Adobe PhotoshopやLightroom Classicで使える画像編集プラグイン「Nik Collection 2018 by DxO」を導入しました。HDR Efex Pro 2によるドラマチックな風景写真の仕上げや、Color Efex Pro 4を使った色調補正、Dfine 2によるノイズ除去など、写真レタッチに役立つ機能がそろっています。今回は、実際に撮影した写真を使いながら、Nik Collection 2018のインストール方法やLightroom ClassicでのHDR Efex Pro 2の使い方、編集前後の違いを紹介します。
Adobe Lightroom Classic版 HDR Efex Pro 2
雲の陰影や太陽の光がくっきりと表現された白石川堤一目千本桜の写真は、Adobe Lightroom Classic CCで現像した1枚のRAW写真を、Nik CollectionのHDR Efex Pro 2で編集したものです。露出の異なる複数の写真を合成したわけではありませんが、HDR風の階調表現によって、空や桜のディテールを印象的に仕上げています。
Lightroom Classic CCにも複数枚の写真を統合するHDR合成機能がありますが、HDR Efex Pro 2は1枚の写真にもトーンマッピングや階調調整を適用できます。ただし、1枚の写真から新たな明暗の情報が生まれるわけではないため、白飛びや黒つぶれで失われたディテールを必ず復元できるものではありません。
まずは、HDR Efex Pro 2で編集する前の写真をご覧ください。
元の写真は露出をやや抑えて撮影したため、全体的に暗く、桜や周囲の風景も落ち着いた印象です。RAW現像だけでも明るさやコントラストは調整できますが、HDR Efex Pro 2を使えば、プリセットを選ぶだけでも雲の立体感や光の広がりを強調した、海外の風景写真のようなドラマチックな仕上がりを試せます。
逆光による白飛びを避けるために暗めに撮影した風景写真も、ハイライトを抑えながらシャドーを持ち上げることで、明るい部分と暗い部分のバランスを整えられます。撮影データに階調が残っていれば、白石川堤一目千本桜の美しい景色を、より立体感のある写真に仕上げることができます。
一方、明暗差の小さい写真に強いHDR効果を適用すると、コントラストが不自然になったり、のっぺりとした質感になったりすることがあります。自然な仕上がりを目指す場合は、効果をかけすぎないことも大切です。
Nik Collection 2018 by DxOのダウンロードとインストール方法
Nik Collectionは、もともとNik Softwareが開発・販売していた写真編集プラグイン集です。2012年にGoogleがNik Softwareを買収し、その後は有料で提供されていましたが、2016年3月に「Google Nik Collection」として無料化されました。PhotoshopやLightroomで色調補正、モノクロ変換、シャープネス調整などを行えることから、多くの写真愛好家に利用されていました。
2017年5月にGoogleが開発・サポートの終了を発表した後、同年10月にDxO LabsがNik Collectionの資産を取得し、開発を引き継ぐことになりました。そして2018年6月6日、互換性などを見直した有料版「Nik Collection 2018 by DxO」が発売されました。
記事執筆時点では、Nik Collectionのダウンロードと購入はDxOの公式サイトから行うことができます。
Nik Collection 2018 by DxOの入手先は、こちらの公式ホームページです。URL→https://nikcollection.dxo.com/ja/
購入前に操作感を確かめたい場合は、当時提供されていた30日間の無料トライアルを利用できます。試用版でも製品の機能を確認できるので、HDR写真の編集や各種フィルターの使い勝手を試してから購入を判断するとよいでしょう。
「Email address」の欄に自分のメールアドレスを入力し、[SUBMIT]をクリックします。
ページの下部にはMacとWindowsそれぞれのシステム要件が記載されているため、ダウンロード前に使用中のパソコンやAdobe製品のバージョンが対応しているか確認しておきましょう。
PhotoshopやLightroomが動作しているからといって、必ずしもプラグインが対応しているとは限りません。掲載当時の案内にはAdobe Photoshop CS5(64ビット)からCC 2018までの記載がありましたが、Nik Collection 2018の更新版ではPhotoshop CC 2019とLightroom Classic CC 2019への対応も発表されています。
入力したメールアドレスに、Nik Collection 2018 by DxOのダウンロードリンクが記載されたメールが届きます。「WINDOWS」または「MAC」を選択すると、各OS用のインストーラーをダウンロードできます。
Windows版では、ダウンロードした「DxO_Nik_Collection.exe」を起動し、日本語の案内に従って「次へ」をクリックして進めます。初めて使う場合は「試す」を選択し、試用版をインストールします。Nik Collection 2018 by DxOのライセンスを購入済みの場合は、購入確認メールなどに記載されたライセンス認証コードを入力して認証を行います。
対応するPhotoshopとLightroom Classicがインストールされていれば、Nik Collectionのインストーラーから両方にプラグインを導入できる点も便利です。それぞれを個別にダウンロードしなくて済むため、普段から二つのソフトを使い分けている人にも扱いやすい構成です。
Adobe Lightroom版Nik Collectionの使用方法
HDR画像を生成するHDR Efex PRO2
HDR Efex Pro 2は、複数枚の露出違い写真を合成するだけでなく、1枚の写真にもHDR風の階調補正を施せるプラグインです。Lightroom Classicでは編集したい写真を選択し、[書き出し]から[HDR Efex Pro 2]を呼び出して使用します。
[HDR Efex Pro 2]を開くと、上の画像のような編集画面が表示されます。掲載したバージョンでは28種類のプリセットがあり、「デフォルト」や「バランス」は比較的自然な仕上がりです。一方、コントラストや質感を大きく変えるものもあるため、風景写真の雰囲気に合わせて選んでみましょう。
画面右側には効果を微調整するスライダーが並んでおり、明るさやコントラストなどはLightroomの現像モジュールに慣れていれば比較的簡単に操作できます。
特徴的なのが「トーン圧縮」という項目です。これは写真の明るい部分と暗い部分の階調を調整する機能で、一般的なコントラスト調整とは違った方法で明暗のバランスを整えられます。空の明るさを抑えつつ地上の風景を見せたい場合などに便利です。
「HDRメソッド」は、局所的なコントラストや質感の見え方に影響する項目です。雲の輪郭や建物のディテールをくっきり見せられる一方、強く適用するとざらつきや不自然な立体感が出ることもあるため、拡大表示で仕上がりを確認しながら調整するのがおすすめです。
Lightroom ClassicでHDR Efex Pro 2以外のプラグインを使う場合は、[写真]から[他のツールで編集]を選択します。Nik Collection 2018には、フィルム調の表現、色調補正、ノイズ除去、シャープネス調整、モノクロ変換、部分補正など、用途の異なる7種類のプラグインが収録されています。
ここからは、それぞれの特徴と実際に使って感じたことを紹介します。
フィルム調の写真に仕上げるAnalog Efex Pro2
Analog Efex Pro 2は、フィルムカメラや古いレンズで撮影したような色調、周辺減光、粒状感などを再現できるプラグインです。レトロな風合いやノスタルジックな雰囲気の写真に仕上げたいときに役立ちます。
作例に写っているセンサーダストのような斑点も、Analog Efex Pro 2で追加した演出です。プリセットや設定を変更すれば、汚れの種類を変えたり、効果を取り除いたりできます。
思い通りの写真に仕上げられるColor Efex Pro 4
Color Efex Pro 4は、コントラスト補正、ブリーチバイパス、ローキー、ハイキーなどの効果を手軽に加えられるプラグインです。さまざまなフィルターの中でも、個人的に印象的だったのが「偏光」の効果でした。
適用量などを調整すると、空の青さや水面の見え方が変化し、実際にC-PLフィルターを使ったような印象に近づけられます。
ただし、撮影時に物理的な偏光フィルターで取り除く反射と、画像編集で見た目を補正する処理は同じではありません。白飛びして情報が失われた反射を復元できるわけではありませんが、風景写真の青空を強調したい場合などには試す価値のある機能です。
高機能ノイズリダクション Dfine 2
Dfine 2は、高感度撮影で目立ちやすい輝度ノイズやカラーノイズを低減するプラグインで、私もよく使用しています。
実際にLightroomの標準ノイズ低減と比較したところ、条件によってはDfine 2の方が細部の輪郭を残しやすい印象を受けました。自動でノイズの特徴を分析して補正できますが、必要に応じてノイズを測定する範囲を手動で指定することもできます。
写真をシャープにするSharpener Pro 3 RAW Sharpener
RAW Sharpenerは、写真の輪郭や細部を強調するためのシャープネス調整ツールです。適用すると被写体がくっきりと見えることがありますが、撮影時のピンぼけそのものを直せるわけではありません。今回試した低感度の写真では、比較的自然にディテールを強調できました。
出力先が選択できるSharpener Pro 3 Output Sharpener
Output Sharpenerは、ディスプレイ表示やインクジェットプリンターでの印刷など、写真の出力先に合わせてシャープネスを調整できるツールです。RAW Sharpenerとは用途が異なり、こちらは編集後の最終的な仕上げに使います。私が試した設定では輪郭の強調がやや強く感じられたため、普段はあまり使用していません。
銀塩写真やモノクロ写真を生成するSilver Efex Pro 2
Silver Efex Pro 2は、デジタル写真を銀塩フィルムのような質感のモノクロ写真に仕上げられるプラグインです。掲載したバージョンでは38種類のプリセットが用意されており、明暗や粒状感を調整しながら好みの白黒表現を選べます。
部分的に階調補正ができるViveza 2
Viveza 2は、写真全体の色や明るさだけでなく、特定の範囲を選んで部分的に補正できるプラグインです。例えば、ポートレートの肌の色や、風景写真の一部分だけを自然に調整したいときに活用できます。
Adobe PhotoshopのNik Collection 使用方法
Photoshop版のNik Collectionは、Photoshopの[フィルター]メニュー内にある[Nik Collection]、またはインストール後に利用できるSelective Tool(選択ツール)から起動できます。使用したいプラグインを選ぶだけで、写真にさまざまなフィルターを適用できます。
各プラグインの基本的な補正機能はLightroom Classicから使う場合と共通していますが、Photoshopではレイヤー編集などと組み合わせやすいのが利点です。私自身も複数のフィルターを併用することが多いため、最終的な写真レタッチはPhotoshop版のNik Collectionで行っています。
今回は、Lightroom ClassicでRAW現像した写真をPhotoshopに送り、Nik Collectionで仕上げる流れを紹介します。
Adobe LightroomからPhotoshopにデータを送る
Lightroom Classicで色や階調を調整した写真を選択し、[他のツールで編集]から[Adobe Photoshop CC 2019で編集]をクリックすると、Photoshopで続けて編集できます。
Lightroom Classicだけでも写真編集を完結できますが、私はレイヤーを使った調整や最終的な仕上げをPhotoshopで行うことが多いため、この手順を使っています。
PhotoshopでNik CollectionのColor Efex4フィルターを適用する
今回使用したColor Efex Pro 4は、写真の色調や質感を変える多彩なフィルターを備えています。中でも「プロコントラスト」と「偏光」は使い勝手がよく、風景写真の階調や空の色を調整する際に役立ちました。
さらに、Color Efex Pro 4では一つの効果だけでなく、編集画面の[フィルタ追加]をクリックして複数のフィルターを重ねることができます。
こちらは、Color Efex Pro 4を使用して写真を編集した際の比較です。
左がフィルター適用前、右が「プロコントラスト」「偏光」「ディテール協調」を適用した写真です。
Lightroom標準のコントラスト調整では、設定によって色の濃さも変わって見えることがありますが、Color Efex Pro 4の「プロコントラスト」でダイナミックコントラストを調整した際は、私が確認した範囲では気になるほどの色の変化はありませんでした。
「偏光」も空や水面の色とコントラストを調整でき、C-PLフィルターで撮影した写真を思わせる仕上がりになります。ただし、実際に偏光フィルターで反射を除去する効果とは異なるため、自然に見える範囲で使うのがよいでしょう。
HDR Efex2でハイダイナミックレンジ画像を作成する
HDR Efex Pro 2は、明るい部分と暗い部分の階調を整えて、HDR写真のような見た目に仕上げられるプラグインです。露出の異なる複数枚の写真を合成するHDR処理に加え、1枚の写真にもトーンマッピングによるHDR風の表現を適用できます。
今回はPhotoshopで開いた写真を調整しています。雲や建物の陰影を強調したいときに便利ですが、強い効果をかけると不自然な質感にもなるため、写真の内容に合わせて調整することが大切です。
Viveza2で部分的な色補正をする
Viveza 2は、写真全体の色調補正に加えて、コントロールポイントを使った部分補正ができるプラグインです。空や建物など、色や明るさを変えたい場所にポイントを追加し、その周辺の補正を行います。
[コントロールポイントの追加]の隣にあるアイコンを選び、補正したい場所をクリックすると、右側のスライダーから明るさや色調を調整できます。
画面内の「コントロールポイント1 25%」の隣にある四角いチェック欄を選ぶと、補正の影響を受ける範囲が白く表示されます。選択した場所から離れた部分にも効果が及ぶことがあるため、仕上がりと適用範囲を確認しながら調整しましょう。
ノスタルジックな色調に補正するAnalog Efex2
Analog Efex Pro 2には、クラシックカメラやビンテージカメラなどのカテゴリがあり、色調や質感の異なる多くのプリセットが用意されています。私が普段使う効果は限られていますが、ノスタルジックな雰囲気を出したい写真には特に向いていると感じました。
Dfine 2で高感度ノイズを低減する
Dfine 2には、高感度撮影で発生するノイズを低減する機能が搭載されています。通常は自動プロファイルでノイズを分析しますが、補正が十分でない場合は測定方法を手動に切り替え、ノイズの目立つ領域を指定して調整できます。それでもざらつきが残るときは、[低減]のスライダーで効果を微調整してみましょう。
比較すると、Dfine 2の適用後はざらざらとした高感度ノイズが目立ちにくくなっています。Lightroomのノイズ低減と比べて輪郭が残りやすく見える場面もありましたが、補正を強くしすぎると細かなディテールやエッジまで失われるため、拡大表示で画質を確認することが重要です。
































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