしまって、Type-CであればUSB4の240Wに統一、Type-A to Cであれば3.2 Gen2にするのが手っ取り早いです。
だけど、使える物は使っておきたいという方もいると思うので、PC側USB3.2 Gen2端子と外付けNVMeを手持ちのUSBケーブルで接続して、実際の転送速度を測定してみました。
USB 3.0 Type-A to Type-Cケーブルの転送速度
SSマークが刻印されているUSB 3.0のType-A to Type-Cケーブルで実際の転送速度を測定しました。
USB3.0 SuperSpeedの規格上では5Gbpsで頭打ちになるはずなのですが、実際の転送速度はUSB3.2 Gen2のSuperSpeedPlus同等の10Gbps対応のケーブルになっていました。
転送速度の高速化で、定期的にケーブルの整理をしなければいけない時期というのは必ず訪れるものですが、上位互換性があるというのは非常に有難いものです。
手持ちのUSB3.0とUSB Type-A to Type-Cケーブルは全てSuperSpeed Plusの転送速度10Gbpsに対応をしていたので、シンボルは違くても実際にはSS10と同じ速度で動くという結果になりました。
USB 3.2 Gen2 Type-A to Type-Cケーブルの転送速度
SS10シンボルが刻印されているUSB3.2 Gen2のType-A to Type-Cケーブルで実際の転送速度を測定。
規格上は、実効速度500MB/sになるはずの、USB 3.0 5Gbpsケーブルです。
多少は誤差がありますが、USB3.2 Gen2の規格通り付近の1065MB/Sの転送速度が出ていいました。
シーケンシャルリードのSEQ1MQ1T1の速度がUSB3.0ケーブルの時よりも100MB/s以上速くなっていますが、SSD本体が発熱した影響による誤差だと思われます。
USB 3.2 Gen2 SS10 両側Type-Cケーブルの転送速度
SuperSpeedPlusの転送速度10Gbpsを示すSS10の刻印がされたUSB3.2 Gen2 Type-Cケーブルの転送速度は、規格通りの速度が出ています。
PD(Power Delivery)に対応している事以外は、USB3.2 Gen2 Type-Aケーブルと大きな速度違いは見られません。
USB 3.2 Gen1(3.0) 両側Type-Cケーブルの転送速度は違う
Type-A to Type-Cケーブル同様の結果になると思っていた、SSシンボルが刻印されたUSB 3.2 Gen1(3.0) の両側Type-Cケーブルのみ結果が違いました。
シーケンシャルリード1MQ8T1では、SS10とSS5のどちらの規格には無い768MB/sで頭打ちになり、何度測定をしても750MB/s前後の転送速度が最大となっていました。
本来であればUSB3.0 Type-A to Type-Cケーブルも本来はこの速度で頭打ちになってもおかしくないようなものですが、USB 3.2 Gen1 Type-CケーブルのみSS10シンボルの10Gbpsに対応していなかったという事になります。
ケーブルや端子の品質でどの程度マージンを持たせているかが速度差として現れたのだと思いますが、転送速度5Gbpsのケーブルが転送速度10Gbpsに必ず対応をしているとは限らないようです。
超曲者のゴミ USB 2.0のType-Cケーブル
USB 3 Aと書かれていて、USBケーブルの3アンペアwという意味だと気付かず間違えて買ってしまった、USB 2.0のType-Cケーブルは規格通りの480Mbpsでした。
高速充電ケーブルのType-Cはだいたいこれなので、説明欄に書いてある「【高速充電・データ転送】:Quick Charge 3.0の急速充電と最大480Mbpsの高速同期を実現出来ます。」を見落とさないようにして下さいね。
急速充電が可能な点では「ゴミ」というのは言い過ぎかもしれませんが、データのコピーが必要な時にこのケーブルがあると、案外邪魔になります。
イ〇ンモールにある雑貨屋さんでは、USB Type-Cの高速転送も急速充電も出来ないケーブルも販売している事もあるので、主にこの記事はそちらの層向けの注意喚起のつもりです。
USB 2.0 Type-Cを売るな、購入品の付属品として付けるな、レビューでプレゼント・・、もうやめてくれ・・。
PDで送れる電力も変わる
ケーブルに刻印された小さなSSシンボルでしか判別できないので、USB3.2 Gen2以上のポートが搭載されたPCを所有している場合は、間違い防止のために転送速度が遅いケーブルを処分をしてしまう事も考えた方が良いのでしょう。
また、ケーブルの品質によってはPD(Power Delivery)で送る事が出来る最大電力も変わってくると思うので、大きな給電能力を必要としている機器を所有しているのであれば、万が一に備えてそれ以上の性能を持つケーブルに統一して廃棄処分をしてしまう方が良いのかもしれません。
この記事へのコメントはありません。