2019年(令和元年)10月12日から13日にかけて、台風19号がもたらした記録的な豪雨により、関東地方から東北地方の広い範囲で河川の氾濫や住宅の浸水被害が発生しました。被災から約1週間が経過した現在も、水が引かない地域や、泥の撤去、家財道具の片付けなどの復旧作業に追われている地域が数多くあります。
宮城県大崎市でも災害ボランティアセンターが設置され、被災した住宅の片付けや泥出しなどの復旧活動が進められています。しかし、鹿島台地域でのボランティア活動中に聞いた話では、当時作業に着手できる場所は被災地域の3分の1程度にとどまり、残りの地域では浸水が続いている状況でした。
復旧にはまだ長い時間と多くの人手が必要になりそうですが、実際に大崎市鹿島台で災害ボランティア活動に参加した際、現地の方々から教えていただいたことや、自分自身が気付いた注意点もありました。
この記事では、2019年の台風19号による大崎市鹿島台の浸水被害と災害ボランティア活動について、現地の状況を記録した写真とともに、活動時の服装や持ち物、泥出し作業、家財道具の搬出などで注意したいことをまとめています。大崎市だけでなく、各地の水害被災地で復旧支援に参加される方々の参考になれば幸いです。
ボランティアセンターについて
台風19号によって大きな被害を受けた地域では、被災者の生活再建を支援するため、災害ボランティアセンターが設置され、泥のかき出しや水に浸かった家財道具の搬出、住宅の清掃などを手伝うボランティアを募集しています。
災害ボランティアセンターの開設は、ボランティアを受け入れるための体制や被災者からの支援依頼を整理する仕組みが整ってきたことを示しています。ただし、センターが開設されていても、被災地域のすべてで復旧作業ができるとは限りません。
特に被災直後は、消防や自衛隊などによる人命救助、道路の確保、排水作業などが優先される地域もあります。ボランティアの受け入れ状況を確認せずに現地へ向かうと、交通渋滞や路上駐車などによって緊急車両や復旧作業の妨げになる可能性があります。
そのため、災害ボランティアに参加する際は、事前に受け入れ状況を確認し、指定されたボランティアセンターで受付を済ませてから、現地での活動場所や作業内容について指示を受けることが大切です。また、活動中の事故や怪我に備え、ボランティア活動保険にも加入しておきましょう。保険は現地で加入できる場合もありますが、事前に手続きを済ませられる場合は、その方が受付もスムーズになります。
一方、被災地域によってはボランティアの申し込みや問い合わせが集中し、受付業務が混雑しているところもあります。TwitterやFacebookなどで個人が発信している情報は参考になりますが、実際の受付状況や活動条件と食い違っている場合もあるため、必ずボランティアセンターを運営する社会福祉協議会や自治体の公式ホームページ、SNSなどで確認するようにしてください。
特に「知人から聞いた」「現地の人から教えてもらった」といった情報は、発信された時点と現在の状況が異なっている可能性もあります。災害現場の状況は刻々と変化するため、古い情報をそのまま信用せず、できるだけ正確な情報を確認することが重要です。
2019年10月18日時点では、丸森町でも個人からの問い合わせが集中し、個別の対応が難しい状況にあるとの案内が出されていました。
丸森町災害ボランティアセンター Facebookページ
https://www.facebook.com/marumori.volunteer/
丸森町災害ボランティアセンター Twitterアカウント
https://twitter.com/marumorivolunt1
ボランティア活動時の服装や装備について
台風19号による水害の被災地では、住宅内に流れ込んだ泥のかき出しや、水に浸かった家具・畳などの搬出が主な作業になります。泥水や粉塵に触れる機会も多く、釘や割れたガラスなどによる怪我の危険もあるため、災害ボランティアに参加する際は服装や持ち物を十分に準備しておく必要があります。
実際に鹿島台地域で活動した際に必要だと感じた装備や、注意したいことをまとめました。
- 服装は動きやすい作業着でも構いませんが、泥のかき出しや濡れた家財道具の運搬など、水や汚れに触れる作業が多いため、長袖・長ズボンを基本に、必要に応じて耐水性のある衣類や雨合羽などを着用すると良いでしょう。肌の露出を減らすことは、怪我や汚れの付着を防ぐことにもつながります。
- 浸水した住宅や道路では足元がぬかるんでいる場所が多いため、長靴は必要です。ただし、瓦礫や木材に釘が残っている可能性もあるので、靴底が丈夫で、できれば踏み抜き防止用の中敷きが入った長靴を用意しておくと安心です。
- 手袋は、一般的な軍手だけでは泥水が染み込んでしまうため、厚手で耐水性のあるゴム手袋が適しています。現地では油が漏れ出したような痕跡も見られたので、油分に触れる可能性がある作業では、耐油性のある手袋を使用した方が良いかもしれません。また、鋭利な物を扱う際は耐切創性にも注意が必要です。
- 泥が乾燥した道路では砂ぼこりや粉塵が舞い上がっており、汚泥に由来する汚染物質を吸い込む危険もあります。泥出し作業や清掃を行う際は、粉塵への対応を考えた防塵マスクやゴーグルを着用し、目や呼吸器を保護するようにしましょう。
- 水分や塩飴、タオルなどの小物は、ウエストポーチや背負い式のリュックサックなどに入れて持ち運ぶと便利です。作業中は両手を使う場面が多いため、手提げバッグでは地面に置かなければならないこともあります。泥や水で汚れた路上に荷物を放置しないためにも、両手が自由になるものを選んだ方が良いでしょう。
- 浸水した住宅には釘が飛び出した家具や、ささくれた木材、割れたガラスなどが残っている場合があります。万が一の怪我に備えて応急手当用品を持参し、作業中に傷を負った場合は無理をせず、必要に応じて医療機関を受診してください。
- 飲料水は必ず持参しましょう。水を用意しておけば、泥で汚れた手を綺麗に洗いたい場合や、目に異物が入った際の応急的な洗浄にも利用できます。ただし、飲用と洗浄用はできれば分けて準備し、水分補給には必要に応じてスポーツドリンクなども活用してください。作業中はこまめな休憩と水分補給を心掛けることも大切です。
- このほか、食事や着替え、タオル、健康保険証なども必要に応じて準備しましょう。実際に必要な装備は被災状況や作業内容によって異なるため、ボランティアセンターのホームページや受付時の案内を確認してから活動に参加してください。
ボランティア作業時について
災害ボランティアの活動内容は、住宅の浸水状況や被災者の要望によって大きく異なります。実際に現地で作業を行ってみると、事前の準備だけでなく、被災された方々や一緒に活動するボランティアとのコミュニケーションも重要だと感じました。
- 鹿島台地域では、水が引いて安全に作業できるようになった場所から順次復旧活動が進められているようでした。浸水が続いている場所には入れないため、活動できる範囲や作業内容は日々変化します。現地では自己判断で行動せず、ボランティアセンターや現場責任者の指示に従うことが大切です。
- 被災地域では複数人のチームで作業を行うことが多いため、参加者同士で声を掛け合い、どこに人手が必要なのか、どの作業を優先するのかを共有しておくと効率的です。重量のある家具を無理に一人で運ばないことや、疲労を感じた場合は休憩を取ることなど、安全面にも気を配りながら協力して作業を進めましょう。
- 家財道具の運び出しや泥のかき出しは、必ずその家の方に確認しながら行うようにしてください。特に家具や家電、写真、思い出の品などを処分する際は、見た目が汚れていても本人にとって大切な物である可能性があります。ボランティアの判断だけで廃棄したり移動したりせず、一つ一つ確認しながら丁寧に扱うことが重要です。
- 被災地域では、住宅や家財道具だけでなく、住民の方々も大きな精神的負担を抱えています。被災された方によって置かれている状況や気持ちは異なり、何をしてほしいのかをうまく伝えられない場合もあると思います。作業を急ぐあまり一方的に話を進めるのではなく、相手の気持ちに寄り添いながら話を聞き、必要な支援を一緒に確認する姿勢が大切だと感じました。
大崎市のボランティア活動
宮城県大崎市では、台風19号による浸水被害を受けた住民の生活再建を支援するため、鹿島台地域と鹿島台以外の地域で災害ボランティアの受付を行っています。
鹿島台地域は鎌田記念ホールに設置された「大崎市鹿島台地域ボランティアセンター」で受付を行い、鹿島台以外の地域については、大崎市古川南町にある「大崎市歯科医師会 口腔保健センター」の災害ボランティアセンター本部で受付を行っています。
大崎市社会福祉協議会による2019年10月18日時点の案内では、鹿島台地域のボランティア受付時間は9時から11時まで、活動時間は9時から15時までとなっています。現地ではまだ多くの人手が必要とされていましたが、被災者からの依頼件数や作業状況によっては、受付を早めに終了したり、活動できない場合もあります。
復旧活動の進捗によって受付時間や活動条件が変更される可能性もあるため、参加を希望する方は大崎市社会福祉協議会や大崎市公式ウェブサイトなどで事前に確認してください。
関連ウェブサイト:大崎市社会福祉協議会ホームページ
ボランティアセンターでは、参加者の受付やボランティア活動保険の加入手続き、作業場所の割り当て、活動時の注意事項などについて案内が行われます。

実際に鹿島台の被災地域を訪れると、台風19号による浸水被害の大きさを改めて実感しました。現地で聞いた話では、当時ボランティアによる作業が可能な場所は被災地域の3分の1程度で、残りの3分の2ほどでは水が引かず、復旧作業に着手することも難しい状況とのことでした。
水が引いた場所から順次作業が進められているものの、住宅内に流れ込んだ泥の撤去や家財道具の搬出など、生活を元に戻すためには膨大な作業が必要です。大崎市鹿島台の災害ボランティア活動は、まだ始まったばかりという印象を受けました。
通行可能になった道路の脇には、水に浸かって処分することになった家具や家電などの災害ごみが積み上げられ、車が1台通るのがやっとという場所も数多くありました。
被災者の役に立ちたいという気持ちから、個人的に現地へ向かう方もいると思います。しかし、通行できる道路が限られているうえ、路上では重機を使った復旧作業も行われており、車両が通るたびに作業を中断しなければならない場所もありました。
そのような状況で、ボランティア参加者が個別に車で現地へ向かってしまうと、路上駐車や車両の集中によって復旧作業の妨げになる可能性があります。善意で参加した活動が、かえって被災地の負担になってしまわないよう、必ずボランティアセンターで受付を済ませ、指定された場所で活動するようにしましょう。
また、被災地での作業は体力的な負担も大きく、普段とは異なる環境で行うことになります。無理をせず、自分自身の安全を確保しながら、被災された方々の生活再建につながる活動を心掛けたいと思います。
今後もできる限り復旧作業のお手伝いを続けていきたいと考えていますので、活動を通じて新たに気付いたことがあれば、この記事にも追記していきます。
最後に、大崎市鹿島台の被災状況や災害ボランティア活動について、2019年10月18日に現地の様子を発信していたTwitterの投稿を紹介します。当時の復旧活動やボランティアの参加状況を知るための参考になると思います。
9:00〜大崎市災害ボランティアセンター・サブセンター(鎌田記念ホール敷地内)に。
本日18日は、3チーム5名体制の計15名で、鈴掛地区・上志田地区で作業を行う事に。ありがとうございます。
明日はあいにくの雨予報のためお休み。週末ボランティアを予定されていた皆様、是非20日(日)にお願い致します! pic.twitter.com/eyTCQRde8i— 佐藤弘樹 宮城県大崎市議会議員 (@casket_sato) October 18, 2019
宮城県大崎市鹿島台で台風19号被害のボランティアセンター。
昨日の倍の人数が集まりました。
ありがとうございます。
お近くの方、来れる方、どうぞよろしくお願いします。
090-4270-8170 pic.twitter.com/Rep4H5aR2T— のぶ (@nobumi_t) October 18, 2019








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