ミラーレスカメラなどのカメラ本体の小型化でバッテリーまで小さくなり、長時間の撮影が難しくなったけど新品の純正バッテリーは値段が高い!そんな時に重宝するEDOGAWAとROWA Japan(ロワ・ジャパン)が販売しているNP-F970互換バッテリーのレビューです。
※2022年12月追記:ROWA JAPANのNP-F970互換バッテリーは販売が終了となっております。
記事内の目次
何故互換バッテリーを使うのか?
女性もターゲットにしたミラーレス一眼カメラやシネマカメラが人気となり、本体の小型化や軽量化によって誰でも気軽にカメラを扱えるようになりましたが、ファインダーや背面モニターの電子化によって消費電力が増えているけど、バッテリーも小型化してしまったので、一本当たりの連続撮影可能時間はだいぶ減ってきたようにも思えます。
何本も純正バッテリーを買い足して運用するのが一番安心でカメラ本体が保証対象外になる事もなく使う事ができるのですが、バッテリー1本あたりの単価がとにかく高いのです。
互換バッテリーを使い始めた当初は半信半疑で使っていたのもあって、カメラの電源を入れるのが不安になる事もありましたが、互換バッテリーをお使い初めてから5年も経過して、今は他人に勧めるほどの互換バッテリーヘビーユーザーです。
使用する機器の保証規定と個体差について
オススメではありますが、2点だけ確認していただきたい事があるのです。
まず互換バッテリーを使用するカメラや周辺機器の保証問題なのですが、保証が切れている場合はそもそも無償で修理をしてもらえるわけじゃないので使用しても大丈夫です。問題は保証期間内でカメラや周辺機器の保証規定で純正バッテリー以外を使用すると保証対象外とする事を明記している場合です。
保証は別にいいと思う方は大丈夫ですが、バッテリーに起因するトラブル以外の箇所で故障が発生しても保証されなくなる可能性があるので、保証を使いたい場合は互換バッテリーを購入しない方が良いです。
バレなきゃいいんでしょうけど。
もう一点が純正よりも多少使用時間が短くなる事と、個体差によって多少のばらつきがある事だけは覚悟して欲しい事。
ROWA JapanとEDOGAWAは日本国内に法人があって、ROWAは3ヶ月・EDOGAWAは6ヶ月の保証がつくので、その点で2社の互換バッテリーをオススメしているのですが、基本的にどのメーカーの互換バッテリーも使用可能時間、充電回数に多少の誤差は発生するので、必ず同じ品質になるとは限らないという点は気にしない方が良いです。
現在に至るまで、ROWA JAPANとEDOGAWAの他、ノーブランドの中華製互換バッテリーを使用してきましたが、すぐに使い物にならなくなったのはノーブランドぐらいで他は特にトラブルもなく使い続けております。
今まで互換バッテリーを使用してきた機器と対応バッテリーの型番
- Sony α7S・・・Sony NP-FW50
- Sony α5100・・・Sony NP-FW50
- Nikon D7500・・・Nikon EN-EL15a
- ATOMOS NINJA ASSASSIN・・・Sony NP-F570/770/970
- BlackMagic Design Pocket Cinema Camera 6K・・・内蔵:Canon LP-E6 外部電源:Sony NP-F970
ATOMOS製品とBlackMagic Design製品は元々互換バッテリーを使用しているのですが、Nikon D7500以外の純正内蔵バッテリーは消費電力に対してバッテリーの容量が小さかったため、純正バッテリーばかりを買い続けていると、それだけでかなりの金額が飛んでいっちゃいます。
この機種全てに互換バッテリーを使用しましたが、長持ちしなかった中華製NP-FW50互換バッテリー以外は、トラブルもなく現在まで使い続けてきました。(α5100本体は1年で売ったけど・・)
ROWAとEDOGAWAのNP-F970互換バッテリーのレビュー
NP-F970バッテリーの保護回路と安全性
Sony純正・ROWA JAPAN・EDOGAWAのNP-F970バッテリーを並べましたが、まず3つとも統一しているのは、過充電、過電流保護、過放電防止の保護回路が内蔵されているバッテリーである事。
Sony純正はともかく、ROWA JapanとEDOGAWAは日本国内に法人があるバッテリー販売会社なので、PSEやCEマークの認証を受けるために保護回路を内蔵しないで販売する事は難しく、出来たとしても消費者庁から表示と違う事についてダメ出しを食らうと思います。
ただし、7.2Vから12Vに昇圧して大電流を流したり消費電力が多い機器に使用していると過電流保護機能が裏目に出てしまう事があるのは注意して欲しい。
それが理由でSony純正のNP-Fバッテリーを使用禁止にしている映像機器メーカーも確認しています。
ノーブランド中華製には入っていませんでしたが、この3つのバッテリーには電気用品安全法で義務付けられているPSEマークの表示があり、EDOGAWAのバッテリーに関してはEUの法律で定められた安全性能基準を満たした製品である事が証明できるCEマークも表示されています。
日本国内で安全に使用できる電化製品には、全て「PSEマーク」を表示して販売する事を義務付けているため、この表示が無いバッテリーまたは第三者機関が検査をせずに不当に表示して販売した電気製品は全て違法となります。
NP-Fバッテリーに限らずカメラの内蔵バッテリーの多くは、+と-端子以外にもバッテリー内部の温度を監視するT端子という第3端子が取り付けられており、充電時に内部の温度を監視しながら充電量を制御して安全に使用できるような機能も備えられています。
しかし、ノーブランド中華製にはT端子が機能していなかったり、そもそも取り付けられていない製品も一部見受けられましたが、そちらの製品は認証マークを表示せずに販売している可能性もあるのではないかと思います。
定格電圧と容量
SonyのNP-F970バッテリーは7.2V 6300mAhですが、ROWA Japanは7.2V 6600mAh、EDOGAWAは7.4V 6600mAhの表示になっており、電圧については表示の違いなんだと思いますが、満充電後の電圧は7.8Vからスタートしています。(稀に8V超えスタートの時もある)
互換バッテリーは純正よりも多い容量を表示している例が多く見受けられますが、ほとんどの場合は純正よりも連続撮影可能時間が短くなるので、あてにならないのが今までの経験です。
EDOGAWA製はFits SON. NP-F960/F970という表記がありましたが、Fits SON.というのがブランドなのかメーカーなのかセルの製造会社なのか分からず・・。
ROWA JAPANは、ウェブサイトにCHINAとだけ表記されていますが、他のバッテリーはBAKとかBYDなどと表記されているので、きっとそんな感じのメーカーがあるのでしょう。
Sony純正はTaiyo Corporationとしっかり表記されている日本製です。値段は高いけど、その点はしっかりしているので安心ですよね。
本体の大きさの違い
多少の大きさの違いはありますが、取り付け自体はほとんど問題がありません。
しかし、バッテリー両サイドにある真ん中の窪みの位置や幅が若干違うのが問題で、個体差によりバッテリーのロックがかからず撮影中に落下するなんて事もあるようです。
EDOGAWAは少し大きめの窪みを作っているので、しっかりとロックがかかるのですが、ROWAは少し小さめに作ってあるので使用する機材のバッテリースロットによってはロックがかからないなんて事もあります。
3本中2本のロックがかかりませんでしたが、マイナス端子側の窪みを端子側にほんの少し削ってやったらしっかりとロックがかかるようになりました。
連続使用可能時間を比較してみました。
使い方としてはあまり良い例では無いと思うのですが、ANDYCINEのVマウントバッテリーアダプターにNeewerのNP-F Vマウントバッテリーアダプターを取り付けて、Sony AC-VQ1051Dで実用充電をしたROWAとEDOGAWAのNP-F970互換バッテリーを使用して連続撮影可能時間を計測。
撮影時を想定して14.8Vを出力するD-Tap端子からBMPCC6Kの12V端子(10.6V~20Vの範囲内で給電可)に接続し、USB 5VからZOOM H4nに給電しながら48Vのファンタム電源でマイクを駆動してバッテリーが切れるまでの時間を計測しました。
あまり声を大にして言えないんですが、このバッテリーアダプターは多分NP-Fバッテリー直列で接続しているんですよね・・。CE認証マークは入っていたけど。
バッテリーアダプターの電源を投入してからカメラの電源を投入してREC状態で時間を計測。
投入時の初期電圧はROWAとEDOGAWA共にNP-Fバッテリー2つの定格電圧より高い15.8Vからスタートし、すぐに15.7Vに下がりました。
そのまま回しっぱなしで3時間55分が経過した所でROWAの互換バッテリーは12.5Vを下回り、急激に電圧低下の速度が早まって4時間8分ほどでバッテリーが切れましたが、その一方でEDOGAWAのバッテリーが12.5Vを下回ったのが4時間12分となり、完全にバッテリーが切れたのが4時間33分を過ぎたぐらいでした。
ちなみにダミーバッテリーを使用してNP-Fバッテリーから7.2Vを入力すると、だいたい1時間30分~2時間ぐらいでバッテリーが切れますが、メーカーによる違いよりも個体差や充電回数による違いぐらいで、どちらとも大きな差はありませんでした。
使用期間が長い物では、購入から2年が経過しようとしているので、購入してすぐに使用できなくなったり極端に連続使用時間が短くなるような低品質なバッテリーは今の所一つもありません。
BMPCC6Kの12V給電は10.6Vから20Vまでの入力電圧に対応しているのですが、内蔵バッテリーは6.2Vから10V入力に対応しているらしいので、1本あたり5.3Vまで使える12V給電と1本で6.2Vまでしか使えない7.2V給電で最大30分ぐらいの差が出ちゃったんじゃないかな?と思います。
規定の範囲内であれば電圧が高い時よりも低い時の方がカメラ内部のDC-DCレギュレーターに負荷がかかりやすいようなので、バッテリーを多めに所持して早めのバッテリー交換を心がけたい所です。
今の所SmallRig NP-Fバッテリーアダプターの昇圧回路以外で、バッテリー本体やバッテリーに起因するカメラ本体のトラブルは発生していませんので、安価で保護回路も内蔵して安心して使用できるROWAとEDOGAWAのバッテリーは互換バッテリーに抵抗が無い方にお勧めします。
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