Adobe LightroomやPhotoshopなどのRAW現像ソフトで基本的な操作となる基本補正の階調の調整方法、意外とわかりにくい 白レベルや黒レベル・ハイライトとシャドウの違いと操作方法、バージョン4と白とび軽減のあったバージョン2での違いを解説します。
記事内の目次
はじめに~階調の操作~
前回の記事でホワイトバランスや露光量・コントラストなどの違いを紹介いたしましたが、操作した時の動き方が似ていてわかりにくかったり、写真の明るさによって全く動きが違かったりしてイマイチつかみどころの見えない、白レベルや黒レベル・シャドウとハイライトの違いを解説いたします。
イマイチわかりにくい調整項目ですが、Lightroom3あたりまでは上の画像の右側のようなパネルになっていて、左から黒レベル・補助光効果・露光量・白とび軽減の順番に並んでいて、現在とは全く違う操作でした。
また、現在のバージョンでは消滅している明るさという項目もあり、これは露光量とは別の調整範囲で、バージョン4のハイライトと同じような役目を果たしてるのではないかと思います。
この操作パネルは、RAW現像モジュール一番下のキャリブレーションという項目の処理を、バージョン4(最新)からバージョン2(2010)に変更する事で呼び出せます。
現在のほとんどのカメラマンに馴染みがあるのはバージョン3以降のパネルで、バージョン2では4つの項目で操作していた所をバージョン3(2012)・バージョン4(最新)では5つの項目で操作できるようになり、左から黒レベル・シャドウ・露光量・ハイライト・白レベルに名称を変えています。
上の2つのバージョンで違う点は、バージョン4(最新)で白レベルのスライダーを右側に動かして明るさの最大値が高くなりますが、バージョン2(2010)では白とび軽減のスライダーを右側に操作すると明るさの最大値が低くなるようになり、黒レベルも全く逆の操作で、右側にスライダーを動かす事によって暗部が暗くなっていきます。
本来であれば、上のヒストグラムの枠で囲った部分が調整されると思っていて良いのですが、なぜ広範囲で動くのかというのを以下の項目で説明します。
階調の範囲と半径について
上の画像は松島基地のブルーインパルス基地上空訓練の写真ですが、Photoshopの色調補正 シャドウ・ハイライトを呼び出して編集したもので、写真の下半分が元画像です。
Photoshopではシャドウの量を増やす事で明るくなり、ハイライトの量を増やす事によって暗くなっていきますが、これとLightroomの階調操作パネルとどう関係しているのか?って話が重要な所です。
Lightroomで階調の操作をすると、その部分だけではなく広範囲にわたって動いてしまうので、一見すると全体を操作していると思いがちですが、実際にコントロールしているのはLightroomのヒストグラムで色付きの枠で囲った部分だけだと思っていて下さい。
ここで違うのは、Photoshopではシャドウ・ハイライトにある階調という項目で、この数値を上げていくと枠内を超えた広い範囲をコントロールできるようになります。
Lightroomでは、階調の調整機能が省かれているのではなく、操作した範囲の境目が滑らかな繋がりになるように、自動的に階調の幅や半径をコントロールしているのでしょう。
ちなみに、Lightroomで過度なレタッチを行った時に見られる下の画像のようなディテールのある部分の周囲が黒ずんだり白っぽくなったりする現象も、Photoshopの色調補正でシャドウ・ハイライトの階調や半径を操作した場合に出現させないように調整をする事もできます。
まとめ
わかりにくかった階調の操作方法でしたが、現在のバージョン4(最新)ではなく昔のバージョン2(2010)以前の操作パネルに当てはめてみて、階調と半径を自動調整している事が何となく分かってきました。
操作の仕方によって写真の色調がガラッと変わる調整項目という認識もありますが、本来は白トビや黒つぶれの抑制のための機能であったと、認識していただければ良いと思います。
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