世界からも注目される日本三大桜名所、青森県弘前市の弘前公園(弘前城)の桜です。
東北有数のお花見スポットとして全国からも観光客が訪れる弘前公園では、49.2万ヘクタールの敷地内に約2600本ものソメイヨシノを中心とした桜が咲き、その美しさは日本一とも賞賛される程。期間中は夜桜のライトアップも行われ、幻想的で美しい絶景を観賞できます。
記事内の目次
弘前公園 弘前城の歴史
東北地方有数の桜名所として知られている青森県弘前市の弘前公園、弘前城が作られる前には元々鷹岡城と呼ばれる今よりも大きな城がありました。
時代は遡り慶長の時代である1603年から陸奥国弘前藩初代藩主 津軽為信が鷹岡城の築城を開始しましたが、京都で為信が死去となった事に伴い一時築城は中断されてしまいます。
その後2代目藩主となった信牧が1609年に築城を再開すると、弘前城の前身となる5層6階の鷹岡城がわずか1年1ヶ月という短い期間でほぼ完成する事ができましたが、1627年に発生した落雷によって天守内部に保管してあった火薬に引火すると共に大爆発を起こしてしまい、天守は焼失してしまいました。
鷹岡城が現在の弘前城という名称に改められたのは焼失のあった翌年である1628年の事で、天守が存在しない状態での改称と共に土地の旧名であった高岡から弘前に改称されたのはこの頃であったそうです。
その後200年間は天守の存在しない城となりましたが、弘前藩から天守新造を願い出ても幕府から許可が得られなかったためであったと言われており、現存している3層の天守は弘前藩第9代藩主津軽寧親の代である1810年に築かれました。
1871年には大日本帝国陸軍の東北鎮台の分営が置かれましたが、1873年に仙台鎮台と改称した際に弘前の分営を廃止、後の廃城令発布により本丸御殿や武芸所等が取り壊されてしまう事になってしまいますが、1894年に旧藩主の津軽氏が城跡を市民公園として一般開放する事を目的に、城地の貸与を願い出て許可されたのが弘前公園の始まりになります。
弘前公園が桜の名所と呼ばれるようになったのはその後の事で、市民に一般開放してから8年後の1903年に、弘前市が管理を引き継いで桜の木が公園内に植えられた事が始まりとなり、1918年には第1回の観桜会を開催すると、それから100年以上が経過した現在では国内外から毎年200万人が訪れる日本一とも呼ばれる桜の名所として多くの人々に知れ渡るようになりました。
現在の弘前城本丸は2015年から始まった内濠の石垣修理のために約70メートル程内側に移動していますが、この石垣の修理には約10年ぐらいかかると見込まれており、弘前市では少しでも早く戻すことができないか検討を進めているそうです。
弘前公園の美しさと、その理由
弘前公園の桜が植えられたのが今から100年以上も昔である1903年が始まりとなっていますが、一般的にはソメイヨシノの寿命は60年ほどとも言われ、この地に咲く桜に関しても寿命はとっくに過ぎているとも言われています。
しかし、衰えを見せる事も無く毎年豪快な花付きで訪れる人々を魅了してくれているのには理由があり、ここに咲く桜を守り育て続けている桜守の存在があります。
日本には「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉が存在し、これはサクラの枝を切ることとウメの枝を切らないことは愚かなことだという比喩表現とも言われていますが、弘前公園の管理事務所職員が昭和30年頃に枝ではなく幹を切ってしまった事があったのだそうです。
当時はすごく怒られたらしいのですが、切ってしまった方の実家が青森県の名産品でもあるリンゴの農家であった事もあり、リンゴの剪定技術を応用すれば大丈夫だろうという考えがあったそうですが、その翌年から切った部分から新しい枝が伸び始め、元気な枝を残して間引いていくような剪定方法を続けていると、いくつもの花を付ける美しい桜に成長していきました。
この活動は現在も毎年のように行われており、日本一とも称される弘前公園の桜は桜守によって伝統的に守られ続けているのです。
弘前公園の見どころ
広大な敷地面積を有する弘前公園には、外濠・内濠・中濠・西濠・蓮池濠など、弘前城を囲むように数多くの濠があり、その両岸にはたくさんの桜の木が植樹されています。
公園内全体では約2600本の桜が植えられていて、毎年4月下旬にはソメイヨシノを中心とした50種類のさくらが咲き誇ります。
桜並木が美しい外濠の風景
西濠を抜いた弘前城の外周、三の丸と四の丸を囲んでいる外濠は、堀の上に覆いかぶさるように枝を伸ばす桜が見どころとなっている名所です。
水の流れが元々弱いため、風が無ければ水面に反射して逆さまに映り込む様子も見る事の出来る水路で、散った花びらが水路上に溜まってピンク色の絨毯を敷き詰めたような絶景を見る事が出来るのもこちらです!
ボートにも乗れる西濠の桜
「桜のトンネル」とも呼ばれる西濠は、元々岩木川の支流を引き込んだ水路となっていたのですが、現在は切り離されて岩木川とは独立している濠になったそうです。
さくらまつりの開催期間中は、親子・ご夫婦・カップル・お友達同士などと共に水上からも弘前の美しい桜を眺める事が出来るボートの有料貸し出しも行っています。
料金は、大人小人共通で60分 1,000円で定員は3名です。
弘前公園に架けられた橋
弘前城天守の周囲を濠で取り囲んでいる弘前公園には、人の往来が出来るようにと橋が架けられています。
この橋は津軽氏が居城している間も使われていた橋で、4代藩主信政が1670年に母の屋敷があった北の郭と天守を行き来するために架けられ、戦が起こると壊したり焼き払ったりする事で敵の侵入を防ぐ役目も果たしていたそうです。
夜桜も美しい弘前さくらまつりのライトアップ
さくらまつり開催期間中は連日18:30~22:00の時間でライトアップが行われ、日中には見れなかった幻想的な夜桜を楽しめます。
訪れる時期によっては濠に落ちた桜の花びらがピンク色に照らし出される「花筏」が見れる事もあり、一度だけではなく何度も見ごろを迎える様々なシーンがあるのも弘前公園が桜名所となっている特徴的な部分の一つです。
弘前公園の桜は、日本の春の風景の代表格と言っても過言ではない程の美しさがあり、一度訪れてしまうと現実に戻れなくなってしまいそうな夢の世界にいるのかと錯覚してしまいそうな程の魅力も感じられます。
満開に咲いた桜の景色や、濠に落ちた花びらが作り出すピンク色の絨毯のような「花筏」、そして幻想的な光で照らし出される夜桜のライトアップなど、弘前公園でしか味わう事のできない光景は、動画でも撮影をいたしましたので、この記事でも公開しているYoutube動画でもお楽しみ下さい!
弘前公園の桜 関連動画
[8K]HIROSAKI 日本一の春の絶景 弘前公園の美しい桜 Amazing Cherry Blossoms View at Hirosaki Park, Aomori Japan
[4K]日本の春の風景 満開の桜が美しい弘前公園の桜
2016年の見頃となった日に撮影した動画です。青空の下で満開となった桜が見れて、夜には少々散り始めたおかげで濠に花びらが落ち、とても綺麗でした。
これ以上の映像は撮れないような気もします・・・。
まるで桜の絨毯!弘前公園の花筏
2013年の弘前公園は桜が散り、桜の絨毯のような「花筏」を見る事ができました。
弘前公園 交通アクセス・時間・駐車場情報
所在地 | 東北地方/青森県弘前市下白銀町1-1 |
期間 | 弘前さくらまつり 2019年4月20日(土)~5月6日(月) |
時間 | 24時間(ライトアップ18:30~22:00) |
駐車場 | 弘前市役所 普通車 1時間無料 以後30分毎100円 1泊540円 市立観光館 普通車 1時間無料 以後30分毎100円 1泊540円 弘前文化センター 1時間無料 以後30分毎100円 1泊540円 津軽藩ねぶた村 1回1000円(通常1時間200円 以後30分毎100円) 富士見橋 無料 岩木橋 無料 |
交通アクセス | 奥羽本線,五能線,弘南鉄道弘南線 弘前駅下車 徒歩30分 タクシー10分 弘前市内循環100円バス 市役所前 下車 徒歩4分 東北自動車道 大鰐ICから車で約25分 |
マップコード | 71 071 545*78 |
関連ウェブサイト | 弘前公園 |
弘前さくらまつり公式駐車場だけではなく、民間で運営する駐車場もあります。割高になってしまいますが、時間が無駄になるのが嫌な方はそちらに止めるのも良いでしょう。
早朝に到着していれば大丈夫ですが、観光客やツアー客が沢山訪れる時間になると弘前公園周辺は大変混雑します。
時間に余裕をもってお出かけするのが良いでしょう。
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