日本一の渡り鳥の越冬地として知られる宮城県登米市の伊豆沼で、マガンのねぐら立ちを観賞してきました。真冬の寒い朝に朝陽が昇ると同時に、伊豆沼から野鳥の群れが一斉に飛び立ち、空を覆い尽くす瞬間はとても感動的でした。
記事内の目次
渡り鳥の越冬地 伊豆沼で見られるマガンのねぐら立ち
伊豆沼の概要
宮城県登米市と栗原市にまたがる伊豆沼は、面積369ヘクタール、平均水深0.76メートルの沼地で、周辺地域の洪水調整や灌漑用水として利用されてきました。
夏には水面を覆い尽くすほどの蓮の花を見れる県内屈指の花の名所と知られ、最盛期を迎えた頃には蓮の花の縫うように行き交う湖上遊覧船から湖上の景色を眺める事が出来ます。
秋から冬にかけてはマガン、ヒシクイ、マガモ、オナガガモ、カルガモ、コガモ、キンクロハジロ、オオハクチョウ、コハクチョウなどが飛来する日本最大級の渡り鳥の越冬地としても知られており、「伊豆沼・内沼の鳥類およびその生息地」として国の天然記念物に指定、また国際的に重要な湿地を保全する「ラムサール条約」にも登録されました。
伊豆沼のマガンの塒立ち(ねぐらたち)
寒波の襲来で氷点下10度近い気温の中、深夜から車を走らせて伊豆沼に到着したのは早朝4時頃。
カメラを準備しているうちに徐々に空が明るくなり、凍結した伊豆沼の上で羽を休める野鳥たちの姿も見えるようになりました。
朝陽が昇り始めると同時に、水温が比較的高めの場所では蒸気霧が発生し、羽を休めていた野鳥たちも目を覚まし始めます。
太陽が姿を現わす直前にマガンが一斉に飛び立つ、塒立ち(ねぐらたち)が始まりましたが、気温が極端に低かったせいなのか、ほとんどの鳥たちが飛び立たないのか?と思えるぐらい小規模な飛び立ちでした。
インターネットの情報を頼りに訪れてみたので、この時点では一回飛び立って終わりなのかと勘違いしていたのです。
山から姿を現わした太陽に照らされて、完全に凍った水面が赤く輝き始めました。氷上を歩いて移動をしている野鳥たちも徐々に増えてきております。
一回目の塒立ちを見てから、約一時間ぐらい経過していたのでしょうか。マガンの大群が伊豆沼から一斉に飛び立つ感動の瞬間に巡り合う事が出来ました。
宮城県北の山々にこだまするマガンの鳴き声や響き渡る羽音、自然の中で生きる鳥の生命の響きを感じさせられるような感動的な瞬間です。
この光景は、環境省が選定している「残したい日本の音風景100選」にも選定され、登米、栗原地域の冬の風物詩として大切にされています。
飛び立ったマガンは北に向かう集団や近隣の田んぼに降り立つ集団に分れて、雪の中に埋もれている餌を探し始め、夕方頃になると再び伊豆沼に戻って朝まで羽を休めるのだそうです。
気温がほとんど上がらず、手がかじかんでしまうほどの寒い朝でしたが、一度は見てみたいと思っていた貴重な瞬間を目の当たりにする事が出来ました。
野鳥が飛び立つまで長い待ち時間がありますが、静かに待ち続ければこの光景を見る事が出来ますので、機会があったら是非訪れてみてはいかがでしょう。
伊豆沼 マガンの塒立ちの映像
【6K 自然音】 渡り鳥の越冬地 伊豆沼の朝焼けと冬の風景
朝焼け空を覆い尽くすマガンの塒立ち(ねぐらたち)と羽を休める野鳥を撮影した映像です。
外部レコーダーを使用した自然音と6K解像度で収録した映像ですので、大画面テレビ等でもお楽しみください。
伊豆沼 マガンの塒立ち 交通アクセス・時間・駐車場情報
所在地 | 〒989-5504 宮城県栗原市若柳上畑岡獅子ケ鼻11−1 |
時間 | 早朝6:00頃~8:00頃 |
入場料金 | 無料 |
駐車場 | 無し |
交通アクセス | 東北自動車道築館ICから車で9分 |
関連ウェブサイト | 栗原市観光ポータルサイト ぎゅぎゅっとくりはら 宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター |
この記事へのコメントはありません。